◆最近の文科省ニュース
つくる会関係記事を探す際に「文科省」「萩生田大臣」などでググった時に見つけた「別の文科省関係記事」をいくつか紹介しておきます。
【アイヌ関係】
国の責任で遺骨返還を アイヌ民族2団体が要請 萩生田文科相の発言に抗議:北海道新聞 どうしん電子版
道内外のアイヌ民族らでつくる2団体は7日、研究者らによって収集されたアイヌ民族の遺骨を国が責任を持って出土地に返還するよう求める申し入れ書を文部科学省などに提出した。アイヌ民族への差別を「価値観の違い」と発言した萩生田光一文科相の謝罪も要求している。
提出したのは「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」と「日本人類学会のアイヌ遺骨研究を考える会」の2団体。申し入れ書は6日に国土交通省、7日には内閣官房にも出した。
文科相、明確な謝罪避ける アイヌ民族「価値観の違い」発言:北海道新聞 どうしん電子版
萩生田光一文部科学相は11日の閣議後会見で、アイヌ民族への差別を「価値観の違い」などと述べた自身の発言について、アイヌ民族らでつくる団体が謝罪を求めていることに対し「アイヌ文化にしっかり寄り添って支援をしていきたいという気持ちに変わりはない」と述べるにとどめ、明確な謝罪を避けた。
道内外のアイヌ民族でつくる2団体は、7日に萩生田氏の発言はアイヌ民族へのヘイトスピーチ(憎悪表現)を助長するなどとして、正式な謝罪を求める申し入れ書を文科省などに提出している。萩生田氏は会見で、謝罪するかどうか2度問われたが明確に答えなかった。
新型コロナ感染への警戒を余儀なくされるスポーツ、教育実習、対面授業などの教育の現場!また萩生田大臣にアイヌ民族差別矮小化発言への謝罪はなし~8.11 萩生田光一 文部科学大臣 定例会見 | IWJ Independent Web Journal
北海道新聞記者より、島根県松江市の高校で96人の大規模な新型コロナ感染が起きた件に関してと、8月7日に「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」と「日本人類学会のアイヌ遺骨研究を考える会」が萩生田文部科学大臣に抗議を申し入れた件についての受け止めが問われた。
(中略)
後の質問は、萩生田大臣が7月12日開業の先住民族アイヌをテーマとする初の国立施設「民族共生象徴空間」(愛称「ウポポイ」、北海道白老町)について行った発言に端を発するもの。
萩生田大臣は、7月10日の閣議後会見で、先述の施設開館に関連して、アイヌの人々が受けてきた差別の歴史をどう伝えるのかと問われ、「原住民と新しく開拓をされる皆さんの間で様々な価値観の違いがきっとあったのだと思う。それを差別という言葉でひとくくりにすることが、後世にアイヌ文化を伝承のためにいいかどうかは、ちょっと私は考えるところがある」と答えた。
12日の「ウポポイ」開館記念式典に参加し、その後の会見で、「我が国が近代化される過程において、アイヌの皆様が差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を厳粛に受け止めなければならない」と述べたが、8月7日に関連2団体より抗議を受けた。
萩生田大臣は問題とされる「価値観の違い」という表現について、「ウポポイが未来志向の共生施設として多くの皆さんに愛されることを願ってした発言」と述べ、北海道新聞記者による重ねての「謝罪はされないということですか」という問いにも、「すでに記者会見で申し上げているとおりでございまして、アイヌ文化にしっかり寄り添って、これからも支援していきたいという気持ちに変わりはありません」と答えた。
萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年8月11日):文部科学省
記者)
