今日の産経ニュース(2020年12月26日分)

羽生結弦が5年ぶりV フィギュア全日本 - 産経ニュース
 羽生*1が出れば羽生が優勝し、羽生が出なければ宇野*2が優勝するといういつものパターンです。「5年ぶり優勝」とは「体調不良などで羽生が4年間(2016~2019年)出ていなかった」と言う話であり、「その4年間の優勝者・宇野」にとっては屈辱的でしょうが「宇野が羽生に勝った」わけではありません(4連覇した宇野に、4年間、負け続けた他の選手たちにとっても屈辱的な話ですが)。
 つまりは「羽生と宇野」「宇野とそれ以外」とでは前者の方が圧倒的な力があると言うことであり、何とも複雑な気持ちです。まあ、この辺りは素人の小生などより「羽生に勝てない宇野」「宇野に勝てない選手たち」「羽生や宇野が引退したときのこと(明らかに大幅なパワーダウンで、人気にも影響が危惧されるしょう)を悩む関係者」のほうがよほど深刻に感じてるでしょうが。


自民の宮腰氏が30人と飲酒 転倒して搬送「深く反省」 - 産経ニュース
 菅の会食があれほど批判された後に、懇親会に出席し飲酒。あげく飲酒が過ぎたのか、転倒して負傷し救急搬送されたというのだから「呆れた馬鹿者」というべきでしょう。


政府、全世界からの新規入国を一時停止 - 産経ニュース
 「英国からの帰国者」に「新型コロナの変異種」感染者が見つかったことへの対応のようです。菅も「GOTOが批判され支持率が急落したこと」に「また対応を誤って、コロナ感染が更に深刻化し、支持率低下で政権が崩壊したら困る」と相当怯えているわけです。
 「入国規制自体は当然不可避」でしょうが、とはいえ「全世界から新規入国不可」が「本当に適切なのか、実施可能なのか(つまり、『仕事上の都合』など『入国の必要性が高い場合』では、入国前のPCR検査や、入国後の隔離などの感染予防措置を義務づけた上での例外的入国措置は不可避ではないか)」と言う点は議論の余地があるかと思います。


吉川元農水相「元代表が一方的に現金」と説明 東京地検の聴取に - 産経ニュース
 ならば受領を拒否すれば良いだけの話であり、詭弁にもほどがあります。


【日韓合意】当時外相の岸田文雄氏インタビュー「世界が証人、韓国は履行を」 - 産経ニュース
 以前も別記事で指摘しましたが、まず第一にこれは「朴槿恵政権がやった物」であり、当然に文在寅*3政権が拘束されるものではありません。
 第二にこの合意、「安倍と朴槿恵」が国内の批判を恐れたが故に、「記者会見での発表」しかなく「正式な合意文書がどこにも存在しない」と言うとんでもない代物です。
 そんなものに「法的拘束力があるかどうか」疑問ですし、それ以前に「合意内容を確定すること自体が困難」です。もちろん、通常は「後日のトラブル」を避けるため「正式な合意文書」を作成するのが当たり前です。しかしこんなアホなことを言ってるようでは岸田*4もどうしようもないバカですね。
 宏池会出身とは言え、岸田は「中韓との友好に務めた」「日中国交正常化」大平*5外相、「天皇訪中」の宮沢*6首相、「河野談話」の河野*7官房長官などとは偉い違いです。


【政治月旦】角さんにあって菅首相にないもの(1/2ページ) - 産経ニュース
 産経記事に関係なく俺の考えを書けば「国民的人気」「派閥」ですね。政治家としての能力はともかく、角栄には「今太閤」と呼ばれる国民的人気がありました。だからこそ角栄は「角さん」と呼ばれた。菅についてはそんな呼び方は誰もしない。「ガースー」「スガーリン(スターリンのもじり)」なんてのは国民的人気と言うより明らかに蔑称でしょう。
 ただし、そうした角栄人気は「地元新潟を除けば」最終的にはロッキード事件で消滅したと言って良いのでしょうが。菅*8にはそうした人気が無く、また「田中派を率いた角栄」と違い「派閥ボスでもない」。その結果、「麻生派ボスである麻生*9副総理・財務相」「二階派ボスである二階*10幹事長」などの意向が無視できない点は「菅の弱点」といえるかと思います。


【浪速風】天安門 対中融和姿勢を教訓に - 産経ニュース
 産経らしいいつものアンチ中国ですがむしろ「中国が経済大国になったことで日本企業が金儲けできている」と言う面があるので産経のようなアンチ中国は事実無視にもほどがあります。


