今日の中国ニュース(2021年1月1日分)(副題:楊海英のクズさ、バカさに心底呆れる&その他色々)

◆楊海英*1のツイート

楊海英
 遊牧民のモンゴル人が生きているのは、家畜のおかげ。季節ごとの移動もアニマルパワー。写真は、アルタイ山地帯の兄弟が、家族とともに、家財道具をラクダに乗せて移動している風景。内モンゴル人は、中国により、強制的に定住化された。

 中国が支配しない外モンゴルにおいても遊牧が減り定住が増えてるのに、「定住自体を悪」とするこんなデマがよくも飛ばせたもんです。

楊海英
 明の朱元璋太平天国洪秀全中華民国孫文中共毛沢東などすべて「胡虜を駆逐して中華を回復」しようとした。中国人が外へ出て行くのは国土開拓で、日本も含む他の民族が中国に入って来る*2のは侵略。この被害者思想こそ、中国は何をしても正しい*3という中華思想を孕ませた元凶ではないか!

 吹き出しました。孫文毛沢東は「予想の範囲内」でしたが、「朱元璋(明の初代皇帝)、洪秀全太平天国の『皇帝』)」なんて今の中国と直接の関係がどこにあるんだって話です。
 「明治以降の韓国侵略」ならまだしも、「豊臣秀吉朝鮮侵略」を持ち出して「昔から日本は侵略国家だった」と言うくらい無茶苦茶でしょう。
 つうか、こういう物言いは明らかに「明朝の時代から中国人は侵略民族だ」と言っているとしか理解できず、明らかに「中国人へのヘイトスピーチ」でしょう。楊もどこまで落ちぶれれば気が済むのか。

楊海英 
 世界中の山々を見て来たが、富士山はやはり特別。神なる山よ、永遠なれ!

 見え透いた「気持ち悪い日本ウヨへの世辞」も大概にして欲しいもんです。富士山の何が特別か、まともに語れもしないでしょうにねえ。「そんなんで日本人が喜ぶと思ってるのか。日本人を舐めるな、ゲス。とっととモンゴルに帰れ、カス野郎」と怒りを禁じ得ません。楊の知人、友人って奴に対して怒りや軽蔑の念を感じないんでしょうか?

楊海英
 子ども*4の頃から見て来たが、中国人はいかに自分を実力以上に見せるかを工夫し、虚勢を張る。それを世界の識者も指摘。
中国の世紀にはならない 日米欧の知が世界の針路を語る - 産経ニュース
 産経新聞はフランスの経済学者で欧州を代表する知識人のジャック・アタリ*5(77)と戦略論研究で世界的権威の米歴史学者エドワード・ルトワック*6(78)、国際政治学者の細谷雄一*7(49)によるオンライン鼎談(ていだん)を開催し、世界と日本がとるべき針路を語ってもらった。

 完全な中国人へのヘイトスピーチですね。というか「大なり小なり」人間は小生も含めて「いかに自分を実力以上に見せるかを工夫し、虚勢を張る*8」生き物です。現実の人間社会は残念ながら正直に生きてればいいという世界ではない。「自分を実力以上に見せ、虚勢を張らない(要するにブラフ、はったりという奴ですが)と舐められる危険性がある」という一面は明らかにあります。
 「中国人ガー」という話ではない。
 まあ、その虚勢が「あまりにも酷い」と「完全なデマ」になってしまいますが「ある程度は許容範囲」「嘘も方便」というのが現実の人間社会です。
 それにしても「世界の識者(楊)」て(苦笑)。産経の「鼎談」に応じるアタリ、ルトワック、細谷は「産経好みのただの反中国ウヨ」でしょうよ。
 正直、別の知識人なら彼らほど中国に悪口はしないでしょう(そもそも彼らが「知識人」の名前に値するかも疑問ですが)。

