ペマ・ギャルポのトンデモぶりが笑える・パート16(追記・訂正あり)

 新たにエントリを書くのが厄介なので、ペマ以外のチベットネタ、中国ネタ及び「リベラル21(主として阿部治平*1批判)&ちきゅう座」ネタなども書いています。

■ちきゅう座『日中両国民間の「和解」を阻む靖国神社ー張剣波さん*2の指摘』澤藤統一郎*3
http://chikyuza.net/archives/74829

 この会報40号に、「靖国神社靖国神社参拝の本質について」と題する張剣波さん(早稲田大学講師・政治学博士)の講演録が掲載されている。被害者の側から日中両国民の和解の必要が語られていて、紹介に値するものと思う。
 氏は、日中両国民間の和解の必要について、大意こう語っている。(なお、以下の紹介文は、文意を変えない程度に、澤藤が要約したもの)
(中略)
(ボーガス注:戦没者でもないA級戦犯を、中韓など戦争被害国の批判を無視して合祀している)靖国神社は、軍国主義と侵略のシンボルです。

 まあそういうことですね。もちろん張氏や、澤藤氏も指摘していますが、今さら分祀したところで問題は変わりません。はっきりと「A級戦犯という犯罪者を合祀して英雄扱いして済まなかった」と明確に靖国がわびない限り分祀は「ただのその場しのぎ」にすぎません。まあ「あの戦争への明確な反省」どころか、「ただの分祀」ですら靖国はやる気がないでしょうが。


劉暁波の「海葬」について
 ネットをググっていたら

エンゲルス劉少奇*4トウ小平*5も海葬だったから別にいいんじゃないか?

つう指摘がありました。まあ積極的に海葬して欲しいと言うよりは「海葬が避けられないならそういう発想の転換が必要じゃないか」つう話のようですけど。


NHK『アフリカ・ボツワナダライ・ラマ14世を招待 中国が反発』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170717/k10011061831000.html
 中国の猛反発が予想されるわけですがボツワナが何考えてるのかがよく分かりません。


■「一帯一路」が開く関係改善の道:習訪日に向け日中ともに本腰(岡田充)(2017.07.13)
http://www.21ccs.jp/ryougan_okada/ryougan_82.html

 足踏み状態が続いてきた日中関係に、ようやく改善への展望が見え始めてきた。その転機は、中国のユーラシア経済圏構想「一帯一路」に安倍政権が初めて積極姿勢を見せたこと。両国政府とも、習近平国家主席の来年の初来日実現をターゲットに本腰を入れており、改善が軌道に乗れば、停滞が続く日中経済関係にも弾みが付くだろう。
 ドイツ・ハンブルクでの20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせ、7月8日開かれた日中首脳会談。
(中略)
 日本外務省のブリーフによると、安部は「一帯一路」について「国際社会共通の考え方を十分取り入れ、地域と世界の繁栄に前向きに貢献していくことを期待している」と評価、「条件付きで協力する姿勢」(外務省発表)を明らかにした。
(中略)
 中国側からみれば、一帯一路を批判してきた安倍政権の軌道を修正させ、その下で関係改善を進めれば、秋の第19回党大会を目前に習近平の権威に弾みがつく。一方、支持率が急落した安倍にとっても、関係改善はイメージ好転につながる(後略)。関係改善が内政上の利益になる点で、双方の思惑は一致したとみていいだろう。 
 「転機」の動きを振り返る。二階俊博自民党幹事長は5月16日、北京で習近平と会談し日中首脳のシャトル外交を提案する安倍の親書を手渡した。習はこれに対し「検討したい」と、積極的に応じた。在京中国外交筋はこれを「日本政府のメッセージが込められており、中日関係好転の契機」と高く評価した。
 二階は、北京の「一帯一路」国際フォーラムで、日本のアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加を促す発言すらした。北京はそのサインを見逃さなかった。前出の中国筋は「二階は習会談の冒頭『(ボーガス注:自民党ではなく)日本政府を代表して』とあえて発言している。今井尚哉*6・首相秘書官も会議に参加しており、われわれはAIIBへの前向き発言を安倍首相の意向と受け止めている。日本がAIIBに将来参加する可能性も出てきた」とみる。
 二階訪中に続いて、5月末から6月初めにかけ中国政府の外交トップ楊潔チ*7国務委員が来日し安部、岸田文雄外相と相次いで会談。岸田は日中関係の改善に意欲を示し、両者は首脳レベルも含めた対話を強化する方針で一致したとされる。楊は、日本側パートナーの谷内正太郎*8国家安全保障局長と、初夏の箱根で5時間半も話し合った。想像だが、習の初来日に向けた感触と、改善に向けたスケジュールをすり合わせたのではないか。
 楊来日を受け安倍は6月5日、東京での講演で「一帯一路」構想について、条件付きながら「日本も協力していきたい」と述べるのである。安倍政権は、これまで「中国の経済覇権につながる」と同構想を批判していた。「条件付き」とはいえ軌道修正は明らかだ。
 北京が、軌道修正を歓迎しているのは言うまでもない。
(中略)
 そんな折、上海で(ボーガス注:日中国交正常化)45周年の国際シンポジウムが開かれた。
(中略)
 シンポジウムで、中国側が注目したのはやはり二階訪中だった。解放軍出身の張沱生・中国国際戦略研究基金会学術委員会主任は「困難をいかにして克服し、健全で安定発展の道を歩むか」という報告で「(日中関係は)ことし前半は比較的静かに推移し、習・二階会談で双方は関係改善の意思を表明した」と、二階が「一帯一路」とAIIBに肯定姿勢を見せたことを歓迎した。

 反中国の右翼にとっては残念でしょうが、岡田氏が言うように明らかに安倍はAIIB、一帯一路支持の方向に動きつつあると思います。


■日テレ『与党の女性議員団が訪中 関係強化で一致』
http://www.news24.jp/articles/2017/07/13/10366869.html

野田聖子*9議員ら自民・公明両党の女性議員9人からなる議員団は、12日、中国共産党最高指導部の執務室がある中南海劉延東副首相と会談した。会談で劉副首相は、日中関係が最悪の状態だと思われていたのは過去の事との考えを示した上で、未来志向で関係改善に取り組むべきだと述べたという。
 これに対し野田議員は、首脳間対話の強化などで一致した先の日中首脳会談の成果を受け止め、関係改善に取り組むと応じた。
 さらに劉副首相は、与党の女性議員だけでの訪中は初めてだと高く評価。双方は、女性政治家同士の交流を深め、関係を強化していくことで一致した。
 会談後の会見で野田議員は、今後、一年に一度は女性議員団として訪中したいとしている。

だそうです。
 なお、「女性政治家」ということで「与党女性議員団」の応対をした劉副首相は

 共産党指導部を構成する政治局員(25人)の中で、女性は劉氏*10と孫春蘭*11・統一戦線工作部長の2人。

というなかなかの大物です。
 訪中団長の野田以外は誰なのかが気になるところです。
 いずれにせよ野田は今無役とはいえ、野田が反安倍の立場なら「自民、公明両党の女性議員8人*12」が同行するわけはないでしょう。単なる個人訪問だったでしょう。やはり安倍の名代なのでしょうね。
 そしてまあウヨが期待する劉暁波の件なんか多分話題にはならなかったんでしょうねえ。
 これが野党議員の訪中なら「劉暁波氏が病気で苦しんでるときに能天気だ」というであろう産経も櫻井よしこらウヨ連中も見事に沈黙です。


■リベラル21『青年の教養が向上しない本当の理由について』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4019.html
 「そろそろ阿部氏の文章がリベラル21に載るかな」「その場合、劉暁波ネタかな」と思っていたのでこのタイトルには吹き出しました。
 いや個人ブログなら何書いてもいいですよ。しかしリベラル21は個人ブログじゃない。『青年の教養が向上しない本当の理由』なんてもんを偉そうに語る資格や能力が阿部氏にあると本気でリベラル21は思ってるのか?

