今日の産経ニュースほか(2021年6月10~13日分)

敵は「自民党内」にあり 「LGBT法案見送り」でわかった菅首相の政敵は野党だけではなかった 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

 五輪憲章で明確に性的指向を理由にした差別を禁止していることから、五輪開催を目指す菅首相にとって同法案は前のめりではないにしても、否定はしない立場だった。
 しかし、最後の最後で党内の保守派から「待った」がかかる。法案の国会への提出を了承する「総務会」で保守派が巻き返しを図ったのだ。同法案に積極的だった自民党議員はこう内情を明かす。
「ある総理経験者が『これは闘争だ』と言って、(議連がまとめた修正案を)絶対に通すなと総務会役員に直接、攻勢をかけたというのです。その人物は、選択的夫婦別姓慰安婦問題の急先鋒。拍車をかけたのが同法案の自民党の取りまとめ役が、その人物と縁が深い、稲田朋美衆議院議員だったからです」
 その人物とは安倍晋三前首相だと複数の関係者が証言している。結局、同法案は6月16日の会期末を前に「審議日程が確保できない」ことを理由に提出を見送られた。しかし、ある国対委員長経験者はこう断言する。
「総理が鶴の一言で『やる』と決めれば、自民党以外の党は了承しているのだから、1日あれば衆参で審議の上、成立することが絶対にできる。つまり、総理といえども総務会、そして党内最大派閥である細田派を事実上率いる安倍氏に弓を引けないということだ」

 ということでアエラを信じれば「積極的に推進する気も無いが反対する気も無い(そもそも下手に反対するとLGBT差別国家として国際的に非難されかねない)」「稲田が法案提出したいなら任せる」と言う傍観者的態度だった菅に対して、未だに総理気取りの安倍が法案提出を妨害したわけです。
 しかし、「LGBT法案提出妨害」て、安倍は余程差別意識が酷いのか、はたまた「差別意識が酷い安倍のウヨ支持層」にこびてるのか。いずれにせよげんなりしますね(こうした事態に対して『LGBT差別反対』を建前としながら、何一つ批判をしない銭ゲバIOCにも呆れますが。同性愛差別を理由に、オバマ大統領が開会式出席を拒否したソチ五輪をためらいなく容認しただけのことはあります)。「コロナ蔓延の最大の戦犯」「モリカケ・桜の腐敗政治家」が何様のつもりなのか。
 このアエラの記事が事実として興味深いのは「思惑が何であれ」、稲田が現時点では「反対派には誤解がある」として反対派への批判が腰が引けていた物の、現時点ではLGBT法案提出について「法案提出が間違っていた」などと何一つ認めていないことですね。別に稲田を過大評価する気も無いのですが、稲田がそこまで「安倍と決別しようとする(決別しても構わない、むしろ決別した方が良い?)」とは思ってもみませんでした。「夫婦別姓を主張するなど、安倍と距離を置きながら、大臣(小渕内閣郵政相、第四次安倍内閣総務相など)を歴任し自民党内において有力女性政治家として注目される野田聖子」が「稲田にとっての理想」なのか。いずれにせよ「思惑が何であれ」稲田の態度はそれなりに評価したい。俺は例えば「金権政治家」だろうと「田中角栄日中国交正常化」や「金丸氏の訪朝による第18富士山丸船長帰国」は評価しますので稲田の場合もそれと同じです。