楊海英
 来年はバロン・ウンゲルンがモンゴル人を中華の抑圧から解放した100周年。ソ連により歪曲された歴史の見直しも進む。

 吹き出しました。いわゆる白系ロシア人のウンゲルン(ロマン・ウンゲルン - Wikipedia参照)は勿論「モンゴル人を解放した」わけではなく、「中国(中華民国)の支配を排除した上でモンゴルを自分の拠点として、赤軍に反撃しようとしていた」わけで、はっきり言ってモンゴル人にとっては「どう見ても迷惑な存在」でしかありません。
 何せ「モンゴル人のために動く善良な人間」などではウンゲルンはもちろんないし、「ウンゲルンが赤軍への反撃を画策している可能性がある」以上「ウンゲルンの敵対勢力である赤軍」がモンゴルに軍事侵攻してきて「モンゴル内でウンゲルンVS赤軍の戦闘」となってしまい「望んでもない戦争に巻き込まれる」恐れがあるからです(実際、ロマン・ウンゲルン - Wikipediaによれば、チョイバルサンらの要請があったとはいえ、赤軍がウンゲルン討伐のためにモンゴルに侵攻してきたようです)。
 ウンゲルンを打倒したメンバーの中にチョイバルサン*9がいて、楊が「モンゴルのスターリン」の異名を持つチョイバルサンに反感を抱くが故のウンゲルン美化でしょうが、何でこんな無茶苦茶なデマを吐くのか。


【年のはじめに】中国共産党をもう助けるな 論説委員長・乾正人 - 産経ニュース
 「助けるな」と言う辺りが産経らしい思い上がったタイトルで吹き出しました。
 天安門事件後の「日本の対中国ODA再開(海部*10内閣)」「天皇訪中(宮沢*11内閣)」「日本に続いた欧米の制裁解除」にせよ、「イタリアの一帯一路関係文書への署名」「昨年12月末に決まったEUと中国の投資協定大筋合意」にせよ、その他の何にせよ「善意で中国を助けてる」「中国ばかりが利益を受けてる」わけではない。
 日本や欧米にとって「中国ビジネスの利益が美味しい」からこそ「経済交流している」わけです。

 新年早々、くだらぬ話で恐縮だが、私はかなり濃厚な「親中派」だった。
 40年前、大学受験で選択した外国語は中国語だった。

 今の乾の異常な「反中国共産党振り」を見るに信じられないですね。
1)完全な嘘、2)中国と言っても台湾(中国)シンパ、3)中国の古典(三国志水滸伝など)に興味を持った、カンフー映画のファンだった、パンダ愛好家だったなど政治と関係ない理由での中国への興味、4)中国語ならマイナーなのでむしろ受験に有利と考えた、のどれかではないか。

 夢想から目覚めさせてくれたのは、平成元年6月4日に起きた天安門事件である。

 天安門事件を批判するのは乾の勝手ですが、親中派が「産経新聞のような非常識極右」に行き着くというのは「あり得ない話」なのでまあ、嘘でしょうね。

 天安門事件を引き金として中国共産党による一党独裁体制が崩れていたとしても、何の不思議もなかった。そんな瀕死の共産党を救ったのが、日本だったのである。

 いやぶっちゃけ崩れなかったでしょう。そもそも瀕死状態でもない。
 そもそも「日本が名誉白人称号をもらうほど経済面でズブズブの関係だったアパルトヘイト南ア」については欧米は決して制裁解除しませんでした。
 そこには1)南アビジネスなんて大して美味しくない(むしろ南アと付き合ったら黒人差別容認国として評判が悪くなって他のビジネスに悪影響)、2)今時、南アレベルの黒人差別なんて容認できないし、さすがに南アもいずれは変化するだろう、つう欧米の判断があった。
 しかし、中国については日本の制裁解除を契機に欧米も解除した。つまりは「日本の制裁解除」は「日本が解除してるのだから俺たちが解除したって良いだろう」という「言い訳材料」でしかなかった。
 欧米は1)中国ビジネスは美味しい、2)世界中に中国レベルの独裁(例:王制のサウジ)は山ほどあるのだから容認しても大して問題ない、3)制裁しても変わるか疑問、などと「南アの場合とは違う」判断をしたと言う話です。

 日本は戦時中も中国共産党を救っている。生前、毛沢東は訪中した日本の要人が「日本軍が中国を侵略して申し訳なかった」と判で押したように謝ったのに対し、いつもこのように答えたという。
 「申し訳ないことはない。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらした。皇軍がいなければ、われわれは政権を奪えなかった」