 メディアはスポーツ系の部活動で好成績を上げると「文武両道」などと持ち上げる。ところが部活動には、しばしば生徒間の暴行・恐喝・喫煙・飲酒などの非行がつきまとう。だが、発覚してもたいていは隠蔽される。大会出場が危うくなるし、程度によっては部が閉鎖されるからである。

 阿部記事を一部引用しましたが、何のことはない、タイトルはやたら大げさでしたが「スポーツが優秀なら学業をおろそかにしてもいい*13と言う風潮はおかしい」「高校や大学が、スポーツ入学で知力、人格を軽視して入学させた上、入学後のアフターケアもろくにしないから馬鹿学生が生まれ、場合によっては退学することもあるのだ」という「もう何度も何度もいろんな方が指摘してきたことの繰り返し」です。
 たとえばid:Bill_McCrearyさんの記事
浅田真央は学校に通っていないだろ』
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/0f1d629807409b3b7cbad2ca4202ebe5
『ちゃんと大学に通っているんだろうな』
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/71f568c60997a04951f040f33c98e55a
『祝! 浅田真央、ついに大学を卒業!!!(3月19日発表)』
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/2fdcac7a6c41290dc40bf365f5963a29
『一部スポーツ選手の親も、同じようなことをしている(1月21日追記)』
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/7134f50882ea137cb128394b43707eec
とかがそうですね。何もわざわざリベラル21がご大層に掲載するほどの記事じゃない。正直、似たような記事は山ほどあるのに何故阿部氏だけこうした記事がリベラル21に載るかといったら「特別扱い」でしかないでしょう。そもそもこんな記事の何処が「護憲・軍縮・共生」と関係するのか。
 それにしても何も「青年皆がスポーツ特待生ではない」わけだしこの内容で「青年の教養が向上しない本当の理由について」つうのはかなりタイトルがおかしいでしょう。内容とタイトルが合ってない。


■【iRONNA発】パンダのレンタル料は2頭で年1億円! 中国の「パンダ外交」に隠された思惑とは? 経済評論家・上念司*14
http://www.sankei.com/premium/news/170716/prm1707160006-n1.html
 別に思惑は隠されてないですよねえ。「パンダの送り先の国との友好関係」でしょうよ。

 当時の「パンダ外交」とは、世界中から孤立していた中国が、パンダという希少動物をネタにして、何とか世界に振り向いてもらおうとする外交政策だった。

 上念の言う「当時」ってのはいつなんですかね?。少なくとも「台湾の国連追放」(1971年)、「ニクソン訪中」(1972年)以降は孤立してないし、「台湾の国連追放」、「ニクソン訪中」以前も
1)東側諸国とは国交があるのはもちろん、西側諸国の英国、フランスとは国交があったし
2)「日本なんかそうですが」国交がなくても経済交流はしていたわけです。


ニューズウィーク日本版『日中戦争から一帯一路まで:「パンダ外交」の呪縛』楊海英
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7914.php

 中国外務省の陸慷(ルー・カン)報道局長が日本人記者からパンダ誕生の感想を聞かれ、「いいニュースだ」とリップサービス。そんなほんの一言が日本では翌日の新聞紙面に躍り出た。
(中略)
 パンダを外交の道具に仕立て上げたのが中華民国蒋介石(ボーガス注:国民党)主席・(ボーガス注:中華民国)総統夫人だった宋美齢だ。日中戦争中の41年に宋がアメリカにペアを寄贈し、パンダは外交デビューを果たした。
(中略)
 敗戦で日本が中国から撤退した後、蒋は共産党との内戦に敗れて台湾に逃れた。だが勝者の毛沢東共産党員はパンダの外交的役割を忘れなかった。
 日中戦争に対して「深く反省」と田中角栄首相が72年9月に表明すると、中国の周恩来首相はパンダを「中国人民から日本人民にプレゼントする」と即答。日本人は同年11月から上野動物園に殺到して、「人民中国からの使者」カンカン(康康)とランラン(蘭蘭)に熱中した。
(中略)
 パンダ外交の呪縛を自ら解いていかないと、日本は中国の威圧的膨張にいつまでたっても対応できないだろう。

 言ってる意味がよく分かりません。「パンダなんか愛好するな」つう話か。まあ、いずれにせよ中国にとってパンダは勿論「諸外国との友好」の思惑があるでしょうが「パンダを愛する→中国との友好→中国批判しない」つう単純な話は何処にもありません。

参考
■北京週報『中国の「パンダ外交」』
http://japanese.beijingreview.com.cn/yzds/txt/2009-12/16/content_236967.htm

 新中国成立後、初めてのパンダ外交は1957年、贈り先は旧ソ連で、当時の中国とその兄貴分であったソ連との深い関係を象徴していた。1965年から1980年にかけて、中国は伝統的友好関係をもつ隣国である朝鮮にパンダ5頭を相次いで贈った。
 「パンダ外交」の最も有名な事例は1972年。その年、ニクソン*15米大統領の歴史的訪中を迎えるために、周恩来総理はとくに米国に「興興」(シンシン)と「玲玲」(リンリン)という1つがいのパンダを贈呈した。
(中略)
 中国とヨーロッパ諸国との関係が緩和されていくのに伴って、1973年、中国は西側諸国の中で最初に中国と国交を樹立したフランス*16に「燕燕」(イエンイエン)と「黎黎」(リーリー)という1つがいのパンダを贈った。1年後、中国はイギリスに「佳佳」(ジィアジィア)と「晶晶」(ジンジン)、1975年、メキシコに「迎迎」(インイン)と「貝貝」(ベイベイ)という1つがいのパンダを贈った。3年後に、スペインに「紹紹」(シャオシャオ)、「強強」(チャンチャン)という1つがいのパンダを贈呈した。
 1980年、当時の華国鋒*17国家主席*18は西ドイツに「天天」(ティエンティエン)と「宝宝」(バオバオ)という1つがいのパンダを贈り、連邦ドイツに到着した時に、パンダは赤絨毯を敷いて迎えられるという待遇を受けた。

時事通信フィンランドで「パンダ外交」=中国主席、訪米の途上』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040600324&g=int

 中国の習近平国家主席は5日、6日からの米国訪問への途上、フィンランドを訪れ、ニーニスト*19大統領と会談した。AFP通信によると、習氏はパンダのつがいを年内にフィンランドに貸与することを明らかにし、中国が得意とする「パンダ外交」を展開した。
 会談後の記者会見で習氏は「パンダを両国間の友好の使者」とすることで合意したと述べた。これに対し、大統領は「光栄であり、パンダを大切にしたい」と応じた。


■産経『モンゴル外相「北船舶17隻の登録取り消し」 拉致問題解決に協力 単独インタビューで』
http://www.sankei.com/world/news/170627/wor1706270032-n1.html

 中国をめぐっては、昨年11月にチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世がモンゴルを訪問して関係が悪化。ムンフオリギル氏が2月に訪中し王毅*20外相と会談、「チベットは中国の不可分な一部」と明言して関係を修復した経緯がある。
 モンゴルにはチベット仏教の信者が多い。ダライ・ラマが今後、モンゴルを訪問する可能性に関しては「現政府はNOだが、将来の政府がどうするかは分からない」と含みを残した。

 まあ産経がどう詭弁をはこうとも当面ダライはモンゴル訪問が出来ない訳です。


■リベラル21『今年も「六四天安門事件」記念日がやってきた』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3998.html

 1989年民主化運動昂揚のなか、哲学者李沢厚*21は近代史上でのこの時期の政治運動を論じて、自由と民主主義を強調する「啓蒙」思想と日本の侵略に抵抗する「救亡」思想とをあげ、最終的に「救亡」を口実にした独裁が「啓蒙」を圧倒したと発言した。日本の侵略が東アジア史上初の共和制の芽を摘んだ*22のである。

 日本の侵略がなければ民主化が進んだつう単純な話でもないですが、少なくとも「侵略のさなかに民主主義とか悠長な事言ってられない」つう形で独裁的方向を助長したことは確かでしょう。

 学生らは「民主」を叫んだ。
(中略)
 ところが学生は「民主とは人民が主人公の意味だ」としつつも、「人民を代表するものは中国共産党だ」と言っていたのである。
 学生らがデモクラシーの初歩を知っていれば、「なぜ中共は人民を代表できるのか」「幹部の権力を制約する制度は何か」といった問題意識が生れたはずである。

 いや、だからそれ「デモクラシーの初歩を知らない」つう話じゃなくてある種の現実主義でしょうよ。
 大正デモクラシーで知られる思想家・吉野作造が「天皇制否定だ」と非難されるのを恐れて「民主主義」と言う言葉は使わず「民本主義」といったのと話は変わりません。もちろん吉野は「デモクラシーの初歩を知らない」わけじゃない。
 「中国共産党は人民を代表しない」「共産党一党独裁制を辞めて、複数政党制にしよう」とか言って当時、現実性あるのか。
 「人民を代表するものは中国共産党だ」つうのはあくまでも「あいつらは複数政党制を狙ってるに違いない、それならば絶対にあんな運動は認めない」と考えてるであろうトウ小平ら当時の党執行部の反発を無駄に買わないための発言です。それをどうしてそう「文字通りの本心」と理解してしまうのか。

