高世仁に悪口する(2024年8/25日分)

ウクライナ軍のロシア領攻撃によせて - 高世仁のジャーナルな日々

 越境攻撃はもちろんロシアのウクライナ侵攻と異なり、自衛権の範囲内の作戦

 恐らく「ウクライナが支配するクルスクを返して欲しかったら、ロシアが支配するウクライナの土地を返せ」が作戦の主目的でしょうが、果たしてそれは「自衛権の範囲内」なのか?。
 むしろ「自衛権の範囲外の作戦」を、あえて行ったと評価すべきではないか?(なお、自衛権の範囲外だから違法とか不当とか言う話ではなく、単なる事実の指摘です)
【追記】

限界に至る前に兵を引いた方がよいと思うが | inti-solのブログ - 楽天ブログ2024.8.28
 ロシア側の虚を突いて領内に攻め込んだウクライナの作戦は、なかなか見事だったと思います。
 これによって、ロシア軍は自国領内をがら空きにして、全神経をウクライナ領内だけに注ぐことはできなくなります。自国領内に大兵力を貼り付けなければならず、その分ウクライナに攻め込む兵力は減ります。
 でも、逆もまた真なりです。ウクライナ軍もまた、自国領内に攻め込んだロシア軍と戦う貴重な戦力を、ロシアへの逆侵攻に割いてしまっています。
 私が思うに、ウクライナにとってベストな作戦は、ロシアの虚を突いてロシア領に逆侵攻し、その戦果を大々的に宣伝する。そして、ロシア軍が反撃に出るころには、サッサと撤退してしまう、というやり方だったのではないかと思います。
 このようにすれば、ロシア側だけに一方的に兵力の分散を強いることができたでしょう。
 しかし、おそらくウクライナ側も体面上の問題で、「ロシア領土に逆侵攻して占領地拡大中」という目に見える果実を欲してしまったのでしょう。しかしそれは、判断ミスではなかったかと私は思います。
 ウクライナがロシアと同じ土俵、同じ戦い方でがっぷり四つに組んでしまったら、先に国力、軍事力が尽きるのは、どう考えてもウクライナです。

 上に書いたように小生は「そうした作戦の軍事的、政治的是非(成功の可能性の有無)」はともかく「ウクライナが支配するクルスクを返して欲しかったら、ロシアが支配するウクライナの土地を返せ」という「バーター取引作戦」あるいは「ウクライナ優位の状況を作らなければ交渉できない(その為には小規模でもロシアの土地を占拠しなければならない)」という「ウクライナ版・一撃講和論(昭和天皇がこうした一撃講和論で降伏を遅らせたが結局失敗したことは有名)」と思い込んでいたのでこうした指摘には「目から鱗」ですね。
【追記終わり】

 TBSの「サンデーモーニング」に日本文学研究者のロバート・キャンベル*1が初登場。ウクライナ軍の越境攻撃に、ウクライナの人々はこれで戦意が高揚しているわけではない、などと発言していた。

 「早期終戦論・停戦論」を「ロシアに甘い」または「腰抜けだ」として継戦を主張する「勇ましいタカ派の高世」がキャンベル氏(あるいはキャンベル氏を出演させるサンデーモーニングや司会の膳場貴子*2)を早期終戦論・停戦論の立場と評価して「ロシアに甘い」または「腰抜けだ」としてネガキャンしたいらしいことはよく分かりますが、「キャンベル発言の正確な引用がない(カギ括弧付き引用ではないので高世の要約でしょう)」上に、彼の発言について「どんな応答がされたのか(あるいは応答がされず、彼がコメントを述べただけで終わったのか)」が分からないので何とも評価できません。
 高世は過去にサンデーモーニングでのコメントを紹介した際には「多くの場合」、以下のように発言をカギ括弧付きで、引用していたのに、何で今回はそうしないのか。

「代理戦争」論そして第三次世界大戦の懸念 - 高世仁のジャーナルな日々2022.4.18
 きのうのTBS「サンデーモーニング」で印象に残ったコメント。
 この戦争、どうなれば終わるんですか?とMCの関口宏に聞かれたゲストの高橋杉雄氏*3防衛省防衛研究所)。
『終わるのは簡単で、ロシアがちゃんと国境線まで戻ればいいんです。
 (ロシアが)攻め込んだことを前提に、この後どうするかということではなくて、攻め込んだこと自体が国際法ではやってはいけないことですから、原点は2月24日の前に戻ることなんです。
 2月24日以降の状況を前提にして、そこから「落としどころ」をさがすのではないと私は思うんですね。』

