今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年7月4日分)

【主張】拉致とトランプ氏 圧力路線への回帰必要だ - 産経ニュース
 圧力路線とやらで拉致が解決すると何故言えるのか、と言う話ですね。「小泉訪朝での日朝平壌宣言(国交正常化後の経済支援を明記)→拉致被害者帰国」で分かるようにすべきことは「国交正常化での経済支援とのバーター取引」ではないのか。
 いつもながら産経らウヨには呆れます。

 拉致被害者横田めぐみさんの父で、先月、87歳で亡くなった滋さんの遺族に、トランプ米大統領からお悔やみの書簡が届いた。
 トランプ氏は弔意を表した上で「めぐみさんを必ずご自宅に連れて帰るという重要な任務を続ける」と誓った。
 これまでもトランプ氏は拉致被害者の救出に熱意をみせてきた。2017年には国連総会の一般討論演説で北朝鮮の人権侵害を非難し、「日本人の13歳の少女が拉致された」と述べた。めぐみさんのことである。
 米国の大統領が国連の場で拉致問題の非人道性を訴えたのは、これが初めてだった。

 で「そうしたトランプの言動が拉致解決のために一体どう役立ったのか」ですね。どう見ても役立ってない。
 むしろ

米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

 林東源は、小泉からのメッセージも金正日に伝える。「拉致問題に進展があれば、国民を説得して関係改善を進める意思がある」との趣旨だったという。
 林は「日本人拉致は『過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」という「金大中の考え」を伝えて説得したとも回顧録で主張している。

 林氏なる人物は、韓国の元統一相で、金大中元大統領の側近です。

という「金大中政権」の方がよほど「拉致解決のために貢献」してくれました。しかし「朴正熙万歳で太陽政策を敵視する」産経らウヨは絶対に「朴正熙に何度も暗殺されそうになった朴の政敵」「太陽政策の実行者」金大中氏を褒めたりはしません。
 この「林氏エピソード」の元ネタは産経記事なのですが、産経的には「拉致被害者帰国に協力してくれて、金大中さん、ありがとう」「金大中氏はだから反日などでは無い」という金氏高評価ではなく「見ろ、金大中なんか北朝鮮に大甘なんだ!」と非難しているつもりらしいから呆れます。まあ、産経の思惑が何でアレ、俺は産経記事を読んだとき「金大中氏への感謝の念」を感じずにはいられませんでしたが。


「反日種族主義」の執筆陣を元慰安婦らが告訴へ 韓国の歴史認識裁判が再発 - 産経ニュース
 産経は故意に「元慰安婦の名前を書かないで隠してる」のでしょうが、李容洙さんや慰安婦被害者ら、『反日種族主義』執筆陣・柳錫春教授を告訴(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュースによれば、元慰安婦の一人は

◆尹美香(ユン・ミヒャン)・正義連帯(旧称:挺対協)元理事長を批判する李容洙(イ・ヨンス)

です。
 つまりはイ氏のユン氏批判は「蓮池透氏の巣くう会、家族会批判」が「北朝鮮拉致を否定しているのでは無い」のと同様、その是非はともかく「慰安婦の違法性を否定しているわけでは無い」。産経ら河野談話否定派がイ氏を都合良く政治利用しようなどとんでもない話です。
 というかそういう動きに危機感を感じてのイ氏の告訴でしょうが。


【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】大統領揶揄の壁新聞配布に有罪判決 異論許さぬ文在寅政権の非民主体質 - 産経ニュース
 朝日や毎日、赤旗ならともかく日本で同様の「住居不法侵入」起訴(例えば葛飾政党ビラ配布事件 - Wikipedia立川反戦ビラ配布事件 - Wikipedia参照)が共産党や市民団体相手にされたとき、批判もしなかった産経が良く言うと心底呆れます。
 もちろん俺は「実際そのような起訴がされた」のならその点について文政権を批判することは念のためお断りしておきます(ただし、文政権シンパとして、もう一言お断りしておけば、この点において『最大野党・統合未来党がまともか、政府批判に寛容か』といえば朴クネ時代のふるまいから考えるに「もっと酷いであろう」という点も指摘しておきます)。
 ここで問題にしてるのは「文政権と同じ事を自民党政権がやっても批判一つしなかった産経がふざけるな」と言う話です。
 まあ日本警察だって「市民運動弾圧」と言う意味では全く褒められたもんじゃないんですがね。
 なお、「住居不法侵入」起訴が不当であると言うことと『この壁新聞とやらの文政権批判がまともかどうか』はまた別途議論する必要があるでしょう。「まともで無いから起訴していい」わけでないことは当然として、「起訴が不当だから批判がまとも」なわけでもありません。

【参考:立川反戦ビラ配布事件】
イラク派兵反対ビラ配布で逮捕/法学者56氏が抗議声明/東京・立川
自衛隊官舎ビラ配布逮捕事件/日本では反戦は危険思想?


【参考:葛飾政党ビラ配布事件】
主張/立川ビラ配布裁判/断罪されるべきは政治弾圧
「侵入に当たらず」/葛飾ビラ弾圧 刑法学者ら証言
政党ビラの配布 無罪/住居侵入にあたらず/目的・様態 “社会通念上は正当”/東京地裁
主張/葛飾ビラ弾圧判決/言論の自由、社会常識の勝利
葛飾ビラ配布事件/逆転有罪の不当判決/東京高裁 違法弾圧を追認
主張/葛飾ビラ弾圧事件/最高裁は口頭弁論を開け
日弁連 人権擁護大会で/ビラ弾圧批判を決議
ビラ判決 最高裁を批判/東京弁護士会が会長声明
ビラ判決 最高裁を批判/東京弁護士会が会長声明