今日の産経ニュースほか(5/26分)(追記・訂正あり)

【最初に追記】
 この拙エントリが
ライプツィヒの夏『個人的な意見では、韓国の宿は、そんなに悪くないと思う』
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/52f5db3a61bdba5cbcae26730d09b318
で紹介されました。いつもご紹介ありがとうございます。id:Bill_McCrearyさん記事にも簡単にコメントしたいと思います。

 つまりこれ「無許可ゲストハウス」の話であって、いわば触法(?)宿とでもいうべきものであり、韓国の宿一般がそうだっていう話ではありません。この記事自体は、朝鮮日報に載った記事とのことですから、産経新聞お得意の、事実かどうかすら怪しい記事ではありませんが、読者を誤解させる危険はあります。それがこの記事のねらいですけど(笑)。

 「太字強調にした部分」は全くその通りだと思います。実にアンチ韓国の産経らしい(苦笑)。

今回も、bogus-simotukareさんの記事からヒントをいただきました。感謝の言葉を申し上げます。

 「繰り返しになりますが」こちらこそいつもご紹介ありがとうございます。
【追記終わり】


■【ビジネス解読】トイレは故障、郵便受けでチェックイン、韓国あまりに酷い“ホテル”事情 (注:値段が安ければ酷いホテルでも寛大な?)中国人観光客でさえ「二度と来ない」
http://www.sankei.com/premium/news/150526/prm1505260002-n1.html
 最近アンチ韓国記事が増えてる産経らしいなと思います。まあ、「韓国観光業のサービスの悪さ」というのは全くの嘘という訳ではないでしょうが。
 しかし「日本人の韓国観光客の減少の理由の一つはサービスの悪さ」と言うこの記事が事実なら、産経が日頃言ってる「韓国が反日だから日本人観光客が減少してる」に反するんですけどねえ。
 まあ、産経的には韓国の悪口が言えれば御の字で論理的整合性などどうでもいいんでしょうが。まあ、韓国の日本人観光客が減ってる理由は「小生も韓国観光事情なんか知りませんが」、この記事の指摘のような「サービスの問題」とか、あるいは円安による海外旅行費用の増大とかのほうが「反日だから」よりは説得的でしょうね。


新銀行東京、地銀傘下へ 東京TYと詰めの協議 都、経営から退く
http://www.sankei.com/politics/news/150526/plt1505260048-n1.html
 ついに新銀行も「新銀行を始めた石原本人」「石原政権下での副知事だった猪瀬知事」ではなく新銀行にしがらみのない「舛添知事」によって「銀行経営からの撤退」という結論になったようです。撤退論は以前からあったわけで、もっと早く撤退すべきだったでしょうがまずは撤退を喜ぶべきでしょう。問題は「政治責任」「刑事責任(法律に抵触する違法融資がなかったかどうか)」の追及ですがそれがどこまでできるかどうか。まあ、「新銀行の不良融資処理」についてあまり無茶苦茶なことをすると「引き継ぎ先の銀行」が株主代表訴訟でも起こされかねないので「それなりの追及はされる」と期待したいところですが。
 しかし「AIIBなんか失敗する」と叫んでいた産経ですがAIIBではなく産経が礼賛していた石原の「新銀行の失敗」が先に明白になったのは皮肉です。


スー・チー氏、密航で沈黙 冷淡な世論無視できず
http://www.sankei.com/world/news/150526/wor1505260033-n1.html

 ミャンマーイスラム教徒少数民族ロヒンギャらの密航問題で、同国の最大野党党首アウン・サン・スー・チー氏が沈黙を守っている。国連や欧米などは(注:ミャンマー軍事政権の)迫害が密航の背景にあるとして解決を要請。ただ、国内世論はロヒンギャに冷淡で、一部の仏教徒は敵意すら示す。今年秋に国政選挙を控え、スー・チー氏も国民感情を無視できないようだ。

 スーチーとしても「軍政の少数民族迫害」を黙認して、欧米の失望を買いたくはないが、「少数民族迫害を容認する、なかには支持すらする国民多数派を敵に回すわけにも行かない」ということです。
 これで分かるように「民主化すれば少数民族迫害がなくなるわけではない」わけです。何が言いたいかと言えば「勘の鋭い方は分かるでしょうが」チベットですね。仮に中国現政権がダライの言うようにチベットを迫害してるとしてもそれは「スーチーがロヒンギャ迫害を事実上容認してること」でわかるように「中国共産党が下野すれば解決する」という単純な問題ではおそらくないわけです。
 「民主国家の英国だってアイルランド問題、スコットランド問題があるんだから当たり前じゃないか、わかりきった事言うな」と言う方もいるでしょうが一応拙意見を書いてみました。


経団連日商、日中経協と初の合同訪中団 「経済交流拡大のメッセージを発信」と榊原*1会長 
http://www.sankei.com/economy/news/150526/ecn1505260060-n1.html
 二階訪中の背景や「習氏の対日融和」の背景にあるのが「日本財界のこうした動き」でしょう。
 そして安倍もこうした動きを無視するわけにはいかないわけです。


■【主張】習氏の「対日改善」 言葉より行動見極めたい
http://www.sankei.com/column/news/150526/clm1505260003-n1.html
 向こうの方こそ「二階氏の関係改善、言葉より安倍政権の行動見極めたい」でしょうねえ。「過去の戦争に対する反省がない」「尖閣問題やAIIB問題などで中国を異常なまでに敵視してる」と向こうが判断すれば向こうもそれなりの対応をするでしょう。

中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に向けて、日本の参加を何度も求めているのも、高い「格付け」がほしいのだろう。

 というより「日本不参加」なんて「日中関係は非常に悪い」と宣伝してるようなもんですから。
 中国にとって隣国であり経済大国である日本と関係が悪いなんて「宣伝」は避けたいことではあるでしょう。まあ、どうしても日本が参加しないというなら「当分、日本に参加を呼びかけながら、見切り発車」で、「日本が参加するまでAIIBスタートを遅らせる」なんて悠長なことはしないでしょうけど。

中国は現実に、日本の領土である尖閣諸島の奪取をうかがっている。中国公船による尖閣諸島周辺での領海侵入などは、常態化している。

 本気で言ってるんですかね。アレは「やっていいとはいいませんが」日本側が尖閣棚上げ合意を勝手に反故にしたことに対する対抗措置にすぎません。本気で武力奪取なんかする訳がない。産経だっておそらく本心ではそんな事少しも思ってはいないでしょう。
 話し合いで「今までの棚上げを『日本領』で決着つけましょう」と合意したならともかく、勝手に日本から一方的に反故にしてそれで黙ってるほど中国もお人好しではないでしょう。

そうした自らの振る舞いは棚に上げ、歴史問題を持ち出して日本の主張を牽制(けんせい)する。

 牽制してるのではなく「安倍の極右性」を危惧して批判を加えてるに過ぎません。大体「百歩譲って牽制だとしても」安倍のような極右総理でなければそんな牽制はあり得ないし、中国の牽制云々に関係なく安倍の態度は非常識です。安倍のような戦前正当化なんて中国どころか「元・連合国(米英仏露など)」「日本の被害国(韓国、東南アジア)」が受け入れられるもんじゃありません。国内にだって安倍批判はいますし。まあそう言う安倍批判派に対して「言いがかり」「誤解」だのいうのが産経の訳ですが。

*1:東レ社長、会長を歴任。現在、経団連会長。