今日の産経ニュース(4/12分)(追記・訂正あり)

■【統一地方選】公明・斉藤氏、安保法制が苦戦の一因
http://www.sankei.com/politics/news/150412/plt1504120053-n1.html
 大阪市議選については安保と言うより「都構想」でしょうがそれを認めるわけにはいかないんでしょうか。「苦戦の結果」がどうなるかわかりませんが、まあ、「公明にかなりのダメージ」でその結果「都構想から距離を置く」と大変嬉しいところではあります。
 なお「安保が苦戦の原因か」などと公明幹部がいったところで公明が「安倍のウヨ路線にストップなどかけること」は期待薄でしょう。「安保問題での支持者への説明が足りなかった」ととんちんかんな方向へ行くことが残念ながら今から予想できます。


■【統一地方選】「安倍政権の信任」自民・高木氏
http://www.sankei.com/politics/news/150412/plt1504120052-n1.html
 地方選ですから強弁も甚だしいですね(しかも札幌市長選では自民は敗北してるし、多くの自民勝利首長選は「自民王国+自公民相乗り+共産のみ対立候補」なんて代物です)。せいぜい「地方選で惨敗しまくるほどには安倍政権は不人気ではない」程度の話でしかありません。
 まあこういう強弁は十分予想できましたし、当の自民だって強弁だって自覚してるでしょうが。


■【統一地方選】「維新」が大阪市議選で第一党の見通し
http://www.sankei.com/west/news/150412/wst1504120062-n1.html
 実に不愉快ですね。ただ少なくとも「維新単独過半数」だけは阻止したいところです。しかし未だに維新を支持する人間てのは俺には理解ができませんね。


■【統一地方選】「対決2知事選」で与党勝利 北海道・大分 札幌市は野党系当選
http://www.sankei.com/politics/news/150412/plt1504120047-n1.html
 大分知事選での自公勝利は大分が自民王国であることを考えればあまり悔しくはありませんが、「過去に横路知事を誕生させた北海道での知事選敗北」はやはり悔しいですね。ただ札幌市長選で勝利できたことは良かったと思います。もちろん、「地方選は国政に直結しているわけではない」ですがやはり自民勝利は悔しいし、その逆は嬉しいですね。
 まあ、多くの知事選では「自公民相乗りVS共産」という民主党の無能さ、やる気の無さが露呈した残念選挙だったわけですが。


■【米キューバ国交交渉】キューバが米接近の理由…経済疲弊、“盟友”ベネズエラの「石油」出し惜しみ
http://www.sankei.com/world/news/150412/wor1504120032-n1.html
 「産経って何だかなあ」て思いますね。キューバって基本的には冷戦崩壊で、ソ連の援助がなくなってからは「米国との国交正常化をずっと模索してた」のであって、今回の正常化の進展の最大の理由は「オバマが積極的だから」だと思うんですけどね。まあベネズエラが石油出し惜しみしてるってのはキューバの交渉意欲に多少影響してるかも知れませんが本筋じゃないでしょう。

例えば、米国からの農産物購入の支払いについて、従来の「前払い」から、キューバの港に到着した時点での「着払い」に変更するなど、貿易の正常化をにらみ、諸制度を柔軟に変えつつあるという。

つうのはまさにオバマが積極的であることを示してますよね。


■【聞きたい。】新城道彦さん*1 『朝鮮王公族 帝国日本の準皇族』*2 実証に徹して描いた空白の歴史
http://www.sankei.com/life/news/150412/lif1504120028-n1.html
 産経が紹介してる辺り、「朝鮮王公族を作って、韓国併合後も朝鮮王朝をそれなりに保護した日本って立派だなあ」とか「韓国人が聞いたら確実に激怒するようなあほなこと」が書いてあるのではないかと非常に不安がよぎりますが、記事を読む限りまともな内容のようです。いや読まないと分からないですけどね。

 この特異な地位が生まれたのは、明治43(1910)年の韓国併合後。併合された大韓帝国皇帝の直系を「王族」、傍系を「公族」として、皇族に準じる存在と位置づけた。以来、大日本帝国の終焉(しゅうえん)までに朝鮮王公族は26人を数えた。
 「(注:韓国皇帝という)もう一人の皇帝は残せない。しかし完全に排除して朝鮮人の反感を買うわけにもいかない。そこでギリギリ(注:公家、旧大名家、幕末維新の志士などからなる華族とは違う)臣下ではないという特殊な身分が生み出された。」

