■“習近平親衛隊”形成の動き 元部下らを重要ポストに次々登用 党内勢力図に変化
http://www.sankei.com/world/news/150105/wor1501050026-n1.html
この産経記事を読んで分かることはまず「いわゆる太子党は二世政治家の集まりに過ぎず、別に一枚岩の政治集団ではないらしい」てことですね。
今の習近平国家主席(党総書記)は習仲勲・元副首相の息子という二世政治家です。
じゃあ、「習主席は太子党のリーダーか?」というと産経曰く
太子党は、習主席を中心とするグループではない。習主席より先輩格の政治家も多く、考え方も保守派から改革派まで幅広い。
んだそうです。まあ、日本だって二世政治家だからと言って「安倍晋三*1」と「福田康夫氏*2」「河野洋平氏*3」では全然違う*4わけです。一方「二世政治家ではない」が稲田朋美*5や高市早苗*6は安倍に近いわけです(まあ、安倍に媚びてるだけではありますが)
「太子党だからといって一つの政治思想でまとまってるわけではない」というのはそうなんだろうなと感覚的に思います。
では習政権で誰が重用されてるかというと
・習主席は30代から50代まで福建省と浙江省で計22年間勤務*7した。その際、両省を統括する南京軍区の幹部たちと頻繁に交流した。新しい「習派」は、最近中央入りした福建、浙江両省と南京軍区の幹部たちを中心に構成する。
・汚職官僚の失脚後に発表された後任人事などで習主席の元部下たちは昨年、次々と重要ポストにあてられた。エネルギー政策を担当する国務院発展改革委員会副主任の劉鉄男氏が(注:汚職問題で)失脚すると、習主席の福建省時代の側近*8で、天津市政治協商会議主席という閑職にいた、何立峰氏が抜擢された。「何氏を処遇するために劉氏を失脚させたのでは」といった噂がながれた。
・また、海軍政治委員に、海軍の経験が全くない陸軍出身の苗華氏*9を持ってきたことも、海軍内から大きな反発があったという。
ということで習主席の元部下が重用されてるようです。
・なお記事中の「劉鉄男氏の失脚」については以下を参照して下さい。
■人民日報『発改委*10の元副主任・劉鉄男被告に無期懲役、収賄罪で』
http://j.people.com.cn/n/2014/1212/c94474-8821728.html
■朝日新聞『中国、国家発展委の元幹部に無期判決、企業から巨額収賄』
http://www.asahi.com/articles/ASGDB4DMPGDBUHBI00X.html
■毎日新聞『中国:収賄の発展改革委の元幹部に無期懲役判決』
http://mainichi.jp/select/news/20141211k0000m030030000c.html
■日経新聞『中国、元次官級に無期懲役判決 収賄罪で』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H2S_Q4A211C1FF2000/
■産経新聞『発展改革委元幹部に判決、中国、大物の汚職追及』
http://www.sankei.com/world/news/141210/wor1412100024-n1.html
・なおこうした「元部下の重用」は習氏以前もそうで中国には「新しくできつつある習主席グループ(習主席が福建省、浙江省勤務だった頃の部下が中心)」の他には現在、「上海派」「中国共産主義青年団派(共青団派)」という政治グループがあるそうですが、
・上海派:江沢民国家主席(党総書記)が上海市長・党委員会書記だった頃の元部下が中心
・共青団派*11:胡錦濤国家主席(党総書記)が共青団第一書記だった頃の元部下が中心
のわけです。
小生は「共青団派」というのを従来「共産党の若手の登竜門」的に理解してましたし、実際そういう理解の人間もたくさんいると思いますがこうなってみると「胡錦濤氏が共青団出身だから登用されたに過ぎない」、つまり「胡錦濤派のただの言い換えに過ぎないのかな?」と思い始めています。
■日本人が靖国参拝して何が悪い!
