今日の産経ニュースほか(2022年2/1日分)(副題:石原元都知事死去、ほか)

東京五輪「石原さんがいなければ…」 招致失敗に涙、再挑戦に道筋 | 毎日新聞
「暴走老人の石原だ」 見せ方重視の慎太郎流 強い個性と独自の政策 排ガス規制は全国に:東京新聞 TOKYO Web
 産経以外もこうして「新銀行東京の経営破綻」などは無視し、「石原万歳に励むのか」と思うとげんなりします。しかし一般に「リベラル扱い」される東京新聞ですら「排ガス規制は石原のおかげ」ですか?(唖然)


【産経抄】2月2日 - 産経ニュース
 産経なので「石原万歳だろう」と思ったのですが、

 運輸大臣など*1の閣僚を歴任して、東京都知事も務めた。作家としても精力的に作品を世に送り続けながら、率直すぎる*2発言で常に物議を醸してきた石原さんが昨日、89歳で亡くなった。

という「曖昧な書きぶり」で実は「あまり万歳していません」。もはや産経にとって「石原も過去の人」なのか。
 そして落ちは

沖縄県石垣市尖閣諸島で海洋調査を実施したことを伝えたものだ。すでに平成24年には東京都が、石原知事のもとで購入を検討した際に現地調査を行っている。田中角栄元首相による「日中国交正常化」の時代から、石原さんが唱えてきた中国の脅威はいま現実のものとなっている。

ということでこれは石原追悼と言うより「石原をだしにした中国非難」でしかありません。


亀井静香氏、盟友の石原氏死去に「現代最高の知性」 - 産経ニュース
 「亀井も政界引退し、既に過去の人間とはいえ」、本気にせよ「政治的思惑による石原周辺(長男・石原伸晃など)へのこびへつらい」にせよ馬鹿げています。
 そもそも「維新の会(石原が共同代表、平沼が代表代行)」「次世代の党(平沼が党首、石原が最高顧問)」で行動を共にした平沼赳夫ならともかく、そうでない「元・国民新党」亀井のどこが「盟友」なのか。
 大体、亀井と言えば、「事情が何であれ」

【1】亀井は「村山内閣運輸相*3」「鳩山・菅内閣金融担当相」として「自社さ連立内閣」「民主党内閣(鳩山政権時代は社民党も参加)」に参加しており、一方、石原が「社会党社民党)や民主党」に敵対的なこと(もちろん、村山、鳩山、菅内閣にも否定的)
→なお、亀井静香 - Wikipedia野坂浩賢 - Wikipediaにも書いてありますが、「元・警察官僚」亀井が「鳥取県警警務部長」だった時、野坂浩賢社会党国対委員長(村山委員長時代)、村山内閣建設相、官房長官を務めた村山の側近の一人)は「鳥取県議(後に鳥取選出の社会党衆院議員)」を務めており、「鳥取県つながり」で人脈があり、「野坂・亀井」のラインで「自社さ連立政権樹立の政治工作」が行われたことは「当事者である亀井や野坂がその事実を認めている」有名な話です。
 話が脱線しますが「是非はともかく」他にも「金丸・田辺訪朝(金丸が自民党国対委員長時代、田辺が社会党国対委員長)」など自民、社会にはいろいろとつながりがあり、それが「自社さ連立」につながるわけです。
 さらに話が脱線しますが「自社さ連立時代」は「河野総裁、加藤政調会長」で自民党執行部に「ある種のリベラル性があったこと」が重要ですね。総裁、政調会長が「安倍、高市(第二次安倍総裁時代、岸田総裁時代に政調会長)といった極右」では社会党も連立しなかったでしょう。
【2】亀井は死刑廃止議連に参加したことがあるが、石原は死刑支持派

を考えれば「亀井もよく言うわ」ですね。


フジ昼の大型情報番組「ポップUP!」4・4スタート - 産経ニュース
 放送中の「バイキング(2014~2022年)」を打ち切って、新番組とは、フジテレビももはや「昔の栄光、今いずこ」ということなのでしょう。「笑っていいとも(1982~2014年)」があまりにも「長すぎた」のかもしれない。


