今日の産経ニュース(2020年2月17日分)

安倍首相が自身のやじを謝罪 「今後は厳に慎む」 - 産経ニュース
 「二度としない」ではなく「慎む」とは安倍らしい酷さです。誰もが「こいつはまた同じ事をやるな」と思ったことでしょう。


弁護側、承諾殺人主張へ 座間9人殺害事件 - 産経ニュース
 まあ「9人殺人」それも「強盗と強姦(強制性交)がセット」では

(殺人)
第百九十九条
 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
(強盗致死傷)
第二百四十条
 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

ということで死刑は免れないでしょうが、承諾殺人なら(そして強盗や強姦の事実について真偽不明とすれば)

(自殺関与及び同意殺人)
第二百二条
 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

ということで最悪でも死刑は回避できます。弁護側として「ある意味当然の弁護行為」ではあるでしょう。まあ、産経だの岡村勲だの「厳罰主義」の輩が今から「死刑にしろ」「弁護側はふざけてる」と騒ぎ立てることが2万パーセント予想できますが。


革マル派活動家の男逮捕 通帳などだまし取った疑い 神奈川県警 - 産経ニュース
 どう見ても「別件捜査が目的なんだろう」と思うと革マル嫌いの俺ですら「警察は違法、不当な捜査などするな」「裁判所はそんなもんに加担するな」と反吐が出ます。


小池知事「苦渋の決断、ご理解を」 東京マラソンの一般参加者出走取りやめ - 産経ニュース
 当初は「割と軽く考えていた小生」ですが、こうなると「少し見方が甘すぎたかもしれない」と幾分反省しています。
 観光的な意味で「小池も当然やりたかった」でしょうし、「やらないと後処理が大変*1」から「やらない」ということは「やはり深刻に考えるべき」ですかね。
 とはいえもちろん「緊急事態条項」などという与太は論外ですが。


【産経抄】2月17日 - 産経ニュース

 我田引水だが新聞を読むのは教育上も効果がある。先進諸国が加盟する経済協力開発機構OECD)が行った15歳対象の国際学力調査でも、新聞をよく読む生徒の読解力が高い傾向が出ていた。

 どうなんですかねえ。
 「新聞をよく読むから読解力が高い」のか、「読解力が高いから新聞をよく読む」のか。後者なら「新聞を読むと読解力が高くなる」などとはいえない。
 どっちにしろ新聞は「情報獲得」のために読むものであって、読解力(学力)向上のためによむものじゃない。そして朝日、読売、毎日、日経ならともかくデマ記事常習の産経なんか読むだけ時間の無駄でしょう。産経など「アホか!」という批判、突っ込みのネタでしかない。


【主張】ドゥテルテ氏 米比協定破棄は間違いだ - 産経ニュース
 「米国と各国(フィリピンに限らない)の軍事同盟で中国封じ込め」を妄想する反中国・産経らしいですが、こんなことは当事者の米国ならともかく部外者の日本がどうこういう話ではない。
 まあ、そもそも本気でドゥテルテに「破棄する気があるのか(何らかの譲歩を米国から引き出すためのブラフではないかと言うこと)」には疑問符がつきますが。

 強権や人権弾圧で欧米の批判を受ける国に経済援助を手に近づき、影響下に置くのは中国の常套(じょうとう)手段である。ASEANでは親中派カンボジアがその典型

 是非はともかく「中国がホニャララしてくれたから、お礼にチョメチョメします」つうのは「経済援助を手に近づき、影響下に置く」と、まるで中国が「カンボジアなどを子分にしているか」のように言うのは違うでしょう。お互い利益があるわけで、カンボジアなどは「中国の言いなりの下僕」ではない。
 かつ「ASEAN内部で最も親中国なのはカンボジア」かもしれませんが、それにしたって産経が期待するレベルの「反中国・反共国家」なんかASEANに限らず「世界のどこの国にも存在しない」わけです。経済大国中国とそこまで対立できる国は「世界最大の経済、政治、軍事大国」米国しかないし、米国ですらそんなことはしない。

 ハーグの仲裁裁判所は南シナ海での中国の主張を退けた。勝訴した当事国がフィリピンであることを忘れてはならない。
 裁定は中国の海洋拡大をやめさせる大きな拠(よ)り所であり、フィリピンは本来、先頭に立って中国の非を鳴らすべきだ。裁定が中国から経済援助を引き出すカードであってよいはずがない。目先の利益に飛びつき、南シナ海の不当な支配を許してよいのか。

 意味が分からないですね。産経は「裁判判決」というものを何か勘違いしてるんじゃないか。
 「裁判判決」を交渉に使って、相手の譲歩を引き出すなんてのは、一般的な民事訴訟でも行われる話です。
 例えば「AがBに100万円貸したことを認める」という判決が出たら、速攻で100万円取り立てないといけないのか。
 そんなことはないわけです。裁判勝訴判決は原告にとって「被告に対しホニャララしていい」という権利であって「被告に対しホニャララしないといけない」という義務ではない。
 「100万円は取り立てない代わりにチョメチョメを認めてくれ」でも一向にかまわない(その要求が「100万円の利益を大幅に超える」ような無茶苦茶なものだと強要罪や恐喝罪が成立しかねませんが、それはまた別の話です)
 大体フィリピンに限らず「領土問題で対立するベトナム」だって産経が期待するレベルでは「中国の非」などならしてない。

裁定が中国から経済援助を引き出すカードであって

も一向にかまわない。少なくとも法的には問題もない。それを「よくない」とするのは産経の反中国主義にすぎない。産経と同様の反中国主義でない限り「判決をてこに経済支援が引き出せて良かったじゃん。ドゥテルテ外交の勝利じゃん」で終わる話です。

*1:今回の参加費は返さない代わりに次回大会は「優遇する方向」だそうですが「どう優遇するのか(全額無料で参加OK?)」によって対応が大変になります。。