【世界裏舞台】作家・佐藤優 説得力欠く志位氏の反論 - 産経ニュース
 佐藤優も落ちぶれたもんだと心底呆れます。
 佐藤が何を強弁しようが今時「共産党破防法の適用団体(佐藤)」なんて与太を支持するのは余程の反共右翼だけでしょう。
 それは『志位氏が批判する佐藤の与太』が掲載されたのが月刊正論、今回の「反論」が掲載されたのが産経ということでも明白です。
 そもそも「佐藤の親分・鈴木宗男」が自民を離党し、共産を含む野党共闘にこびを売っていた頃は、鈴木も佐藤も「共産党破防法の適用団体」なんて言っていなかった。それどころか「共産を含む野党共闘」支持を表明していたわけです。
 鈴木や佐藤がこんなことを言い出すのは、鈴木が娘・貴子(第四次安倍内閣防衛大臣政務官)を自民の代議士にし、鈴木自身も「自民の二軍・維新に入党」し、また北海道の選挙で露骨に自民に肩入れするようになってからのことです。
 しかし鈴木にも佐藤にも呆れますね。「共産党破防法の適用団体」なんて与太を飛ばせば、まともな人間はそれ以降そんな人間をまともに相手にしません。ましてや鈴木や佐藤は一時は共産を含む野党共闘にこびを売っており、当然「野党共闘に媚びていた当時」はそんなことは言ってなかったのに「安倍長期政権」で「自民に媚びた方がどうも美味しい」「離党してほとぼりが冷めたから、自民に媚びても問題ない」と自民に媚び始めてからこれです。
 どんなに鈴木や佐藤が強弁しようとも何の正当性もない。共産支持者、野党共闘支持者は勿論「自民支持者」「反共右翼」でもまともな人間なら佐藤や鈴木には呆れざるを得ないでしょう。自民党だって内心では鈴木や佐藤を「いつでも切って捨てられる鉄砲玉」としか思ってないでしょう。だからこういう汚れ仕事を彼らにやらせる。
 まともな人間には到底真似できない生き方ではあります。やはり「佐藤が有罪判決で外務省を免職になったこと」は「大変良いことだった」と思いますね。佐藤のようなクズが外交に関与するなど「どんなに些細な関与でも」許されることではないでしょう。以前から「顔が東映ヤクザ面」な上に「体が異常な肥満体(金正恩君の体型を小ばかにするウヨマスコミが佐藤の肥満体を馬鹿にしないのが理解できないレベルの異常な太り方*1:たぶん正恩君の方が痩せてる)」なので「ムネオ疑惑の中心人物(実刑判決で外務省を首になった前科者)」と言うこともあって「少しは痩せろよ、豚野郎」などと、好意がまるで持てなかったし、週刊金曜日など一部のリベラルマスコミが奴にコラムを書かせるのがまるで理解できなかったのですが、これで完全に「嫌悪感」しかないですね。
 それはともかく、佐藤とは文化人ぶってどんなにでかい口を叩いても『奴を出世させてくれた大恩人・鈴木』に頭が上がらない『鈴木の奴隷』でしかないのでしょう。人間、ああはなりたくないもんです。
 この辺りは元官僚でも俺の知る限り「佐藤のような醜悪な行き方」はしてない「前川元文科次官」「寺脇元文科省大臣官房審議官(生涯学習政策担当)(現在は京都芸術大学教授)」「浅井元外務省中国課長(退官後、日大教授、明治学院大学教授など歴任)」などとは偉い違いです。
 それにしても岩波書店もこれを契機に佐藤の著書『獄中記』(2009年、岩波現代文庫)は「抗議意思の表明」として絶版にしたらどうか。


【産経抄】6月13日 - 産経ニュース

 若山牧水歌人としても左党としても名高い人だった。
 「心が渇き、魂が孤独を叫ぶかぎり飲み続ける」と随筆にある。左党の面目を施す美学だろう。
 肝臓を患った牧水は43歳の若さで逝った。遺体は臭わず、顔には死斑(しはん)一つなかったという。
「内部よりのアルコールの浸潤によるものか」。
 主治医は所見にそう記した(山田風太郎著『人間臨終図巻』)。病床で酒瓶を抱いたとも伝わる。
〈足音を忍ばせて行けば台所にわが酒の壜(びん)は立ちて待ちをる〉。
 これは、牧水の最晩年の一首である。

 小生は無知なので「左党(酒好き)」と言う言葉を初めて聞いたときは「左翼政党のこと?」と首をかしげましたし、「左利き(酒好き)」と言う言葉も最初は「何が左利きなんだろう?」と首をかしげました。
 ちなみに「左党」「左利き」の反対語(酒嫌い)として「右党」「右利き」と言う言葉もあります(「左党」「左利き」に比べて、使用頻度は恐らく低いですが)。
 まあ、最近は「左党」、「左利き」、「右党」、「右利き」どれも余り使わない言葉のような気がします。
 前後の文脈で「左党=酒好き」とわかりますが、最近の若者が

若山牧水歌人としても左党としても名高い人だった。

だけを読んだら「若山牧水って左翼?」と勘違いするかもしれない。しかし産経抄の記述が事実なら、牧水は完全にアル中ですね。
 ネット上にも

若山牧水 - Wikipedia
◆長年の大量飲酒による急性胃腸炎と肝硬変を併発して、1928年(昭和3年)9月17日に沼津市の自宅で死去する。享年43歳。
◆大の酒好きで、一日一升程度の酒を呑んでいたという。ちなみに、夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず、死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため、「生きたままアルコール漬けになったのでは」と、医師を驚嘆させた、との逸話がある。