中村哲医師とフランクル4 - 高世仁のジャーナルな日々2023.2.6
 メディアの言葉の使い方を批判するのは、ジャーナリストの浜田敬子氏*4だ。
《メディアもふくめ『闇バイト』という言葉を使う。私はこの言葉の軽さが、犯罪に対するハードルを下げている感じがする。これによって、「犯罪」なんだという意識が、とくに末端で使われている人には非常に薄いのではないか。
 メディアの言葉の使い方、『闇バイト』もそうだが、『パパ活』などもよく使うが、これも「売春」なんですね。性犯罪なんですね。
 これは「犯罪」なんだということをメディアもしっかりと伝えていく必要があると思う》(5日のサンデーモーニングでのコメント)

統一協会と「赤報隊事件」の闇 - 高世仁のジャーナルな日々2023.4.9
 坂本龍一さん*5が亡くなった。
 ジャーナリストの浜田敬子さんはきょうの「サンデーモーニング」で、
「この30年間、戦争だけじゃなくて、気候変動、アーティストの権利とか、経済格差の問題だとかさまざまなほんとに広い社会課題に対して発信を続けられたんですけれども、その行動力こそが若い世代とか私たちに勇気を与えてくれた気がします。
 著名人がそういう発言をするというのは、日本ではいわれのないバッシングを受けることもあるにもかかわらず、坂本さんが前面でやってくれているから、私たちも声を上げようと思わせてくれた方だったんだなと思います。」とコメントしたが、なるほどと思った。

被爆者を失望させた広島G7 - 高世仁のジャーナルな日々2023.5.25
 21日のTBS「サンデーモーニング」ではゲストらがそれぞれ鋭く批判した。
 畠山澄子さん*6ピースボート共同代表)は涙声でこう語った。
「今回の広島サミット、被爆者のみなさん、ほんとに期待してたんですよ。被爆の実相をみれば何か血の通った言葉が最終成果文書に入るんじゃないかと思ってたんです。
 ふたを開けたら成果文書には「核の廃絶」という文字もない。「核兵器禁止条約」という文字もない。「被害者援助」の話もない。これまでのものと何ら変わらない。中国、ロシアを責めるのもいいですけど、G7諸国は核軍縮義務をちゃんと取り組んでいるのかと、被爆者の方、怒ってるんです。」
寺島実郎さん*7
「日本はアメリカの核の傘で守られてるんだから、核兵器禁止条約には入れないという判断をとっているわけですね。だけど世界では92カ国が署名して、68カ国が批准しているわけですよ。入れないにしても、この広島サミットを機に一歩でも日本は踏みこんだのかというところを見せなきゃいけない。ビジョン語ってる場合じゃなくて行動。
 核兵器禁止条約をよく読んでください。第6条に核の被害者、被災地への援助というのがある。かりに条約に入れなくても、世界には(ボーガス注:広島、長崎以外にも)チェルノブイリ、南太平洋の核実験のあとの被災地だってあるわけですね、それを真剣に支援するというところで日本がスタンスを見せるなんていうのも半歩前進なんですよ。やれないことはないんですよ。ですからビジョンだけ語ってる場合じゃないよということだけ日本人としてよく自覚すべきだと思います。」
 それぞれ、考えさせられるコメントだった。

「人生の目的はしあわせ」でいいのか2 - 高世仁のジャーナルな日々2023.7.20
 ジャーナリストの青木理さん*8は、袴田事件から考えるべきことはたくさんあるとして、以下を指摘した。
 「冤罪のパターンはだいたい同じ。今回もそうだが、再審請求の段階でようやく「新しい証拠」が出てきて、それでやっぱりおかしいじゃないかと分かる。
 本来、証拠というものは警察や検察が公権力と税金を使って集めるわけだから、我々の共有物だ。だからちゃんと早く示すべき。また検察が(ボーガス注:再審決定に)抗告をして裁判を引き延ばすことをやめさせるべきという議論もあり、再審のありようも考えなくちゃいけない。
 それから、司法が間違えることを考えると、死刑してしまったら取り返しがきかないので、死刑制度のありようも考えなくちゃいけない。」(16日の「サンデーモーニング」でのコメントより)

歴史的ジェノサイドを前に機能しない安保理 - 高世仁のジャーナルな日々2023.11.20
 「サンデーモーニング」でのコメントをいくつか紹介する。
安田菜津紀さん*9
 拒否権という政治カード*10が誰を犠牲にしてきたのか。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が国際法違反だという意思表示自体は必要だと思う。一方で、ガザに限らずパレスチナの市民に対してイスラエルの政府が綿々と行ってきた人権侵害だったり殺戮だったり、国家ぐるみの暴力は見過ごすのかということになると、アメリカという大国が命には格差があるということを自任するということになると思う。人権、人道にダブルスタンダードを持ち込むなということは言い続けなければならないことだと思う。

