今日の中国ニュース(2021年5月3日分)(副題:楊海英と田畑光永の馬鹿さに呆れる)

リベラル21 相次ぐ「見せるな」、「知らせるな」の意味するもの(田畑光永
 習主席を批判するのは別に構わない。
 問題は田畑が「習主席の皇帝化(毛沢東が死ぬまで党主席だったように、死ぬまで国家主席を目指す)」などと「アホなことを言い出すこと」ですね。しかも、田畑においては「終身国家主席」が単に「任期制限が無い」にとどまらず、習主席が「毛沢東のようなカリスマ、歴代中国王朝の皇帝のような神聖不可侵の存在を目指してる」と言うのだから常識外れです。
 例の「任期制限(国家主席は2期10年が上限)撤廃」の是非はともかく、習主席もさすがに「終身国家主席」なんて目指してないでしょう。ましてや「毛沢東のようなカリスマ」なんかもっと目指してないでしょう。
 「任期制限」には「権力者の暴走を防ぐ」というメリットがある。
 ただし、権力者の側から見れば「任期末期にレイムダック化する恐れがある」と言うデメリットがある。
 もちろん、「首相引退後も実弟佐藤栄作*1、子分・福田赳夫*2、女婿・安倍晋太郎*3を使って政治力を維持した岸信介*4」のように「退任後も子飼いを使って政治力を維持する」などということは可能ではある。
 ただし、そこで「任期制限をそもそもなくせばレイムダック化を少しでも予防できる」と考えるのは一つの考えではある。
 そうすることで「いつ退任するか」がわからなくなり、「退任時期」を政治的駆け引きに使うことも出来る。
 習主席の考えも恐らくそれでしょう。もしかしたら3期目を「場合によってはやる」かもしれませんが、それとて「未確定」でしょう。
 習主席も「長期政権を批判されることは出来れば避けたい」でしょうし、子飼いを国家主席に就任させることが可能であれば2期10年で辞めることも充分ありうるのでは無いか。

 (ボーガス注:習主席が任期制限撤廃で終身主席を目指してるだけでなく「毛沢東のようなカリスマ」「歴代中国王朝の皇帝のような絶対的な存在」を目指してるなどとは)そんなばかな、と思われるかもしれない。でも、アジアのどこかの国では、それまで何百年も民草の視野にはほとんど入っていなかった飾り物のごとき存在が、19世紀末から20世紀半ばまで「神様」の地位に祭り上げられて、多くの人間が「万歳」を叫びながら、その神様に命を捧げた前例もある。

 こういう「ぼかした文章」が「格好いい」という価値観が田畑のようですが単に分かりづらいだけでしょう。まあ、「どこかの国=日本」「飾り物のごとき存在=天皇」「19世紀末=1868年の明治新政府誕生」「20世紀半ば=1945年の敗戦」「命を捧げた=アジア太平洋戦争での戦死」でしょうが。どっちにしろ習主席も「終身主席」なんか目指してないでしょうし、仮に目指してるにしてもそれは「建国の父・毛沢東」や「現人神・昭和天皇」のような代物にはもはやなり得ない。「そんな、馬鹿な」という感想が出るのは当たり前の話です。

 だれかが皇帝を目指したところで驚くことはない。現に100年ほど前には実際に皇帝を名乗る軍人も出てきた国なのだから。

 これまた単に分かりづらいだけでしょう。「皇帝を名乗る軍人=袁世凱」でしょうが。なお、「袁世凱の時代」と「今の時代」では時代状況が違うので比較すること自体が馬鹿馬鹿しい。
 例えば「約85年ほど前(1936年)に日本ではクーデター未遂(226事件)があった。だからクーデターを自衛隊がまた起こしても驚くことではない」等と言ったら正気を疑われるでしょう。それくらい田畑の物言いは馬鹿げている。

 望んではいないが、やらざるを得ないところに、彼もまた追い込まれているのではないか、と私は考える

 意味が分からないですね。「子飼いが成長してないので、2期10年では子飼いに国家主席を引き継げるか分からない。あまりやりたくないがこの際任期制限を撤廃する」と言う意味での「望んではいないが、やらざるを得ないところに、彼もまた追い込まれている」ならありうるでしょう。しかし「終身主席」なんてもんを「やらざるを得ない」なんて話はどこにも無いでしょう。


◆楊海英のツイート

楊海英
◆土地を売る、それも自国の土地を中国に売るという事に対し、私は無性に腹が立つ。我が南モンゴル*5と新疆ウイグルはこのようにして中国に侵略された。日本は私たちの歴史を教訓とした方がいい。
◆中国は、東トルキスタン*6の中国化、南モンゴルの中国化だけでなく、世界の中国化を狙っている。日本は既に狙われている

 吹き出しました。本気というよりは「北海道が危ない」などと放言する日本ウヨへの媚びでしょうが。

楊海英
 会津出身者が多かった満蒙。大陸に雄飛し、私たちモンゴル人*7と共に歴史を作ったサムライたち。その気風は「義」にあり。

 「日本ウヨに媚びる」今の楊なら「予想の範囲内」ですが、戦前日本の満蒙侵略を美化するとは常軌を逸しています。 

*1:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*2:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*3:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党総務会長(中曽根総裁時代)、幹事長(竹下総裁時代)など歴任

*4:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*5:内モンゴル自治区のこと

*6:新疆ウイグルのこと

*7:関東軍と手を組んだ徳王(デムチュクドンロブ、蒙古連合自治政府主席)や李守信蒙古連合自治政府副主席)などのこと。李については楊海英『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)という評伝がある。