(131)酒仙の実像・若山牧水 | 江戸老人のブログ
 若山牧水が永眠したのは、昭和三年(四十三歳)九月十七日でした。病名は急性腸胃炎兼肝臓硬変症。牧水のアルコール中毒は無残なもので、十メートル近づいても腐ったゴミ箱のような強烈な臭いがしたとされます。口中はただれ、目は充血し、酒がきれると手がふるえた。
 そうでありながら、自らを「酒仙」とし、酒を歌う詩人として西行芭蕉のような旅と同じと演出して見せています。
 岩波文庫版『歌集』の「最後の歌」もまた酒でした。
「酒ほしさ まぎらはすとて 庭に出でつ 庭草をぬく この庭草を」
 歌集の最後にこの一首を選んだのは喜志子夫人でした。この歌を選んだ理由を考えると、妻の想いにもまた哀切を覚えます。筆者はこの歌人は、ずっと長く日本人の心をとらえ続ける気がしてなりません。

若山牧水(日向市、宮崎県)、旅と酒をこよなく愛した歌人(九州から北海道まで、幾山河こえさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく、歌碑13基)、種田山頭火、島崎藤村、とは(2012.10.15): 歴史散歩とサイエンスの話題
 臨終の枕元にあった短歌雑誌の裏表紙には、赤いペンで「酒ほしさ まぎらはすとて 庭に出でつ 庭草をぬく この庭草を」の絶筆が残されていて、やはり酒が命を縮めたのかと哀れを誘います。

きょう9月17日は『牧水忌』: takusankanの周易占いノート
 牧水は 毎日の酒量を「朝二合、昼二合、夕方四合、その他一日一升」と決めていたようです。
 亡くなる三日前、御子息・旅人〔たびと〕の前で何かを払いのけるようにして「蜘蹰〔くも〕がいっぱいいて、いやだなあ」と、つぶやいたそうです。
 アルコール中毒による幻覚症状があったようです。
 それでも、牧水は酒を求めた。
 しかも、寝たままで吸飲みで飲んでは酒の味がしないといって、抱き起こしてもらって盃で飲み、「ああ これでこそお酒の味がする」といったそうです。
 そして、9月17日朝7時過ぎにも、五合の酒を飲み、さらに筆に含ませられた酒を、口内炎で真っ白に腫れた唇に塗ってもらい昇天したそうです。
※以上、山田風太郎著『人間臨終図巻 上』より、引用しました。

と言う記述があります。
 ちなみになぜ「左=酒」なのかというと

酒飲みのことを「左党」や「上戸」という由来はなに?─【専門用語を知って、日本酒をもっと楽しく!】 | 日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」
 お酒飲みの人を「左利き」「左党」ということもあります。どちらも「左」という漢字が使われていますが、なぜでしょうか。
 江戸時代、大工や鉱夫が右手に槌、左手にノミを持つことから右手のことを「槌手」、左手のことを「ノミ手」と言いました。この「ノミ手」が「飲み手」と同じ発音だったため、ダジャレのような感覚で、お酒飲みのことを「左利き」と呼ぶようになりました。「左党」もその派生語とされています。

だそうです。


「セーラー服に絶望」する子を救う学校の変化(1/2ページ) - 産経ニュース(前原彩希)

 学校現場でLGBT(性的少数者)の生徒への配慮が進みつつある。奈良県香芝市の中学校では性別関係なくスカートかスラックスか制服を自由に選べるようにしたほか、男女別トイレとは別に、性別にかかわらずに使える独立した個室のトイレを設置した。
 奈良県香芝市の市立香芝東中学校ではこれまで男子生徒は詰め襟とスラックス、女子生徒はセーラー服とスカートだったが、昨年4月から、スカートかスラックスかを選べるようにし、上着は男女どちらも使えるデザインのブレザーとした。スラックスをはいている女子生徒は数人いるという。
 新しい制服の導入を計画した前校長の上嶋健氏(たけし)さん(60)は、「中学生は多感な時期で、自分の性別について悩む子もいる。こうした時期に男女をはっきりと区別する制服について、違和感を持っていた」と話す。保護者からは「よい取り組みだ」と好反応だったといい、「学校側がこうした配慮を進めることで、生徒の多様性への理解が進めば」と期待する。
 制服のほか、昨年10月には校舎の2階と3階に性別を問わずに使える独立した個室のトイレを計4室設置。多くの生徒らが行き交う廊下からはこのトイレに入るところが見えない設計にする配慮もした。
 性別に関係なく使えるトイレは近年、性的少数者への配慮として商業施設などに設置されるケースがある。
 自分の性別に違和感を持つ子供以外に、共用トイレが苦手な子供も利用できるメリットもあるといい、上嶋さんは「安心してトイレを使ってもらうことで、少しでも学校生活が送りやすくなればと思った」と話す。
◆抱え込む当事者
「中学校に入学するとき、セーラー服を着ないといけないのかと思うと絶望感でいっぱいだった」
 戸籍上は女性だが、自分を男性と認識しているトランスジェンダーの中学教諭(27)=大阪市=はこう振り返る。
 当時通っていた中学校には、自身のような生徒への配慮は一切なかった。特に嫌だったのが体育の着替えや水泳の授業。
 「水着は自分の体型がはっきりと分かり、とても苦痛だった」
 しかし、当時はこうした悩みを誰かに打ち明けることはなかった。生理中だと知られるのが嫌で、トイレに行く際に他の人から見られないように苦心した記憶がある。
 「学生時代は知識がなく、嫌だと思うことがあってもどうしたらいいのかわからなかった」
 教師という立場になった今、小中学生に影響を与える教員たちが、まず意識を変えるべきだと感じている。
 「学校の環境を作る先生が、いろんな子供がいるということを理解してほしい。そんな先生がいることで、子供たちも相談しやすくなると思う」
◆6割が誰にも言えず
 文部科学省が平成26年に公表した調査によると、体の性別に違和感を持つ児童生徒は、学校側が把握するだけで少なくとも約600人いることが判明。うち、約6割が同級生や保護者ら周囲に打ち明けていないと回答した。
 こうした調査などを経て文科省は27年、性的少数者に対し、学校現場できめ細かな対応をするよう求める通知を各教育委員会や私立学校などに出した。ただ実際にどんな対応をするかの判断は各学校にゆだねられているのが現状だ。
 LGBTの子供や若者の支援をしている認定NPO法人ReBit」(東京都)の小川奈津己さん*2(31)は、性的少数者への配慮は、さまざまな事情を抱える子供への対応にもつながる、と考える。「学校のトイレは集団で利用するのが当然というつくりになっているが、男子トイレで個室に入りにくい、女子トイレで生理用ナプキンを包みからはがす音が気になるという声も聞く。誰が入ってもよい独立したトイレは、こうした子供たちへの対応にも有効だ」と指摘する。

