「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年2/3日分:荒木和博の巻)

捕らぬタヌキの皮算用【調査会NEWS3178】(R02.2.1): 荒木和博BLOG

 1月29日に佐藤忠智・庄内ブルーリボンの会会長にアレンジしていただき酒田市内でイカ釣り漁船の船長さんたちからお話しを聞きました。そこでお聞きしたことを下にまとめました。いい加減なメモなので多少の記憶違いがあることをお許し下さい。
 前に国会議員事務所で海保だったか国交省の担当者から話を聞いたことがありますが、「放水は効くんですよ」と自慢げに言っていました。しかし現実には下の話の通りです。この状況を変えるためには「日本は変わった」と思わせるしかありません。それは威嚇射撃するとか、あるいは軍艦、つまり海自の護衛艦がやってくることです。

 荒木の暴論には心底呆れます。
 まず第一に現状の対応が十分かはともかく、荒木の紹介する船長らの証言ですら「現状のままでは対応が不十分だと思う、何か別の手を打つべきだ」とは言っていても「海保が『九州南西海域工作船事件』(2001年)のときのように威嚇射撃*1しろ(ウィキペディア九州南西海域工作船事件』参照)」「自衛隊の艦船を出せ」などとは言ってないことを指摘しておきます。
 そもそもそんなことを「北朝鮮の不審船」ならまだしも、「たかがイカ釣り漁船」にすることは政治的、道義的是非以前に「違法の疑いすらある」でしょう。
 第二に

 最近は中国船も出てきており、2倍くらいの明るさの集魚灯でイカを取り尽くしてしまう。

という証言があることに注意しましょう。
 そもそもこの「いか釣り漁船の件」は拉致と関係ないだけではなく、「中国漁船も関わっている(むしろそちらの方が多い疑いすらある)」のだから、北朝鮮問題とは言いがたく、「自称・北朝鮮問題専門家」荒木が口を出すこと自体おかしな話です。
 第三に荒木が「ビジネスで深い関係がある中国相手には海保の威嚇射撃や自衛隊出動はできないが、経済制裁を実施しており、経済的に深い関係ではない北朝鮮相手なら実行してもいいのではないか」といってないことに注意しましょう。
 つまり荒木の文章を素直に読めば「中国のいか釣り漁船相手にも海保の威嚇射撃や自衛隊出動をせよ」といってるわけで全く無茶苦茶な男です。まあ、北朝鮮相手ならまだしも、「今年春に習主席の訪日が予定」されてるのに安倍もそんな無茶はしないでしょうが。
 第四に「中国や北朝鮮イカ釣り漁船」相手にそんなことをやれば、中国、北朝鮮との関係は勿論悪化しますが、韓国、ロシアとの関係も悪化するでしょう。
1)中国、北朝鮮、韓国が日本の侵略被害国であること
2)中国(尖閣)、北朝鮮、韓国(竹島)、ロシア(北方領土)との間に領土問題があること
に荒木はあまりにも無神経すぎます。
 そしてこんなことをやれば「無意味に地域の緊張を高めるな(トランプ政権)」と言う批判を受けて日米関係が悪化することすら考えられます。 
 それにしても今回の「イカ釣り漁船相手に自衛隊を出せ」といい「自衛隊特殊部隊を突入させて拉致被害者を救出せよ」といいまったく自衛隊活用が好きな荒木ら救う会です。 
 荒木ら救う会の目的が「右翼的、軍事的な自衛隊活用論」であって「拉致問題の解決」でも「イカ釣り漁船問題の解決」でもないことがよくわかります。

 今はコロナウイルスのことで大騒ぎですが、感染症を持った遭難者・あるいは難民が上陸してくる可能性もあります。

 やれやれですね。今のところ、そうした可能性はどこにもないでしょう。「今のところ、ない可能性」を大げさに騒ぐことはデマに近い。

*1:とはいえさすがの荒木も「撃沈しろ」とは言わないようです。