パソコンを修理に出して「7／6〜7／12」までブログエントリが書けなかったのでまとめてここに書く。
今さら産経の全てをカバーできないのでコラムを中心に適当に書いていく。
■【歴史戦 第１１部 もうひとつの慰安婦問題（５）】「教訓」選別する馬*1総統
http://www.sankei.com/world/news/150708/wor1507080005-n1.html
「慰安婦問題は韓国限定の問題である」かのように強弁し、また「台湾は親日で日本批判は存在しない」かのように強弁してきた産経が「台湾の馬総統が慰安婦問題で日本批判していること」を認めた面白い記事です。
しかし勿論産経が「慰安婦問題は韓国限定ではないし台湾も単純な親日ではない、今までの物言いを韓国人にわびたい」というわけもなく、「中国にこびへつらう馬総統が韓国同様、日本に因縁をつけている」としてしまうのだから呆れます。
婦援会と馬との関係は、馬が法務部長（法相）に就任した９３年に遡（さかのぼ）る。死刑制度を批判するなど「人権派」として知られた馬は、そのころ台湾でも活動が始まった慰安婦問題に高い関心を示した。総統就任後も、元慰安婦を訪ねたり総統府の食事会に招いたりした。（注：婦援会の）康によると馬は「一貫して阿媽*2の最大の支持者だった」という。
今年５月２０日の就任７周年の記念演説では貴賓席に元慰安婦の陳蓮花を招待。演説の冒頭、「蓮花おばあちゃん」と声をかけた。任期最後の記念演説でのパフォーマンスに、日本側関係者は「日台関係が過去最良だというなら、演説の冒頭に慰安婦はないだろう」と不快感を隠さない。
婦援会つうのは記事によると台湾の慰安婦支援団体で「韓国の挺対協に当たる団体」です。
俺的には馬総統への評価、好感度がアップです。
台湾独立派の研究者でつくる台湾教授協会秘書長の許文堂は、馬が慰安婦問題を強調するのは、天安門事件への批判など、人権派が訴えるべき主張を「中国に配慮して言えないからだ」と見る。その上で、台湾で戦後、長く続いた慰安所を挙げ「もし慰安婦が問題だというなら『軍中楽園』にも向き合うべきで、（日本だけを）選択的に取り上げるべきではない」と話す。
やれやれですね。この許とかいう「反中国のために日本ウヨに媚び、馬総統と元慰安婦を侮辱する馬鹿者」には心底怒りを覚えますね。慰安婦と天安門事件と何の関係があるのか？
大体「軍中楽園」とやらが「台湾版慰安所*3」ならそれも日本軍慰安所同様、法的、道義的に追及すべき話なだけです。馬総統に「軍中楽園も取り上げるべきだ」と言うならまだしも「日本軍慰安婦を取り上げるな」とは何を考えているのか。
こんな言い訳が許されるなら『少数民族問題があるのは我が国だけではない、英国にもスコットランドや北アイルランドの問題が、スペインにもバスク州やカタルーニャ州の問題がある。我が国のチベットやウイグルの問題だけを選択的に取り上げるべきではない（中国）』などと言えてしまいますがそれを産経は支持するのか。
【追記】
http://www.recordchina.co.jp/a113625.html
■レコードチャイナ『「慰安婦は『性奴隷』と呼ぶべき」台湾総統の発言に、韓国ネット「台湾人は日本が大好きなはずでは？」「ついに日本が孤立した！」』
2015年7月9日、韓国・聯合ニュースによると、台湾の馬英九総統が「慰安婦は『性奴隷』と表現した方が適切だ」と主張した。
馬総統は8日、国立台湾大学で特別講義を行い、「『慰安婦』は日本を美化した用語だ」と述べた。また、一部の日本人が「旧日本軍従軍慰安婦のほとんどは自ら志願した」などと主張していることについて、「絶対に信じられない。慰安婦被害者らの証言から、強制動員された事実は証明されている」と強調した。
これについて、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。
「台湾の総統がそんなにはっきり言うと思わなかった」
（中略）
「親日の台湾でさえ、韓国の味方*4をするようになった。うれしいニュースだ！本当はベトナムやフィリピン、タイも日本を批判するべきなのに、経済的な問題でできないのが残念だ」
（後略）
http://j.people.com.cn/n/2014/1208/c94475-8819664.html
■人民日報『台湾人元慰安婦が語る「いのちの物語」』
台北剥皮寮旧市街で、「真心を抱いて：台湾人元慰安婦による『いのちの物語』特別展」がこのほど開幕した。同展は、「世界人権デー」の今月*510日まで開かれている。台湾人元慰安婦の苦難に満ちた人生経歴が、写真や文章、ビデオによって紹介された。
同展は、台湾婦女救援基金会の主催による。運営長を務める康淑華氏は、次の通り語った。
『第二次世界大戦中、日本政府は、日本人兵士に「性的サービス」を提供させる目的で、中国大陸部、台湾、韓国、フィリピンなど多くの国・地域から、誘拐あるいは強制という手段によって数十万の女性を戦地に送り込んだ。このうち被害に遭った台湾人女性は2千人を上回った。台湾当局は1992年、慰安婦問題に対処するための特別機関を立ち上げ、台湾人元慰安婦に生活支援手当を支給すると同時に、外国政府を相手取った損害賠償請求を支援した。今までに、日本政府に訴えを起こした計9人の元慰安婦を支援したが、残念なことに、結果はすべて敗訴に終わった。当時、元慰安婦と認定されていた48人のうち、今も健在なのは5人だけになり、平均年齢は90歳を超えた。我々は、歴史を風化させないためにドキュメンタリー映画を制作し、また、他の国・地域と協力して、日本政府が歴史の真相を認め、過去の過ちについて謝罪するように計らっていきたい。』
