今日の中国ニュース(2020年12月26日分)(副題:楊海英のクズさ、バカさに心底呆れる&その他色々)

◆楊海英*1のツイート

楊海英
 他国の土地を買って、地元住民を追い出す!中国以外に考えられないやり方。私のふるさと内モンゴルが経験した悲惨な歴史をオーストラリアまでか。日本でも、彼らは土地を購入している。大丈夫かな?
中国企業、豪州の島で「強制立ち退き」 ビーチ立ち入りも制限 - 産経ニュース
オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 完全なデマ、ヘイトスピーチですね。『日本国内で中国企業の土地購入で何か問題が起こってるなら楊は言ってみろ』という話です。
 なお、豪州の件にしても「是非はともかく」、中国企業が、購入した海岸の土地を高級プライベートビーチにするために「地元民でも原則、立ち入り禁止にしている(セレブな利用者しか入れないようにしている)」という話であって楊らアンチ中国ウヨが印象操作するような「中国の侵略」と言う話ではない。そして中国企業以外(欧米や日本の企業)でも充分ありうる話かと思います。

楊海英
 3000人もの市民と学生が殺された*2*3と日本は「日中友好」という邪教を広げてきた。今、その邪悪な存在がウイグル人とモンゴル人*4香港人を弾圧し、尖閣を奪おうとしている。中国を孤立させないようにと育てあげた責任は重い。そして、これからはどうすべきか?

 「一帯一路についての協定文書を締結したイタリア」「エアバスを中国に大量購入してもらったフランス」などがわかりやすいですが、何も「経済的利益の観点」から中国と友好関係にあるのは日本だけではない。そして日本企業も欧米企業も「中国ビジネスで儲けてる」わけです。
 「尖閣が奪われる」などというのはデマに過ぎず中国は今のところ「是非はともかく」、『尖閣は中国の領土だ』という政治アピールに過ぎません(また、尖閣の領有権は台湾も主張しています)。また「南シナ海で中国と領土紛争を抱えるフィリピンやベトナム」も中国と対立一辺倒ではなく、「中国が主導的な役割を握るAIIB」に参加してる。ということで楊が「日中友好」にこうした悪口をしたところで何がどうなるもんでもありません。というか既に楊は「本気で日中関係をどうにかしたいわけではなく」、日本ウヨ相手にゲスな「アンチ中国ウヨ商売」をしているだけではないか。

楊海英がリツイート
 日本の植民地だった内モンゴルが紛争に陥ってしまった原因をユーラシアの視点で解説しました。ぜひご高覧願います。
筑摩書房
筑摩書房 近刊情報1/8発売】楊海英『内モンゴル紛争―危機の民族地政学』(ちくま新書)

 「日本の植民地だった内モンゴル」というのは「内モンゴルが日本の傀儡国家である満州国蒙古連合自治政府の一部だった」からです。
 我々はどうしても「日本の植民地」というと「台湾(日清戦争で中国から割譲)、朝鮮(韓国併合)」が思い浮かび「他はなかなか思い浮かばない」かと思いますが他にも「南樺太日露戦争でロシアから割譲)」「パラオ第一次世界大戦でドイツから割譲、上皇夫妻が天皇・皇后時代に戦没者慰霊のために訪問したことでも知られる)」なんかもあります。

楊海英
 筑摩新書はまず、デザインがお洒落!。紙は世界一良質。編集長の松田健さんの敏腕ぶりは、超一流です。何しろ、毎月7冊*5も上梓しています。お疲れ様でした。そして、ありがとうございます♪

 吹き出しました。確かに楊の本をちくま新書

『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書
内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年1月刊行予定、ちくま新書

として2冊出してはいます(そして今のところ『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』は楊の最新刊)。
 しかし

岩波書店:4冊(単行本3冊、文庫1冊)】
◆『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫
◆『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店
◆『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフー*6の実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)
◆『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店
中央公論新社:2冊(新書1冊、文庫1冊)】
◆『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)
◆『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』(2020年、中公文庫)
 『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)を改題したもの。
文藝春秋:5冊(単行本2冊、新書2冊、文庫1冊)】
◆『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)
◆『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋
◆『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)
◆『独裁の中国現代史:毛沢東*7から習近平*8まで』(2019年、文春新書)
◆『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫)
勉誠出版:単行本2冊】
◆『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版
◆『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、