どうみても政治体制は、魯迅が『阿Q正伝』を書いた100年前よりも後退している。

 それはさすがに間違った見方でしょうね。


朝日新聞『世界の記憶、一部「政治的案件」を審議除外へ ユネスコ
http://www.asahi.com/articles/ASK684CPPK68UCLV006.html
 日本政府の公式翻訳では何故か「世界記憶遺産→世界の記憶」に変更されたわけですが、かえって分かりづらいと思います。

 旧日本軍が慰安婦を規律正しく扱ったとする資料*23(申請・日米の団体)や、戦時中の中国で邦人が多数犠牲になった「通州事件」とチベット虐殺の資料(申請・日本の団体とチベットの関係者)も申請されているが、後者の申請者の一人、藤岡信勝拓殖大客員教授にも、ユネスコから「ある歴史観を示すことが目的なら、登録は不適切」との通知があった。これに対し藤岡氏は「歴史観を示すものではなく人権侵害の記録だ」と反論したという。

 まあ、こうなるのはある意味当然でしょう。チベット虐殺資料なんかが本気で登録されると思ってたらただのバカです。
 「政治的案件なら何でも登録から外す」という事なかれ主義はまずい*24ですが、一方で「チベット問題」なんて未だにホットな問題が現実問題として登録できるわけもないでしょう。

 一方、日本関連候補のうち、7〜8世紀の三つの石碑「上野三碑(こうずけさんぴ)」(群馬県)▽外交官杉原千畝(ちうね)氏の「命のビザ」など(岐阜県)▽江戸期に日本に派遣された外交使節団「朝鮮通信使」の記録(申請・日韓の団体)には、ユネスコから特に連絡はないという。

 まあ政治案件ではないでしょうからねえ。


ニューズウィーク日本版『中国とノルウェーの関係正常化、鍵は「ノーベル平和賞」と「養殖サーモン」』鐙麻樹(あぶみ・あさき:ノルウェー在住ジャーナリスト&写真家)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7429.php

 劉暁波氏への平和賞授与で、両国の政治的なトップレベルでの交渉やビジネスは全面的にストップした。特に、養殖サーモンへの打撃はこれまでノルウェー国内で幾度となく報道されていた。
(中略)
 ノルウェーのエルナ・ソルベルグ*25首相は4月7〜10日、ブレンデ外務大臣とメーラン貿易・産業大臣とともに産業界のトップを連れて中国を公式訪問。ノルウェー首相の訪中は10年ぶりとなる快挙であり、今後の両国の関係をスタートさせるための皮切りとなった。
(中略)
 産業においてシンボルとなっているのはノルウェー養殖サーモン。2010年には中国での産業の94%を占めていたが、平和賞授与後には4%に。新鮮なノルウェーサーモンの中国への輸出量は2010年には1万2434トンだったが、2016年には598トンにまで落下。今回の関係正常化で数字は65%に回復するとみられている(Nationen紙、DN紙、Dagsavisen紙)
(中略)
 人権問題の批判に対してソルベルグ首相はNTB通信局にこう答える。
「発言や意思表示は自由であるべきだとは思います。しかし、同時にノルウェーとしての仕事はただ抗議するだけではなく、人権において話すことができるふさわしい状況を探すことです」。

 2017年4月18日という少し古い記事ですが。
 「ノルウェーに霞を食えと言えない」というid:Mukke先生の名言を改めて今思い起こしています(皮肉のつもり)。


日本李登輝友の会『読売新聞「社説」中国パナマ国交 露骨な台湾圧迫は懸念材料だ』 
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170622/
 最近の「前川氏バー通い報道*26」と言い「読売新聞を読んで下さいby安倍」といい「読売の産経化」が深刻なようです。早く「老害ナベツネがあの世に行かないと取り返しがつかない事になるんじゃないか。
 大体、中国がパナマと国交を結ぼうとそんな事は日本に全く関係ない。
 そもそも最初に中国に喧嘩を売ってきたのは馬前政権の対中国外交を非難し、中国外交の転換を図ると言い出した蔡英文の方です。
 そんなことを蔡からされれば中国だって対抗措置をうってくるでしょう。蔡が何もしないのに中国が締め付けてるわけでは全くない。大体、中国には台湾と国交を結んでる国と「国交を結んではならない」という義務もないわけです。しかしこの「中国・パナマ国交樹立」などに対抗して「台湾が新たに国交をホニャララ国と結びました(ホニャララ国は中国と断交)」なんてことがないことが台湾の苦しい立場を象徴しています。
 蔡が中国をどう評価しようと、あるいは独立を目指そうとと彼女の勝手ですが、政治家なんだから現実は直視して欲しいモンです。支持者に媚びてるのか知りませんが、現実を無視して中国に喧嘩を売っても無意味でしょうにね。


日本李登輝友の会柏崎市議会が全会一致で東京オリンピックに「台湾」名で出場を求める意見書を可決』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170621/
 いくら自民党王国新潟とは言え、「日中国交正常化の功労者・田中角栄元首相」の地元でこれとはびっくりです。本気なんだか日本会議への媚びだか知りませんが正気じゃありません。そんな事が現実的に可能なわけもない。


時事通信『新疆とチベットに教師大量派遣=「中国化」を推進』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062000891&g=int

 20日付の中国英字紙グローバル・タイムズ(環球時報英語版)は、新疆ウイグル自治区にかつて派遣された教師の話として「異なる少数民族が意思疎通するためにも双語教育は不可欠」と強調した。

まあ確かに

小中学校でウイグル語やチベット語などと中国語を同時に教える「双語(バイリンガル)教育」

は必要でしょう。中国語は公用語の訳ですし、教えないわけにも行かないでしょう。
 問題は中国語(漢語)教育ではなく「本当にバイリンガル教育なのか、中国語以外が軽視されてないか」という話です。


ニューズウィーク日本版『モンゴル人を大量「虐殺」 記憶遺産に値する中国の罪』(楊海英)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/06/post-7824.php

 昨年11月、南モンゴル(中国内モンゴル自治区)の民主運動家約150人が東京に集まり、連帯組織「クリルタイ」を結成して半年以上が過ぎた。
 あえて東京で結成したのは、大日本帝国がかつてモンゴル人の故郷に満州国と蒙疆政権を樹立したから。フランスが旧宗主国としてアフリカ各国の政治に関わる*27ように、日本の関与をモンゴル人たちも求めている。

 おいおいですね。「日本の満州国建国を美化してる」と楊らが中国に非難されても文句は言えないでしょう。

 今月初め、クリルタイは再び東京に集結。永田町の参議院議員会館で会見を行った。なかでも注目は、66〜76年の中国の文化大革命期に内モンゴルで起きた大量虐殺・拷問に関する記録についてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産登録を目指すと発表したことだ。

 バカバカしい。そんな事が現実問題可能だと本気で思ってるんでしょうか?。まあおそらくは南京事件資料ユネスコ世界記憶遺産登録に反発する日本ウヨへのこびへつらいにすぎないでしょうが。

日露戦争直後から満州国時代を経て、45年に第二次大戦が終わるまで、約40年にわたって日本統治を経験した内モンゴル

 そんなん「日本ウヨ以外の日本人」にとっては誇りでも何でもないですけどね。むしろ「日本が内モンゴル支配などしなければ、内モンゴル外モンゴルとともに独立できたのでは。内モンゴル住民に申し訳ない」つう話でしょう。

 米英ソが45年2月に秘密裏に交わしたヤルタ協定モンゴル人民共和国ソ連の勢力圏に置き、南モンゴルを中国に売り渡した。

 売り渡したも何も蒋介石毛沢東内モンゴル南モンゴル)を中国領だとずっと主張し続けてきたわけですが。

中国によって「南京大虐殺」文書が記憶遺産に登録されるなど、ユネスコは日本批判の道具にされつつある。

 やれやれですね。日本は公式には南京事件を認めていますので何ら「日本批判の道具」ではないしこの理屈なら「アンネの日記」の世界記憶遺産登録は「ドイツ批判の道具」になるし、楊らの運動(文革云々)も「中国批判の道具」でしょう。
 あるいは「アウシュビッツ収容所」の世界遺産登録は「ドイツ批判の道具」、原爆ドーム世界遺産登録は「米国批判の道具」でしょう。しかし楊は南京事件資料登録「のみ」そうした因縁をつけるのだから論外のバカです。


日本李登輝友の会柚原正敬氏を講師に第28回「台湾セミナー」』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170610/
 柚原はあの「展転社」の創業者だそうです。まあ「右翼団体李登輝友の会らしい講師ではあります。


■I濱Y子『春のモンゴル学会雑感』

 5月20日(土)に東京外国語大学で行われた日本モンゴル学会に行ってみた。
(中略)
 一人の日本人を除いて、発表者が全部モンゴル国内モンゴル出身の方であるのには驚いた。

