ボーイング機墜落、中国が対米交渉カードに 大量購入を左右 - 産経ニュース
「他の問題はさておき」ボーイングについて言えば
ボーイング737MAX運航停止が広がる EU、中国、東南アジアでストップ、米国へも追随の圧力 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
・欧州航空安全機関(EASA)は12日、エチオピア航空が運航する米ボーイングの最新鋭旅客機「737MAX8」の墜落事故を受け、欧州連合(EU)域内における737MAX8型機および同9型機の運航を一時停止すると発表した。
・10日の墜落事故以降、同型機に運航を停止する動きが相次いでおり、この日は英、ドイツ、フランス、アイルランド、オーストリア、ノルウェー、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、オマーンなどが運航停止を発表。これまでにエチオピア航空は保有する737MAX8全機の運航を停止。インドネシア、中国の当局も737MAXの運航を停止
・米国内でも、共和党の重鎮ロムニー*1上院議員と2020年米大統領選への出馬を表明している民主党のウォーレン上院議員がこの日、同型機の運航を一時停止するよう、米連邦航空局(FAA)に要請した。
米政府、ボーイング737MAXの運航停止を決定 安全性巡る懸念で | ロイター
米政府は13日、エチオピアで墜落事故を起こしたボーイングの旅客機737MAXの運航を一時停止すると発表した。安全性に対する懸念を理由に挙げた。欧州連合(EU)や中国など各国の間で運航停止の動きが広がるなか、米国も同様の措置に踏み切った。
ということで運行措置停止を実施してるのは中国だけではありません。しかもその「運行停止国家」には米国も含まれています。
ボーイング機の墜落が2件続けて起こり「発生原因が不明」という時点では「ボーイング機それ自体の設計ミスや製造ミス」の疑いが否定できず、運行停止されるのは当然でしょう。「交渉カード云々」という話ではない。中国も「諸外国が運行停止にしたから」ためらいなく停止にしただけでしょうし、そんな代物をまさか安易に運行再開にするわけにもいかないし、購入約束も当面「停止状態」でしょう。他の件はともかく、この件を交渉カードにする気はおそらくないでしょう。
【主張】ウイグル人弾圧 中国の言い逃れは通じぬ - 産経ニュース
ダライ・ラマを批判したら、ダライ盲従分子のMさんに「中国シンパ」呼ばわりされた過去がありますので、一応お断りしておきますが俺は「中国のウイグル統治」を容認してはいません。ただし以下はその部分にはほとんど触れません。もっぱら産経批判です。
この問題は昨年来、国連人種差別撤廃委員会や国際人権団体*2が取り上げ、民族的に近いトルコ*3も非難の声を上げている。
驚かされるのは、ウイグル人の置かれた状況について、国際社会の認識と中国側の説明が、かけ離れているということだ。
1)国連人種*4差別撤廃委員会が「慰安婦問題」「沖縄基地問題」を「人種(民族)差別(朝鮮・韓国人や沖縄人への差別)」として日本に是正を勧告したり、国連女性差別撤廃委員会が「女性天皇が認められていないこと」を「女性差別ではないか」と日本に勧告しようとしたとき*5
2)ユネスコが「南京事件資料」を世界記憶遺産登録したとき
3)ICJが日本の南氷洋捕鯨を違法判断したときなど
はさんざん「国連は、国際社会は反日だ」「沖縄基地辺野古移転に問題などない」「慰安婦は公娼だ」「女帝など実施したら日本の伝統が破壊される。女帝否定を女性差別というのは日本の伝統文化への認識に欠けている」「南京事件なんか捏造だ」「南氷洋で捕鯨して何が悪い、捕鯨は日本の伝統文化だ」などと抜かしていた産経が今回は「国際社会の批判ガー」だそうです。
自分が国際社会から批判されると居直って、「大嫌いな中国」が国際社会から批判されるとどや顔とはどれほど恥知らずなのか。
習近平*6指導部は「宗教の中国化」を掲げる。だが、ウイグル人の文化、宗教を消すことなどあってはならない。他の少数派のイスラム教徒やチベット*7についても同様である。
日本国内の韓国学校や朝鮮学校に対して敵対的、差別的な産経(例:朝鮮学校無償化除外支持、桝添*8前都知事の韓国学校への都有地貸与方針に悪口雑言した上、小池*9現都知事が方針を白紙撤回したら歓迎)がよくも言ったもんです。あるいは北海道のアイヌ文化はどうなのか。「中国の民族問題がー」という前に少しは日本の民族問題、外国人問題を考えたらどうなのか。