ということで他の出版社だって楊の本を複数出してるし、文春の場合は筑摩同様「新書を2冊」出している上に「単行本など新書以外も含めれば」計5冊(多分、最多の刊行数)出しています。また岩波の『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)は楊が司馬遼太郎賞を受賞し、奴を一躍有名にした「出世作」です(そして岩波は楊の本を4冊出している)。
 にもかかわらず筑摩に「世界一」「超一流」と「歯の浮くような非常識なお世辞」。
 他の出版社(岩波や文春など)が「何だ、あいつは?」と楊に不快感を感じてもおかしくないし、筑摩の担当編集ですら「非常識な世辞はむしろ不愉快だ」と思うかもしれない。いつもながら楊も非常識な男です。


中国、少数民族担当に漢族 66年ぶり 全人代常務委 - 産経ニュース
 「漢族ではダメ」という単純な話でもないですが「66年ぶり」ということでわかるように「少数民族に配慮している」という広報効果を考えずっと「漢族をあえて避けてきたところ」、ウイグル統治などが「欧米に批判される今」、あえてこのような態度を取る点にはやはり疑念や不安は感じます。


トランプ政権、ウイグル族の虐殺認定を検討 ポンペオ氏が指示 - 毎日新聞
 「こうした行為の是非はひとまずおきます」が、こうしたことをするのならば「次期政権がバイデン*9で決定した後」にやるのではなく「大統領選挙前」にやるべき話です。
 「以前に書いたこと」を繰り返しますが「次期大統領が確定した時点」で内容がどんなものであれ、「次期大統領の政治的決定を制約するような話」は実施すべきではないでしょう。「次期大統領が確定した時点」で「大統領選挙以前から実施することが決まっていたこと」「選挙後に決めたことだが、『新型コロナの第三派対応』など、今すぐ対応しないと問題があること(そして大統領選挙後に突然発生した出来事で選挙前には対応しようがなかったこと)」などに実施する事は限定すべきでしょう。
 そして、賭けてもいいですが、トランプがバイデンに勝利していれば米中関係(と言うか米国企業の中国ビジネス)に配慮してこんなことはしなかったでしょう。
 つまりは「裁判闘争も不発に終わり」、共和党からも「トランプはバイデンが勝利したと認めるべき」と言う声が出始め、もはや負けが覆せないと覚悟したトランプは「どうせ後始末はバイデンがやるんだ、後は野となれ山となれ」でこんなことをしようとしてるのでしょう。「退任が決まったから」中国相手にためらいなく無茶苦茶をやっているという意味では「首相退任後の安倍*10靖国参拝」みたいなもんで、報道が事実なら、トランプ一派は無茶苦茶、無責任にもほどがあります(だからこそ俺はバイデン当選を喜んでいますが)。
 いずれにせよ、バイデンがこの措置を撤回すれば「バイデンは中国びいきだ」と非難。撤回しなければ「俺が退任間近に決定したからバイデンも引き継いだ。もし俺が何もしなかったらバイデンは何もしなかったろう」と自画自讃。
 その上で、可能ならば「次期大統領選での政治的復活(大統領当選)」をねらい、それが無理でも「共和党の国会議員でも政治評論家でも何でも良いから」保守系政治活動家としてトランプが政治的生き残りを図ると言うことでしょう。

*1:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』(2020年、徳間書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年刊行予定、ちくま新書)など(楊海英 - Wikipedia参照)。

*2:天安門事件のこと。ただし死者数には諸説あり、中国政府公式発表では319人。一方で、楊のいう『3000人』を越える死亡(例えば万単位の死亡)を主張する説もある。いずれにせよ中国政府発表の数字が「最低ライン」ではあるでしょう(六四天安門事件 - Wikipedia参照)。

*3:中国のこと

*4:もちろん外モンゴルではなく内モンゴル自治区のこと

*5:数が多ければいいわけでもありませんが、「毎月7冊」なんてのは大手の新書刊行数としては普通でしょう。岩波、講談社、文春、中公なども新書で毎月そのくらい出してると思います。

*6:1906~1988年。新中国建国後、内モンゴル自治区党委員会第一書記、自治区人民委員会主席、自治区政治協商会議主席、内モンゴル軍区司令員、内モンゴル大学学長など内モンゴルの要職を歴任。「内モンゴル王」と呼ばれた。文革で一時失脚するが文革終了後、復権全国人民代表大会常務副委員長、党中央統一戦線工作部長、全国政治協商会議第一副主席、国家副主席など要職を歴任(ウランフ - Wikipedia参照)

*7:中国共産党主席

*8:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*9:オバマ政権副大統領などを経て、次期大統領

*10:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相