今日の産経ニュースほか(2019年6月18日分)

森裕子参院議員、地震直後に上越新幹線から反原発ツイート - 産経ニュース
 地震が起こった新潟には原発があるのだから「原発立地箇所で地震があると、どうしても原発事故について不安を感じます。やはり原発はなくすべきだと思う」云々とツイートするのはある意味当たり前の話です。産経のように「政治利用云々」と敵視するような話では全くない。
 むしろ「拉致解決を口実に改憲を放言する産経」の方がよほど政治利用でしょう。
 これが「原発のない場所の地震」なら話も別かもしれませんが。と書いて思ったんですが「原発のない場所の地震」つうのは「日本全国に原発がある」ので現実問題ないかもしれませんね。


トランプ氏、イラン拘束の米国人解放を要請 首相が伝達:朝日新聞デジタル
 まあ、トランプがどこまで安倍に期待してたのかはともかく。当然ながらこういうときに米国は「米軍で取り戻す」なんてことはしません。
 身柄拘束者の居場所が分からないのだから当然です。救う会の放言する「自衛隊拉致被害者救出」がいかにデタラメかと言うことです。


河野外相、ハメネイ師の「核兵器製造せず」発言が首相のイラン訪問成果との認識 - 産経ニュース
 安倍が訪問せずともハメネイ*1は以前からそう言っています。そしてそんなハメネイ発言を米国側は「信用できない」と無視してるわけです。
 しかも例のタンカー攻撃について米国が「イランの犯行だ」と主張して緊張を高めてるのに何が「緊張緩和」なのか。要するに成果などなかったわけです。こんな恥ずかしい強弁をするくらいなら何も言わずに黙っていた方がいい。


政府、女性活躍の重点方針を決定 DV対策強化が柱 - 産経ニュース
安倍首相「時代のニーズに応える交通安全対策を」 キッズゾーンなど新設へ - 産経ニュース
 勿論参院選挙前の話題作りではあるでしょうが、まともな内容ならば評価はします。この記事だけではなんとも評価できませんが。
 もし「まともな内容ならば」日露外交が失敗して結果的によかった(日露外交が成功してれば安倍は多分こういうことをしないので)、といっていいかもしれません(半分は皮肉ですが半分は割とマジです)。


ピエール瀧被告に裁判官が問いかけた「人生」 前身のバンド名(1/2ページ) - 産経ニュース
裁判官、瀧被告に「人生をどうしたいのか」「復帰を切に願っている」 5分以上の異例の説諭 - 産経ニュース
 まあ正直、この種の判事には正直「バカじゃねえのか」と吐き気がしますね。この種の説教をどや顔でして何か意味があるのか。そんなことよりそれこそ「薬物治療」の方がずっと意味があるでしょう。要するに薬物依存は病気の訳ですから。ぶっちゃけ説教でどうにかなる問題ではないでしょう。


千葉県のしんぶん赤旗購読 全国最多の120部から半減 - 産経ニュース
 まあ、こういう共産への嫌がらせ行為をやってどや顔する腐った神経には呆れざるを得ませんね。


【主張】大阪の交番襲撃 再発の防止に万全を期せ - 産経ニュース
 やや揚げ足取りになりますが「再発の防止」が「襲撃の防止」を意味するなら無理です。
 警官を交番に複数配置しようと、監視カメラを設置しようと襲撃する奴はいるでしょう。そうではなく「拳銃を奪われること」や「警官殺害」の防止なら可能かもしれません。ただこれも可能な対策は「複数警官の配備」「警官の格闘訓練や射撃訓練」位しか手はないんじゃないかと思います。まあ、それでも「ゴルゴ13」「ランボー」レベルの物騒な奴が襲ってきたらどうにもならないでしょう。まあ、勿論そんな奴はほとんどいませんが。


「3つの不祥事」で与党追及も…弱気隠せぬ野党 不信任案に二の足 - 産経ニュース
 【野党ウオッチ】衆参同日選に尻込みする枝野氏 党首討論で解散求めるか(1/4ページ) - 産経ニュースもそうですが、「野党が今のところ内閣不信任案を出すか、分からない。解散を恐れてるのだ」云々なんて話は「ある意味どうでもいい」わけです。
 少なくとも「とにかく内閣不信任案を提出すべきだ、もし解散を恐れてるのだとしたら間違ってる」つう立場、価値観に立たない限りどうでもいい(もちろん自民応援団産経はそういう立場ではありません)
 問題はそんなことより産経の言う「3つの不祥事(年金2000万円問題、イージスアショア選定問題、毎日新聞が報じた政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の「疑惑」)」が問題行為に該当し、司法の追及や麻生金融担当相、岩屋防衛相の大臣辞任などに値するかどうかです。
 まあ、産経はそういうことには触れずに逃げるわけですが。そもそも「毎日新聞の報じた疑惑」について何がどう疑惑なのか、この記事において説明すらしない*2。結局、「野党が批判する『3つの不祥事』は何ら問題ない」とはいえず、とはいえ、自民党批判も出来ず、産経が逃げ込んだのは「解散を恐れる野党はヘタレだ」つうある意味どうでもいい話です。
 そんなんは産経愛読者には受けるのかもしれませんが、自民党支持者ですらまともな人間は呆れるでしょう。