「ウイグルやチベットの民族文化は大事です。でもアイヌの民族文化なんかどうでもいいです(産経)」なんて態度に何の説得力があるのか。
「それ、少数民族について良心的なんじゃなくて、ただのげすな中国叩きやないか」「この件では国際社会が中国批判ならやっとるし、日本国内でも朝日やNHKなど他のメディアも中国批判しとるから産経は黙ってろ」て話です。
なお話が脱線しますが
アイヌ支援法案を閣議決定 「先住民族」と明記 - 産経ニュース
菅義偉官房長官は15日午前の記者会見で「アイヌの方々が民族としての名誉と尊厳を保持し次世代に継承していくことは、多様な価値観を共生し活力ある共生社会を実現するために必要だ」と意義を強調した。
「アイヌ新法」案 当事者の意見反映を/宮本岳志・はたやま氏が懇談/北海道
・日本共産党の宮本岳志衆院議員と、はたやま和也前衆院議員(参院北海道選挙区予定候補)らは4、5両日、北海道千歳と苫小牧両市、白老町を訪ね、「アイヌ新法」案について、当事者のアイヌの人たちから意見や要望を聞き、懇談しました。
アイヌ新法案は、現行のアイヌ文化振興法(1997年制定)に代わるアイヌ施策の根拠法案。政府は「先住民族であるアイヌの人々」と初めて明記したとし、今国会での成立をめざしています。
・千歳アイヌ協会、千歳アイヌ文化伝承保存会、少数民族懇談会、白老アイヌ協会と懇談した宮本氏は「貧困や差別の実態を知ることができました。みなさんの意見が法案に反映されるべく、参考人質疑や公聴会を実現させたい」と話しました。
『ゴールデンカムイ』アイヌ文化の解説本発売 「オソマ」など漫画の名場面も説明 | オリコンニュース | 岩手日報 IWATE NIPPO
人気漫画『ゴールデンカムイ』でアイヌ語監修を務める文化研究の第一人者・中川裕氏*10が、漫画の名場面を引用しながらアイヌ文化の解説を行った同作の公式解説本『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』*11が15日、発売された。同作の作者・野田サトル氏によるオリジナル描き下ろし漫画も掲載している。
『ゴールデンカムイ』は明治時代の北海道を舞台にし、アイヌが遺したという大金を手に入れるため、元兵士の杉元佐一がアイヌの少女・アシリパと行動をともにし、一攫千金を夢みるサバイバル漫画。2014年から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載がスタートし、その後(ボーガス注:東京MXテレビなどで)アニメ化もされ、『マンガ大賞』など数々の漫画賞*12を受賞している。
ということで「過大評価など出来ませんが」、「中曽根*13首相の単一民族発言があった昔に比べれば」アイヌを巡る状況は良くはなっています。
その一方で
【有本香の以毒制毒】「アイヌ支援法案」は憲法違反? 半世紀前に中国と接触資料も (1/3ページ) - zakzak
・「アイヌ民族は『先住民族』」。
15日、こう明記された法律案が閣議決定され国会に出された。
・法案の内容をざっくり言うと、「アイヌ民族の差別禁止を定め、アイヌ文化の維持、観光や産業の振興を支援する新たな交付金制度創設を盛り込んだ」ものだ。
・「今どき、アイヌ差別などあるのか?」「この人はアイヌ民族だと、どうやって決めるのか?」
いずれももっともな疑問の声だが、これらをよそに、法案は今月末*14にはすんなり衆院を通過するだろう。与野党ともに「差別はダメだし、観光振興につながるならいいんじゃない」という軽いノリで賛成する議員ばかりだからである。
・日本国民を分断へ導くトバ口となるかもしれないこの法案に、国会で切り込んだのは、日本維新の会の丸山穂高衆院議員、ただ一人だった。
丸山議員は今月5日の衆院予算委員会で、これが憲法(第14条=法の下の平等)が禁じる「門地差別」(=生まれによる差別)*15になるのではないか、という点などをただした。
・70年代前後のことを調べると、恐ろしい資料が出てきた。71年、当時の日本社会党の2人の議員の手引きで、アイヌ青年らが中国当局者と日本国内で接触し、74年にはアイヌの訪中が実現したときの記録群である。
