「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/25分:高世仁の巻)(追記あり)

■HPVワクチン「捏造」報道の名誉毀損訴訟 村中璃子氏らが全面敗訴
 以前高世が
サイエンスより感情の日本 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
東京新聞の村中璃子氏会見記事 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
で持ち上げていた村中某氏*1が敗訴したそうです。地裁判決なのでもちろん控訴して、村中氏の逆転勝訴の可能性もありますが、この件について高世がどうコメントするのか気になります。何もコメントしないこともあり得ますが。
【2019年3/31追記】
 高世は子宮頸がんワクチンをめぐる理不尽な判決 - 高世仁の「諸悪莫作」日記で判決に「不当判決」云々とコメントしました。その高世記事については俺は
「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/29分:高世仁の巻)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで「高世や村中氏の方が間違っていると思う」と批判的コメントをしています。
【追記終わり】

 村中氏と編集担当だった当時「Wedge」編集長の大江紀洋氏、出版元の株式会社ウェッジに対し、330万円の支払いと、謝罪広告の掲載、ウェブ記事の(ボーガス注:捏造呼ばわりし名誉毀損で訴えられた)問題部分*2について削除を命じる判決を言い渡した。

 完全敗訴ですね。不当判決でない限り村中氏にはジャーナリスト失格の烙印が押されたと言っていいでしょう。

 男澤裁判長は、「ねつ造であるという、研究者にとって致命的とも言える研究不正の存在を告発する趣旨の記事を公表するのであれば、その記事が原告に与える影響の重大さに鑑みて、(証言者である)A氏の発言を鵜呑みにするのではなく、より慎重に裏付け取材を行う必要があった」などとして取材の不十分さを指摘した。
 判決後の記者会見で、池田氏は表情を変えないまま、「私が従来から言い、裁判で述べたことを的確に裁判長は捉えてくれて、判決に反映させてくれている」と評価した。
 そして、「研究者にとって、捏造という言葉は致命的*3。捏造とつけられちゃうと私自身が学会でも何か言える立場ではなくなる」と報道の影響を述べた。

 単に「事実誤認」の指摘ならともかく「捏造」というには「研究成果をでっちあげた故意の証明が必要」、単に「研究結果に問題がある(事実誤認)」といいたいなら過失の可能性もあり捏造呼ばわりする必要はない、捏造呼ばわりは名誉毀損が成立するという裁判所判決や池田氏の主張は一般論としてはその通りです。もしその点でうかつさがあったのなら*4村中氏は非難されて、そして敗訴して当然です(もちろんこれは池田氏の研究の是非やワクチン接種の是非とは全く別問題です)。
 しかしこの「判決の理屈」なら吉見義明氏を捏造呼ばわりしたバカ(維新のチンピラ議員)は敗訴して当然なんですけどね。吉見氏を敗訴させた最高裁のデタラメさには怒りを禁じ得ません。

 同会代表の産婦人科医、石渡勇氏は、「科学の問題を名誉毀損の問題にすり替えた裁判であり、当会の科学者・医師たちはこのような行為を容認できない」などと判決を強く批判した。

 記事が事実なら石渡氏には「おいおい」ですね。裁判所としては「ワクチン接種の是非」や「池田研究の是非」ではなく「捏造呼ばわりの是非」を判断しろと原告(池田氏)に要求されたのだからそういう判断をするのは当たり前です。
 裁判所は基本「原告の設定した土俵」でしか判断が出来ません。
 すり替えでも何でもない。「捏造呼ばわりしても名誉毀損は成立しない。違法じゃない。池田勝訴、村中敗訴はおかしい」といえないなら裁判判決には何の問題もありません。仮に池田氏が判決を理由に「私の研究が正しいと認められた」と放言したとしてもそれは判決が悪いのではなく、池田氏が悪いだけです。判決は「捏造呼ばわりの是非」しか判断していませんので。
 ただしこの記事を読む限り池田氏は「私が捏造をしたと言える根拠が村中氏にないことを判決は認めてくれた」としか言ってないようですし、それは嘘ではありません。
 むしろ「捏造呼ばわりして何が悪い、名誉毀損なんか生じてない」といえないあたり、石渡氏も村中氏の非を認めてるのではないか。
 正直「捏造呼ばわりに問題があった」のならそこは素直に非を認めるべきでしょう。「研究に問題があること」は「捏造があったこと」を必ずしも意味しないわけです。「過失」つう可能性がありますから。