【参考:毎日新聞が報じる「疑惑」】

WG座長代理が特区ビジネス支援 「原さんが見てくれる」 申請者「コンサルの一環」 - 毎日新聞
 国家戦略特区の審査を担う民間委員が申請団体を指南し、委員の協力会社がコンサルタント料を得る。制度の信頼をゆがめかねない「規制緩和ビジネス」の一端が浮上した。特区ワーキンググループ(WG)の原英史*3座長代理は協力会社と無関係だと強調するが、団体関係者は両者を同一視し、特区認定を期待していた。
 「(WG幹部の)原さんが提案書を見てくれるから、コンサルタント料は安いと思った」。
 福岡市の美容系学校法人で当時副理事長だった男性は今も、原氏の指導が「特区ビジネスコンサルティング」(特区ビズ)の業務の一環だったと受け止めている。たびたび面会した原氏の傍らには、いつも特区ビズの社長がいたという。

「ヒアリング隠蔽」内閣府が認める 特区WG「記録ない」一転 - 毎日新聞
 国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史座長代理が指南する規制緩和提案を審査したWGヒアリング開催が隠されていた問題で、内閣府は14日、提案者と水産庁へのヒアリング2件を2015年秋に開催していたと明らかにした。内閣府水産庁は「記録がない」などとしていたが、一転して隠蔽(いんぺい)を事実上認めた。2件は首相官邸ホームページ(HP)や政府答弁書に一切記載がなく、透明・中立をうたう特区制度の信頼を揺るがしかねない。

特区審査非公開「他にもある」八田達夫WG座長 提案者が要望と強調 - 毎日新聞
 国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史座長代理が指南した規制緩和提案を巡るヒアリングの開催を内閣府が隠蔽(いんぺい)していた問題で、八田達夫*4座長は毎日新聞の取材に対し、提案者の要望が理由だと強調した上で「ほかにも必要に応じて(開催を)非公開にすることはある」などと回答した。野党は18日に政府から聞き取りを行い、他にもヒアリング開催が隠蔽されている可能性を追及する構えだ。
 八田氏は15日、ヒアリング開催を隠した動機などに関する毎日新聞の質問に電子メールで回答した。一部加筆されて原氏がインターネットの情報サイトに掲載している。
 八田氏は回答で「業界の内情に関する内部告発に類する情報提供を頂くことはあり、お話をうかがったこと自体を秘匿するのは当たり前」と持論を述べ、「透明性・公平性確保になんら問題の生じる余地がない」とした。
 一方、開催の一覧を掲載している首相官邸ホームページ(HP)で提案者や議事要旨が非公開としている提案が他にもあるが、真珠養殖を巡る今回の提案では、2015年秋の提案者と水産庁へのヒアリング開催そのものを隠蔽していた。
 またWG運営要領には「座長がWGの内容等を適当と認める方法で公表する」とあり、開催自体を非公表にできる規定は明示されていない。提案者は規制緩和が実現した場合の受益者となる可能性があるだけに、野党は事実関係をさらにただす方針だ。

 しかしこうした疑惑をテレビ局がまるで報じないのにはうんざりしますね。安倍の支持率高止まりには明らかに「テレビ局が安倍を恐れて、まともに批判報道しない」という面があります。その点こうした毎日新聞の報道姿勢は高く評価したい。


毎日新聞「報道の暴力」に対する厳重抗議:原英史 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
 原が抗議するのはまあいいとしましょう。わけが分からないのはなぜこんなもん(原の釈明文、抗議文)が「新潮社のサイトに掲載されるのか」。
 原は新潮社の社員でも何でもないでしょうに。指摘された疑惑も新潮社と何ら関係ない。要するに「安倍政権万歳」または「原万歳」の新潮社が原に協力してるわけですが、まともなメディアはこんなことしません。まあ新潮社がまともだとは俺は思っていませんが。