パー券キックバック問題で政界に激震が・・・ - 高世仁のジャーナルな日々2023.12.5
 TBS『サンデーモーニング』でのジャーナリスト、青木理さんのコメントに共感した。
オスプレイ墜落について】
 日米関係がこの国の安全の基軸なんだというのは、もちろん、そのとおりなんですけれども、しかし、それに伴う日米関係のありようの矛盾がこの問題にすべて集約されていてね。
(以下略)

ナワリヌイ氏の妻が闘争宣言 - 高世仁のジャーナルな日々2024.2.20
 ジャーナリスト青木理さんが、18日放送の「サンデーモーニング」で「今回の自民党の調査報告書でキックバックされた、僕らが『裏金』と言っているのを何て書いているかご存じですか。『還付金』なんですよ!」と語っていた。

小池百合子学歴詐称疑惑によせて④ - 高世仁のジャーナルな日々2024.6.24
 16日のTBS「サンデーモーニング」に、歌手の加藤登紀子*11が初めてコメンテーターで出演。
ウクライナにロシアが侵攻した当初から一刻も早く終わってほしいと言うのが私の思いでした。その最初の時から私は、日本の終戦時のことを思い出されて、つまり、戦争というのはどうやったら終われるのかという。勝ちとか負けとか言ってるかぎりは、誰も終わりたくないってことになっちゃうわけですね。(以下略)」
→【ボーガス注】
 加藤氏の早期終戦論(あるいは停戦論)を「ロシアに甘い」あるいは「腰抜けだ」として継戦を主張する高世です。

 単に「以前はメモを取ったり録音していたので引用が可能だったが、今回はそうでなかった」のかもしれませんが、「必ずしも戦意高揚してるわけではないし、欧米もこうした作戦を支持してるわけではない。これで戦況がウクライナ有利に劇的に変わると思ったら甘いでしょう」という「事実の指摘」をしたにすぎないキャンベル氏を早期終戦(停戦)論者として「抗戦派の高世」が「ネガキャンする」ために引用しないのでは無いかと俺は疑いますね。
 ええ、俺は高世という人間をかけらも信用していません。
 何せ高世仁の幼稚なデマ自慢を平然と垂れ流すNHKの馬鹿さとクズぶりに本気であきれ返る - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)というデマ野郎が高世ですし。
 なお、仮にそうした事実認識をキャンベル氏が表明したとして、「そうした認識の是非」はともかく「だから早期終戦(停戦)すべきだ」と主張するのでない限り、「ただの事実認識」にすぎません。
 そうした認識は必ずしも「早期終戦(停戦)」には直結しない。継戦論者であってもそうした厳しい認識を表明することはあり得ます。
 なお、キャンベル氏(あるいは彼をコメンテーターとして出演させたサンデーモーニングやMCの膳場貴子氏)が「早期終戦(停戦)」の立場かはともかく、「ウクライナ戦争に終戦の兆しが見えない」中「早期終戦・停戦」が主張されること自体は「むしろ当然」であり、高世のように「頭ごなしに非難はできない」と俺は思っています。

*1:東京大学名誉教授。早稲田大学特命教授。早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)顧問。元「国文学研究資料館」館長。著書『明治文学の語り方』(編著、2017年、岩波書店)、『日本古典と感染症』(編著、2021年、角川ソフィア文庫)等。公式サイトロバート キャンベル公式サイト - Robert Campbell Official Web Site

*2:1997年、アナウンサーとしてNHKに入局。『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』MC(2001年10月~2005年12月)、NHK紅白歌合戦紅組司会(第54回(2003年))等を歴任。2006年3月でNHKを退職し、フリーに転身。TBSと専属契約を結び、2006年9月25日よりTBS『筑紫哲也 NEWS23』のサブキャスターに就任。2009年3月30日から『NEWS23』サブキャスターから昇格し、メインキャスターに就任。2010年3月29日からスタートした『NEWS23』の後継番組『NEWS23クロス(その後、NEWS23に改名)』でもメインキャスターに就任。2016年3月末で『NEWS23』のメインキャスターを退任。2016年4月からTBS『報道特集』のキャスターに就任し、2024年3月末まで務める。2024年4月からTBS『サンデーモーニング』のMCに就任(膳場貴子 - Wikipedia参照)

