【主張】朝鮮戦争60年・北は今も「好戦国家」だ・脅威に対し日韓提携が重要

 都合の良いときだけ日韓提携とか言うなと思います。「外国人参政権を認めたら韓国人が(以下略)」「対馬が危ない」等とデマ記事まで書いて韓国を侵略国家、危ない国家扱いした癖に。

戦争は南北双方および国際社会に甚大な被害をもたらし、朝鮮半島の南北分断と対立を固定化させた。

前半はともかく後半の文章はアホかと。金大中氏や盧武鉉氏が融和外交で「南北分断と対立」を解消しようとすると軟弱呼ばわりしてきたのはどこの誰なんだ、産経。

朝鮮戦争以来、北朝鮮は国際的な「悪の枢軸」の一角である。

 「悪の枢軸」などと言い出したのはブッシュでそれ以前は「悪の枢軸」などとは誰も言ってはいませんでした。そもそも独裁国家(ないし独裁的な国家)*1と言うだけで国の性格が違うし、同盟を結んでるわけでもないのに北朝鮮もイランもミャンマーも一緒くたにするような考えは無茶苦茶です。

朝鮮戦争北朝鮮の創業者とされる金日成(1994年死亡)が、韓国併合を狙って引き起こした武力統一戦争だった。

 「とされる」ってどういう意味?。創業者ではないと言いたいのか?。そうであるならば、それは何故?

日本に助けられた韓国

 朝鮮戦争で米軍の兵站を担当したのは日本だから感謝しろとでも言いたいようです。何という言いぐさでしょうか。

「日本が朝鮮を植民地支配しなければ朝鮮(韓国)は統一国家としてやっていけたのではないか。民族分断の悲劇はなかったのではないか」
「日本が韓国を支援したのは自国の国益のためで慈善事業ではない」
と反論すれば充分でしょう。

朝鮮半島全体の共産化はもちろん「その次は日本」を目標にしていた。

 それはどうでしょう?。ソ連が日本に軍事侵攻する意思などあったか疑問です。

米国が国連軍として直ちに韓国防衛に馳せ参じたのも日本の安全保障を重視したからだ。

 いや日本の安全保障以前に、朝鮮半島が共産化すること自体が米国の国益に反すると思いますが。

 朝鮮戦争を機に自衛隊の母体となった警察予備隊が創設された。日米安保条約が調印され、破壊活動防止法も公布された。

 保守派でも批判する人間が多い破防法を評価するとは産経の極右ぶりは半端ないですな(絶句)。
 ちなみに皮肉にも破防法が最初に適用されたのは三無事件という極右のクーデター未遂事件のようです。法律自体は対象を左翼過激派に限定していませんから。

 在日米軍は今も国連軍を兼ねている。

 だから何なのですか?。あの「国連軍」は明らかに国連憲章が想定しているタイプの国連軍ではない(国連がきちんとコントロールしているわけではなく事実上、ただの米軍)のですが?

 北の脅威の下では、自由と民主主義という国家・体制の理念を共にする日韓の国益は、基本のところで一致する。そしていつでも協力し合える。

 最初にも書きましたが、だったら、韓国叩き記事を書くなと。

 韓国では、国民に食べ物さえ十分に与えられない北の軍事独裁政権を、「同じ民族」を理由に擁護したり、支援したりする動きがある。民族主義的な左翼・親北勢力だが、「民族」や「民衆」の名でそうした政権を否定することこそが、同胞を愛する本当の民族主義ではないだろうか。

・擁護と支援では大分違うと思いますが?。支援も「国連経由の人道的な食糧支援」と「太陽政策的な本格的な経済交流」では大分違います。産経的には北叩き以外は皆一緒なんでしょうが。
・それと「同じ民族」を理由に擁護って、保守マスコミが、日系のアルベルト・フジモリ氏(職権濫用の疑いがある)に対してやっていた事とか、「戦前賛美」とかがそれにあたるんじゃないんですか?。いつもの産経ブーメラン。

 北朝鮮金日成金正日政権は同族殺戮の戦争だった朝鮮戦争について、いまだ「反省」も「謝罪」もしていない。

 今日の「お前が言うな」。とりあえず産経は「南京事件」「従軍慰安婦」「関東軍による張作霖暗殺」をデマで否定しようとした過去を「反省」し「謝罪」しましょう。
 それとアメリカも未だに原爆投下について「反省」も「謝罪」もしていないように思うんですが、それは良いんですか?