立民 泉代表 夏の参院選 “共産との連携は白紙にすると宣言” | 選挙 | NHKニュース
 それをやったら「共産、社民、れいわ支持者の票が来なくなり」むしろダメージが大きいのは「浮動票に頼る割合が多い」立民の方でしょう。
 共産、社民、れいわの支持者は野党共闘しようがすまいが大きく増減することは考えられません(特に、今回の泉のように立民の側から野党共闘をぶち壊す場合は)。
 そして、こんなことをしても自民や第二自民(維新や国民民主)から票が来るとも思えない。
 勿論「共産>連合が肩入れした国民民主(衆院選の比例票)」でわかるように明らかに「連合の集票力」は共産に劣る。
 野党共闘以外に「打倒自公」の道が現実的にないことを考えれば「泉の暴論」の撤回を、野党共闘支持層はまずは求めるべきですが、一方で「自公政権が続く可能性が高くなるという意味では困るが、党勢という意味では共産、社民、れいわは全く困らない(むしろ立民が困る)」。
 しかし立民関係者も「こうなること」は当初からわかりきっていたのに泉を代表に当選させるのだからげんなりですね。
 そして今こそ市民連合や枝野は「泉批判すべき」でしょう。泉の言動は「市民連合や枝野(代表時代の野党共闘)の政治活動を全否定するに等しい」ですから。


【産経抄】2月1日 - 産経ニュース

 埼玉県ふじみ野市の立てこもり事件で、66歳の男が殺害したのは、母親の主治医(44)だった。
 昨年12月には大阪市内の心療内科クリニックで(ボーガス注:26人が死亡した)放火殺人事件が起こったばかりである。
▼モンスター発生の背景には、医療の進歩があるという。かつて仕方がないとあきらめた病気でも病院に行けば治してもらえると、医療に過剰な期待をかける人が増えた。
▼小欄はそれ以上に、子供の権利をことさら強調してきた戦後教育の影響が大きいと考える。教育現場でも、教師に理不尽な要求を繰り返す「モンスターペアレント」に苦しめられてきたはずだ。
日教組の教研集会ではぜひ議論してもらいたかった。五輪教育が掲げるボランティア精神は「軍国主義」に結びつく。残念ながら相変わらず、そんな主張が展開されるばかりだった。

 産経には呆れて二の句が継げません。あの種の凶悪犯罪は「教育云々」という話ではないでしょう。あえて言えば「教育」ではなく、むしろ「社会からの孤立」や「生活苦」が犯罪を助長してるのではないのか。
 またネット上で

「寝たきりの親にパラサイト」訪問診療医射殺事件にちらつく"8050問題"家庭の末路 | 文春オンライン
9060問題 埼玉立てこもり事件の背景 深刻化する〝親子供依存〟 | 東スポの社会に関するニュースを掲載
一つのデイサービスだけでも8050問題はいくつも存在した。|大森大|note

などの指摘があったので気づきましたが、他の事件はともかく「ふじみ野の事件」に話を限ればこれは「いわゆる8050問題の極端なケース」ではないか(ふじみ野の場合、親子の年齢は「9060(親が90代、子が60代)」ですが)。「8050(親が80代、子が50代)」という場合「『こどもの引きこもり』を意味する」のですが、この「60代の犯人」の場合「ひきこもりではない」ようですが、マスコミ報道を信じる限り「母親への依存心が異常」「社会性が著しく欠如している」と言う点は「引きこもりに非常に近い」気がします。
 それはともかく、産経には

◆大阪教育大附属池田小学校襲撃事件(2001年、8人殺害、犯人には死刑執行)
◆相模原障害者施設殺傷事件(2016年、19人殺害)
座間9人殺害事件(2017年)
◆京都アニメ放火事件(2019年、36人殺害)

なども「戦後教育のせい」なのか、あるいは「戦前に発生した凶悪犯罪(例えば、1938年の津山三十人殺し。犯行後自殺)」「戦後発生したが、戦前教育を受けた世代の凶悪犯罪」、例えば

◆1945~1946年の小平義雄事件
 7人の強姦殺人で死刑執行。小平*4は1905年生まれの戦前世代。ちなみに大久保清(8人の強姦殺人で死刑執行)は事件発覚当時(1971年)、「群馬の小平」と呼ばれた
◆1963年の西口彰事件
 5人殺害し、死刑執行。西口は1925年生まれの戦前世代*5

も「戦前教育のせいなのか」と聞きたくなります。

*1:「など」と言っても「竹下内閣運輸相」以外は「福田内閣環境庁長官」しか大臣はやっておらず、都知事就任前の石原ははっきり言ってそれほどの大物ではありません。

*2:率直だからではなく「暴言」だから批判されるのですが。

*3:コメント欄では「建設相」と書きましたが勘違いで運輸相が正しいです。

*4:小平と同じ1905年生まれとしては「福田赳夫・元首相(1995年死去)」 「映画監督・成瀬巳喜男(1969年死去)」などがいる(1905年 - Wikipedia参照)。

*5:西口と同じ1925年生まれとしては「作家・三島由紀夫(1970年死去)」「脚本家・橋田壽賀子(2021年死去)」「野中広務・元自民党幹事長(2018年死去)」「金大中・元韓国大統領(2009年死去)」などがいる(1925年 - Wikipedia参照)。