「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年2/28日分:荒木和博の巻)

「最も効果的」?(R4.2.28): 荒木和博BLOG

 政府に何か提案すると、「何が最も効果的か精査する必要があります」と言った回答が良くあります。要は「お前の言っていることなんか効果があるわけねえだろ」という意味です。どの口が言っているんだ、ということでお話ししました。

 7分程度の動画です。説明文だけで見る気が失せます。 
 そもそも

◆特定失踪者を北朝鮮拉致認定しろ
山梨県警が「遺体が発見された」と発表した特定失踪者・山本美保さんについて「遺体発見の発表は間違いで今も美保さんは北朝鮮で生きてると認めろ」(これについては荒木は『山本美保さん失踪事件の謎を追う:拉致問題の闇』(2012年、草思社)というデマ本まで書いています)
→特定失踪者を北朝鮮拉致扱いするまともな根拠がないので、北朝鮮が反発して日朝交渉の妨げになるだけ
自衛隊拉致被害者を救出しろ
拉致被害者の居場所がわからないので無理
北朝鮮の体制を揺るがすために「政府の対北朝鮮放送」で「黄長燁のように北朝鮮政府高官の亡命を受け入れる意思がある」と放送してほしい
→そのような亡命者が日本に来る可能性が低い上に「拉致について何も知らない亡命者(例:黄長燁)」では来ても「拉致被害者救出」という意味では、意味がない(亡命者が来ても北朝鮮の体制が揺るぐか疑問だが、いずれにせよ体制を揺るがすことは拉致の解決には直結しない)。しかもそんな放送をやれば、北朝鮮が反発して日朝交渉の妨げになるだけ

なんて無茶苦茶な主張を政府が相手にするわけがない。
 「小泉訪朝から22年たっても何の成果も出てないのに、俺たち巣くう会の提案を否定ばかりして、政府はどの口が言ってるんだ(荒木のこの動画での悪口)」は「小泉訪朝から22年たっても何の成果もない経済制裁固執して、『バーター取引論(経済支援とのバーター取引による拉致被害者貴国)』を否定して、バーター取引論を主張した蓮池透氏を家族会から追放さえしたくせに荒木はどの口が言ってるんだ」で、「どの口が言ってるんだ」とは「荒木にこそ該当する非難」でしょう。
 バーター取引論は「実現の可能性がある」。荒木の提案なんか「実現の可能性がない(自衛隊での拉致被害者救出)」「実現しても拉致解決につながらない(対北朝鮮放送での『亡命受け入れ』放送)」代物ばかりです。
 それにしても荒木が「島返還運動をしている方には恐縮ですが、このままでは拉致問題北方領土竹島の返還運動と同じになる(当事者以外は日本国民でもほとんど関心がなく、解決の見込みがない)」と言い出したのには吹き出しました。
 ちなみに荒木は過去にも「北方領土と絡めて」

対価なくして北朝鮮から拉致被害者が帰ってくるのか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2016.12.9
 荒木和博が、こんなことを書いていました。

 思い過ごしであれば良いのですが、最近プーチン大統領訪日などにからめて出てくる北方領土返還に関する話は何か拉致問題と通じるような気がしています。
 どんなところかと言えば、本来国後・択捉・歯舞・色丹、いわゆる北方四島は日本固有の領土が奪われたものであるにもかかわらず、ロシアとの交渉の中で玉虫色にして、二島で終わらせて、本来守るべき原則を放棄しようとしているのではないかと思えるからです。
 拉致問題でも2年前のストックホルム合意の動きは何人かを帰国させ、日本国内ではまだ続いているとしながら実質的には棚上げをしようとするものでした。最近またODA目当てなのか、ゼネコンが北朝鮮がらみで動いているとの噂もあり、そんなことも連動しているのかも知れません。
 二つの問題に共通するのは安倍総理、あるいは総理を取り巻く人々に、「国家としてこれだけは絶対に譲れない」というものがないのではないかということです。領土は一寸たりとも侵させない、国民は一人たりとも奪わせないという意識が希薄なのではないか、そんな気がして仕方がありません。