【野党ウオッチ】衆参同日選に尻込みする枝野氏 党首討論で解散求めるか(1/4ページ) - 産経ニュース
 タイトルだけで分かりますがもちろん「未だ高止まりする内閣支持率により、解散にびびるヘタレの枝野」「だから今のところ年金2000万円問題を理由に担当大臣・麻生*5金融担当相の不信任案提出は言っても安倍内閣の不信任案提出は言わない(安倍政権側に内閣不信任案提出は解散の理由になるとしている人間がいるからだろう)」「そして枝野は解散も求めない」というネガキャンをやってるわけです。まあ、産経愛読者はこの種の記事で「そうだ、枝野はヘタレだ」と気勢を上げ、気持ちがすっきりするのかも知れませんが、馬鹿げた話です。
 別に解散を求める必要性もどこにもないでしょう。内閣不信任案を提出するか、麻生の不信任案を提出するかも一概に「内閣不信任案でないとダメ」つう話でもない。
 というかそういう「ヘタレだ何だ」なんてのはある意味どうでもいいわけです。
 問題は「安倍*6と枝野*7とどっちがマシか」という話であって「モリカケの腐敗政治家」で「非常識極右」の安倍など俺にとっては「問題外、論外」「ノーサンキュー」つう話です。
 あるいは「年金2000万円問題などでの野党の政権批判は正しいのか」という話です。
 つうか「へたれ」云々なんてのは「右翼の街宣」ならまだしもおよそ「全国紙がやるべき報道」じゃないでしょう。無内容かつ下品です。
 つまりは産経には「安倍の素晴らしさを訴えることが出来ない(安倍の右翼性なんぞ訴えても世間的にはアピールしません*8)」し「年金2000万円問題などで『政府は悪くない』ともさすがにいえない」から枝野のネガキャンに走るし、その場合のネガキャンも政策批判や金銭疑惑批判など「それなりの正当性があるもの」ではなく「へたれ云々」つうレベルの低いもんになるわけです。
 そして「読者も枝野のネガキャンで喜ぶのだからええやん」と産経が思ってるつう、志の低い話なんでしょう。
 つうか「へたれ」云々つうなら「未だ解散するかどうか明言できない(このままだと解散しないのではないかとみられる)」という意味で安倍だっていい加減「へたれ」でしょう。おそらく「G20で何か宣伝できそうなもんがあったら解散も考える」が「G20前の現時点で解散を唱えるのはよろしくない(解散しないという選択肢を今の時点でなくしたくない)」つう話でしょう。
 あるいは「野党の予算委員会開催要求から逃げてる」という意味で安倍もいい加減ヘタレでしょう(これについては例えば与党に予算委開催要求/5野党・会派の国対委員長参照)。
 つまり安倍は産経がこの記事で騒ぐほど「解散が有利」とは思ってないわけです。あるいは「下手に衆院予算委員会なんか開いて安倍が出席したら、失言して選挙に悪影響かも」と安倍やその周辺は思ってるわけです。
 まあ産経だって枝野にネガキャンするために「解散すれば安倍が有利」「だから、解散が求められない枝野はへたれ」云々してるだけで、本心ではそれほど楽観的ではないでしょうが。
 つうか過去において「解散しない方が安倍政権は有利という見方もある」として産経が解散見送り論の台頭を容認していたのは一体何だったのか。
1)安倍政権において再び解散論が台頭し、解散する可能性があるのか
2)単に枝野を「解散を求めないへたれ」といいたいだけにすぎない(結局解散はない)のかはともかく、まあ、論路整合性がまるでありません。

*1:革命防衛隊司令官、大統領などを経て最高指導者

*2:都合の悪いことは何でもデマ報道呼ばわりする産経が、そういう誹謗が出来ずにまともに説明もせず逃げるとは「安易にデマ報道呼ばわりできないほどの信憑性がある」のでしょうね。もちろんいざとなったら「安倍総理は悪くない」「WG議員の個人的問題だ」でトカゲの尻尾切りする計算もしているのでしょうが。

*3:経営コンサルタント。株式会社政策工房代表取締役社長。著書『「規制」を変えれば電気も足りる』(2011年、小学館101新書)、『国家と官僚』(2015年、祥伝社新書)、『岩盤規制』(2019年、新潮新書)など(ウィキペディア『原英史』参照)

*4:大阪大学名誉教授(経済学)。元政策研究大学院大学学長。著書『直接税改革:間接税導入は本当に必要か』(1988年、日本経済新聞社)、『消費税はやはりいらない』(1994年、東洋経済新報社)、『電力システム改革をどう進めるか』(2012年、日本経済新聞出版社)、『待機児童対策』(2019年、日本評論社)など(ウィキペディア八田達夫」参照)

*5:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長を経て首相。現在、第二~四次安倍内閣副総理・財務相

*6:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*7:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*8:安倍の右翼性を容認する程度には日本社会は右翼に寛容です(俺にとっては嘆かわしいことです)。とはいえ、それを積極支持するほど右翼が大好きなわけでもないでしょう。