■【世界遺産登録】韓国外務省、松下村塾にも「問題意識持っている」 伊藤博文*6初代韓国統監らを輩出 当初は反対せず
http://www.sankei.com/world/news/150707/wor1507070033-n1.html
要するに牽制発言でしょう。「松下村塾それ自体には反対や批判はしないがそれをネタに伊藤の韓国併合を正当化するようなまねをしたらこちらも批判させていただくし場合によって松下村塾の世界遺産登録反対を表明する」と。
まあ、本来こんな牽制発言は「する必要ない」でしょうが相手は安倍ですからね。韓国は安倍なんか少しも信頼も評価もしてないんでしょう。
■【北朝鮮拉致】もし朝鮮有事が起きたら日本政府は拉致被害者を救出できるのか？
http://www.sankei.com/world/news/150708/wor1507080002-n1.html
荒木ら巣くう会のトンデモ集会を紹介する駄記事です。居場所が分からないんだから救出できるわけがないでしょう。全く非常識きわまりない記事です。
しかしこんな非常識集会に「横田ママ」ら家族会メンバーが参加したと言うんだから呆れて二の句が継げません。仮に「本気ではなく荒木らへのこびへつらい」だとしてもこんなトンデモ集会に出席して媚びる神経が分かりません。家族会にとって荒木らに今何の価値があるのか。何の価値もないでしょうよ。腐れ縁しかない。せいぜい「小泉訪朝まで」が荒木らに「価値がある時期」でした。それ以降は何の価値もない。
シンポジウムの最後では、代表の荒木氏が中越地震で東京消防庁のハイパーレスキュー隊が、２次災害が起きるかもしれない危険の中で当時２歳の男児を救い出したことを例に挙げ
ばかばかしい。「拉致被害者の居場所もわからないのに」「自衛官が死ぬ危険性が高いのに」とにかく自衛隊を北朝鮮に突っ込めと暴論吐く事と中越地震での消防の活躍と何の関係があるのか。こういうバカとつきあえる家族会だの特定失踪者家族だのは理解ができません。あまり馬鹿な事言ってると世間から呆れられ、自衛官からも「人の命を何だと思ってるんだ！」と憤慨されるという常識が家族会と特定失踪者家族*7にはないようです。ま、そう言うバカの集まりだから荒木なんぞと平気でつきあえるんでしょうけど。
■【産経抄】約束の重みの違い ７月７日
http://www.sankei.com/column/news/150707/clm1507070004-n1.html
どう見ても約束を破ってるのは安倍政権だと思いますが。
つうかまさか「日本は軍艦島その他で朝鮮人の強制労働なんかしてない、韓国の主張には従えない」「少なくともアレは国際法違反じゃない」と強弁する程、安倍政権やウヨメディア（産経や文春）が恥知らずでバカだとは思っても見ませんでした。大体当初は「明治の遺産だから明治以降のこと（強制労働）は触れる必要はない」と言い逃れしてたはずなんですけどね。「ああ、さすがに強制労働は否定できないか」と思ってたんですが「韓国の意見に一理あると思う、強制労働の件は書いたらどうや」「明治以降のことは関係ない言うの形式的すぎるやろ」と言う意見がドイツなどイコモス委員国に強まってくると「forced to work against will（意思に反して働かされた）」と日本代表に演説させ韓国の意見に従うかのようなパフォーマンスしながら「forced to work against willは強制労働を意味しない」と後で強弁するんだから呆れてしまいます。本当にこういう詐欺的な行為してると後で登録を取り消されるんじゃないか（軍艦島の場合、それとは別に「廃墟の管理をちゃんとしない」と「管理がなってない」として取り消される危険がありますし、あの種の廃墟の管理について日本はたぶん経験がほとんどないですが）。
それはともかくまだまだ俺も安倍政権やウヨメディアへの認識が甘いと反省しています。
連中には日韓関係を良くする気はないんでしょうか？
なお、これについては
■朝鮮日報『ＩＬＯ過去の報告書 植民地時代の徴用は強制労働条約違反』
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/10/2015071000898.html
を紹介しておきます。どういう経緯でこの報告が出たのかなど、詳しい点が今ひとつ分かりませんが、今後の議論はこうした「過去の論争を踏まえた建設的なもの」にしたいもんです。安倍政権と日本マスコミにはあまり期待していませんが。
【追記】
■誰かの妄想・はてな版『ILOは戦時中の朝鮮人等の労働動員を強制連行だと何回も指摘しているね』
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20150711/1436720086
も紹介しておきます。安倍の無法によって「国内外に日本の異常さが広く知られるようになった事」は「怪我の功名」と思うべきなのかも知れません。
■【産経抄】７月１１日
http://www.sankei.com/column/news/150711/clm1507110003-n1.html
「自民党の支持率が下がってると言うが民主党よりは上だ！」と叫ぶ産経です。
「で、それが何？。お前ら建前では自民党機関紙じゃねーだろ？」と心底呆れます。さすが「下野なう」だけのことはあります。
