黒坂真&島田洋一に突っ込む(2020年4月26日分)(追記あり)

黒坂真リツイート
 中国共産党は「農村が都市を包囲する」と称して武装闘争で政権を取りました。自分たちが都市に住むようになったので、資源を都市住民に優先して配分するようにしたのです。毛沢東期の中国共産党にとっての社会主義とは、都市住民優先の資源配分体制だったと思います。都市住民の支持を得るには良い。
◆石舞台(isibutai)
 中国共産党がなぜ都市住民と農村の住民を戸籍で区別し差別する理由が分かりません。

 黒坂にも「石舞台」にも呆れざるを得ない珍ツイートです。
 まず第一に「石舞台」はなぜ「中国研究」が専門でない黒坂にこんなことを聞くのか。「中国研究の専門家」に聞けばいいでしょうよ。
 第二に黒坂のツイートは「何故、黒坂がそのように考えるのか」、何一つ根拠を示さないというすさまじいもんです。黒坂の主張が正しいのかどうか、俺は無知なので知りません*1が、およそ「学者の肩書きを持つ人間」のするツイートではありませんね。

【追記】

黒坂真
 中国の戸籍差別については、かなり*2研究があります。最近のものでは、川島博之教授*3の本がわかりやすい。
9億の農民戸籍と4億の都市戸籍──中国のアパルトヘイトが容赦ない件|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部

 さすがに黒坂も自分のツイートを「無根拠すぎる」と思ったのか「黒坂のウヨ仲間らしい川島の著書」を一つ「だけ」あげたわけです。
 ただしどう見ても、

『世界の食料生産とバイオマスエネルギー』(2008年、東京大学出版会
『「食糧危機」をあおってはいけない』(2009年、文藝春秋
『「食料自給率」の罠:輸出が日本の農業を強くする』(2010年、朝日新聞出版)
『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』(2011年、日本経済新聞出版社

という「中国関係ない農業関係の著書が多い」川島は中国研究者と言える人物ではなさそうですが。 
 かつ「中国関係の著書」も

『データで読み解く中国経済:やがて中国の失速がはじまる』(2012年、東洋経済新報社
『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』(2017年、講談社プラスアルファ新書)

と「失速」「アパルトヘイト」「崩壊」だのとどう見ても「非常識な反中国本」でしょう。
 しかしこの9億の農民戸籍と4億の都市戸籍──中国のアパルトヘイトが容赦ない件|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部

 この本はまた中国の軍事予算の増大がもたらす中国経済の危機にも言及しています。これもまた、国際(北朝鮮)危機が声高に叫ばれ、防衛費(軍事費)が増大する今の日本が参考にすべき事柄だと思います。

などと「明らかな安倍自民批判(中国の軍拡も問題だが安倍自民の軍拡も問題だ、云々)」を書いてるので「安倍自民万歳」の黒坂にとって「留保も付けずに紹介できる内容ではない」のですが、黒坂も全く変な男です。
 なお、9億の農民戸籍と4億の都市戸籍──中国のアパルトヘイトが容赦ない件|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部を読む限りでは中国に「都市と地方の格差を放置している」と悪口雑言するだけの「読む価値のない反中国本」のように思いますね。中国政府だって「地方と都市の格差」について全く無関心なわけではありませんので。

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。営業しているパチンコ店は経済的な死を回避し、雇用を守る戦いをしているとの呟きですね。
◆吉岡正史がツイート
コロナ対策で休業要請に応じない事業者の公表は卑怯 炙り出されるリーダーたちの「無責任」(御田寺圭)
 これは端的に不誠実、もっといえば卑怯なやり方であるといわざるを得ない。
 一切営業させたくないのであれば、「要請」ではなく、相応の補償金を支払って「命令」するべきだろう。個別の休業補償を拒み、あくまで「お願いベース」でことを運んで責任を極力とらない選択をしたのだから、その「お願い」を断られることも覚悟しなければならない。
 なにも事業者側も嫌がらせがしたくて稼動しているわけではないし、ましてや感染爆発を誘起して市民社会をさらなる危険にさらしたいとも思ってはいない。休業にともなう個別的な金銭補償を十分に受けられる確約があれば、喜んでシャッターを下ろすだろう。
 そもそも、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づいて「事業者名の公表」をするとのことだが、いったいそれでどうするというのだろうか。自分たちが直接に拳を振り下ろすのではなくて「市民社会による私的制裁」を期待しているとしか考えられない。
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、人びとの「命」を守る戦いに臨みながらも、「コロナ・ショック」によって生活を破壊され、死に追いやられる人の「命」を守る戦いにも注力しなければならない。少なくともリーマンショック時と同じかそれ以上の景気対策が急務となっている。「命」を守る戦いは二種類ある。同時並行で進めなければならない。まったなしの状況だ。

 やれやれですね。こうした「御田寺某氏の文」と「それを紹介した吉岡氏の言いたいこと」はもちろん「一円も休業補償もせずに自粛を要請したあげく、従わないパチンコ店の店名公表をするのは不当な集団リンチではないのか」「まずは休業補償すべきだ」ということであって、「営業の全面正当化」ではありません。ましてや「コロナ感染の危険性の軽視」でもない。
 それは

 「命」を守る戦いは二種類ある。同時並行で進めなければならない。

という文で明確です。
 ただし「大阪の吉岡、松井」&黒坂は、おそらく「一円も休業補償したくない」がために「集団リンチ」を正当化するわけですが。
 一方、島田洋一

島田洋一
 このパチンコ店側の言い分は、賛否は別として、知っておく価値がある
大阪府のパチンコ店が吉村知事に反逆する理由を激白「なんで飲食店は営業できてパチンコはあかんのや」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
 現在も営業しているパチンコ店のオーナーはこう主張する。
「営業せんかったら、倒産の危機ですよ。国や大阪府が休業補償してくれるわけでもあらへん。パチンコ店は休んでいても固定経費がかさむ商売。店休んだら、1日で何百万円という赤字が出ていくんです。営業することが、悪いようにニュースで報じられますが、うちは消毒やマスク着用を徹底している。ドアを開けて空気の入れ替えも常にしてますねん。三密にならへんよう、パチンコ台の数台あけて、座っていただくようにお客様にはお願いしている。飲食店と変わらない感染防止対策やっている。飲食店は短縮営業できて、パチンコ店はなぜ、あかんのか。それはおかしいと思う。店名が公表されても営業は続けますよ。従業員の雇用と生活を守るためにも、うちは休みません」

として「同じ反共右翼でも」、黒坂とは違い、この件では「一円も休業補償もせずに自粛要求などおかしい」という「日本共産党などに近い価値観」のようです。
 何というか俺的に「人間のくず度:黒坂真(最低最悪のクズ)>絶対に越えられない壁>島田洋一(黒坂よりはずっとまとも)」であり、島田もいい加減酷い「非常識極右」ですが、まだ島田の方が黒坂よりましです。
 ただし、黒坂にそう言ったら「島田洋一の方がましとはどういうことだ!」と怒り出すんでしょうか?

*1:とはいえ普通に考えて『都市住民優先の資源配分体制』なんてもんではないでしょうが。

*2:「かなり」というなら複数上げるべき所、一個しか上げない辺りが黒坂らしいデタラメさです。まあ要するに、黒坂は川島の本以外には『中国の戸籍制度』についてろくに本を読んでおらず知識もないのでしょう。にもかかわらず「口から出任せをほざく」と。

*3:ウィキペディア『川島博之』によれば『元・東京大学准教授(現在はベトナム企業ビングループ主席経済顧問)』が正しい。