 記事タイトルから「もしかして、性同一性障害の女子生徒の話?」と思ったらその予想通りでした。長くなりますが「大変良い記事」と思うので大幅に引用しました。
 先日の「LGBT法案」もこうした問題の解決を目指してるわけで自民ウヨ議員連中に因縁付けられるいわれは全く無い。
 この記事自体は「まとも」と思います。産経でも「個々の記者」にはまともな記者もいると言うことでしょう。


朝乃山と外出、スポニチが元記者諭旨解雇 口裏合わせも - 産経ニュース
 「減給や降格」ならともかく解雇するほどの落ち度なんですかね。疑問には思います。


不信任案提出前に政権構想を 国民榛葉氏が枝野氏に要求 - 産経ニュース
 意味が分からないですね。榛葉*3は何がしたいのか。政権構想とやらへの評価で「不信任案への賛成、反対」を決めるのか。
 不信任案とはあくまでも「菅政権を評価(信任)するかどうか」であって立憲民主の政権構想において「国民民主が重要閣僚として重用されるかどうか、国民民主の政策が実行されるかどうか」なんてことで決めるというなら「党利党略」「邪道」も甚だしいでしょう。
 しかし、これでは今の立民のていたらくでは「国民民主を不当に厚遇すれば共産、社民、れいわの反発を招くが、国民民主の要望を無視して、対立関係になるのも避けたい」などという理由で「結局出さない」ということも充分あり得ますね。


不信任案で解散も 立民「否決で終わる雰囲気でない」 - 産経ニュース
 「出すな」とは言いませんが「コロナ禍が終息するまでは政治空白は作れない」と枝野立民が言っていたのは一体何だったのか、と呆れます。結局「世間受け」しか考えてないのか。


「共産は破防法対象団体」政府答弁書決定 鈴木宗男氏質問に - 産経ニュース
 愚劣すぎて話になりません。しかし鈴木宗男も「自民離党直後」は野党共闘共産党を含む)にこびを売っていたくせに、「党利党略」から今は自民に接近してこれですからね。人として恥ずかしくないのか。というかこんな無茶苦茶なことをすれば今後、鈴木が何を言おうとも「あいつの言うことは何一つ信用できない」「あいつの言うことは全部党利党略だろ」「あいつの言うこととは逆方向に動いた方が良い」という扱いしかされないんですが(呆)。自民だって内心では鈴木を「いつでも切って捨てられる鉄砲玉」扱いで完全に小バカにしてるでしょうし。


「具体的データない」加藤氏、11月接種完了の首相発言 - 産経ニュース
 おいおいですね。「データが無いのに11月完了と言った」というのは「口から出任せ」ということなのか。

*1:俺も割と肥満体ですがさすがに佐藤ほどではありません。明らかに健康に悪いし

*2:著書『改訂新版・LGBTってなんだろう?:自認する性・からだの性・好きになる性・表現する性』(共著、2019年、合同出版)

*3:鳩山、菅内閣防衛副大臣、野田内閣外務副大臣民主党参院国対委員長民進党参院国対委員長などを経て国民民主党幹事長