もう一点お伺いいたします。アイヌ民族の関連です。先週ですね、北海道内外のアイヌ民族の方で作る団体が文部科学省の方に要請に来まして、先月の大臣のアイヌ民族の差別について、価値観の違いとした発言について、謝罪を求めました。これについて、大臣として対応される考えがあるか教えてください。あと、もう一点ですね、両団体とも研究目的などとして盗掘された遺骨の、国が責任をもって早期に返還するように求めていますが、これについても対応される考えがあるか教えていただけますか。
大臣)
7月10日の閣議後会見における私の発言の趣旨につきましては、今まで会見で申し上げてきた通りでございまして、私としては、7月12日に開業したアイヌ文化復興等のナショナルセンターである「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が、未来志向の共生施設として多くの皆さんに愛される施設になってもらいたいという思いから発言をしたものでございます。ご遺骨の調査につきましては、政府の「民族共生の象徴となる空間」作業部会報告書において、「人骨の返還や集約の進め方に関する検討を行うために、各大学等の協力を得て、アイヌの人骨の保管状況等を把握する」こととされたことを踏まえ、出土地域や遺族等にできる限り返還するという考え方の下、全大学を対象として、複数回にわたり行ってまいりました。ご指摘の点につきましては、各大学が保管するご遺骨等の収集の経緯に関し、可能な限りにおいて調査し、情報把握に努めていくことが重要だと考えております。
記者)
確認ですけれども、謝罪はされないということでよろしいですか。
大臣)
すでに記者会見で申し上げている通りでございまして、私が、アイヌ文化にしっかり寄り添って、これからもしっかり支援をしていきたいという気持ちに変わりはありません。
謝罪しないとは言え萩生田もさすがに大臣になれば日本会議のような極右暴論「アイヌ否定論」は吐かないわけです。
【スマホ関係】
スマホ持ち込みに4条件 中学校向け、文科省通知 :日本経済新聞
文部科学省は3日までに、原則禁止としている中学生によるスマートフォンや携帯電話の学校への持ち込みを認める上で、トラブル防止に向け4つの条件を設定するよう求める通知を全国の教育委員会に出した。
通知では、生徒の利用率の上昇や部活動で帰宅が遅くなることなどを踏まえ、(1)学校での管理方法と紛失時の責任の明確化(2)学校や家庭による危険性の指導(3)学校と生徒らが協力したルール策定(4)閲覧対象を制限する「フィルタリング」を保護者の責任で設定――の4条件を提示。これらを満たせば持ち込みを認めるとした。
文科省は2009年の通知で、小中学校への携帯電話の持ち込みは原則禁止し、遠距離通学などの事情があれば例外的に認めるとしていた。
保護者からは「災害や犯罪発生時の緊急連絡手段として必要」などの声が年々高まっており、文科省は見直しも検討したが、通学距離がそれほど遠くないと判断。小中学生ともに原則禁止とする09年の通知内容を維持した。
ただ、中学生については、部活動などで帰りが遅くなる場合があり、持ち込みを許可する学校がある実態を考慮し条件付きの持ち込みを認めた。
高校生は引き続き持ち込み自体は制限しない。
前川喜平氏、中学校の携帯電話持ち込み認可に「文科省に認める認めないの権限は無い」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
元文部科学事務次官の前川喜平氏が1日、ツイッターに新規投稿。文部科学省が中学校への携帯電話持ち込みを条件付きで認めるというNHKニュースを引用し、「文部科学省には、こういうことを認めたり認めなかったり条件をつけたりする権限は、無い」と指摘した。
各地の教委や各家庭ならまだしも、こんなことは国が一律に基準を示すようなことではないと思いますね。
◆文科省が「北朝鮮スパイガー」(アサ芸&産経)に公式に抗議
文科省、教科書調査官「北朝鮮スパイ」疑惑報道に撤回要求 | リセマム
文部科学省は2020年8月6日、週刊アサヒ芸能(7月30日号/徳間書店出版)記事で、文部科学省の教科書調査官が北朝鮮のスパイであるかのような表現がなされていることについて、事実は確認されなかったとし、徳間書店に対し記事の撤回を求めた。