 日本モンゴル学会サイト(http://www.ja-ms.org/50)に寄れば女史の言う日本人の発表とは

上村明(東京外国語大学
「民族的エポケー:モンゴル国西部におけるカザフ人とオリアンハイ人の敵対と協力の関係」

です。

 漢文を授業で教えると中国を尊敬するようになるから漢文の授業やめろとかいう人がいるが、そんなことをしたら*28日本人の残した文献のかなりのものが読めなくなる*29。朝鮮、ベトナムと近代以前の東アジアでは知識人は漢文で著作することが多く、じゃあ彼らはみな中国人でベトナム人朝鮮人、日本人でないかといえば違うだろう。

 もちろんご存じの方もいるでしょうがそう言う馬鹿な事を言ったのはあの百田です。戦前右翼の英語教育敵視といい勝負です。
 そしてさすがの中国嫌いの女史ですら「漢文排撃なんかしたら中国文献どころか日本文献が読めなくなるわ、ドアホ」と百田に突っ込むわけです。まあ、そもそも「漢文読む→中国文化への好意→中国共産党政権を批判しなくなる」つうのもすごい珍論ですが。
 その理屈だとディズニーアニメが好きな人間は米国トランプ政府を、ドラえもんジブリアニメが好きな人間は日本の安倍政権を、ロシア文学トルストイドストエフスキーなど)が好きな人間はロシア・プーチン政府を手放しで支持するんでしょう。「そんなあほな!」で終わる話です。

 中国でも古典漢文をよめる若者はすくない。

 そりゃ日本人だって枕草子だの源氏物語などを現代日本語訳でなくて古典のママで読んで理解できる人間なんかほとんどいないのだから当たり前の話です。いやそれどころか「戦前の旧仮名遣い」だって読める日本人は少ないでしょう(特に旧仮名遣いの経験が全くない戦後世代は)。
 「現代中国って古典を大事にしないんだなあ」と女史は言いたいようですが、そう言う話ではない。
 現代中国語訳で読めば済む話です。

・(ボーガス注:モンゴル人研究者の研究発表は)何か政治演説臭というか、「(ボーガス注:チンギスハン時代のような?)モンゴル民族(ボーガス注:の栄光?)よふたたび」みたいな色が強く押し出される。
・一方、モンゴルに大きな影響を与えた他文化、たとえば、中国文化なり、チベット仏教文化なり、ロシア帝国とモンゴルの関係とか影響なりとを論じるような研究は、いまいち手薄だし、いまひとつ学術的な水準がこうアレに感じられた。
・実は17世紀以後多くのモンゴル人は中央チベットや東チベットの僧院において学び、教え、そして研究成果をチベット語で記した。(中略)しかし、このようなグローバルに活躍したモンゴル人僧は現在のモンゴル人たちの目には入っていないようで、とにかく地元限定で崇拝をうけた僧侶が「モンゴル仏教」の担い手として重要らしい。モンゴル外で活躍したモンゴル僧は彼らの目からみると「名誉チベット人」なのかもしれない。そんなことないのに。
・自分たちの愛する国*30の歴史をきちんと把握してほしい。相手の真の姿はおかまいなく、ただ自分たちの思う姿を一方的におしつけるのは愛とはいわない。

 I濱女史のモンゴル人研究者評価の是非はともかく、

自分たちの愛する国の歴史をきちんと把握してほしい。相手の真の姿はおかまいなく、ただ自分たちの思う姿を一方的におしつけるのは愛とはいわない。

というのはここだけ取り出せば正論ですが「ダライ一味の真の姿(例:オウム真理教から多額の現金をもらって恥じない守銭奴)はお構いなくただ自分たちの思う姿(ダライ様は聖人よ!)を外部に一方的におしつける」人間がよくも言ったモンです。
 当然ながらそんなモンは「ダライに対する本当の愛ではありません」。
 また「沖縄に米軍がなかったら中国が攻めてきたかも知れない」などとデマ飛ばす人間が「歴史をきちんと把握してほしい」なんてよくも言えたモンです。


ニューズウィーク日本版『習近平*31「遠攻」外交で膨張する危険な中国』楊海英
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/06/post-7742.php

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、中国は10〜12年の間に少なくとも12人ものCIA情報提供者を殺害したという。

 NYタイムズ記事が事実として「殺害」というのがどういう形態かよく分かりませんが「処刑」と書いていないと言う事は非合法な暗殺でしょうか?。
 まあ、暗殺していいとは言いませんが、米国の方も「非合法なスパイ工作活動」のわけで、まあ「どっちもどっち」という気がします。

 習政権は自民党内屈指の親中派政治家、二階俊博*32幹事長を「熱烈歓迎」し、「一帯一路」構想への日本の参加を促した。親中派政治家には友好姿勢を示すことで、安倍晋三首相に対する「攻め」の態度との違いを演出したわけだ。

 楊らしい詭弁です。マスコミ報道に寄れば二階氏は「安倍の親書を中国側に渡した」そうですから、二階氏は事実上の政府代表であり、安倍とは対立関係になど何もない。中国側も二階氏を「安倍の名代」「事実上の政府代表」として厚遇したわけです。


■中国が「いずも」の活動を標的に:潮目変わり始めた南シナ海(岡田充)
http://www.21ccs.jp/ryougan_okada/ryougan_81.html

 海上自衛隊によると、「いずも」は5月10日、護衛艦「さざなみ」とともに、7日〜10日、南シナ海で米海軍のイージス駆逐艦2隻と共同訓練をした。

 もちろんこうした安倍政権の行為が「南シナ海で中国と一戦交える気なのか?」と中国の不信と疑念、反発を招いていることは岡田氏が言うように間違いないでしょう。ただし岡田氏が言うように一方で日中両国とも、経済的事情から全面対決できないこともまた事実です。


日本李登輝友の会『【祝】 全日本台湾連合会が創立大会、謝長廷*33代表ら300人がお祝いに結集!』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170605/

 蔡英文*34・総統、蘇嘉全*35立法院長、邱義仁*36・台湾日本関係協会会長からの祝辞が台湾語と日本語で紹介されるや、またもや大きな拍手が沸き起こった。

 蔡も良くこういう事やるよなあ、ですね。
 この会はどう見ても「台湾独立」を訴える面子の集まりですから蔡に対する中国の反発が避けられないと思うんですけどね。

 岸信夫・外務副大臣や許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表からの祝辞も披露された。

 おいおいですね。首相の実弟にして現職の外務副大臣がこういうことをやれば安倍に対する中国の反発が避けられないと思うんですけどね。
 「岸信夫個人が私的にやったこと」ですむわけもない。


■リベラル21『社会主義、こんなはずではなかったが』(阿部治平)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3976.html
 「また中国の悪口かよ」ですね。
 むろん一党独裁の中国には人権上の問題はあるでしょう。批判するなとは言わない。
 ただ「中国にこうして欲しい」つう現実的かつ具体的な提案(例:身柄拘束されてる日本人の早期釈放)でもするならまだしも、「中国はこういう問題点がある」なんてことだけ言っても今時大して意味もないでしょう。
 「中国は非の打ち所のないスバラシイ国だ」なんて誰も言ってない。むしろ今の日本では極右・安倍政権下で酷い反中国暴言が流通してるわけで、そういうことを考えたら無責任にこういうこと書けないと思うんですけどねえ。
 「お前ら反中国の極右と何処が違うんだ」と問いただしたくなります。
 まあそう言われると逆ギレするのが、阿部氏でありリベラル21でしょうが。

 中国の労働者には日本でいう「労働三権」がありません。

 「中国素人なので断言はしませんが」さすがに労働三権団結権、団結交渉権、争議権)に当たる権利はあるでしょう。
 それが何処まで現実的に保障されてるかという問題はさておき。
 こういうところで「中国の法令上労働者の権利は勿論保障されているが、色々な口実で権利行使が阻害されており、実態には問題がある」と書かない辺り、阿部氏については「単に中国に悪口したいだけの極右も同然の輩ではないか」つう疑念を感じざるを得ません。


■I濱Y子のツイッターに突っ込む

 昨日前文部次官*37が「出合い系*38」に行った理由を「(ボーガス注:そのバーの女性に話を聞いて)女性の貧困を調査するため」と説明するのを今朝のニュースでみて、この人がトップの文科省に管轄されていた大学って、教育ってなんなんだろうと遠い目になった。ハニトラ*39の対象にされて国益を損なうことになる*40から高級官僚は身辺を清浄にしてください。

