黒坂真に突っ込む(2020年4月2日分)

黒坂真リツイート
 寺田学議員。性産業で性的労働に従事している方々*1は、密閉された空間で顧客と密接した仕事を連日行います。新宿歌舞伎町で感染者が出たそうです。性的労働サービスを購入した方は感染してもそこへ行ったといわない*2でしょう。私は医学の素人ですが、性産業から蔓延の可能性有。国会で議論願います!
◆寺田学*3
 感染経路不明の陽性ケースは、女性が接待するクラブやキャバクラであることが多いと聞きました。ここは、いわゆる夜のお店だからと特別視せず、働いている人達の給与を補填して閉店してもらうべきと思います。みんな、色々な事情抱えて働かれてるはずです。とにかく自粛と支援をセットで。

 寺田氏も指摘していますが、「自粛を言うなら、それで生じる経済的被害の補償*4」についても安倍や小池らはいい加減触れるべきでしょう。
 「経済補償は約束しないが自粛を呼びかける」なんてあまりにも無責任です。それではK1のように自粛要請無視もあり得るし、自粛の呼びかけは「不況や企業倒産の助長」にもなりかねません。
 そして寺田氏の「経済補償論」について何一つコメントしない黒坂の馬鹿さには心底呆れます。経済補償それ自体をネグりたいのか、それとも「経済補償を未だに口にしない安倍や小池をかばいたい」のか知りませんが、そんなに「経済補償論」を口にしたくないのか。

黒坂真リツイート
 石川康宏先生。アイヌという民族が現時点で存在するのか、疑問です。アイヌは日本人と血統でも交わり、共通の言葉や文化、小社会を形成していない。文字のない言葉は継承困難。サケ漁ですが、明治の頃禁止されたから、今になって許可せよというのはおかしい。サケの狩猟期間を定めた法令に従うべき。
石川康宏がリツイート
<北海道>サケ捕獲権復活求め アイヌの権利をめざす会発足(HTB北海道テレビ放送) - Yahoo!ニュース
 アイヌ民族の有志でつくる「アイヌの権利をめざす会」が発足し、サケを捕獲する漁業権の回復などを訴えました。
 アイヌの権利をめざす会は、日高の平取町や埼玉県に住むアイヌの有志5人が共同代表となり立ち上げました。会見ではアイヌの暮らしを支えたサケ漁が日本の政府によって一方的に禁止された。先住民族がサケを獲る権利は国連の先住民族権利宣言にも明記されているとして、インターネットで署名活動を行い国に対し「先住民族の権利に沿った施策を求める」としています。また去年、紋別アイヌ協会会長らが届け出をせずにサケを捕獲し、水産資源保護法違反などの疑いで書類送検されたことについては会長らを支援すると表明しました。
貝澤耕一さん:「アイヌとして何かできないか、アイヌだってこれだけ団結力があるのを見せたいと活動を始めた」。
野志朗さん:「北海道内水面漁業調整規則がアイヌにとって不都合であるならばアイヌに一番いいように改正すべきだと思います」。

 おいおいですね。ツイート前半の「アイヌ否定論」という主張内容自体が「そもそもアイヌなど最初から少数民族とは言えない」でも「今は和人に同化したから(以下略)*5」でも非常識*6ですが、「アイヌ研究者ではない*7一市民の石川氏」にアイヌ云々で絡むとはどこまでバカなのか。おそらく石川氏が「全国革新懇代表世話人の一人」という左派だからウヨの黒坂は絡むのでしょうが。
 そもそもアイヌ新法が「政府提出法案であり、かつ一部のウヨ議員を除いてほぼ全会一致で成立」ということでわかるように自民党も「アイヌ否定論の立場ではない」。
 安倍ですらそこまで酷くないわけです。
 なお、<北海道>サケ捕獲権復活求め アイヌの権利をめざす会発足(HTB北海道テレビ放送) - Yahoo!ニュースに名前が出てくる方々ですが、貝澤耕一氏は「貝澤正氏の長男で、NPO法人『ナショナルトラスト チコロナイ』理事長」、萱野志朗氏は「萱野茂氏の長男で萱野茂二風谷アイヌ資料館館長、世界先住民族ネットワーク・AINU代表、アイヌ民族党党首」です(ウィキペディア「貝澤耕一」「萱野志朗」参照)。

参考

◆貝澤正(1912~1992年、ウィキペディア参照)
 北海道平取町議会議員、二風谷アイヌ文化資料館初代館長、北海道ウタリ協会副理事長を歴任。いわゆる「二風谷ダム訴訟」の原告の一人。
 著書『アイヌ わが人生』(2010年、岩波人文書セレクション)。

萱野茂(1926~2006年、ウィキペディア参照)
 いわゆる「二風谷ダム訴訟」の原告の一人。元北海道平取町議。元参院議員(1994~1998年)。1975年、『ウェペケレ集大成』で菊池寛賞を受賞。
 著書『アイヌの碑』(1990年、朝日文庫)、『アイヌの昔話』(1993年、平凡社ライブラリー)、『アイヌ歳時記:二風谷のくらしと心』(2000年、平凡社新書→2017年、ちくま学芸文庫)、『アイヌと神々の物語:炉端で聞いたウウェペケレ』(2020年、ヤマケイ文庫 )など。

*1:ここで黒坂が取り上げてるのは「クラブやキャバクラ」というよりは明らかに身体接触がある「イメージクラブ」「ソープランド」「ファッションヘルス」などのこと。

*2:うーん、どうですかね。

*3:衆院議員(民主党民進党希望の党立憲民主党)。菅、野田内閣で首相補佐官

*4:もちろんそれは、寺田氏がここで触れた「クラブやキャバクラ」や黒坂の言う「性風俗産業(イメージクラブ、ソープランドファッションヘルスなど)」だけでなく「プロ野球、演劇公演などのイベント興行」「京都、奈良などの観光業」など全てのケースです。

*5:その理屈ならチベットウイグルが完全に漢民族に同化したら、「少数民族とは言えない」わけですが、それについては「中国の少数民族の権利を守れ!」ですから黒坂のクズぶりには心底呆れます。まあ、こうしたアイヌ否定の暴言によって黒坂のやってることが「少数民族問題を利用した、ウヨの薄汚い中国叩き」にすぎないことがわかりますが。

*6:後半の「サケを取る権利の否定」は是非はともかく前半ほど酷くはありませんが、そもそも後半を主張するのに前半を主張する必要はないわけです。後半の主張者でも前半を主張する人間は黒坂のような非常識極右以外まず居ないでしょう。

*7:石川氏(神戸女学院大教授)の専門は経済学です