訪中・交流の目的は「アイヌは、(ボーガス注:チベット自治区、新疆ウイグル自治区などをもうけ、少数民族に一定の配慮をする)中国の民族政策に倣(なら)って日本における少数民族としての諸権利を展開させていこうとした」と書かれてあるが、当時の中国ではすでに何百万のチベット人らが虐殺されていた。わが国のアイヌの人々*16は、この中国の「政策」の果たしてどこに倣おうとしたのか。
中国共産党が半世紀も前に「アイヌ」にまいた「日本分断の種」が、今日、しっかりと根付こうとしているのである。
アイヌを利用した差別利権の温床になる――「アイヌ新法」はなぜ問題なのか? | 日刊SPA!砂澤陣*17
という酷い夕刊フジや日刊スパ(扶桑社)の「アイヌ差別記事」も未だにあるわけです。安倍政権が政府法案として提出して全会一致で成立するとみられるアイヌ法案の何が「中国がまいた日本分断の種(有本香*18」なのか。「全会一致が予想される」のに何が分断なのか。フジサンケイのようなアイヌ差別者が因縁つけてるだけの話です。
しかし以前も批判しましたが「例の砂澤氏」もどうしようもないバカですね。
安倍晋三*19首相は、(ボーガス注:昨年5月の李克強*20首相訪日や、10月の安倍首相訪中などで)日中関係は「完全に正常な軌道に戻った」と繰り返している。そういうなら、中国政府に対し、(ボーガス注:ウイグルやチベットなど)人権問題で率直に注文をつけてはどうか。
安倍にはそんなことは期待するだけ無駄でしょう。
産経もせいぜいこの程度の安倍批判が関の山です。結局「改憲が大事だからー」で安倍批判をうやむやにしてしまう。
なお、M谷N子氏*21はさすがに「ウイグル問題」での過去の安倍への好意的評価を撤回しましたが、例のNさんは未だに「公式には撤回しない」んだから心底呆れます。
*1:元マサチューセッツ州知事(2003~2007年)。2012年大統領選挙共和党候補。2019年よりユタ州選出の上院議員。
*3:「自国がクルド問題で国際社会から批判されてるのに良くもこんなことが言えたもんだ」と感心(?)します。もちろん褒めていません。むしろ、トルコのエルドアン政権に呆れています。
*5:経緯は知りませんが結局勧告はなし
*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席
*7:ここで「産経文化人・楊海英」の出身地「内モンゴル(南モンゴル)」が出てこない理由は何でしょうか?
*9:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事
*10:著書『アイヌの物語世界』(1997年、平凡社ライブラリー)など
*12:ウィキペディア「ゴールデンカムイ」によれば「コミックナタリー大賞」2位、「このマンガがすごい!2016オトコ編」2位、「北海道ゆかりの本大賞」コミック部門大賞、Japan Expo Awards 2018マンガ部門・脚本賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞
*13:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相、自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相
*14:「今月末」とは2月末のことですが、3月16日現在、まだ成立はしていません。
*15:アイヌ支援に限らず、いわゆるアファーマティブアクション(米国の黒人支援、過去の日本における被差別部落地区(同和地区)支援など)に対して常に出てくる悪口雑言です。
*16:そもそも「すべてのアイヌ」が当時、こうした訪中を支持していたわけでもないでしょうに、良くもこんなことが言えたもんです。
*17:著書『北海道が危ない!』(2016年、扶桑社)
*18:著書『中国はチベットからパンダを盗んだ』(2008年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(2009年、祥伝社新書)、『中国の「日本買収」計画』(2011年、ワック文庫)など
*19:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相
*20:共青団(共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(中国共産党中央政治局常務委員兼務)