7月30日号週刊アサヒ芸能記事「『北朝鮮スパイ』リストに『文科省調査官』の衝撃の真相」では、文部科学省の教科書調査官に関し、「韓国・霊山大学の講師に就任。この時、韓国内で活動する北朝鮮工作員に『スカウト』された」「日本に帰国後、別の工作員グループに所属し、活動していると見られている。そのグループは、かつてはオウム事件などに関与し、日本転覆を図ったことがある*1」と掲載。文部科学省によると、これらの事実はいずれも(ボーガス注:教科書調査官に採用する)選考の過程やその後の調査においてもまったく確認されていないという。さらに記事では、教科書検定の公正性について疑念を生じさせるような記述があったとし、文部科学省は遺憾の意を示した。
また産業経済新聞社*2は、週刊アサヒ芸能(7月30日号)掲載記事を引用した「教科書調査官と北朝鮮の闇」と題する論説委員長の「風を読む」(7月28日)において、「『北朝鮮スパイ』と疑われた人物を調査しなくていいのか」などと、週刊誌記事の内容が事実であるとの前提の論説記事を掲載。当該教科書調査官の「専門的な学識」に関しても事実と異なる記述があったとし、文部科学省は「そのような記事に依拠した憶測に基づいた報道がなされ、教科書検定の公正性について疑念を生じさせるような記事を掲載したことは、誠に遺憾」と述べ、強く抗議した。
まあ普通に考えて、デマ記事には抗議するでしょうね。しかし「何故、アサ芸が?」と思いましたがよく考えたら「アサ芸の版元」の徳間書店は『反中国、嫌韓国の極右ヘイト出版社』として悪名高いところでしたね。ジブリも徳間なんぞと付き合っててええんか、つう気はします。
なお、「予想の範囲内」ですが、この文科省の抗議について新しい歴史教科書をつくる会【公式】 (@Tsukurukai) | Twitterも新しい歴史教科書をつくる会も何一つ触れずに逃げています。「北朝鮮スパイガー」等と抜かしてたのだから「徳間書店や産経の正当な批判に抗議するなどふざけてる!」とでも言うべきでしょうにねえ。どれほど安倍や萩生田相手に腰抜け、ふぬけなのか。
【風を読む】文科省局長の抗議に答えます 論説委員長・乾正人 - 産経ニュース
7月28日付小欄で、「週刊アサヒ芸能」に掲載された「『北朝鮮スパイ』リストに『文科省調査官』」という記事を紹介したところ、大きな反響*3をいただいた。
文部科学省からも6日、瀧本寛(たきもと・ゆたか)初等中等教育局長からご懇切なFAXが届いた。せっかくなので読者の皆さまにもお知らせしたい*4。
・週刊誌記事の内容が事実であるとの前提で記事を掲載しているが、調査の結果、記事内容は事実であることを確認できなかった。
・「風を読む」の中で、当該教科書調査官の「専門的な知識」に関する記述も事実と異なる。
そのうえで、「そのような記事に依拠した臆測に基づいた報道がなされ、教科書検定の公正性に疑念を生じさせるような記事を掲載したことは、誠に遺憾であり、ここに強く抗議します」と書かれていた。
調査官の疑惑が晴れたのなら結構なことである。
ただ、小生が書いた調査官の「専門的な知識」に関する記述も「事実と異なる」とある。これは一大事。もしそうなら、ご本人にも読者にも謝らなければならない。
ちなみにその箇所は、調査官任用のくだりだと推察される。
調査官になるためには、准教授以上の経歴か担当科目に関して「高度に専門的な学識及び経験を有すると認められる者」でなければならない。調査官は准教授の経歴はなく、「『専門的な学識』に該当するとすれば、毛沢東を礼賛した本*5くらいだ」と書いた。ご指摘のお礼を申し上げるため、さっそく6日の昼前、局長に電話して「どこが事実と異なるのでしょうか」とお尋ねした。
答えは「手元に資料がない」だった。深夜になって「礼賛していない。他の論文も採用の参考にした」と電話があった。「では、その論文を見せてほしい」と頼んだ*6が、断られた。これでは「事実と異なる」と判断できませんよ。とりあえずご返信まで。
