今日の産経ニュースほか(2020年3月6日分)

安倍首相退任「世界が許さず」 自民・世耕氏、4選に期待:時事ドットコム
 おべっかにしても酷いですね。どこの世界に安倍に「4選してほしい」なんて外国政府首脳がいるのか。そりゃ外国首脳もおべっかでは「今後も長く続けて下さい」くらい言うかもしれませんが、そんなん安倍に限らないし。よほど国家間関係が酷いか、よほど暴言癖のある政治家でもなければ「あいつには早く辞めてほしい」なんていう外国首脳はいない。
 しかも「プーチンと良好な関係を築いてる」て、「北方領土を返還してほしかったら返還した島に米軍を置かないと確約しろ」とプーチンにいわれて、「分かりました、置きません」とも「そう言う約束はできないが、別の件ではあなたの要望を叶えるから納得してほしい」とも言い返せない、ただただ「日米安保はロシアを敵視してない(だから確約しなくても島を返してくれ)」としかいえない、その結果、プーチンに相手にされない安倍のどこが「良好な関係」なのか。その上、ホワイト国除外で、韓国とは非常に「非友好的な関係」のわけです(とはいえ韓国も公然と「安倍に辞めてほしい」とは言いませんが)。日韓関係を考えたら安倍など早く辞めた方がいい(安倍支持者は残念ながらそうは考えず韓国を敵視するわけですが)。
 それにしても「安倍四選」を正当化するのに「国際社会ガー」つうのも無様です。もはや「アベノミクスの成功」をアピールする気にはなれないようです。そして「コロナによる支持率低迷」によほど怯えているようですね。まあ、世耕(第1次安倍内閣首相補佐官、第2次、第3次安倍内閣官房副長官、第4次安倍内閣経産相)なんて安倍政権以外ではろくな役職に就いていませんからねえ。
 「新型コロナで安倍政権が危ないんじゃないか」となったら「公然と安倍批判しない」までも、こうした「無茶苦茶なおべっか」は控えて「様子見」するでしょうが世耕は逆の訳です。


検察官定年延長、自民了承せず 閣議決定に異論も - 産経ニュース
 過大評価は禁物ですが「コロナ対応の不手際による安倍支持率低迷」で、自民党議員の中にも「検事長定年延長なんか積極的に支持したくない、こんなん安倍の個人的暴走じゃないか」「いつまでも安倍なんか担いでいていいのか」「石破とか別の人間に変えた方がいいんじゃないか」という危機感が生まれつつあるのか。これが「安倍政権終了の始まり」になってほしいところです。


【正論】政府の対応の仕方には言葉失う 評論家・西尾幹二 - 産経ニュース

 自民党二階俊博*1幹事長は29日、中国の外交担当トップの楊潔●(よう・けつち)*2政治局員と会談し、日中両国で広がる新型ウイルスの終息に向け協力を確認した。楊氏は日本に防護服5千着とマスク10万枚を提供すると伝え、「双方の信頼関係はこういう困難があったからこそ深まる」と述べ、二階氏は「終息したときにはお礼の訪中をしたい」と応じた(産経)。
 日本が今一番警戒しなければいけないのは、欧米をはじめ世界が日本と中国を混同することである。特に恐ろしいのは世界政治を動かしている米国議会とそれを支える米国大衆の動向で、彼らは日中韓の区別がつかない*3人々なのだ。ルーズベルト蒋介石が歩み寄って握手した時代の悪夢が甦(よみがえ)ってくる。「日中友好」はこのままいけば取り返しのつかない轍(わだち)にはまりかねない。
●=簾の广を厂に、兼を虎に

 西尾*4が常軌を逸したアンチ中国(蒋介石も敵視してるのでアンチ中国共産党ではないらしい)だと言うことはよく分かりました。それ以外は主張の意味が何が何だかさっぱり分かりません。
 蒋介石中国共産党と何の関係があるのか。


【産経抄】3月6日 - 産経ニュース

国民皆保険や大学無償化など、「民主社会主義者」を自称するサンダース氏の急進的な公約に対する警戒感も根強い。

 国民皆保険など日本や欧米においては「普通のこと」だし、そもそもオバマケア自体が「国民皆保険的な物」を目指して生まれた物なんですがね。大学無償化にしても欧州諸国では珍しくない主張だし、「それが急進的なのか?」とげんなりします。

▼トランプ氏は、サンダース氏との対決を望んでいるといわれる。本音では、穏健で手堅いバイデン氏*5より、手ごわい相手とみているのではないか。

 それはどうですかね。前回はヒラリー*6相手に勝利してるわけです。バイデンが相手ならヒラリーの時のように「エスタブリッシュメントのバイデンに庶民の気持ちは分からない!」という攻撃をまたやるのでしょうし。


【主張】米タリバン合意 テロの温床をつくるのか - 産経ニュース
 「打倒北朝鮮・中国(産経らウヨ)」もそうですが、今回の「打倒タリバン!(産経)」も「是非以前にそんなことがそもそも可能なのか?」ですね。
 何年経ってもタリバンが打倒できないからこういう動きが出てきたのに「打倒タリバン!」と叫んでも事態が悪化するだけでしょう。


【主張】習主席「国賓」延期 対中政策の抜本見直しを - 産経ニュース
 産経の言う見直し(反共主義などによる中国敵視)を安倍はしないでしょうね。今回の訪日延期も「日中両国がコロナ対応に手一杯で訪日の余裕がお互いないから」であってそれ以上でもそれ以下でもない。
 当初は安倍政権も「できる限り予定通りの訪日を目指す」としていたわけです。

 中国は、尖閣諸島沖縄県)を奪おうと狙っている。

 勿論そんな事実はありません。是非はともかく尖閣周辺での中国艦船の行動は政治的示威行為であって侵略ではない。

・邦人の不当な拘束を続けている。
新疆ウイグル自治区で約100万人のウイグル族強制収容所に入れ、香港の「一国二制度」を壊している問題の最高責任者は習氏だ。

 まさに「それはそれ。これはこれ」でしょう。隣国にして日本にとって重要な貿易国・中国との関係は重要です。
 安倍や中国に批判的な日本共産党も「安倍首相はもっと中国を批判すべきだ、それで習主席の国賓訪日がおじゃんになっても仕方ないと思う」とは言っても「日本から国賓訪日を取りやめろ」とはさすがに言っていません。

 日米同盟は日本の安全保障の基軸で、米国は価値観を共にする唯一の同盟国だ。その米国は自由や民主主義、基本的人権を尊重しない共産党政権下の中国に対抗している。

 そんな事実はどこにもないでしょうに。米国トランプ政権の中国との対決は「1980年代の日米貿易摩擦」のような代物でしかないでしょう。
 決して「冷戦時の米ソ対立」ではない。

*1:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て自民党幹事長

*2:駐米大使、外相、国務委員(外交担当)などを経て中国共産党中央外事工領導弁公室主任(党政治局員兼務)

*3:その程度の区別はさすがにつくでしょうよ。

*4:電気通信大学名誉教授。元「新しい歴史教科書をつくる会」会長。著書『戦略的「鎖国」論』(1992年、講談社文庫)、『日本をここまで壊したのは誰か』(2010年、草思社)、『中国人に対する「労働鎖国」のすすめ』(2013年、飛鳥新社)、『同盟国アメリカに日本の戦争の意義を説く時がきた』、『憂国のリアリズム』(以上、2013年、ビジネス社)、『あなたは自由か』(2018年、ちくま新書)など

*5:オバマ政権で副大統領

*6:クリントン元大統領の妻。オバマ政権国務長官