今日の中国ニュース(2022年10月27日分)(追記あり)

中国、党規約に「二つの確立」入らず 党大会で改正 - 産経ニュース

 「二つの確立」のほか「党主席」の復活や習氏に対する「領袖」の肩書も明記されなかった。
 「二つの確立」は党の核心としての地位と、習氏の思想の指導的地位を確立したとするスローガン。

 1)そもそもそんな物は最初から「入れる予定はなく、入るかもしれないというのは反習派のデマ」、2)入れる予定だったが反対意見から断念し、今後も入れる予定なし、3)今回は断念したがいずれは入れる予定のどれなのかで、習氏政治への評価も変わってきますが、当面はその辺りは分からないのでしょう(アンチ習の立場を取る多くの日本メディアは3)と見ているようですが)。
【追記】
中国共産党規約に「二つの擁護」 習近平氏への権力集中求める言葉 | 毎日新聞
 但し「二つの革新」に似た「二つの擁護」なる言葉が記載されたとのことですのでメモしておきます。
【追記終わり】
 なお、領袖は日本では「ボス」の意味で

変容した自民派閥 「領袖を首相に」は1派のみ - 産経ニュース2021.12.26
 会長が天下取りを目指す派閥は茂木敏充*1幹事長が就任した茂木派(53人)だけだ。昔のように領袖を総理・総裁に担ぎ上げるため他派閥と競った派閥の役割は薄れ、勉強会・親睦会の性格が強まっている。
 昭和47年まで長期政権を敷いた佐藤栄作*2元首相の後継をめぐっては、主要派閥の領袖である「三角大福」(三木武夫*3田中角栄*4大平正芳*5福田赳夫*6)が激突した。だが、今の会長で総裁候補と目されるのは茂木氏一人である。菅氏の後継を決める今年9月の総裁選で一致結束して行動できたのは領袖を担いだ岸田*7派だけだった。

自民党森山派が研修会 最小派閥、存在感課題: 日本経済新聞2022.9.28
 自民党森山派(近未来政治研究会、7人)は27日、東京都内で研修会を開いた。昨年の衆院選で落選した石原伸晃*8から派閥領袖を引き継いだ森山裕*9の会長就任後、初開催。

 選挙を巡っては、死亡した安倍晋三元首相が教団*10関連の票を差配していたとの指摘*11がある。同じ派閥*12領袖だった細田博之*13衆院議長は状況を知る立場にあったのではないか。説明責任がある。

等、普通に使われる言葉(但し、上に紹介した記事のように「自民党の派閥ボス」の意味で使われることが多い)ですが、「産経に限らず」日本メディアの多くは

「領袖は道を誤らない」習氏礼賛、突き進む中国 にじむ文革の記憶:朝日新聞デジタル2022.5.30
 党が領袖と呼ぶ過去の党幹部は数人存在する。だが、生前から領袖とたたえられたのは毛と、その党主席ポストを継いだ華国鋒のみ。華は数年で鄧小平との政治闘争に敗れたため、事実上、毛の称号だといえる。

忠誠競う共産党幹部、習近平氏を「人民の領袖」と礼賛: 日本経済新聞2022.10.18
 建国の父、毛沢東をたたえる際に使われた「領袖」の称号を使って「人民の領袖」と呼び、3期目が確実視される習氏への忠誠を競っている。
 「心から敬愛する人民の領袖だ」。
 習氏側近で党序列25位以内*14の蔡奇*15北京市党委員会書記は17日の党大会の関連会合で、習氏をこう持ち上げた。

として中国においては「特別の意味がある」としています。


王副主席側近の逮捕決定 中国、大手銀行前頭取 - 産経ニュース
 まるで「王氏の失脚」が間近であるかのような記事ですが、
【1】

 田氏は王岐山*16国家副主席が中国建設銀行で頭取などを務めた時代に秘書役

ということで部下だったのはかなり昔の話。少なくともこの記事には「招商銀行の田恵宇前頭取」が「銀行頭取と国家副主席」として王氏とつながりがあったとは書いてない
【2】王氏の部下だろうと、あまり無茶苦茶な不正をされればさすがにかばいようがないだろう
ということでこれだけでは「王氏の失脚が間近」とは到底言えないでしょう。

*1:小泉内閣沖縄・北方等担当相、福田内閣金融担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相、第四次安倍内閣経済財政担当相、第四次安倍、菅、岸田内閣外相などを経て自民党幹事長

*2:吉田内閣建設相、郵政相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相、科技庁長官などを経て首相

*3:国民協同党書記長、委員長、片山内閣逓信相、国民民主党幹事長、改進党幹事長、鳩山内閣運輸相、岸内閣経済企画庁長官(科技庁長官兼務)、池田内閣科技庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官等を経て首相

*4:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*5:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*6:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経企庁長官などを経て首相

*7:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)などを経て首相

*8:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*9:第三次安倍内閣農水相自民党国対委員長(第二次安倍、菅総裁時代)等を経て自民党選対委員長

*10:統一協会のこと

*11:伊達元参院議長の証言

*12:清和会のこと

*13:小泉内閣官房長官自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)等を経て衆院議長

*14:その後、蔡氏は「党中央政治局常務委員(党最高幹部で7名)」に昇進

*15:浙江省副省長、北京市長、党委員会書記など歴任

*16:中国人民建設銀行頭取、中国建設銀行頭取、広東省第一副省長、海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)等を経て国家副主席