今日の産経ニュースほか(2019年3月16~17日分)

現地ルポ クリミア併合5年で交錯する「偉大なロシア」への郷愁と愛国主義への嫌悪 - 産経ニュース
 プーチン*1政権が「政権への求心力」を高めるために「愛国主義を利用しようとし、そのために旧ソ連時代を美化してる(そのためにスターリン粛清など都合の悪いことは無視してる)」と批判する産経です。しかしその産経こそが「自民党への求心力を高めるため(?)」か、「愛国主義を利用しようとし、そのために戦前日本を美化してる(そのために南京事件慰安婦など都合の悪いことは無視してる)」のだから滑稽です。
 

【新時代】第3部 ルールなきサイバー空間(3)情報操作が他国を壊す - 産経ニュース
 ネット上のフェイクニュースというならそれに該当するのは例えば日本ではネットギークや保守速報でしょう。「選挙のデマ」云々というなら沖縄マスコミが報じた「沖縄県知事選でのネトウヨデニー候補誹謗デマ*2」でしょうが、産経はもちろんそんな物は取り上げません。

 昨年11月24日の台湾の統一地方選挙で、与党・民主進歩党はそれまで押さえていた県市を13から6に半減させる大敗を喫した。
 中国政府が支援するハッカー集団によって、フェイスブックツイッターなどに蔡政権と与党、民主進歩党を批判する大量の情報が流された。

 産経らしい強弁ですが、ロシアゲートとは違い「中国の選挙介入」が存在するかどうか自体が疑問ですし、ましてや仮にそんなもんがあったとしても「選挙結果の主たる理由」がそんなもんでないことは明白です。蔡英文民進党ですら内心では「自分たちの自滅」だと自覚してるでしょう。

 ペンス*3副大統領は昨年10月、中国が中間選挙共和党の勝敗を左右する重要州で干渉を画策していると指摘し、「中国は米国の内政に干渉しようと、これまでにないほどの力を行使している」と語った。

 これまた産経らしい強弁ですが、ロシアゲートとは違い「中国の選挙介入」が存在するかどうか自体が疑問ですし、ましてや仮にそんなもんがあったとしても「選挙結果の主たる理由」がそんなもんでないことは明白です。トランプやペンスら米国共和党ですら内心では「自分たちの自滅」だと自覚してるでしょう。

・韓国国防省の元北朝鮮情報分析官である高永●(コ・ヨンチョル)氏の調査によると、16年春、中国遼寧省瀋陽市に潜伏していた北朝鮮の工作機関、偵察総局の諜報員数十人が韓国人になりすました。連日、ツイッターフェイスブックなどに朴槿恵(パク・クネ)前大統領を批判する嘘の情報を書き込み始めた。
・高永●氏は「北朝鮮は朴政権を切り捨てるために、世論を裏で操作した。表立って攻撃すると反発を受けやすい。誰にも気付かれず、韓国国民の感情を扇動することで政権を崩壊させる効率的な手法だった」と指摘する。
 わずか数十人の手による情報操作で権力を転覆させる。北朝鮮は少ない人材と低コストでそれを可能にする技術を、10年以上も前から磨いてきた。
●=吉を2つヨコに並べる

 コ某なる人間の主張が信用できるかどうか、つまり北朝鮮が本当にそんなネット工作をしていたのかどうかも問題ですがそれはさておき。産経らしい強弁ですが、朴クネの失脚理由はそんなフェイクニュースではなく、崔順実疑惑についての「主要マスコミの調査報道」やそれに基づく野党の追及でしょう。だからこそ朴の政権与党・セヌリ党(現在の最大野党・自由韓国党)ですら朴をかばいきれなくなったわけです。そしてセヌリ支持者すら朴を批判し、朴政権末期にはついに政権支持率が一桁にまで落ち込みます。しかしこの産経のふざけた物言いは「崔順実疑惑はフェイクニュース」「朴クネは無実だ」「朝鮮日報など保守マスコミも北朝鮮に操られて朴を批判した」と今頃になって言う気でしょうか。


立民福井県連、知事選で5選目指す現職支持 - 産経ニュース
 共産支持者として立民になどほとんど何も期待していない*4のですがいつもながら酷いですね。脱原発を党として標榜しながら、原発推進派の知事を支持するとはどういうことなのか。せめて自主投票にしたらどうなのか。


内閣支持減39%=拉致進展、現政権に期待せず半数-時事世論調査:時事ドットコム
 アンチ安倍*5の俺から言わせれば「まだ高い」ですが、統計不祥事の影響などが多少はあったと言うことでしょうか。なんとか世論の安倍批判を強めていきたいもんです。

 安倍政権に拉致問題の進展を期待するかを聞いたところ、「期待している」39.5%、「期待していない」48.0%だった。

 期待している人間が約4割もいることが驚きですが、「期待しない」が「期待している」を超えてるわけです。まあ当然の話です。

 内閣を支持する理由(複数回答)は、多い順に「他に適当な人がいない」20.7%

 自民党に限ったって「石原*6、石破*7、岸田*8」の方が安倍よりましでしょうにねえ。それにしても「他よりマシ」とは「安倍への積極的評価が恥ずかしく出来ない?」つうあたりがなんともかんとも。

 政党支持率は、自民党が前月比0.1ポイント増の25.5%、立憲民主党も0.9ポイント増の4.3%。以下、公明党2.8%、共産党2.3%、日本維新の会1.4%、国民民主党0.7%など。支持政党なしが0.8ポイント減の60.7%だった。

 「支持政党なし」が6割というのは望ましいことではないでしょう。それにしても一時は10%台の支持率だった立憲民主党も随分落ち込んだもんです。
 それはともかく自民は「相対1位」にすぎないわけで問題は最大野党・立民(旧民主)のだらしなさでしょう。これでは当面は野党共闘せざるをえないわけです。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*2:デニー候補は当選し、選挙への影響は結果的にはなかったわけですが

*3:インディアナ州知事を経て副大統領

*4:ただ「野党共闘しないわけにいかない(安倍自民を有利にするわけに行かない)」ので共闘は支持しますが、別に立民など評価はしていません(それでも国民民主よりはマシだとは思いますが。もちろん自民の二軍「維新」は論外です)。

*5:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*7:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*8:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長