 詳しくは皇軍に感謝した毛沢東?を参照下さい。
 「日本の要人」と何故かぼかす乾ですが皇軍に感謝した毛沢東?によれば社会党の佐々木委員長(当時)だそうです。
 言うまでも無いですがこれはジョークです。
 最高幹部・毛沢東だからこそ言えるジョークと言って良いでしょう。
 というか、この話、「天安門事件後の経済支援」とは全く関係ない話です。
 「中国最大勢力とは言え、蒋介石なんか簡単に打倒できる(日本の野党で例えれば最大野党・立憲民主党)。中国共産党(日本の野党で例えれば立憲民主党以外の諸野党(共産、社民、維新、国民民主、れいわ))なんか蒋介石以下の存在で問題外。蒋介石を倒した後にすぐにも潰せる」「蒋介石を打倒すれば中国全土が日本の植民地だ」と舐めていた日本軍が蒋介石と戦うことによって「蒋介石共産党討伐を結果的に妨害した(日本軍がそんなことしなければ蒋介石中国共産党を打倒できたかもしれない)」つうのと「天安門事件後の経済支援」と何の関係があるのか。
 例えば、「ヒトラーソ連侵略したこと」で結果としてスターリンソ連は東欧に政治介入する機会を得ました。しかし、それは「ヒトラースターリンの東欧支配を助けた」ということになるのか?。ならないわけです。単に結果論でしかない。

 習近平*12来日に賛成する政治家や官僚がいれば、それはまさしく「国賊」である。

 「国賊」とは「天皇機関説事件(美濃部達吉国賊呼ばわり)」「226事件青年将校国賊認定した高橋*13蔵相、斎藤*14内大臣など重臣を暗殺)」「戦前の共産党弾圧」などを連想させる物騒な言葉をよくも使えるもんですがそれはさておき。そんなことを言ったところで菅*15首相は「習氏訪日」の方向で動くでしょうね。そうなったときには「自民応援団」産経も黙りでしょう。
 過去にも「天皇訪中反対!」といったところで宮沢内閣がそれを実行したら「打倒宮沢内閣」などとは言えなかったわけですから。


中国、新型コロナワクチン初承認 国産開発成功をアピール:時事ドットコム
 それなりに評価されてるらしい「アストラゼネカ(英国)」「ファイザー(米国)」「モデルナ(米国)」と違い、諸外国にほとんど相手にされてない「効き目が怪しいロシアのワクチン」がわかりやすいですが、ワクチン開発を発表したからと言ってそれが「どれほど効くかは分かりません」。しかしもし「中国製ワクチン」が「それなりの効き目」であるのならば「中国の科学技術の発展」には改めて驚嘆しますね。


香港の黎智英氏再収監 中国寄りの判断 “司法の独立危機”浮き彫りに(1/2ページ) - 産経ニュース
 「不当判決」ならともかく「司法の独立の危機」ねえ。
 「砂川訴訟の田中最高裁長官(判決前に米国側と密談)」のような「司法と行政の癒着」の証拠でもない限り「司法の独立の危機」とはいえないと思いますね。

*1:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』(2020年、徳間書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年刊行予定、ちくま新書)など(楊海英 - Wikipedia参照)。

*2:おいおいですね。日本や欧米列強の中国侵略を「侵略ではない」とでも強弁する気なのか?

*3:少なくとも「建前の上」では中国政府も「中国は何をしても正しい」などという暴論は吐いては居ません。

*4:産経などウヨに媚びへつらう楊が「子供」と書かないのが興味深い。

*5:著書『1492:西欧文明の世界支配』(2009年、ちくま学芸文庫)、『アタリ文明論講義:未来は予測できるか』(2016年、ちくま学芸文庫)など

*6:著書『中国4.0』(2016年、文春新書)、『戦争にチャンスを与えよ』(2017年、文春新書)、『日本4.0』(2018年、文春新書)など

*7:著書『外交による平和:アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(2005年、有斐閣)、『国際秩序:18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』(2012年、中公新書)、『戦後史の解放I・歴史認識とは何か:日露戦争からアジア太平洋戦争まで』(2015年、新潮選書)、『安保論争』(2016年、ちくま新書)、『戦後史の解放II・自主独立とは何か 前編:敗戦から日本国憲法制定まで』、『戦後史の解放II・自主独立とは何か 後編:冷戦開始から講和条約まで』(以上、2018年、新潮選書)など

*8:一方で逆に「自分を必要以上に弱く見せ相手の油断を生んで逆襲する」という奇策も場合によってはありますが。

*9:モンゴル大統領や首相を歴任(ホルローギーン・チョイバルサン - Wikipedia参照)

*10:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相などを経て首相。首相退任後も新進党党首

*11:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*12:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*13:第一次山本、原、田中、犬養、斎藤、岡田内閣蔵相など歴任

*14:第一次西園寺、第二次桂、第二次西園寺、第三次桂、第一次山本内閣海軍大臣朝鮮総督、首相、内大臣など歴任

*15:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相