 こうした領域の研究は、とかく抗日を「白」、親日を「黒」とする評価基準が先行しがちだが、「当時の実情を見てみると、白か黒かというのはリアリティーがない。最近は白と黒との間の“グレー”をめぐる研究もあるが、それもあくまで白と黒を混ぜ合わせてできた色」。

 何つうかちょっと引っかかる文章ではありますね。過去の研究実績はイデオロギー先行としてそんなに簡単に切って捨てられるもんと違うでしょうし、「悩みながら、渋々親日」を「黒」と切って捨てるのはどうかと思いますけど「売国奴としか言いようがない輩*3」は黒でしかないと思いますよ。うーん、上で「まともかと思う」と書いたけど結構「韓国併合を正当化する」という「産経的な意味で酷い」のかな?
 まあ、それはともかく。「リアリティ云々」つう産経のこの記事から思い浮かんだことを今から書きますです。「こういう事言うとid:Mukkeさんからは確実に憎まれる*4*5」でしょうが、「ダライがインドに亡命する羽目になった例の1959年のチベット動乱」てのは「当時の実情を見てみると、抗中国*6が白で、親中国*7が黒というのはリアリティーがない*8」つうことでまさに愚挙ですよね。その愚挙に気付いたからこそ、ダライも後に独立要求なんか取り下げるわけです。
 まあ、中国によるダライの扱いも当初(つうかダライ亡命前)は

ダライラマ制度は「チベット解放」前の形でそのまま残せない。しかし完全に排除してチベット人の反感を買うわけにもいかない*9

つう扱いである意味「朝鮮王公族」に似てるかも知れません。まあ、人間が考えることはやはり似てくると言う事でしょうか(今の中国は完全にダライを敵視してると言っていいでしょうが)。まあ、残ったパンチェンは中国との間にいろいろとあったんでしょうが、ずっと「朝鮮王公族」的な特別扱いではあったと言えるんでしょうね。

参考

■王公族(ウィキペ参照)
・1945年(昭和20年)のポツダム宣言受諾によって、日本は朝鮮半島における支配権を喪失した。1947年(昭和22年)、皇族以外の貴族身分を認めない日本国憲法の公布にともない、王公族はその身分を失った。
■王公族の特権
・ほぼ皇族と同等の各種の特権が認められた。ただし皇位や摂政職につくこと、皇族会議への参加は認められない。
1)皇族女子と婚姻する特権
 皇族女子の婚嫁は皇族、「勅旨により特に認許された華族」以外では、王公族に限られていた。この特権により李王垠は梨本宮家の方子女王と婚姻した。
2)敬称を受ける特権
 皇族と同様に殿下の敬称を受ける。
3)司法上の特権
 皇室裁判令の規定が準用される。天皇の勅許なくして勾引・召喚されない。 
4)就学上の特権
 就学について皇族就学令が準用され、学習院・女子学習院に就学する特権を有する。 


■【日曜に書く】古代「女性」の輝きに学ぼう 論説委員・山上直子
http://www.sankei.com/column/news/150412/clm1504120007-n1.html

 きょう12日は統一地方選前半戦の投開票日。思いついて、立候補者に占める女性の割合を調べてみた。
 北海道をはじめ10の道県知事選では16.0%、ほかに、5政令市長選17.6%▽41道府県議選11.6%▽17政令市議選17.9%。
 増える傾向にあるとはいえ、候補者ですら女性は2割に満たない。安倍政権の「平成32年までに社会の指導的地位に占める女性の割合を3割に」という目標を思えば、ため息が出る。

赤旗女性候補46.5%、日本共産党が第1党』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-05/2015040501_03_1.html
によれば

「女性が輝く社会」などを標ぼうする自民党は、主要政党では最低の3・6%でした

つうんだから「女性3割とかビッグマウス叩きながら、具体策をやる気全くない」自民党のていたらくにはため息が出ます。
・「古代日本には女官*10がいた」とか言い出す山上記者は何だかなあと思います。まあ善意に理解すれば「専業主婦は決して日本の伝統ではないのです→女性の社会進出をすすめよう」つうことなんでしょうし「女が外で働くなど亡国だ」と叫ぶ極右*11よりはマシでしょうけど。