【主張】安倍氏国会で陳謝 疑惑払拭し負託に応えよ - 産経ニュース
 タイトルの「負託に応えよ」だけで産経の言いたいことは『本文を読まなくても理解できる」ので本文を読む必要は全くありません。
 産経にとって、安倍が疑惑を晴らすことは「政治家が不正の疑惑を受けたらそれを晴らすことは当然である。晴らせなければ議員を辞職すべきだ」という話ではなく「九条改憲」という「産経らウヨ支持層」の「負託(期待)を果たすため」と言うのだから心底呆れます。安倍批判派の多くは「そんな負託はしていない」のですが。


【産経抄】12月26日 - 産経ニュース

「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず石を投げなさい」。
 イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスの25日、こんなイエスの言葉が頭をよぎった。後援会の政治資金収支報告書の不記載問題をめぐり、国会で安倍晋三*11前首相をつるし上げる*12議員らの姿を見てのことである。
 ▼立憲民主党の意図には首をひねった。質問者の一人の辻元清美*13副代表といえば、かつて秘書給与詐欺事件で逮捕され、有罪判決を受けた。しかも、当初は自身の疑惑を否定していた。

 やれやれですね。
 「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず石を投げなさい」とは「過ちを犯した人を責める前に、自分にも落ち度がないか、自省しなさい」と言う話です。「少年法の精神(非行少年を責める前に彼の生育環境に問題が無かったか考えよう)」「死刑廃止論の精神(死刑囚を責める前に彼の生育環境などに問題が無かったか考えよう)」のような話であって、過ちを犯した人間が「俺だけが悪いんじゃない」と居直ることを正当化してるわけではない。
 で、産経はもちろん「少年法死刑廃止論の精神」には反対で非行少年や「死刑該当犯罪(典型的には大量殺人)の犯人」に平気で「あいつらは人間じゃない」などとためらいなく石を投げるわけです。その一方で「安倍の無法を許せ」と言うのだから呆れます。もちろん産経がこんなことを言うのは「安倍など産経がかばいたい政治家限定」で、たとえば「いわゆる西松疑惑」の小沢*14民主党幹事長(当時)などには散々悪口していたわけですが。
 ちなみに、イエスの話で「石を投げる対象」とされたのは「売春婦」です。
 「イエスと敵対関係にある」ユダヤ教の律法学者が「ユダヤ教では売春婦には石を皆で投げつけて殺していい、とある。ここに売春婦がいるがあなたはどう思うか」とイエスに聞いたという話です。
 ここでイエスが「生活が苦しいから売春したのであって、その点を無視して命を奪うなんて残酷だ」と言えば「そんなことでユダヤ教を否定するのか!」となじって攻撃する。イエスが「ユダヤ教の教えに従うしかない」といえば、イエス支持者が「女が殺されるのを容認するなんてイエス様に失望した!」といって彼の元を去るだろう。
 つまりは「イエスへの嫌がらせ」であって最初から「まともな質問ではない」わけです。
 それに対してイエスは「あなたたちの中で罪(もちろん道義的罪)を犯したことのない者が、石を投げなさい」と意外な答えを返したと。
 そこで「わかりました、私には罪がないから石を投げます」ということも「やれば出来る話」ではあるんですが、イエスの精神的圧力に耐えられなかったのか、ユダヤ教の律法学者は皆いなくなったと。イエスももちろん石など投げず、女は命を救われ、イエス支持者のイエスへの尊敬の念は高まり、「思惑を潰されたイエス反対派」は反省するどころか、一層彼への恨みを募らせ、でっち上げの罪で彼を「十字架刑にする」わけです。
 キリスト教には他にも、例えば「義人なし、一人だになし」と言う言葉もあります(小生の持っている三浦綾子塩狩峠』(新潮文庫)にも出てくる言葉で小説のメインテーマでもあります)。つまりキリスト教の教えにおいては「清廉潔白で完全な存在である神」の前では「罪(道義的罪)のない人間=人格的欠陥のない聖人(例えば人をつまらないことで恨んだり憎んだりしない人間、えこひいきなど絶対にしない人間)」というのはいないわけです。「罪のない人間がいる」というのは「思い上がった間違った考え」である。
 「あなたたちの中で罪(もちろん道義的罪)を犯したことのない者が、石を投げなさい」というのも「義人なし、一人だになし」が前提にありますから当然「誰も石を投げられない」つうことになります。
 それはともかく、大体その理屈なら「ミンダナオ島で旧日本兵発見(実際にはそんな事実はなかった)」「江沢民*15死去(実際は存命)」など「デマ記事常習の産経」こそが「他者への批判を辞めたらどうなのか?」。
 引用は省略しますが、この後も「鳩山*16首相の故人献金疑惑ガー」など、民主党政権の不祥事(但しその中には、「市民の党疑惑(菅直人*17首相)」という産経などウヨメディア以外はまともに相手にしなかったガセネタもありますが)で相殺化をはかる産経です。
 そもそも仮に「辻元氏などに安倍批判する資格は無い」としたところで、それは「安倍が無実で議員辞職も離党の必要も無い」と言う話では全くないし、辻元氏などのような問題が無い人間(共産党議員などそうではないか)にとっては「辻元氏などのことなんか俺に関係ない」で終わる話です。
 「安倍は清廉潔白だ」といえず「旧民主だって鳩山の故人献金疑惑ガー」などと言い出す時点で「語るに落ちてます」。安倍が清廉潔白であるならそう言えば良いだけの話ですから。
 大体、辻元氏は「有罪判決を受けて議員を辞職し、罪を償った上で議員に復帰している」。鳩山氏も故人献金疑惑への批判を逃れきれず、首相を辞任しています(刑事責任追及はないですが)。そして鳩山氏は既に国会議員を引退している。
 安倍の場合、何の償いもしてないのだから「辻元氏以下」です。
 安倍の首相退任は建前では「病気辞任」ですし。
 もちろん本当の退任理由は、俺が思うに

