今日の中国&朝鮮・韓国ニュース(2021年4月27日分)

「従軍慰安婦」表現は不適当 「強制連行」も 政府答弁書 教科書は使用 - 産経ニュース

 自民党下村博文政調会長は28日の記者会見で、政府が慰安婦問題に関して「従軍慰安婦」との表現は適切ではなく単に「慰安婦」という用語を用いるべきだとする答弁書閣議決定したことについて「適切だ」と述べた。複数の教科書にある「いわゆる『従軍慰安婦』」という記載については「今回の閣議決定は重い。今後、教科書に記述する場合、閣議決定にのっとった記述をしてほしい」と語った。
 先の大戦中に行われた朝鮮半島から日本本土への労働者動員について、「強制連行」との表現は不適切だとする政府の答弁書についても下村氏は同様の認識を示した。

 閣議決定に「教科書会社が従う義務がある」などという主張自体が「閣議決定の内容の是非」に関係なく、全く道理のない「教育への不当な政治介入」と言うべきでしょう。菅政権になってもそのような無法には変わりは無いのかとげんなりします。
 とはいえ、「強制連行」はともかく、「従軍慰安婦」と言う言葉にはむしろ左派やリベラル派から「従軍では自由意志(任意)のイメージがある*1(強制連行のイメージが出ない)」として安倍や産経らとは違う形での批判があることを指摘しておきます。
 そのため、「以前も書きましたが」昨今の著書は

【刊行年順】
◆吉見義明『日本軍「慰安婦*2制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)
◆石川逸子『日本軍「慰安婦」にされた少女たち』(2013年、岩波ジュニア新書)
林博史『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)
◆吉見義明『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)

ということで「従軍慰安婦」という言葉はむしろ使われなくなっています(むしろ単に慰安婦、あるいは軍慰安婦、日本軍慰安婦などと呼ばれ、場合によっては日本軍性奴隷制度などとも呼ばれる)。
 そもそも「従軍」と言う言葉には「強制連行」等という意味は無いことは「従軍記者」「従軍看護婦」が「強制連行などでは無いこと」で明白であり「従軍=強制連行」などという意味不明な理解をして「従軍」を忌み嫌う下村のようなウヨの脳みそは理解不能ですね。

 下村氏は「従軍慰安婦」の呼称について、「戦時中、軍の命令により、朝鮮の女性を慰安婦にするために強制連行したとの証言を行い、自ら出版した故吉田清治氏が使用した表現だった」と指摘。朝日新聞などが吉田氏の証言に基づく記事を多数掲載して慰安婦問題をめぐる外交問題にまで発展、その後、吉田氏は自らの証言が偽造や創作であったことを告白*3し、朝日新聞も記事を取り消したと説明した。

 完全なデマですね。「吉田証言」が信用されていた時期ですら、彼の証言は「彼が慰安婦を調達したという韓国済州島限定」でしか利用されていません。そして慰安婦は韓国済州島以外にも「台湾、フィリピン、インドネシア」などにもいました。それらの地域の慰安婦研究においては当然吉田証言など最初から利用されてない。
 「吉田証言」を理由に慰安婦の違法性を否定しようとするのは「安明進証言に虚偽があったこと」を理由に「北朝鮮拉致を全否定する」レベルの暴論です。


【主張】日独2プラス2 対中抑止で一層の連携を - 産経ニュース

 日独両政府が、初の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)をテレビ会議方式で開いた。

 こうした会合をどう評価するにせよ

 ドイツにとって中国は最大の貿易相手国で、多くのドイツ企業が収益をあげている。メルケル首相は2005年の就任以来、15年間で12回訪中し、中国との経済関係を深めてきた。

というドイツが産経流の「中国封じ込め」に加担するわけもない。そもそも「日本にとっても中国は重要な貿易相手国」なので、菅政権だってそんなことは考えてないでしょうが。

 日独関係には韓国の反日行為が影を落としている。
 韓国系団体が首都ベルリンの公有地に慰安婦*4を設置し、独ザクセン州ドレスデンの州立博物館などでも展示されている。
 ドイツ政府は良好な日独関係のためにも、歴史の真実のためにも、慰安婦像の撤去に動くべきだ。

 そもそもこうした少女像の設置は「ドイツの市民団体の行為」であり、「ドイツ政府」は日韓両国に配慮し「反対もしないが支持もしない立場」ですがそれはさておき。
 「河野談話(宮沢内閣)」「アジア女性基金での慰安婦への金銭支給(村山内閣)」で日本政府も公式に非を認め、「米国下院決議」「国連のクマラスワミ、マクドガル報告」でも違法性が認定されてる話でよくもここまで恥知らずなことが言えたもんです。
 大体その理屈なら「米国下院慰安婦決議」「サンフランシスコ市に少女像(姉妹都市を破棄するという大阪市の恫喝にも屈せず、逆ギレした大阪市が実際に破棄)」の米国はどうなるのか。
 産経にとって「日米関係には韓国の反日行為が影を落としている」「米国政府は良好な日米関係のためにも、歴史の真実のためにも、少女像撤去に動くべきだ」なのか。

*1:お断りしておけば「従軍」という言葉それ自体には「自由意志」と言う意味はありません。あくまでも「強制性のない従軍記者、従軍看護婦からの連想」でそういうイメージが出てくるという話です。「一味、集団、徒党、輩」と言う言葉それ自体には「否定的な意味は無い(グループという意味でしかない)」が長年の使用法から「否定的なイメージがある(例えば中国がよく使う「ダライ一味の輩(例えばダライ一味が「焼身自殺」を煽動するのは行き詰まりの現れ--人民網日本語版--人民日報参照)」「ダライ集団(例えばダライ集団「亡命政府」の現状分析(1)参照)」「ダライ徒党」など)」のと似たような話です。

*2:カギ括弧が付いているのは1)慰安婦という言葉では強制性というイメージが出ない、2)慰安婦という言葉自体には性的サービスという意味は無い(そもそも慰安婦の問題性を隠蔽するために日本軍が発明した言葉)からです。

*3:これまた嘘です。吉田は「自らの証言が虚偽や創作である」等とは生前、全く認めていません。彼の証言に不自然なところが多々あるため、研究者によって「虚偽や創作がある」と評価されたにすぎません。

*4:「少女像」と呼ぶべきでしょう。