■【ウイークリーワールド】「女性の敵、広告塔辞めろ」キッドマンにかみついた全米のCAたち
http://www.sankei.com/premium/news/150412/prm1504120016-n3.html
 批判の是非はともかく何というか「津川雅彦みたいなごろつきウヨ芸能人」がでかい面してる国「日本」の人間から見れば「女性CA差別してるUAEアラブ首長国連邦)の航空会社の広告塔になんかなるな」というキッドマン批判が出る米国はなんかまともというか、うらやましい気がしてきます。


■【お金は知っている】中国投資銀は「絵に描いた餅」 約90兆円もの資金どう調達するの?
http://www.sankei.com/premium/news/150412/prm1504120022-n1.html
 今日もアンチ中国の産経が「AIIB(アジアインフラ投資銀行)なんてろくでもない」「日本は入らなくていいのだ」「英仏独伊、ASEAN諸国、ロシア、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾と多くの国、地域が参加表明していることなどたいした問題ではない」「日本はAIIBに参加したらどうかという人間はバカだ」とAIIB否定に必死です。
 今までは「杜撰な融資の危険」「中国のいいなり銀行になる危険」などと言っていた産経ですが今日は「アジアのインフラ建設資金需要90兆円(年間、推計)に果たしてAIIBはこたえられるのか?」「中国、ヨーロッパ諸国、アジア諸国など、どこの国も出資の話が具体的になったら『多額の出資をするのを渋って』AIIBがしょぼいスタートをするのではないか?。なら日本は入る必要なんかない」だそうです。
 いやいや別に「AIIB単独で90兆円全額カバーする必要もない」でしょうからね。世銀とかアジア開銀とかあるわけですから。まあ、「ある程度カバーしないとアジアインフラ投資銀行の名前が泣く」ので10兆円とかそれなりにカバーする事は目指すでしょうけどね。「アジアのインフラ建設資金需要のかなりの部分をAIIBが加盟国でカバーできるのか」てのは「現時点で未知数」でしょうね。カバーできるとも言えないが、カバーできないとも言えない。
 「加盟国それぞれがどんだけ出資するか」確定した訳じゃないからです。まあでも「カバーできるわけがないんだ、加盟国はみんな出資が具体的な話になったら出資を渋るだろうから」と決めつける産経もどうかと思いますよね。

 中国や国際金融のイロハもわからずに、「AIIBに乗り損ねた日本は孤立する」と騒ぎ立てるメディアや政治家が多いのには、うんざりさせられる。

 むしろ「AIIBは失敗する」と決めつけてる産経の方にうんざりさせられますが。まあ、AIIBについては今後の様子見ですね。
 先ず第一は「米国または日本がAIIB参加表明するかどうか」でしょうね。建前では両国とも「現時点では不明なことが多いので参加を見合わせてる」であって「参加しない」なんて明言してませんから。参加表明を仮に米国や日本がした場合産経がなんて言うかが見物でしょう。何があろうと「参加反対」と言い続けるのか、はたまた米国または日本が参加表明したら掌返しして「参加やむなし」とするのか。
 第二にまあ、日米が参加しないにせよ、するにせよ、AIIBが本格スタートして、それなりの地位を築いたときの産経の反応が興味深いですね。まあ産経としては「頼むからAIIBは潰れてくれ」と祈ってるところでしょうけど。


■【戦後70年】特攻(7)遺族は問う「国のため逝きたる御霊は安らけきか」
http://www.sankei.com/premium/news/150412/prm1504120013-n1.html

 昨年10月25日、愛媛県西条市の楢本神社*12で「神風(しんぷう)特攻敷島隊並びに愛媛県特攻戦没者追悼式典」が開かれた。
(中略)
 式典には連載4回目で紹介した曽我部隆(たかし)二飛曹=当時(19)=の弟、勲さん(84)も参列し、遺族代表としてこう訴えた。
 「血潮たぎる若者が祖国を守らんと志願し、靖国神社で会おうを合言葉に陸、海軍合わせ240万人にも上る同胞が国難に殉じましたが、その御霊(みたま)は今、靖国神社で安らかに鎮まっているのでしょうか。皇室をはじめ歴代総理大臣公式参拝すらできないのです。これが独立国日本の姿でしょうか。私は尋ねたい。『国のため逝きたる御霊は安らけきか』と」