 その上で、「判決の内容と子宮頸がんワクチンの安全性はまったく関係ない。子宮頸がんワクチンの安全性は確立しており、WHOも接種を強く推奨している」とHPVワクチンの評価とは関係ないことを強調した。

 いやいやそういうことを言う前に「名誉毀損が成立すると判断されたこと」について意見を述べたらどうなのか。「ワクチンの安全性」と「村中記事に名誉毀損が成立するかどうか」は全くの別問題であり石渡氏は明らかに話をすり替えています。そこまでして村中氏をかばわないといけないのか。彼らにとって村中氏は「絶対不可侵、無謬」「神様、仏様、村中様」「MukkeにとってのダライやI濱」「N原さんにとっての三浦小太郎」のような存在なのか。

 村中氏は会見に出席しなかったが、「公共性と科学を無視した判決*5が下されたことを非常に残念に思います」「今日の判決はワクチンの安全性とは一切関係がありません。池田氏の研究者としての質を証明するものでも、他の論文の信頼性を保証するものでもありません*6」とメッセージを寄せた。

 会見に出席しないあたり「攻める時は強気だが、守りに回ると逃げ腰になる」つう卑怯な御仁なんでしょうか。断言していいと思いますが「勝訴判決ならどや顔で記者会見に出席した」んじゃないか。
 それにしても「村中記事の挙げた理由だけでは捏造とは断言できない」「捏造呼ばわりするには取材の裏付けが不十分」と判断されたことにはコメントせず「池田氏の研究が評価されたわけじゃない」「ワクチンの安全性が否定されたわけじゃない」としか言わないとは村中氏はどれほどデタラメで無責任なんでしょうか。そもそもこの裁判は「捏造呼ばわりが名誉毀損かどうか」が争われたのだから、それはある意味当たり前のことです。はっきり「捏造呼ばわりして何が悪い、私の取材は裏付け十分だ」といえないということは村中氏も今では「研究結果に問題があると言えばいいところ、捏造呼ばわりしたのはまずかった」と自分の非に内心では気づいてるんじゃないか。ある意味、村中氏とそのお仲間は「自分の非がどうしても認められない」MukkeさんやN原さんみたいな御仁なんでしょう。はっきり言えば自分勝手で無責任で迷惑な人です。


 「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/24分:高世仁の巻) - bogus-simotukareのブログで取り上げた安田純平さんの解放に身代金は支払われたのか?(6) - 高世仁の「諸悪莫作」日記の続きです。やっと高世の「安田には身代金は払われなかったに違いない!」ネタが終了しました。
 なお、過去にも指摘していますが、身代金が支払われた可能性は高いでしょうね。何もしないで解放するほど武装勢力も甘くはないでしょう。少なくとも「支払われなかった」とするまともな根拠を安田氏も高世も提出してはいません。
 しかし
新刊紹介:「歴史評論」5月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログ

 タイの問題点と言えば高世仁
ほんとうは怖いタイ - 高世仁の「諸悪莫作」日記
タイの政争の裏にはあのお方が - 高世仁の「諸悪莫作」日記
タイ国王の死を悼む - 高世仁の「諸悪莫作」日記
で指摘してましたが、ヨーロッパや日本と違い、「未だに王家が政治力持ってること(そして公然と軍部に肩入れしてること)」でしょうね。軍部だけが問題じゃないわけです。
 しかし高世(過去にタイに駐在)も以前タイ関係記事を書いてるし、今回「民政移管選挙」つうホットな話題があるんだからタイ民政移管選挙についての記事でも書いたらどうなんですかね。「安田解放で身代金は払われなかった!」という趣旨の安田純平さんの解放に身代金は支払われたのか?(7) - 高世仁の「諸悪莫作」日記など、どうでもいい記事書いてないで。

と書きましたが、こんなくだらない安田擁護(?)記事より、高世もタイの民政移管選挙について何か書いたらどうなんですかね?。
 それとも明日あたり何か書くのか?(2019年3/29追記:現時点ではタイの民政移管選挙については何の記事も書いてはいません)