1)コロナ蔓延での支持率低下(しかも蔓延を克服し支持率を改善する見込みがない)
2)このままだと支持率低下による安倍おろしでの退任に追い込まれ、後継首相決定への影響力が及ぼせないどころか、政敵・石破*18が首相になったら「三木*19政権で田中角栄*20ロッキード事件で逮捕された」ように「安倍の個人的犯罪(あれは自民の組織的犯罪とは言いがたいでしょう)」である「モリカケ」「桜を見る会」で逮捕されかねないという恐怖
3)安倍が「首相退任の花道」にしようとしていた「日露平和条約締結」「九条改憲」がそれぞれ「締結する気があるとはとても思えないプーチン*21の冷たい態度」、「衆参両院での改憲派2/3議席確保に失敗」で実現可能性がほとんど無くなったことで2)のリスクを冒してまで、首相に留まる気持ちが薄れた

ということでしょうが。
 なお、「話が脱線しますが」俺個人は「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず石を投げなさい」「義人なし、一人だになし」という謙虚さこそが「キリスト教の中心的教えの一つ」であり、そうした謙虚さが何一つ感じられない「俺が、私が正しいんだ」という思い上がりしか感じられない「自称キリスト教徒」、例えば横田早紀江やトランプ、曾野綾子などは「インチキな似非キリスト教徒」だと思っています。

*1:2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪金メダル。2014、2017年世界選手権優勝。2013~2016年グランプリファイナル4連覇。2012~2015年、2020年全日本選手権通算5回優勝(羽生結弦 - Wikipedia参照)。

*2:2018年平昌五輪銀メダル、2017、2018年世界選手権2位、2017、2018年グランプリファイナル2位、2019年四大陸選手権優勝、2016~2019年全日本選手権4連覇(宇野昌磨 - Wikipedia参照)

*3:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*4:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*5:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*6:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*7:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*8:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相

*9:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~四次安倍内閣副総理・財務相などを経て菅内閣副総理・財務相

*10:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て幹事長

*11:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*12:「批判する」「非難する」などと書かない辺りが産経らしい。

*13:社民党政策審議会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調副会長、民進党幹事長代行、立憲民主党政調会長国対委員長などを経て現在、立憲民主党副代表

*14:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長、「生活の党」代表など歴任。現在、立憲民主党岩手県連代表

*15:電子工業大臣、上海市長、上海市党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*16:細川内閣官房副長官新党さきがけ代表幹事、民主党幹事長などを経て首相

*17:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相、首相などを経て立憲民主党最高顧問

*18:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*19:国民協同党書記長、委員長、片山内閣逓信相、改進党幹事長(重光総裁時代)、鳩山内閣運輸相、自民党幹事長(石橋総裁時代)、政調会長(岸総裁時代)、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣経済企画庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*20:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*21:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領