 この人がトップの文科省に管轄されていた大学って教育ってなんなんだろうと遠い目になった。

というI濱ですが、揚げ足取りすれば「事務次官=行政官トップ」であって「文科省(文部省)のトップ」は大臣(政治家)です。
 そして大臣について言えば

・「あの当時、日本に侵略の意思はなかった」という暴言を吐き、竹下*41内閣国土庁長官引責辞任した奥野誠亮(田中*42内閣文相)
・「神の国発言」の森喜朗*43元首相(第二次中曽根*44内閣文相)
・「韓国併合は合意の上に形成されたもので、日本だけでなく韓国側にも責任がある」との暴言が韓国・全斗煥政権に問題視され、中曽根首相によって更迭*45された藤尾正行(第三次中曽根内閣文相)
・「日教組組織率が高い県は学力テストの成績が低い(注:もちろんそんな事実はない)」「成田闘争ごね得」暴言で麻生*46内閣国交相引責辞任した中山成彬小泉内閣*47文科相
・「親学支持」の下村博文(第二次安倍内閣文科相

だの「右翼的な意味」「失言、暴言的な意味」ですさまじい大臣が過去いたわけですが、その辺りI濱はどう思ってるんでしょうか。I濱は右翼だから何とも思わないんでしょうか?
・「エー、あの記者会見見て、お前の感想、出会い系バー関係だけかよ?」ですね。
 仮に前川氏の発言がウソで彼が援助交際していたとしても「そこだけに注目するI濱」て明らかにおかしいですよね。
 俺だったらむしろ

「首相の圧力で、大学認可が歪む日本の教育&政治って何なんだろうな」
「加計疑惑なんて起こっちゃう日本の教育&政治って何なんだろうな」
「安倍なんかがトップ(首相)の日本の社会って何なんだろうな」

と遠い目になりますね。
 そして

「暴露動機はともかく、暴露してくれて前川さんありがとう」
「例のバー通いがどうこうって読売報道はどう見ても安倍の策略なんだろうな。汚い野郎だな、安倍と読売は」
「前川さんのバー通いでの言い分の是非はともかく貧困女性が性風俗で稼ぐ傾向があるつうのは事実だろうから解決すべき重要な問題だよねえ」

とか思うところですが「安倍大好きっ子」I濱にはそう言う脳みそはやはりかけらもないようです(追記:なお、『度が過ぎる悪口雑言はトラブルの元になるので削除した方がいい』という趣旨のコメ欄のご指摘に従って『これ以降に書いたI濱女史への悪口雑言』は自己防衛のため全て削除しました。id:Bill_McCrearyさん、どうもありがとうございます)。
 そうは思いませんか、「I濱先生のお弟子らしい」id:Mukkeさん!
 まさかとは思いますが、あなたも師匠の「I濱女史」同様「ブラボー、安倍さん、ハラショー、安倍さん」ですか(毒)。正直、少しはこういうことで「id:Mukkeに限らず」周囲(I濱の家族、同僚など)もI濱を批判したり、苦言を呈したりするべきだと思います。


■国基研『「邦人救出」を対中外交の優先課題に』矢板明夫*48
http://jinf.jp/weekly/archives/20649

 そもそも日本の情報機関は、国内の過激派の動きを監視することを仕事の中心*49にしており、海外に工作員を送る法的根拠もなければ予算もない。

 そんな事はないと思いますけどね。今回の被拘束者が「スパイかどうか」はともかく「日本は海外にスパイなど一人も送ってない」つうことはないでしょう。

 李克強*50首相は、日中韓首脳会議のため年内に訪日する可能性があると伝えられている。中国側との事前交渉でぜひ「邦人救出」を最重要外交課題にしてもらいたいと考える。

 結局解放は「交渉しかない」わけです。コレは北朝鮮拉致問題も、ヌスラに拉致された安田氏も同じでしょう。


■ちきゅう座『また出た『忖度』ー「我が意の忖度不十分で不満」というパターン』(澤藤統一郎)
http://chikyuza.net/archives/72892
 小生もおおむね澤藤氏と同意見ですね。
 もちろん昭和天皇の「沖縄メッセージ」「増原防衛庁長官問題」などとは性格が違うことは事実です。
 昭和天皇は沖縄問題、防衛問題について当事者じゃない。
 一方現天皇は「あるべき天皇像」の当事者です。
 「あるべき天皇とはこういうモノでお前はそれに従え」つうのは一般人で言えば「お前はこう生きろ」と周囲から命令されるようなもんで実に酷です。自主性がまるでない。
 しかも「天皇にとって一番大事なのは宮中祭祀*51で、次が国事行為で後はどうでもいい」「どうでもいい物をカットすれば負担が軽くなるから退位しなくていい」(渡部昇一などウヨ連中の主張)といわれたら「俺がやってきた被災地慰問とか簡単に否定するな!」と天皇が憤慨するのも人情的に分かります。
 とはいえ天皇の政治的発言はやはりまずいでしょう。

 もっとも、毎日のスタンスについては、原則論からではない別の角度から忖度することが可能だ。
 毎日は、現天皇を護憲リベラル派の一員*52と見て、改憲右翼勢力の先頭にあるアベ政権と対峙させる図式を描いている。平川や渡部は、アベ政権の手先との位置づけで、その意見が批判されているのだ。
 所詮天皇とは、政治の道具。幕末の西南雄藩連合と幕府方との拮抗の中で、「玉」と言われた天皇の取り込み合戦が行われた。たまたまそれに勝って、「玉」を手にした方が、「官軍」となったに過ぎない。そう考えれば、いま、リベラルな天皇という「玉」を最大限活用して、アベ改憲勢力に対峙しようとする合理性は納得できなくもない。
 毎日は、この政治的プラグマティズムの視点や実践を意識的に貫いているのかも知れない。

 そう言う要素は「多少はある」かもしれません。ただ「俺の邪推にすぎませんが」それはメインではないでしょう。
 そこにあるのは
1)「他の政治問題はともかく、皇室問題については当事者である皇族の意見をできるだけ聞き入れるべきだ(毎日)」「俺達が決めて何が悪い(ウヨ)」
2)「祭祀が一番大事で被災地慰問とかどうでもいい(ウヨ)」「そんなことはない(毎日)」とする「あるべき天皇観」の対立でしょう。


■「一つの中国」は米中の“同床異夢”
http://www.nippon.com/ja/currents/d00320/?pnum=1

池田維*53・元交流協会台北事務所
・1972年の日中共同声明で「台湾は中国の不可分の一部である」という中国の主張を「十分理解し、尊重する」としました。
・欧州各国は多くが中国の主張を「テイクノート(留意)する」としています。

 「理解し尊重しただけ」「留意しただけ」で「賛同してない」「支持してない」つういつもの詭弁です。
 「まあ、おたくの国も賛同する、支持すると言いづらいつうなら、表現はどうでもいいですよ。実態が台湾を国扱いしなければ」つう「柔軟性」を中国が発揮しただけじゃないですか。
 しかしこういう人は本気で台湾を国扱いしたいとかできるとか思ってるのか、それとも日本極右へのエクスキューズか。どっちにしろ中国が日本へ不信や疑念もつだけだからこういう物言いはやめてほしいですね。その辺の街宣ウヨが言うのと「元外務省幹部の池田氏」が言うのでは意味が全然違います。


■幻の「台湾親日」論:陳政権時代の対日政策(岡田充*54
http://www.21ccs.jp/ryougan_okada/ryougan_63.html

 2002年初め、台北の日系書店で売られた台湾の性風俗業や買売春を紹介した日本の「極楽台湾」(司書房*55)が、販売禁止となった。
 問題視したのは(ボーガス注:日本右翼が親日だと主張する)民進党台北市議だ。買春を公然と奨励するような書籍が堂々と売られているのは、「(ボーガス注:我らが民進党の)陳水扁元市長に比べ(ボーガス注:国民党の)馬英九現市長*56が手ぬるいからだ」と批判したのである。これに対し馬は市議会で「いつでもどこでも買売春できる都市として描かれ、台北市の印象を著しく傷つけた」と批判。記者会見では本を手に取り「仮に同じ内容の『極楽東京*57』が(ボーガス注:都内で)発売されたら、東京都や都民はどうするだろうか*58」と怒りをあらわにし「買春に来る観光客は一網打尽にする」と取締り強化を宣言した。

 で岡田氏に寄ればコレを理由に「あの水谷尚子」女史が馬閣下を反日呼ばわりしてるそうです。
 いや馬閣下が

「仮に同じ内容の『極楽東京』が発売されたら、東京都や都民はどうするだろうか」

つう言葉を無視すんな、つうかそもそもこの話を持ち出したのは「あんたが親日扱いする」民進党やないか、つう話です。水谷女史と言いI濱女史と言い一部の反中国連中は何でここまで常識がないんでしょうか?