 60年前、南北武力統一を狙って韓国に侵攻した北朝鮮は、今も軍事優先の「先軍政治」を叫んでいる。最高指導者を「将軍さま」と呼ばせ、「国防委員会」を国家最高機関にするなど、極端な軍事独裁体制を続けている。

 「軍事優先」「国防機関を国家最高機関」(戦時中日本の場合は大本営?)「最高指導者の個人崇拝」「大量の餓死者」
 何というか戦時中の日本を見るような気がしますね。生まれてないので、本でしか知りませんが。「戦時中の日本を崇拝する」産経が北を非難する気がしれません。

 金日成は、1948年の建国以来、国の目標は「国民にコメのご飯と肉のスープを食べさせること」と言い続けた。しかし半世紀近くかかっても、それができないまま世を去った。後継者の息子・金正日総書記もまた飢餓を生みだし、国民を十分食べさせられずにいる。
 親子2代、60年以上にわたる独裁体制の国家経営で、国民はいまなお飢えているのだ。こんな国はこの地域では北朝鮮だけである。明らかに何かが間違っている。

 北朝鮮批判自体にどうこう言う気はありません。あの国は酷い国ですから。しかし、北を非難できるほど今の日本は先進国として立派なのかと。
 「おにぎり食べたい」と書き残して餓死する人間が出る国は先進国では「日本だけ」ではないでしょうか。
 「明らかに何かが間違っている」と思います。

 軍事優先の「先軍政治」ではなく、国民生活優先の「先民政治」にするには、指導者の交代あるいは路線の転換しかない。

 日本では軍事優先ならぬ、金持ち優先の「ネオリベ政治」が自民党政権の元、大手をふるってきました。だからこそ日本国民は国民生活優先の「先民政治」にするため指導者の交代を実行したのではないでしょうか?(私の理解では残念ながら、民主党は裏切りましたが)。
 日本人が指導者交代を実行すると非難する癖に朝鮮人には実行しろですか?

 それにしても、互いに戦争の廃虚から60年を経て、今や南北の格差ははなはだしい。韓国は発展したのに北朝鮮はなぜ沈滞、疲弊したのだろう。

 北朝鮮政府が経済政策に失敗した、ただそれだけのことでしょう。なお、北朝鮮の経済ボロボロぶりは他の共産国キューバとか)、共産国だった国(東欧諸国)と比べても半端ないと思います。したがって、共産主義云々と言う要素もあるでしょうが、それよりは北朝鮮執行部が無能だったのではないかと思います。

 この格差には日本との協力関係も大いにかかわっている。

 韓国が経済発展したのは、かの国の経済政策が大筋では正しかったからでしょう。「俺が金を出したからだ」とは、思い上がるにも程があります。

 日本を敵視し受け入れなかった北朝鮮は落後するしかなかったのだ。

 拉致問題のような犯罪行為は論外ですが、冷戦時代、共産国の北と日本の間に友好関係が成り立ったとか本気で思っているんですか?。日本も日韓基本条約では韓国を朝鮮半島における唯一の合法政府としているから「敵視」云々に話を限定すればお互い様。日本が友好を求めたのに北が無視したと言う話ではないんですが?(そもそも友好関係の前提には北との国交樹立が必要ですが、それを冷戦当時の日本政府がやろうとしたら産経は叩くでしょ?。それ以前にアメリカも韓国もそんなことは認めないでしょうが)

*1:一応イランは選挙による議会があるので独裁的としました。