 寄り添うと答えるだけの官邸と言わず寄り添う陛下の想い (三鷹市 山縣駿介)
 今朝の朝日歌壇の佳作だ。皇室は本来はあまり政治的な話題に出てこないほうが望ましいのだろうが、こう言いたくなる気持ちはよくわかる。官邸に完全に欠落している沖縄に対する誠実さを、今上天皇と皇后が身を持って示している。少なくともそう見える。
 天皇は沖縄について懸命に学び、琉球語で「琉歌」(8・8・8・6の音節の短詩)を詠めるほどになった。
 以下は「摩文仁」(まぶに=沖縄戦終局の地)と題する「琉歌」。
 ふさかいゆる木草(きくさ)めぐる戦跡(いくさあと)くり返し返し思ひかけて
 天皇の沖縄に対する想いは並大抵のものではなかった。

 いやいや全然そうは思いませんが。もちろん「政治的権限を持たない」天皇が「沖縄集団自決を否定するような教科書検定はやめろ」「辺野古移設などやめろ」などということは期待していません。また父親のやらかした「沖縄切り捨て」を「子としてわびること」も期待していませんが、「沖縄を完全に踏みつけにしている安倍自民一味&支持者よりはマシ」とはいえ、今のあの程度の言動で「沖縄に寄り添う陛下」ですか?。こういう物言いをする高世や「三鷹市 山縣駿介」のような人間には「どんだけ天皇崇拝のウヨなのよ?」と心底呆れます。

・彼らの存在を教えてくれたのは、ジャーナリストの常岡浩介さん。当時、常岡さんは身代金を払わずに安田純平さんを解放する方法を模索しており、このポーランド人のケースが参考になるはずと考えていた。
・5月下旬、何とか日程を調整して常岡さんとポーランドに向かった。
・ マルチンとトマシュは、ドイツ人ジャーナリスト、ヤニーナとのいきさつから拘束、解放まで詳しく語ってくれたのだが、解放の経緯だけ要約すると―
 マルチンたちは武装勢力の司令官から招待される形でシリアに入ったという。招待したのは、ハムザ・シシャーニというチェチェン人。
 シリアには、中東だけでなく、インドネシアや中国(ウイグル)など世界中からムスリム義勇兵が入っており、ISやヌスラ戦線など各派に分かれて戦闘に参加していた。中でもチェチェン人部隊は命知らずの勇猛果敢な戦いぶりでどの派からも重宝がられていたという。
・招待があったのになぜヌスラ戦線が2人を拘束したのかははっきりしないが、一枚岩の組織ではないという組織のありようが推測される。最終的にヌスラ戦線の指導部を動かしたのはチェチェン義勇兵たちからの抗議だったようだ。「我々が招待した客人を拘束するとは何ごとだ」と。
 40日間という短期間で、ポーランド政府が身代金交渉をまとめたとは考えられず、チェチェン人部隊の介入が解放のカギだったことは明らかだとマルチンは言う。

 おいおいですね。まーた「支払いがあったとは考えられない」だそうです。つまり決定的根拠は何もない。
 しかもこれが事実だとしても「我々が招待した客人を拘束するとは何ごとだ」ですからね。安田拘束の場合「安田は招待した客人じゃない」し、当然ながら「マルチンらの拘束に抗議したチェンチェン人部隊」のような存在は安田拘束においては存在しません。
 「常岡がそういう存在だ」とはとても言えないでしょう。
 常岡の「このポーランド人のケースが参考になるはず」は全く意味不明です。まあ、「常岡はともかく」高世は本気ではなく、「当時は利用価値があると持っていた常岡(いや、今も利用価値がある?)」に調子を合わせてこびただけでしょうが。だから俺は高世が大嫌いだし人として何一つ評価していません。

 マルチンたちの解放にはチェチェン義勇兵部隊との特殊な関係が背景にあり、すぐには安田さんのケースに応用できるものではなかったが、IS以外の反政府武装勢力がさまざまな理由で身代金なしに人質を解放してきた一つの実例として参考になった。
 安田純平さんは、自身が言うように「身代金なしで解放されたと考えるのが妥当」だと私も思うが、まだ事実関係は解き明かされていない。今後出てくる材料を待ちたい。