 出版社は「極楽上海」「極楽ソウル」など一連のシリーズを出しているが、まさか上海やソウルの書店には置くまい。外交問題に発展することは明らかだからだ。
 台湾は「親日」だから、日本人旅行者向けに販売しても中国や韓国と違い、発禁され外交問題になることはないだろうという「甘え」と「おごり」から生まれたのだと思う。

 まあそういうことなんでしょうね。台湾も随分と舐められたモンです。

 「極楽台湾」事件について中国研究者の水谷尚子*59は「胡錦濤*60より『色男』で『反日』の馬英九」(「諸君」2006年3月号)で、「買春した日本人は、出国時パスポートに『淫虫』(スケベ野郎)のスタンプを押すことも検討」という馬発言を取り上げ、馬の「反日的性格」の一例と指摘するのである。
 水谷はさらに「反日」の例として、馬英九総統が、霧社事件タイヤル族の指導者モーダルナオ*61記念碑を「先住民たちは抗日英雄だ」と位置付け参拝したことや、「保釣」(尖閣諸島=釣魚島を中国領と主張する運動)の闘士だったことを挙げる。

 「買春した人間(この場合日本人観光客)には厳罰で応じる」「先住民は抗日英雄だ」「尖閣は台湾領だ」どれ一つとして是非はともかく*62反日じゃないでしょう。つうか全部、民進党でも対応は同じじゃないのか。

 水谷は李登輝らを「無条件で日本を愛してくれる」と形容するが、(ボーガス注:本気で言ってるのなら)中国、台湾を研究する専門家*63とは思えない(ボーガス注:能天気な)認識である。
(中略)
 李は(中略)極めて現実的な政治家である。「無条件で外国」を愛する政治家*64がいるとすれば、その国際感覚と資質は疑われる。(ボーガス注:本気で言ってるのなら)水谷の見立ては、李の「戦略的親日」に対するナイーブな認識と言わざるを得ない。

 「2016年1月発表」という少し古い文ですが「ああ、あの水谷先生ならそう言っても不思議はないなあ、W大のI濱Y子の同類だもんな(苦笑)」「I濱ちゃんも『無条件で日本を愛してくれるダライ猊下』と言っちゃうんだろうな」と思ったので笑い話として以上、さらしておきます。
 まあ本気じゃなくて「李登輝へのおべっか」でも水谷女史の知的誠実性が疑われますが。
 それはともかく李登輝ダライ・ラマペマ・ギャルポラビア・カーディル、楊海英レベルだと「戦略的親日」なんて生やさしいもんじゃなくて「日本ウヨの走狗、飼い犬」といった方がいいんじゃないか。


■人民日報『奈良県知事「中国への感謝は隋、唐の時代にまで遡る」』
http://j.people.com.cn/n3/2017/0513/c94473-9214919.html

 奈良県荒井正吾*65知事が12日、四川省成都*66で開催された「世界イノベーション・起業交易会」に参加した際、取材に応じ、中日文化交流と「一帯一路」イニシアティブに対する見方を語った。
(中略)
 荒井知事は、「成都市の招きで第8回東アジア地方政府会合がここで開催できることに感謝している。このような感謝の気持ちは、1300年前の隋や唐の時代にまで遡ることができる。歴史において、日本文化の基礎の形成には、隋、唐の時代に日本が中国の歴史・文化を受け入れたことと大きな関係がある。日本は、中国などの東アジア諸国から、多くの文化的精華を得、政治や経済の各方面で大きな影響を受けた。西域文化も中国やシルクロードを通して日本に伝えられた。これら全てが今日の日本の発展をもたらしてくれた」と語った。
 また、中国の「一帯一路」イニシアティブについて、荒井知事は支持する見方を示し、「東アジア地方政府会合と『一帯一路』イニシアティブは実質的に同じで、どちらもウィンウィンを目指している。当県と中国西部は良い関係を築いている。例えば、陝西省西安市*67とは1974年に友好都市関係を締結した。例えば、奈良女子大学には四川省からきた学生がたくさんいる。今後も教育の面で連携を拡大できると信じている。今回の訪中を通して、成都で継承されている中国医学について知ることができた。今後、この分野で交流、協力を深めることができればうれしい。高速鉄道に乗ると、西安からわずか3時間で成都に行くことができるようになったと聞いた。これは日本人観光客にとってはうれしいニュース」と語った。

つうことでペマギャルポが反中国を叫んでもこういう状況は変わらないでしょう。


■リベラル21『中国人在外研究者の逮捕と釈放について思うこと』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3950.html

 5月2日毎日新聞に、シリアで行方不明になっている、ジャーナリスト安田純平氏救出の努力を日本政府に求める記事があった。
安田純平さん(43)を覚えているだろうか。2015年、シリアで行方不明となり、反政府勢力『シリア征服戦線(旧ヌスラ戦線)』に拘束されたとみられるジャーナリストだ。……このまま解決しない日々を重ねていくのか」(藤原章生*68記者)という。

 全く同感です。こうした状況を何とも思ってないらしい自称「安田の友人」常岡浩介と藤原亮司には改めて呆れます(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20170428/5064208022参照)。

 いま日本人4人が中国当局にスパイ容疑で捕まっている。逮捕後、この人々のニュースはまったくなくなった*69。訪中する国会議員はいくらでもいるが、中国側に釈放を求めたという話は聞かない。国会でも問題にされない*70。私が中国滞在中に、英国政府が同国人の死刑執行に抗議したこと*71がある。日本政府や国会は、抑留されている人たちのために釈放の努力をしているのだろうか。

 「日本政府に善意に理解すれば」おそらく「水面下で要望してる」のでしょうね。さすがに何もしてないと言うことはないでしょう。
 まあ、
1)阿部氏のような反中国人士
2)がんがん騒いだ方が解決すると思う人士
なら騒ぐのでしょうが、問題は「解決すること」であってそのためなら、「水面下での交渉」でも別に構わない話です。

馮氏があえてその調査をやったのは、まるで「さあ捕まえてくれ」というのと同じである。

 まあ要するに挑発行為ですね。
 「逮捕しても国際的圧力ですぐに解放せざるを得ない」と考えたか、「数年拘束されても死ぬことはないだろう」という覚悟だったか、「たとえ死んでも構わない」とまで考えていたかはともかく。

 馮氏のいう「国際的圧力」はつづくニュースでわかった。
 馮氏がシドニー空港に到着するとすぐに、オーストラリア外交貿易省は「オーストラリア政府は馮崇義が戻ることができたというニュースを歓迎する」という声明を発表したのである。
 思うに、オーストラリア外交当局は馮氏が捕まった事実に「関心」を持ち、中国に「善処」を要求していた。

 大事なことは阿部氏の指摘が事実だとしても「恐らく水面下で交渉がされていた」ということです。
 そう言う意味では「日本政府は何をやっているのだ」という阿部氏の批判はずれています。日本政府だって水面下での交渉はしてるでしょうから。
 豪州だって公式には「解放しろ」とは一言も言わなかった。解放後も言ったことは「解放を歓迎する」というある意味他人事な発表です。

 蘇霊、朱建栄*72、王柯*73の抑留のとき、日本政府はオーストラリア外務省のように、何か強力な外交圧力を中国側に加えただろうか。是非、知りたいものである。

 加えたんじゃないですかねえ。
 そもそも豪州外務省の「圧力」とやらだって「多分そうなんだろうな」つう話でしかありません。豪州が公式に認めたわけではない。

 中国に関して微妙な政治問題に関して発言をしたり、中国での立ち居振る舞いが当局に怪しいとにらまれれば、(中略)逮捕され長期に抑留される危険があるのである。

 まあ馮氏はともかく朱建栄氏ってそんな拘束されるような発言あったかなと言う気はしますけどね。
 もちろん「中国のこうした行為は問題」ですがほとんどの日本人にとっては関係ない事でしょう。
 むしろ問題があるとしたら「そんなこと」よりも「覚醒剤の運び屋にでっち上げられる(中国では最悪の場合、死刑になります)」など「現地で犯罪事件に巻き込まれる」方が現実的恐怖かと思います。


日経新聞『中国人のビザ発給要件、5月8日から緩和 外務省』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H0P_R20C17A4EAF000/
■人民日報『日本、中国人対象のビザ発給要件緩和 中日連携の努力の成果』
http://j.people.com.cn/n3/2017/0509/c94476-9212983.html

