珍右翼・高世仁に突っ込む(2021年10/25日分)(副題:今日も高世に悪口する)

懸念されるアフガンの人権状況 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 朝日新聞の記事からテーマをひろって書くネットコラム【高世仁のニュース・パンフォーカス】

 何故「朝日限定か」といえば、高世のネットコラムの掲載場所が「ASA三軒茶屋」という「朝日新聞の販売店」だからです。

 思い起こせば、ロシアもフィリピンも30年前には自由を謳歌していた。自由は意外に脆弱なものかもしれない。

 「民主主義擁護は不断の努力が大事」つう結論には異論はない。とはいえ、30年前とはロシアは「保守派クーデター打倒→ソ連崩壊(1991年)」、フィリピンは「マルコス独裁打倒(1986年)」でしょうが、果たして「自由を謳歌していた」とまで言っていいものか。

 今朝の「サンデーモーニング」で、松原耕二氏*1が今回のミサイル発射の「思惑」を聞かれ、衆院選公示日に合わせたと明言したのには驚いた。「思惑」を問うより、どうやって核ミサイル開発を止めるかを考えたい。

 松原氏の考える「北朝鮮の思惑」については「そのように認定する根拠は何なのか?」と疑問に思います。
 俺個人は「衆院選公示日に発射して日本の反応はどうなるだろうか?」という検討は当然したでしょうが、「それが果たして主目的か?」と疑問に思います。
 なお、

「思惑」を問うより、どうやって核ミサイル開発を止めるかを考えたい。

と言う高世は一体「どうやって止めるつもり」なんですかね。さすがに「昔と違って」今は「北朝鮮体制打倒」と「非現実的なこと」はいわないのでしょうが。
 なお、俺は「止めるには、北朝鮮の思惑を理解する必要がある」と思っています。
 「止める」には正直「北朝鮮との外交交渉」しかないでしょう。交渉の場で「ホニャララするから核ミサイル開発はやめよ」という要求をして北朝鮮に飲ませる以外に現実的手があるとは思えない。「安保理制裁で飲ませる」という方法論は今まで失敗しています。
 で、そういう交渉をするには「北朝鮮の思惑」を理解した方がいい。
 これは俺の私見に過ぎませんが、北朝鮮の核ミサイル開発の目的は
1)米国の北朝鮮侵攻を回避すること
あるいは
2)「核ミサイル開発を放棄して欲しいなら制裁解除し、むしろ経済支援しろ」として制裁解除、経済支援を米国に飲ませるための取引材料
ではないか。
 であるのなら
1)体制保証
 北朝鮮にとっての体制保証が「朝鮮戦争正式終戦」にとどまるのか、「米朝国交樹立」や「在韓米軍撤退」などを意味するのかはともかく「朝鮮戦争正式終戦」が最低のラインかと思います。
2)制裁解除や経済支援
によるバーター取引で核ミサイル開発を「辞めさせられる」のではないか(「絶対に辞めさせられる」と無責任な断言はしませんが)。
 なお、俺個人は「これ以上の核ミサイル開発の続行をやめさせる」で「十分だ」と思っています。
 可能ならば「過去の蓄積もすべてチャラにさせる(つまり現在保有する核、ミサイルを廃棄させた上で、核兵器製造工場なども廃棄)」がベストですが「北朝鮮もそうそう簡単に手持ちのカードを捨てない」だろう、そういう意味で妥協もやむなし、つうことです。
 それにしても「TBSのニュース番組キャスター、ディレクター」などとして経験を積み、TBSに2020年に定年まで在籍した松原氏は、定年退職後も現在、TBS『サンデーモーニング』などに出演し、

【松原氏の著書】
◆『勝者もなく、敗者もなく』(2011年、幻冬舎文庫)
◆『聞く力 話す力 インタビュー術入門』(2015年、河出書房新社
◆『反骨:翁長家三代と沖縄のいま』(2016年、朝日新聞出版)
◆『記者の報い』(2016年、文春文庫)
◆『本質をつかむ聞く力』(2018年、ちくまプリマー新書)