 やれやれですね。結局産経にとっては特攻とはそういう話の訳です。「ああいう野蛮な作戦を実行した当時の日本政府」とか「アメリカなど相手に無謀な戦争を実行した当時の日本政府」とかへの怒りは何一つ存在しない。
 「戦前、戦争を推進し、戦後もあの戦争を美化し続ける極右神社・靖国」なんかに政府要人や皇室が参拝することは「戦争に対する無反省の表明」でしかありません(重要な問題だとは思いますが、政教分離富田メモの問題はひとまず論じません)。靖国は「千鳥ヶ淵」などとはちがって「単純な戦没者慰霊施設」などではまったくない。
 全くないからこそ「付属施設・遊就館は戦争を美化してる」し、靖国は「つくる会歴史教科書」を組織として公然と応援してるし、国内外の批判も無視して、戦没者でもないA級戦犯を「昭和殉難者」として合祀し、「東京裁判は無法な報復裁判だ」と言い続けるわけです。
 全くないからこそ「ケリー国務長官ヘーゲル国防長官」は訪日時、千鳥ヶ淵に行っても靖国にはいかなかったわけです。だからこそ中国、韓国など国際社会も靖国を批判する。
 繰り返しますがそんな異常な極右神社に何で政府要人や天皇・皇族が参拝できるのか。そんなことをしたら、それこそ「御霊は安心できない」のではないか。
 現天皇なんて「それなりに計算できる人」でしょうから絶対に参拝なんかする気ないでしょう。国内外の批判で皇室もイメージががた落ちになってしまう。
 そして、まあ、こういう極右遺族もいるんでしょうが全ての遺族がそうではないこともまた事実です。

参考
赤旗
■『“靖国史観”とアメリカ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-27/03_01_1.html
■『これが靖国神社遊就館」の実態だ、徹底ルポ“靖国史観”の現場をゆく、A級戦犯を「神」と展示』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-15/26_01_0.html
■『「靖国史観」追及から1年余 いま どこまできたのか、“侵略正当化”批判 世界に広がる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-08-10/2006081026_01_0.html


■【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】〈509〉前代未聞、東京新聞幹部が自紙社説を『ポスト』で批判 「文春」「新潮」トップは“上西小百合議員問題”
http://www.sankei.com/premium/news/150412/prm1504120024-n1.html
 この東京新聞幹部(論説副主幹・長谷川幸洋)、「産経の阿比留」並みに安倍を万歳しまくり「安倍さんの慰安婦認識に問題はない」「安倍さんが靖国参拝して何が悪い」「集団的自衛権を容認して何が悪い」「特定秘密保護法には問題はない」「原発再稼働には問題はない」などと常日頃、公言してる御仁です。一方、東京新聞は「中道左派」「リベラル」というか、これらの問題(特定秘密保護法原発再稼働、歴史認識問題など)でかなり安倍に批判的です。まあ、安倍万歳する方がおかしいのであって「安倍信者が、会社内での居心地が悪いので安倍万歳メディアの週刊ポストで愚痴った」てだけのくだらない話です。
 安倍シンパ以外には「バカじゃねえの?、お前そんなに東京が嫌なら読売か産経に移籍しろよ、それかフリーになれよ」と呆れるしかない話です。まあ、花田は「長谷川さんに同感だ」とか抜かすわけですけど。

*1:著書『天皇韓国併合』(2011年、法政大学出版局

*2:2015年、中公新書

*3:そういう輩も当然いるでしょう。

*4:まあ既にいい加減徹底的に嫌われてると思いますけど。何せ「デンパ」呼ばわりですから。

*5:一方Bill_McCrearyさんは拙意見に賛同するのではないか

*6:例としてはダライ

*7:例としては、まあなんだかんだ言って中国に残り、中国との関係構築を模索したプンワンやパンチェン。もちろん「中国にへつらっていい目みたい」という単なる機会主義者もいるでしょうけど

*8:もちろん新城氏の発言をもじってます。

*9:もちろん新城氏の発言をもじってます。

*10:わかりやすい例では紫式部とか清少納言とか

*11:産経を含む日本ウヨの主流は山上記者と違い、むしろ「女性の社会進出反対」でしょう

*12:日本の神社は「神社本庁自体がウヨ」ですからウヨ神社が多いですがそれにしたってこれは酷いと思います。