さて興味深いのは、1)乾のこのコラム以外に産経がこの件について触れた記事が全く見当たらないこと(これが民主党政権下ならこんなもんではすまず、『文科省、本紙記事に不当な抗議』などと1面トップ記事か社会面トップ記事にしたあげく、産経抄や社説で悪口三昧でしょうに)、2)乾が「北朝鮮スパイなどという根拠は見つからなかった」という部分には何一つ反論してないことですね。1)は「乾はこの問題に本気で無いこと(やはりつくる会不合格は育鵬社の謀略?)」がうかがえます。2)は、当初からこんなものを文科省が相手にするとは乾も思ってなかったと「事実上自白してる」のも同然の滑稽さです。
で、「採用に不透明なところガー」と言い出した(話をすり替えだした、産経風に言えば「ゴールポストを動かした」)乾ですが、それも「准教授の経歴が無い」「採用の根拠にした論文が分からない」程度のくだらない因縁つけです。そもそも仮に調査官氏が「文科省とコネのある人物(調査官氏の大学時代の恩師にして、文科省審議会委員を歴任した御仁など)の影響力による情実採用(採用試験が形式的な物)」だったとしても「是非はともかく」、それと「北朝鮮スパイ云々」や「検定意見の是非」と関係ないので言いがかりも甚だしいですが、それはともかく。
つくる会に対するアリバイ作り(つくる会不合格は産経の謀略じゃ無い)としてこの駄文を書いただけでどうせ乾はこんなことには本気では無いでしょうね。恐らくこの文章を書いたらこれ以上、この件にはコメントしないでしょう。
そもそも
・産経と安倍自民がズブズブであること
・加計告発した前川元次官への報復(失敗に終わったとは言え読売を利用した『出会い系バーがー』のネガキャン)、谷垣*7総裁時代に『総裁を辞めた「過去の人」が谷垣総裁を無視して好き勝手なことをしないで欲しい』と安倍批判した溝手氏*8への報復(河井案里を刺客候補として擁立し溝手氏を落選させる)、韓国相手のホワイト国除外の件などで分かるように安倍は相手を逆恨みすると何やり出すか分からないキチガイであること
を知った上で「産経への抗議文」ですからね。安倍や萩生田の了解なしにこんなことはやるわけがないし、だからこそ、乾の文章も腰が引けてるし、つくる会にいたっては「何も声明を出さずに黙り」のわけです。
それはともかく「話が脱線しますが」
幹部名簿:文部科学省
◆初等中等教育局長:瀧本寛(たきもと・ゆたか)
つうのは「難読とまでは言えないにしても」あまり一般的な読み方じゃ無いですね。ルビがなかったら確実に俺は「寛」を「ひろし」と読んでると思います。
「単なる偶然にすぎない」のですが、何故か文科省幹部の方々には「瀧本局長」以外でも
幹部名簿:文部科学省
【大臣官房】
◆審議官(初等中等教育局担当):蝦名喜之(えびな・よしゆき)
◆審議官(科学技術・学術政策局担当):梶原将(かじわら・すすむ)
◆総務課長:望月禎(もちづき・ただし)
◆国際課長:氷見谷直紀(ひみや・なおき)
【総合教育政策局】
◆政策課長:寺門成真(てらかど・しげちか*9)
◆教育人材政策課長:中野理美*10(なかの・りみ)
◆生涯学習推進課長:根本幸枝(ねもと・こうえ*11)
【初等中等教育局】
◆児童生徒課長:江口有隣(えぐち・ありちか)
◆参事官(高校担当):塩川達大(しおかわ・たつひろ)
【高等教育局】
◆学生・留学生課長:西條正明(にしじょう・まさあき*12)
【科学技術・学術政策局】
◆科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当):山下恭範(やました・やすのり)
◆科学技術・学術戦略官(国際担当):有賀理(あるが・おさむ)
【研究開発局】
◆研究開発局長:生川*13浩史(いくかわ・ひろし)
などと「あまり一般的で無い姓名」の方が多く、親切にも全員ルビが振ってあります。
まあ、
幹部名簿:文部科学省
【大臣官房】
◆審議官(初等中等教育局担当):矢野和彦(やの・かずひこ)
などルビが無くても読める姓名も勿論ありますが。
国民・玉木代表、分党を表明 立民との合流めぐり - 産経ニュース