*3:著書『日本人が知っておくべき自衛隊と国防のこと』(2023年、辰巳出版)、『日本で軍事を語るということ:軍事文析入門』(2023年、中央公論新社)、『ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか』(編著、2023年、文春新書)、『SFアニメと戦争』(2024年9月、刊行予定)等

*4:2014年にAERA編集長に就任。2017年に朝日新聞社を退社し、「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長に就任。2020年12月末、「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長を退任。2021年1月、「ビジネスインサイダージャパン」エグゼクティブ・アドバイザーに就任。2022年8月、リクルートワークス研究所が発行する『Works』編集長に就任。著書『働く女子と罪悪感:「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる』(2022年、集英社文庫)、『男性中心企業の終焉』(2022年、文春新書)

*5:1952~2023年。1978年、細野晴臣(1947年生まれ)、高橋幸宏(1952~2023年)とともに「イエロー・マジック・オーケストラ」(YMO) を結成(1983年に解散)。1979年、アレンジを手掛けたサーカスのシングル「アメリカン・フィーリング」で、日本レコード大賞編曲賞を受賞。1983年公開の映画『戦場のメリークリスマス』ではヨノイ大尉役で出演し、音楽も担当。同作で英国アカデミー賞作曲賞を受賞。1987年公開の映画『ラストエンペラー』では甘粕正彦満映満洲映画協会)理事長役で出演し、音楽も担当。同作で米国アカデミー賞作曲賞を受賞。2015年公開の映画『母と暮せば』(監督・山田洋次、主演・吉永小百合)で毎日映画コンクール・音楽賞を受賞。著書『音楽は自由にする』(2023年、新潮文庫)等(坂本龍一 - Wikipedia参照)

*6:著書『マンガ入門・殺人ロボットが やってくる!?: 軍事ドローンからロボット兵器まで』(共著、2018年、合同出版)

*7:米国三井物産ワシントン事務所長、三井物産戦略研究所所長、日本総合研究所理事長、多摩大学学長等を歴任。著書『国家の論理と企業の論理』(1998年、中公新書)、『われら戦後世代の「坂の上の雲」』(2006年、PHP新書)、『世界を知る力』(2009年、PHP新書)、『何のために働くのか』(2013年、文春新書)、『若き日本の肖像』(2014年、新潮文庫)、『二十世紀と格闘した先人たち』(2015年、新潮文庫)、『シルバー・デモクラシー』(2017年、岩波新書)、『ジェロントロジー宣言』(2018年、NHK出版新書)等

*8:共同通信大阪社会部、東京社会部、ソウル特派員等を経てフリーライター。著書『日本の公安警察』(2000年、講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(2006年、講談社現代新書)、『ルポ・拉致と人々:救う会公安警察朝鮮総連』(2011年、岩波書店)、『絞首刑』(2012年、講談社文庫)、『トラオ:徳田虎雄・不随の病院王』(2013年、小学館文庫)、『抵抗の拠点から:朝日新聞慰安婦報道」の核心』(2014年、講談社)、『日本会議の正体』(2016年、平凡社新書)、『安倍三代』(2019年、朝日文庫)、『暗黒のスキャンダル国家』(2019年、河出書房新社)、『時代の抵抗者たち』(2020年、河出書房新社)、『情報隠蔽国家』(2021年、河出文庫)、『時代の反逆者たち』(2024年、河出書房新社)等

*9:著書『君とまた、あの場所へ:シリア難民の明日』(2016年、新潮社)、『それでも、海へ:陸前高田に生きる』(2016年、ポプラ社)、『写真で伝える仕事』(2017年、日本写真企画)、『故郷の味は海をこえて:「難民」として日本に生きる』(2019年、ポプラ社)、『外国人差別の現場』(共著、2022年、朝日新書)、『隣人のあなた:「移民社会」日本でいま起きていること』(2022年、岩波ブックレット)、『あなたのルーツを教えて下さい』(2022年、左右社)、『国籍と遺書、兄への手紙:ルーツを巡る旅の先に』(2023年、ヘウレーカ)

*10:ウクライナ戦争ではロシアが、イスラエルのガザ侵攻では米国が拒否権を行使しました。

*11:1966年、「赤い風船」で、日本レコード大賞新人賞を、1969年 、「ひとり寝の子守唄」で、1971年、「知床旅情」で日本レコード大賞歌唱賞を受賞。著書『日本語の響きで歌いたい』(1990年、NHKブックス)、『青い月のバラード:獄中結婚から永訣まで』(2007年、小学館文庫)、『百万本のバラ物語』(2022年、光文社)等