 馬鹿馬鹿しい。「身代金で解放された」と見るのがむしろ妥当でしょう。
 「身代金支払いが日本の税金なら安田のせいで税金が無駄遣いされた」「日本の税金でなくてカタールが支払ったのなら安田のせいでカタールに借りを作った」「安田がシリアで身柄拘束されなければこんなことにならなかった」「安田はもう二度と戦場に行くな」という批判に耐えかねた安田氏が「そもそも身代金は支払われてないと思う」と根拠レスで強弁してるだけの話です(もちろんカタール政府、日本政府の支払い否定は「支払っても否定するであろう」から何の根拠にもなりません)。
 で、それを安田インタビュー番組制作のために「安田氏にこびまくってる」高世が「安田の言うとおりだ」と調子合わせてるだけの馬鹿話です。
 俺個人は「安田氏解放に身代金が払われた」としてもそれで安田氏を批判する気はないです。
 安田氏の身柄拘束についても「安田に落ち度があった」と安易に批判する気はない。よほどきちんと分析しない限り安田批判は避けるべきと思っています。
 しかしこの「身代金は支払われてない(安田発言)」は何の根拠もないですからね。こんなんで身代金云々での安田バッシングが収まるわけもない。
 むしろ「出任せ言うな」とバッシングを助長してるようなもんです。
 大体「身代金が支払われなかったら」彼は誰にも迷惑をかけてないのか。そんなわけはないでしょう。身代金が払われてないにせよ日本政府なりカタール政府なり「誰かが交渉に動いたから解放された」に決まってる。
 その程度のことが分からない馬鹿な訳でもあるまい*7に「身代金は支払われてない、だから俺は悪くない」と強弁する安田氏には心底呆れます。「安田バッシングには賛同しない俺」ですが、そう言う不誠実な人間、安田氏がジャーナリストなどやってはいけないのではないかと俺は思いますね。
 それにしても延々、長たらしい文章を書いても高世もさすがに

安田純平さんは、自身が言うように「身代金なしで解放されたと考えるのが妥当」だと私も思うが、まだ事実関係は解き明かされていない。今後出てくる材料を待ちたい。

としか書けないわけです(だったら「最初からこんな文章は書くな」て話ですが)。で「今後出てくる材料」とやらで「やはり身代金が支払われていた」と明らかになったら高世はどうするつもりなんでしょうか?
 もちろん
1)とにかく今は安田に調子あわせなきゃ。あとのことなんかどうでもいいよ
2)たぶん身代金支払いの有無は最後まで明らかにならないよ
つう認識なんでしょうけど。高世はデタラメ極まりないですね。

*1:著書『10万個の子宮:あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』(2018年、平凡社

*2:全部削除でないあたり、裁判所も表現の自由に配慮したと言えるでしょう(そもそも原告が「捏造呼ばわり部分だけの削除」を求めていたのかもしれませんが)。

*3:おっしゃるとおりで「最高裁の吉見氏不当敗訴判決」のようなケース(捏造呼ばわりが不当であることは誰の目にも明白)でもなければ捏造呼ばわりは、その学者にとって重大なダメージになる危険性があるでしょう。

*4:あったかどうかの判断は留保しますが。

*5:判決は「村中氏の池田氏への捏造呼ばわりが正しいかどうか」のみを評価しています。「ワクチンの安全性や池田研究の是非」など最初から判断していません。「捏造呼ばわりの是非」について「公共性と科学を無視した」と村中氏が言うならともかく「ワクチンは安全だ、だからその立場に立つ私を勝たせるのが当然だ、ワクチンに否定的な池田が負けるのは当然だ。だからこの判決は公共性と科学の無視だ」などと言いたいならそれこそ話のすり替えとねじ曲げです。どうも、村中氏側による「すり替えとねじ曲げ」の疑いが否定できない気がしますが。

*6:そんなことは断らなくても皆分かっています。あえて言えば今回の判決は、村中氏の物言いをパクれば、「村中氏のジャーナリストとしての信頼性や質、村中記事の安全性(名誉毀損などのトラブルにならない)を否定する物であった」とはいえるでしょう。

*7:それとも「本当に分からない馬鹿=安田氏」なんでしょうか?