合同に否定的な玉木が、しかし、ついに合同話に抵抗しきれなくなり、「党代表でありながら」離党に追い込まれたという敗北話です。とはいえ国民民主を吸収した立民の支持率が上がるとも思えませんが。まあ、立民も国民民主も支持しない俺的には今後「過去の希望の党騒動」のような「反共主義に基づく野党共闘破壊=暴挙」を旧民主党連中がしない限り、正直合同するかどうか、興味もありませんが。
国民幹部が「分党」構想否定 泉政調会長「玉木氏個人の思い」 - 産経ニュース
政調会長にこんなことを言われてしまうとは完全に玉木も落ち目ですね。
【主張】沖ノ鳥島 日本の最南端を守り抜け - 産経ニュース
以前、浅井基文氏や矢吹晋・横浜市立大学名誉教授が
南シナ海問題に関する仲裁裁定|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
日本にとってもまったく他人事ではありません。中国の学者も指摘していることですが、(ボーガス注:中国敗訴判決を全面支持するというなら)沖ノ鳥島を「島」とし、200カイリの排他的経済水域を主張することは到底許されないことになります。
南シナ海仲裁裁定の問題点(中国専門家の指摘)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
昨日(7月17日)のコラムで、南シナ海の仲裁裁定の問題点を指摘しましたが、同日付の中国新聞網は、厦門大学南海研究院院長の傅崐成のインタビュー発言を掲載しており、仲裁裁定が南シナ海には「島」の定義に当てはまるものはないと断じたことは「天下大乱」を導くものだと厳しく批判したことを紹介しています。短い発言ですが、私がコラムで書いたことを、国連海洋法条約における「島」の定義と仲裁裁定が採用した「島」の定義との重大な違いを明らかにすることでさらに分かりやすく理解できるように説明するものなので、参考に供します。仲裁裁判所は、南沙諸島には「島」に関する厳格な定義に当てはまるものはひとつもないとしたが、このような定義が仮に国際的に受け入れられるとすれば「天下大乱」となる。なぜならば、多くの小島はこの定義の基準を満たさなくなるからだ。
国連海洋法条約における「島」であるか否かの判断基準は、「人間の居住を維持することができるか否か」である。ところが仲裁裁定が示した判断基準は、「実際に人々が自然に形成した居住集落(浅井注:裁定ではcommunity)があるか否か」である。すなわち、問題が(条約の)「できるか否か」から(裁定で)「実際にあるか否か」にすり替えられている。
日本が200カイリの排他的経済水域を持つと主張している沖ノ鳥島はやや大きなテーブル大の大きさしかなく、明らかに誰一人としてそこで居住したことはない。
他方、(南沙諸島にある)太平島は、1000年以上にわたって中国の漁民が長期あるいは短期で居住してきたのであり、仲裁裁定が太平島を島と見なさないのは「極めて驚き」である。
南シナ海判決と沖ノ鳥島の運命 | ちきゅう座(矢吹晋)
と指摘していたように「人が住めない島は国際法上、島とは言えない」と判断したとみられる「南沙諸島関係での中国敗訴、フィリピン勝訴判決」を前提にすれば、沖ノ鳥島は明らかに「国際法上の島では無い」可能性が高いです。
何せ南沙諸島の島々は満潮でも海没しませんが、「沖ノ鳥島は満潮だとほとんど海没します」ので(沖ノ鳥島 - Wikipedia参照)。また面積的にも南沙諸島の島々に比べ、沖ノ鳥島の方が小さい。
しかし、そんなことは無視し
沖ノ鳥島は、高潮(満潮)時には2つの小島が海面上にわずかに頭を出すだけだが、国連海洋法条約第121条1項にいう、自然に形成された陸地で高潮時にも水面上にあることを満たす、れっきとした島だ。中国の主張は認められない。
と「何の根拠も上げずに」強弁する産経らウヨです。「中国敗訴判決の内容を知らないのか、故意に無視してるのか」はともかく、見事に「人の住めない場所は島では無い」という中国敗訴判決の判決内容をガン無視しています。
これでわかるように
「中国敗訴判決を『人の住めない場所は島では無い』という部分も含めて全面支持するなら、沖ノ鳥島は島ではないし、沖ノ鳥島が島だというなら、中国敗訴判決の内、少なくとも『人の住めない場所は島では無い』と言う部分については日本政府として公式に批判し、否定せざるを得ないはずだ」