と書いています。
 それはともかく、「領土問題を棚上げした日ソ国交回復(1956年、鳩山一郎内閣)から66年」「領土問題を棚上げした日韓国交正常化(1965年、佐藤内閣)から57年」「小泉訪朝(2002年)から22年」ですからねえ。解決の見込みはどれも年々乏しくなっています。
 つうかウクライナにあんなこと(外交交渉を否定して軍事侵攻)をするプーチン大統領では「島返還があり得る」とはとても思えず「拉致解決のために北朝鮮政権打倒」を放言する「荒木ら巣くう会」ではありませんが「ウクライナの平和のためにも、北方領土返還のためにもプーチン政権打倒」といいたくなります。
 それはともかく、北方領土なんか「無人島の竹島」と違って「有人島」ですからね。島に住むロシア人をどうするのか。ロシア本土に移ってもらう(その場合、日本の帰国費用負担は不可避でしょう)のか、「ロシア系日本人」として日本が引き取るのか。それに答えが出ない限り、「北方領土のロシア人の反対」で絶対に島は戻らないでしょう(答えを出しても戻るかはどうかは勿論わかりませんが)。しかし、政府も与野党(俺の支持政党・日本共産党も含む)も「帰国費用負担(あるいはロシア系日本人としての受け入れ)なんかできるか」と日本国民に非難されるのが怖いのか、そうした議論から逃げるから弱ります。まあ「島返還の見込み」が乏しいから「そうした議論をしたがらない面」も一方ではありますが。
 まあ、荒木が「北方領土竹島」といいだしたことで思いつきましたが、動画での荒木発言は「外交交渉で島を取り戻すっていつ取り戻せるんだ。自衛隊で韓国軍やロシア軍を排除して島を奪還すればいい。なぜそうしない」レベルの暴言ですからねえ。
 ちなみに、北方領土問題で、酔っ払ってそうした暴言を吐いたバカ(丸山穂高、さすがに維新ですら党から追放)も過去にはいましたが(北方領土を戦争で奪還するというのがここまで批判されるのなら、拉致被害者の自衛隊による救出というのももっと批判されるべきだ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)。
 いずれにせよこんな動画で荒木が「政府は俺の主張通り動け」と悪口したところで何がどうなるわけでもない。
 政府はそのようには動かないでしょうし、仮に動いたところで拉致解決にはつながらない。まあ、つながらないからこそ動かないわけですが。
 さて荒木動画とは全く関係ありませんが「2月28日」といえば以下の事件がありましたのでメモ書きしておきます(赤字が北朝鮮関係)。荒木が動画内で「228事件被害者の冥福と日台友好を祈念したい」と拉致に全く関係ないことを言い出したのには吹き出しました。

2月28日 - Wikipedia
◆1947年
 台湾で二・二八事件発生
◆1953年
 吉田首相が衆議院予算委員会で「バカヤロー」と発言。3月14日に内閣不信任案が可決し衆議院解散(バカヤロー解散)
◆1972年
 あさま山荘事件で機動隊が突入し人質を救出。連合赤軍メンバー5人全員を逮捕して事件が終結
◆1986年
 スウェーデンの首相オロフ・パルメが暗殺される。
◆2019年
 前日からベトナムハノイにてドナルド・トランプ米国大統領と金正恩北朝鮮国務委員長が会談するも合意には至らなかった。

2010(平成22)年2月28日 バンクーバー五輪 スケート女子団体追い抜き日本銀 「福島県 今日は何の日」 | 福島民報2022.2.28
 バンクーバー冬季五輪で3人1組で滑るスピードスケート女子団体追い抜きで日本が銀メダルを獲得した。
 穂積雅子選手(福島市出身)、田畑真紀選手、小平奈緒選手の3人。決勝ではドイツにわずか0秒02差で惜敗した。