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H0P_R20C17A4EAF000/
 外務省は21日、5月8日から中国人のビザ(査証)の発給要件を緩和すると発表した。中所得程度の中国人とその家族に対し、3年間なら何度でも日本を訪問できる「数次ビザ」を発給する。最初は観光目的に限る。中国国外に住んでいる中国人にもビザの発給要件を緩める。外務省は「日中間の交流を拡大し、観光立国と地方創生に取り組む」と説明している。

http://j.people.com.cn/n3/2017/0509/c94476-9212983.html
 在中国日本大使館は3日、北京で春の交流会を開催し、(中略)在中国日本大使館の横井裕大使は、「今年で日中国交正常化45周年を迎えた。45年前は、日中関係が今のように大きく発展するとは誰も予想していなかっただろう。現在、日本と中国は、互いにとって重要な経済パートナーとなっており、両国の国内総生産GDP)を足すと、全世界の20%を占める。その他、近年は両国の人員の往来が頻繁になっており、私たちは本当に喜んでいる」と語った。
 横井大使によると、16年、日本を訪問した中国人観光客は前年比28%増の延べ637万人に達したという。日本の伝統芸能・歌舞伎の公演「松竹大歌舞伎」が最近10年ぶりに北京で行われ、好評を博した。
(中略)
 同大使館によると、日本は今月8日から、中国人に対するビザ(査証)の発給要件をさらに緩和し、十分な経済力を有する中国人とその家族に対して、有効期間3年、1回の滞在期間30日の数次ビザ(初回は観光に限定)の発給を開始した。また、クレジットカード(ゴールド)を所持する中国人に対して,個人観光一次ビザの提出書類を簡素化した。これまで必要だった在職証明や所得証明、銀行口座証明書などは必要なくなった。また、東北三県(岩手県宮城県福島県)の有効期間3年数次ビザの対象訪問地が、東北六県(青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県)に拡大された。相当の高所得を有する中国人とその家族に発給している有効期間5年の数次ビザは、初回の訪日目的を観光に限定せず、商用や知人訪問などの目的でも利用できることになった。
 春の交流会には、日中友好議員連盟高村正彦*74会長率いる同連盟の訪中団のメンバーや自民党宏池会の訪中団のメンバーも参加した。高村会長は、「昨年、両国の首脳が話し合い、関係を改善するための共通認識に達して以来、日中関係は改善の傾向を保っている。当連盟は素晴らしい伝統を継承し、両国関係の促進に寄与することを願っている」と語った。

 ということで中国敵視などいかに馬鹿げてるかという話です。


■ちきゅう座『「受け身」から「主導」に転換:日本の台湾政策の背景』岡田充(おかだ・たかし):共同通信客員論説委員
http://chikyuza.net/archives/72542

 安倍政権の台湾重視政策が目立つ。2017年初め、日台交流の窓口機関「交流協会」の名称変更に続き、3月末には現職副大臣が日台断交後初めて公務で訪台した。
(中略)
 安倍は自民党在野時代の10年10月、羽田―松山(台北)間の航空便就航を記念する団を率いて訪台し、李登輝・元総統と会談。翌11年9月にも台北民主進歩党民進党)本部を訪れ、蔡英文主席(当時)と会談した。
 第二次政権発足後は、14年7月の李登輝来日と蔡英文の15年10月来日の際、東京のホテルで二人と「密会」した、とメディアは伝えた。次期総統当選が確実視されていた蔡は、実弟岸信夫・外務副大臣の案内で、故郷の山口県を訪問したほどである。安倍の二人への対応は、同じ台湾総統でも中国との関係改善を果たした国民党の馬英九への「儀礼的態度」とは対照的だった。
(中略)
 「交流協会」は16年12月末「日本台湾交流協会」に名称変更すると発表した。変更理由の公的説明はないが(中略)「日台関係強化をアピールする狙い」(毎日新聞)など、安倍と蔡の「蜜月関係」を象徴する主導的な政治判断とみていいだろう。
(中略)
 一方、赤間二郎総務副大臣は3月25日、日帰りで台湾に出張した。日本台湾交流協会が主催する台北の食品・観光イベントの開幕式への出席が目的。1972年断交後、副大臣が「公務で」台湾を訪問するのは初めてである。農林水産省宮腰光寛・(ボーガス注:小泉内閣副大臣も06年8月に訪台しているが、「私人の身分」であり「公務」ではなかった。菅義偉官房長官は28日「日本と台湾の経済関係、人的往来を深める観点で意義があった」と、訪台を積極的に評価した。一方、岸田外相は「わが国の基本的な方針に反するものではない」と、日本政府の「一つの中国」政策に違反する訪問ではないと述べた。
(中略)
 中国外務省の反応は厳しい。「訪台は、台湾とは民間の地域間の往来のみを維持するという日本側の約束に明らかに反し、中日間の四つの政治文書の精神に厳重に背いている」「台湾問題は中国の核心的利益であり、挑戦は許さない」(華春瑩・副報道局長 3月27日)とのコメントは、訪問を日中関係の大枠を崩そうとする「挑戦」と見做していることを示している。
(中略)
 陳水扁政権時代の2002年、台湾独立派は「中華民国」という公的な名称を「台湾」に改めるよう要求する「正名運動」を開始した。
(中略)
 正名運動は在日台湾人が中心の「李登輝友の会」や右翼団体が日本でも展開した。12年から「外国人登録証」に代わって発行された「在留カード」で、台湾出身者は「台湾」と表記されるようになったのは一例。
(中略)
 正名運動を進める勢力の立場はどのようなものだろう。「台湾研究フォーラム」の永山英樹会長は「台湾に領土的野心を抱く中国の『台湾は中国の一部』と言う宣伝に日本人が騙され」「かつて日本人は生命線・満蒙防衛のために血を流した。その民族の気概を取り戻せ!」「台湾は日本の生命線!」などと主張する。
 彼らの台湾認識は、植民地化した時期から全く変化なく連続し、台湾を「宗主国日本」の道具(ツール)と見做し続けていることが見てとれる。彼らの運動の目標が、台湾問題に積極的に介入し「台湾は中国の不可分の一部とする中国の立場を十分理解し尊重する」(日中共同声明)とうたう「72年体制」を崩すことにあるのは明白である。
(中略)
  かつては一部右翼と独立派の主張にすぎなかったものが、いまは政権を動かすようになった。世論の軸が大きく右にずれたことを示している。
(中略)
 正名化と歩調を合わせる「関係正規化」の動きをみる。安倍政治を支える「日本会議」所属の国会議員や識者は、李登輝や独立派に呼応して、日台関係を正規化し安全保障協力をうたう「日本版台湾関係法」 策定を計画している。
(中略)
 同法は安倍イデオロギーと符合するが、政権が策定する気配はいまのところない。江口克彦・元参院議員が16年5月提出した「(同法)制定の検討の有無」を問う質問主意書に対し、内閣は「政府としてこれまでに検討したことはない」とする答弁書を出した。
(中略)
 正名運動について言えば、2020年の東京オリンピックで、国際オリンピック委員会IOC)の正式名称である「中華台北」ではなく、「台湾」の名称にする「2020東京五輪台湾正名推進協議会」が3月末、東京で設立大会を開き気勢を上げた。IOCJOCともこれを認める可能性はないが、「嫌中愛台」が浸透している日本の世論には、それなりの効果を発揮するかもしれない。 

 安倍が台湾問題で中国が反発するような反中国・極右的態度をとりながら、「日中経済関係にダメージを与えること」を恐れてそれが中途半端であることが分かります。


■【アジアから世界へ #8】 マンリオ・カデロ大使「神道の心」サンマリノへ!
http://pemagyal.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/8-1dc1.html
 今回のペマの対談相手は
産経
■【話の肖像画】駐日サンマリノ大使、マンリオ・カデロ(1) 駐日大使は靖国神社に行ってほしい
http://www.sankei.com/life/news/170116/lif1701160028-n1.html
■【話の肖像画】駐日サンマリノ大使・マンリオ・カデロ(2)欧州初の神社建立に尽力
http://www.sankei.com/life/news/170117/lif1701170014-n1.html
■【話の肖像画】駐日サンマリノ大使・マンリオ・カデロ(3)「源氏物語は世界で一番古い『ロマンス!!』。日本はおもしろい」
http://www.sankei.com/life/news/170118/lif1701180025-n1.html
■【話の肖像画】駐日サンマリノ大使・マンリオ・カデロ(4)日本人少年「外交官」を意識
http://www.sankei.com/life/news/170119/lif1701190047-n1.html
■【話の肖像画】駐日サンマリノ大使 マンリオ・カデロ(5)「テロ」と「カミカゼ」は全く異なる
http://www.sankei.com/life/news/170120/lif1701200020-n1.html
■【外交官が見たニッポン】サンマリノ共和国のカデロ大使はこう断じた…「カミカゼはテロリストではない」「日本人のユニークさの根源は神道だ」 
http://www.sankei.com/premium/news/160909/prm1609090007-n1.html
サンマリノ大使です。
 彼には