「しかし日本政府はそうしてない以上、『人の住めない場所は島では無い』という部分も受け入れたと見なさざるを得ず、その結果、沖ノ鳥島は『国際法上の島では無い』と国際法廷などで今後見なされる可能性が高い」
という趣旨の『浅井、矢吹氏らの日本政府批判』に対しまともな回答を、日本政府や『産経らウヨ』がしたことは一度もありません。
なお、浅井氏や矢吹氏はもちろんここで「南沙諸島の島々や沖ノ鳥島を島と考えるべきかどうか」「中国敗訴判決や『中国、フィリピンの主張』をどう考えるべきか」と言う議論はしていませんし、彼らが仮にそうした議論をしていたとして、そしてその主張に問題があったとしても、彼らの「日本政府の態度は場当たりでデタラメ」「中国敗訴判決全面支持と沖ノ鳥島領有権主張は両立しないのに何故そう言う無茶をするのか」「そうした日本政府批判をしない日本マスコミは(そして野党も?)問題だ」という指摘の正当性には何ら影響はありません。
ちなみに沖ノ鳥島については「現在の蔡英文政権」も中国政府と全く同じ論理で「島では無い、岩だ」としているのですが、「蔡英文は親日」という政治宣伝をする上で都合が悪いので、それについては「無かったことにする」デタラメな産経です。
*1:オウムとつながりがあるグループ(そして北朝鮮ともつながりがある?)ってどこのグループよ?、ですね。
*2:産経の正式社名。一応あそこは建前では「経済新聞(日経のお仲間)」です。
*3:ほとんど反響なんか無いですよね。まあ、1)『こんな誹謗デマ記事は許せない』という教育関係者や反極右活動家、朝鮮総連関係者などアサ芸や産経に批判的な人士、2)この種の記事を喜ぶ歴史修正主義極右(特につくる会)には反響があったのでしょうが、1)にせよ、2)にせよ日本では少数派です。
*4:せっかくならこんなコラム「だけ」では無く「1面トップ記事」か、「社会面トップ記事」で知らせた上で「社説&産経抄」で批判してほしかったところです(もちろん皮肉)。まあ、このコラムだけでお茶を濁してる辺り産経が本気で無いのは明白です。
*5:『初期毛沢東の思想』(2000年、近代文芸社)のこと。本当に礼賛してるかどうかは不明。そもそも相手が乾では「読まないで題名だけで礼賛と決めつけてる疑い大」です。分かりやすい例では『ナチドイツ研究』なんか典型的ですが「研究対象にしてる=礼賛してる」ではありません。『ナチドイツ研究者=ネオナチ』ではない。まあ、問題は「礼賛してるかどうか」ではなく「内容が正しいかどうか」と「内容に新規性と独創性(オリジナリティ)があるかどうか」なんですけどね。エセ科学が典型的ですが「内容に新規性と独創性(オリジナリティ)があっても」中身がでたらめでは話になりません。一方で「中身が正しくても過去の学説の焼き直しで、内容に新規性と独創性(オリジナリティ)がない」のでは学者として評価に値しません。
*6:そりゃ乾の言いがかりにそこまでする義務も無いでしょう。これが前例となって何でもかんでも「不正採用だ、違うというなら証明してみろ」と言われても文科省も迷惑です(産経ならそういうことをやりかねませんし)。文句があるなら「不正採用の証拠でももってこい」て話です。
*7:小泉内閣国家公安委員長、財務相、自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、自民党総裁、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長など歴任
*9:ルビが振ってなかったら、俺は多分「なりまさ」と読んでますね。
*10:女優の手塚理美だとこれで「さとみ」と読みますからね。日本語の難しいところです。
*11:「ゆきえ」でも男性の可能性がありますが「こうえ」ではなおさら性別が分かりません。
*12:ルビが振ってなかったら、俺は多分「さいじょう」と読んでますね。
*13:生川は「いくかわ」「おいかわ」「なまかわ」「なめかわ」「なるかわ」などと複数の読み方があるので予備知識が無ければとても読めません。