「珍右翼が巣くう会」高世仁に悪口する(2025年2/25日分)

ロシア全面侵攻3年によせて - 高世仁のジャーナルな日々

 ロシアには停戦を急ぐ理由がない。

 勿論そんなことはないでしょう。
 「既に3年に及ぶ戦争」はロシアも「可能ならすぐに終わらせたい」でしょう(これはウクライナや、ウクライナを支援する欧米諸国の方も同じでしょうが)。
 ウクライナにしても「ロシア軍の占領地からの撤退」等、自らの希望が実現するなら停戦に反対はしないでしょう。
 問題は「ロシア有利にトランプが話を進める恐れがあること」です。

 ロシア兵の死者数はウクライナ側の数倍に及ぶが、モスクワやサンクトペテルブルクなどの都市部では戦争の影を感じないで暮らすことができる。前線で死んでいく多くの兵士は都会ではなく貧しい辺境の地や囚人から徴集されている。(ボーガス注:強権的対応で)政府への異論は完全に封じられ、プーチン体制はとりあえず磐石である。

 それはロシアにとって「(ロシアに不利な停戦条件を受け入れず)継戦しようとすれば一応可能である」と言う話であって、「停戦しなくていい」と言う話とは違う。

 そもそもロシアの目的は領土や資源の獲得ではない。全面侵攻開始にあたってプーチン氏は「ウクライナの領土の占領は計画にない」としていた。

 戦争当初は「ゼレンスキー政権の打倒」を確かに掲げていたでしょう。そして「ゼレンスキー政権打倒」が短期間に実現すれば「ロシア軍がウクライナに駐留する」にしても「ゼレンスキー政権復権を阻止するための暫定的措置」であって、それはプーチンにとっては「領土の占領」「領土や資源の獲得」ではないのかもしれない。
 しかし、「戦争が3年にも及んでも、ロシアが首都キーウ陥落を果たせない」今、「ゼレンスキー政権打倒」は可能なのか。
 どう見ても無理でしょう。
 現在は「ゼレンスキー政権の打倒」はプーチンの面子から「明確な形で撤回されてない」ものの、事実上取り下げられ「領土(現在、ロシア軍が支配してる土地)や資源の獲得でもOK(とにかくロシアの国益になればOK)」になったのではないか。

 NATOの東進やウクライナにおけるロシア系住民の「ジェノサイド」を阻止するためでもない。当時ウクライナNATOに加盟する現実的可能性はなく、侵攻後にフィンランドスウェーデンNATOに新たに加盟してもロシアが強い反応は見せることはなかった。「ジェノサイド」とのロシアの主張は、侵攻前、東部の紛争地での民間人の犠牲者は国連によると過去最低で、大量虐殺の事実はないと否定されている。

 ジェノサイド云々はともかく、「NATOへのウクライナ参加阻止」が「戦争目的ではない」という高世の主張根拠は弱いですね(勿論「NATO参加阻止」が侵攻の正当な理由にならないことは言うまでもないですが)。
 当時「参加可能性はなく」とまで言えるかは疑問です。ウクライナは参加を希望していたし、そうした主張に対し「理解を示す動き」もNATO内にあった。
 フィンランドスウェーデンは「ウクライナとは別の国」なので当然ながら「旧ソ連の一部でロシアと関係が深いウクライナの加盟は許さない。しかし他国なら容認する」という可能性は十分あるでしょう。
 というか、高世の言う「属国化」の一部が「NATOへのウクライナ参加阻止」ではないのか。
 なお、以前も書きましたが、俺個人は「ウクライナ戦争が続く限り、ロシアはウクライナ以外の他国に侵攻する事は不可能(ロシアの国力的にそんな余裕はない)」なので「ロシアの侵攻阻止」と言う意味でなら、スウェーデン等にはNATO加盟する必要はなかったと思うし、軍事同盟(NATOに限らない)に否定的な俺としてはスウェーデン等のNATO加盟を残念に思っています。
 実際のNATO加盟理由は「侵攻阻止」よりは「NATOに加盟し、NATOの一員としてウクライナ支援等に乗り出すことが国益に資する」という判断でしょう。しかし、そうした「国益評価」よりは「侵攻阻止」の方が「支持されやすい」と思って、政府がそちらを前面に出しただけでしょう。

 この侵略の目的は、「ウクライナはロシアの一部」(プーチン氏)との主張のもと、ウクライナを「属国化」することである。従って、ウクライナの将来の安全を確実に保証しなければ、ロシアは「属国化」という目標の達成をめざして再侵略する可能性がきわめて高い。

 高世の言う「ウクライナの将来の安全を確実に保証」が「ウクライナNATO加盟」か、何を意味するのか不明ですが、高世の言う「確実な保証」がなくても、果たしてロシアに「再侵略」などする余裕があるかどうか。
 仮にロシア有利の「停戦」となったとしても「ウクライナ領土の一部割譲とNATO加盟阻止」を成果として、プーチンが戦争を正当化した上で、「軍事的威圧(とはいえ再侵攻はさすがにしない)」で自らの要求をできる限り、ウクライナに飲ませるのが「関の山」ではないか。

 ウクライナを属国化しようとするロシアのプーチン氏とロシアからの独立を守りたいウクライナには埋めがたい溝がある。

 埋めがたい溝はあるでしょうが、もはや「属国化」など不可能であり、少なくとも「溝」は高世が言うようなことではないでしょう。
 私見では「埋めがたい溝」とは
1)NATO加盟(ウクライナが希望しロシアが反対)
2)占領地の扱い(ウクライナはロシア軍全面撤退を希望し、ロシアが反対)
3)「プーチン訴追」など、ICC訴追の扱い(ウクライナは全面実施を希望しロシアは反対)
でしょう。