・『だから日本は世界から尊敬される』(2014年、小学館新書)
・『世界で一番他人(ひと)にやさしい国・日本』(加瀬英明との共著、2016年、祥伝社新書)

というどう見ても「日本ウヨ褒め殺し」としか思えない著書があります。
 ただ昔の著書は

・『イタリア式極楽生活のすすめ』(1998年、廣済堂出版

と今と違って「日本ウヨに媚びない」まともな題名です(苦笑)。
 なお、この大使については以前拙記事『今日の産経ニュースほか(9/11分)』
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20160911/5640158919
で批判的に紹介しました。

*1:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク・ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)など

*2:著書『米中和解と中越関係:中国の対ベトナム政策を中心に』(2015年、社会評論社

*3:著書『「日の丸・君が代」を強制してはならない:都教委通達違憲判決の意義』(2006年、岩波ブックレット)など

*4:全人代委員長、国家主席を歴任

*5:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*6:資源エネルギー庁次長

*7:駐米大使、外相を経て国務委員(外交担当)。

*8:外務事務次官内閣官房参与を経て国家安全保障局長、内閣特別顧問(国家安全保障担当)

*9:小渕内閣郵政相、福田内閣食品安全等担当相、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*10:中国共産主義青年団共青団)中央書記処書記、中華全国青年聯合会主席、党統一戦線工作部長、全国政治協商会議副主席などを経て副首相

*11:遼寧省婦人連合会主席、遼寧省総工会主席、大連市党委員会書記、全国総工会副主席、福建省党委員会書記、天津市党員会書記などを経て党統一戦線工作部長

*12:名前が書いてないので野田のような閣僚や党役員経験者のそれなりのベテラン、大物議員なのか、どのレベルの議員かわかりませんが。

*13:それ裏返せば「スポーツが駄目なら勉強しろ」つう話ですが。

*14:著書『「日銀貴族」が国を滅ぼす』(2010年、光文社新書)、『国土と安全は経済(カネ)で買える:膨張中国包囲論』(2014年、扶桑社新書)、『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(2016年、講談社プラスアルファ新書)、『習近平が隠す本当は世界3位の中国経済』(2017年、講談社プラスアルファ新書)、『日本経済を滅ぼす「高学歴社員」という病』(2017年、PHP文庫) など

*15:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*16:原文のまま。フランスの国交樹立は1964年で、「西側最初の国交樹立」は1950年の英国です。

*17:公安相、副首相、首相(党第一副主席兼務)、党主席(党軍事委員会主席兼務)など歴任

*18:原文のまま。正しくは党主席

*19:法相、財務相、国会議長などを経て大統領

*20:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て外相

*21:著書『中国の文化心理構造』(1989年、平凡社)、『中国の伝統美学』(1995年、平凡社

*22:一応中華民国中華人民共和国は共和制だと思いますが。まあ阿部氏は「独裁色が強いからまともな共和制と認めない」つう話でしょうけど。なお「貴族共和制」という言葉もあることで分かるように共和制は必ずしも民主主義ではありません。

*23:歴史捏造主義でしかないですね。

*24:今回のユネスコの方針がどう言う物かはこの記事だけでは今ひとつ分かりづらいですね。もし「今回の方針だと、現在、登録されている南京事件資料が登録できなかった」というならそれは事なかれ主義と批判されても仕方ないでしょう。

*25:ボンデヴィーク内閣地方行政・地域開発相などを経て首相

*26:読売が「安倍の御用新聞」「下劣な個人攻撃」「そこまで落ちたか」と各方面から厳しく批判され、それをかわそうとして言い訳したら「言い訳するな」と更に批判された例の件です。

*27:なおこうしたフランスの態度は「不当な内政干渉」という批判もあり手放しで評価されてるわけではありません。

*28:俺個人は「百田のような珍論は論外」ですが「義務教育で漢文を教える必要は必ずしもない(漢文の必要度はそれほど高くない)」「大学などで漢文学習をしたい人間がやればいい」と思うし「義務教育で教えないからと言って」日本人皆が漢文が読めなくなるとも思ってません(読みたい人間は自分で勉強して読めるようになるでしょう)。いやそれ以前に義務教育の漢文授業レベルでは大して時間もかけてないので、漢文なんかそうそう読めやしません(時間かけてる英語だって大して身に付いてませんが)。正直「返り点」なしで漢文が読める人間はまずいないでしょう。いや返り点が書いてあってもどれだけ読めるか。ほとんどの人間は中国古典は漢文そのものではなく現代日本語訳で読むわけです。

*29:まあこれだって研究者はともかく一般日本人は「前近代の日本人が残した漢文文献」について、漢文そのものではなく「現代日本語訳」で読んでると思います。

*30:この場合勿論モンゴルのこと

*31:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*32:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*33:高雄市長、首相を経て、現在、台北駐日経済文化代表処駐日代表。

*34:陳水扁政権副首相などを経て総統

*35:陳水扁政権で内務相、農業相

*36:陳水扁政権で副首相

*37:揚げ足取りすれば「前文科次官」です。

*38:正確には「援助交際の場と化してるといわれる、いわゆる出会い系バー」ですね。少なくとも建前ではバーは「援助交際の場」ではありません。

*39:ニートラップのこと。

*40:「道徳的に問題だ」じゃないあたりが実にI濱らしい。

*41:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*42:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*43:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*44:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相。

*45:こういう場合通常、首相の要請で「自分から辞表を出します」が、藤尾は「絶対に辞表は出さない」「首にしたければ首相が更迭すればいい」と居直ったため中曽根によって罷免されました。

*46:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二次、第三次安倍内閣副総理・財務相

*47:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*48:著書『習近平 なぜ暴走するのか』(2014年、文春文庫)など

*49:過激派がいわゆる「極左」を意味するなら大ウソですね。今時極左の監視なんか仕事の中心じゃないでしょう。

*50:共青団中国共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相

*51:神社本庁とずぶずぶのウヨらしい見解です。

*52:俺個人は彼を「安倍ほどの極右ではない」と見ていますがリベラル派とは別に思ってはいません。

*53:外務省アジア局長、官房長、オランダ大使、ブラジル大使、交流協会台北事務所長等歴任

*54:共同通信香港、モスクワ、台北各支局長、編集委員論説委員を経て2008年から共同通信客員論説委員。著書『中国と台湾:対立と共存の両岸関係』(2003年、講談社現代新書)、『尖閣諸島問題』(2012年、蒼蒼社)、『「領土問題」の論じ方』(共著、2013年、岩波ブックレット) など

*55:桃園書房の子会社。色川武大が一時在籍した会社としても知られる。2007年9月、桃園書房とともに破産宣告を受け倒産。

*56:陳氏も馬氏も後に総統に就任

*57:吉原だの歌舞伎町だのありますから勿論つくろうと思えば簡単につくれるでしょう。もしかしたら海外にそう言うのがあるのかもしれない(さすがに都内では売らないわけですが)。

*58:日本人はバカなので何とも思わない可能性も大です。

*59:著書『中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*60:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席等を経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*61:大規模な抗日武装反乱として知られる霧社事件を起こして日本と戦ったが敗れて自決したと言われる。

*62:つうか尖閣以外は非だとは思いませんが(ただし尖閣台湾領について言えば、歴代総統は李登輝も含めて全てそう言う立場です)。つうか中国のウイグル支配を批判する人・水谷女史が「日本の台湾支配」を美化して霧社事件で先住民を一方的に非難つう無神経には絶句ですね

*63:まあ、あの人の専門はもっぱらウイグル自治区だと思いますが。

*64:そういうのは普通「売国奴」というと思いますが。

*65:海上保安庁長官、小泉内閣外務大臣政務官などを経て奈良県知事

*66:四川省省都

*67:陝西省省都

*68:著書『絵はがきにされた少年』(2010年、集英社文庫)、『資本主義の「終わりの始まり」:ギリシャ、イタリアで起きていること』(2012年、新潮選書)など

*69:水面下で交渉してるので騒がないで欲しいと言う政府の要請でしょうか。

*70:まあ国会での野党の質問はあっていいでしょう。たぶん「デリケートな問題なので回答は控えたい」が答弁でしょうが。

*71:英国は死刑廃止国ですからね。

*72:著書『毛沢東朝鮮戦争』(2004年、岩波現代文庫)、『中国外交:苦難と超克の100年』(2012年、PHP研究所)など

*73:著書『多民族国家 中国』(2005年、岩波新書)、『近代日中関係の旋回』(2015年、藤原書店)など

*74:村山内閣経済企画庁長官、小渕、福田内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相などを経て自民党副総裁(第二次安倍総裁時代)