http://www.sankei.com/etc/news/150105/etc1501050001-n1.html
日本人にとって靖国神社とはどんな存在なのか。昨年暮れ、しんぶん赤旗に掲載された記事(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-24/2014122401_02_1.html)の中に気になる一文があった。
「靖国神社は、(注:一般的な神社とは異なり)過去の日本軍国主義による侵略戦争を『自存自衛の正義のたたかい』『アジア解放の戦争』などと美化・宣伝することを存在意義とする特殊な施設*12です*13」
この記事によれば、靖国神社は「侵略戦争を美化する象徴」であり、ここを訪れるのは、あたかも過去の軍国主義を礼賛するのが目的であるかのような書きぶりである。
本当にそうなのか。もしそうだとしたら、靖国を参拝する日本人は、彼らがレッテルを貼りたがる「右翼」そのものではないか。
言うまでもなく、参拝者の多くは、侵略戦争を美化したり、軍国主義の復権なんか望んではいない*14。戦没者の英霊が祀られたこの場所を訪れた人は、国のために戦った*15人へ哀悼の意を示し、ただただ恒久平和を望んでいる*16。
やれやれですね。靖国が「戦争美化を目的とする施設」であることは否定できない事実です。「戦前の戦争を正当化する日本最大の右翼結社・日本会議」と靖国はずぶずぶの関係です。
そして産経も常日頃「大東亜戦争聖戦論」をかましてる癖に「面の皮が厚い」というか何というか。
とはいえさすがの産経も赤旗に正面から「靖国は戦争美化の極右施設ではないか、そんな施設を首相や閣僚が訪問したら戦争美化だと批判されるのも当然じゃないか、千鳥ヶ淵に行けばいいじゃないか」と批判されて、「何が極右施設だ、そもそも、あの戦争は正義の戦争なんだから美化して何が悪い」「千鳥ヶ淵は靖国と違ってあの戦争を美化してないから駄目だ。追悼じゃ駄目なんだ」と言えるほど「蛮勇の持ち主」ではないようです。
まあ、そういう蛮勇の持ち主もウヨの中にはいますが。
参考
赤旗
■『”靖国史観”とアメリカ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-27/03_01_1.html
■『これが靖国神社「遊就館」の実態だ、徹底ルポ“靖国史観”の現場をゆく、A級戦犯を「神」と展示』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-15/26_01_0.html
■『徹底ルポ“靖国史観”の現場をゆく、「戦史回廊」で何を学ばせる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-15/01_01_0.html
■『「靖国史観」追及から1年余 いま どこまできたのか、“侵略正当化”批判 世界に広がる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-08-10/2006081026_01_0.html
■『侵略戦争肯定に身をおくもので許されない、首相・閣僚の奉納・参拝 志位委員長が会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-23/2013042301_03_1.html
■『靖国神社への閣僚の相次ぐ参拝、侵略美化の宣伝拠点への訪問、アジアとの協調に深刻な影響』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-23/2013042303_01_1.html
■『靖国参拝 日本の地位失う、市田氏 「やってはならない行為」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-25/2013042501_04_1.html
■『靖国参拝 「不要な国粋主義」、NY・タイムズ紙が社説』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-26/2013042601_07_1.html
■『首相のウソと開き直り、靖国参拝「脅かしに屈しない」というが…、侵略の歴史認めてこそ日本人の誇り守れる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-26/2013042603_01_1.html
■『安倍首相 “靖国に玉串料”の意向、侵略戦争肯定、改めて示す』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-15/2013081501_02_1.html
■『首相「反省」「不戦」を放棄、終戦68年 「靖国」に固執 玉串料奉納』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-16/2013081601_01_1.html
■『侵略戦争肯定の立場に自らの身をおくもの:靖国神社への閣僚の参拝と、首相の「玉串料」奉納について:日本共産党幹部会委員長 志位和夫』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-16/2013081601_02_1.html
■主張『首相「靖国」玉串料、日本とアジア諸国民への挑戦』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-16/2013081601_05_1.html
■『首相、靖国に真榊奉納、参拝に準じる行為、侵略戦争美化の立場に身をおくものだ、志位委員長が指摘』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-10-18/2013101802_02_1.html
■『戦後国際秩序に挑戦、安倍首相が靖国参拝、米政府が「失望」 異例の声明』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-27/2013122701_01_1.html
■主張『安倍首相靖国参拝、国際的孤立へと突進する暴挙』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-27/2013122701_05_1.html
■『歴史逆行の本性あらわ、安倍首相の靖国参拝 志位委員長が談話』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-27/2013122701_02_1.html
■『「戦争する国」へ 暴走に次ぐ暴走、靖国神社参拝 安倍首相 言い分成り立たず』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-27/2013122702_01_0.html
■『安倍政権 孤立深まる、靖国参拝 ロシア・EUも批判』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-28/2013122801_03_1.html
■『米誌 靖国「遊就館」展示批判、「信じられないほど偏向した解釈」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-04/2014010402_02_1.html
■『靖国神社って何? 「参拝」何が問題?』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-11/2014011103_01_1.html
■『安倍首相の靖国参拝 米国の苦言やまず、「戦前の行為を正当化する象徴なのだ」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-07/2014020701_03_1.html
■『靖国と安倍首相の歴史観、日本外交「瀕死に」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-22/2014042201_01_0.html
■『安倍首相の靖国参拝継続「日本会議」が迫る、国際社会での孤立必至』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-24/2014122401_02_1.html
*4:言うまでもなく安倍だけが酷い反中国極右です
*5:第二次安倍内閣行政改革担当相を経て、現在、自民党政務調査会長
*7:福建省アモイ市副市長、福建省福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記
*9:産経曰く元・南京軍区31軍政治部主任
*10:どう略そうと人の勝手ですが「国家発展改革委員会」を人民日報は「発改委」、朝日は「国家発展委」、毎日と産経は「発展改革委(人民日報に近い略し方)」と略しています。
*11:共青団第一書記を務めたことがある李克強首相もその一人だとされる。
*14:この文を素直に理解すれば「あの戦争は侵略だ」「当時の日本は軍国主義だ、あのような時代を復権(権威を回復する)させることなどできない」と産経が認識してるとしか読めませんが、まあ産経のいつもの口から出任せでしょう。
*15:そもそも回避可能だった戦争を「国のために闘った」と不可避であるかのように表現する事自体が戦争美化でしょう。
*16:この産経の主張は「哀悼の意と恒久平和の思い」だったら千鳥ヶ淵でいいだろ、何でA級戦犯が英雄扱いされてる靖国へ行くんだ、中韓や欧米も千鳥ヶ淵なら非難しないぞ、という批判への反論には全くなっていません。