などの著書も刊行している。
 「日本電波ニュース社」独立後、ジンネットを立ち上げたものの、結局、倒産し、今は「事実上、ジャーナリスト廃業状態の高世(1953年生まれ)」にとって「ジャーナリスト松原氏(1960年生まれ)の活躍」は妬ましい限りでしょう。
 著書にしても高世の最近の著書は

◆『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社
 常岡浩介へのインタビュー本
◆『自由に生きていいんだよ:お金にしばられずに生きる"奇跡の村"へようこそ』(2017年、旬報社
 森本喜久男*2へのインタビュー本

であり、その後、高世は一冊も本を出していない。しかもこれらの著書は「高世がインタビュアー」で事実上は「常岡や森本の著書」だし、出版社も「大手とは言いがたい旬報社」です(なお、高世は旬報社からはこれ以前に『スーパーKを追え』(1997年)、『娘をかえせ息子をかえせ:北朝鮮拉致事件の真相 』(1999年)を出版している)。
 「俺もTBSに定年まで在籍した松原のように、電波ニュース社に定年まで在籍すれば」と言う思いが消せないのではないか。
 とはいえ、やはり「松原氏と高世」では「持ってる才能」も違うのでしょうが。

 アフガンで人権侵害などがあれば、情報を共有してタリバン政権に国際的な圧力をかけるようなスキームが望まれる。 

 今はともかく昔は、人権侵害を理由に
金正日体制打倒と外交1 - 高世仁の「諸悪莫作」日記2008.6.19
日本から金正日体制打倒の宣言を! - 高世仁の「諸悪莫作」日記2010.1.29
北朝鮮体制の打倒は憲法の要請 - 高世仁の「諸悪莫作」日記2017.5.17
と公然と「打倒北朝鮮」を叫んでいた高世も今回「打倒タリバン」とはいわないわけです。
 「打倒タリバン」なんて非現実的ですからね。もちろん「打倒北朝鮮」も高世がそうした「打倒北朝鮮」記事を書いていた昔(2008年、2010年、2017年)においても「非現実的」でした。

*1:1960年生まれ。1989年に『筑紫哲也 NEWS23』の立ち上げにディレクターとして参加。1991年には朝のニュース番組『JNNニュースコール』のキャスターに就任。1992年~1995年まで『JNN報道特集』ディレクターを務めた後、1997年に夕方のニュース番組『JNNニュースの森』のメインキャスターに就任。2001年にメインキャスターを退任して『JNNニュースの森』編集長に就任、3年間在籍。2004年にはJNNニューヨーク支局長に就任(4年間在籍)。2008年に帰国してからは、報道局プロデューサーとして『サンデーモーニング』や『サタデーずばッと』を担当。2010年から2012年3月まで夜のニュース番組『NEWS23X』のメインキャスターを担当。2011年、小説『ここを出ろ、そして生きろ』(新潮社)を刊行し、作家としてデビュー。2012年に報道局解説委員に、2013年にはBS-TBSスペシャルコレスポンデント(特派記者)に就任。2013年、第2作目となる小説『ハードトーク』(新潮社)を刊行。2014年、制作したドキュメンタリー『フェンス〜分断される島・沖縄』(BS-TBS)で放送文化基金賞優秀賞を受賞。2015年、BS-TBSの報道番組『週刊報道LIFE』のメインキャスターに就任。2018年10月、BS-TBSの大型報道番組『報道1930』のメインキャスターに就任。2020年8月31日、TBSを定年退職。なお、引き続き『サンデーモーニング』(2017年から出演)、『報道1930』(2018年から出演)の出演は続けるとしている(松原耕二 - Wikipedia参照)。

*2:著書『カンボジア絹絣の世界』(2008年、NHKブックス)、『カンボジアに村をつくった日本人』(2015年、白水社