今日のロシアニュース(2022年3月24日分)

プーチン氏側近「ロシア存亡の脅威あれば核兵器使用ありえる」 | 毎日新聞
 ペスコフ大統領報道官にとって「存亡の脅威」とは一体何なのか?、ですね。「NATO軍によるモスクワ侵攻」か?
 つまり「NATOの軍事介入」を『阻止するための牽制』か?(今のところNATOウクライナへの武器支援などにとどまっており軍事介入しておらず、NATO側も「その予定はない」としていますが)。それとも他に何かあるのか?
 それにしてもこれはロシアの苦境を示す物ではあるでしょう。さすがにロシアも国際的批判を考えれば「いつでも核使用する用意がある」「いつ核使用しようと俺の自由だ」とはいえない。
 しかし「使わざるを得ない危機的状況」云々と言えばそれは事実上「苦戦」を認めてることになるわけです。圧勝状態で「使わざるを得ない危機的状況」とは普通言わない。


【産経抄】3月24日 - 産経ニュース

 戦中、戦後史に鋭く切り込んできたノンフィクション作家の故上坂冬子さんが最後に選んだテーマは北方領土*1 だった。

 「戦中、戦後史に鋭く切り込んできたノンフィクション」つうのは

上坂冬子 - Wikipedia
◆『生体解剖:九州大学医学部事件』(1982年、中公文庫)
◆『東京ローズ:戦時謀略放送の花』(1995年、中公文庫)
◆『我は苦難の道を行く:汪兆銘の真実』(2002年、文春文庫)

などのことですかね?。まあ

上坂冬子 - Wikipedia
◆『私のBG論』(1963年、三一新書
◆『若いBGの生き方』(1966年、三一新書
◆『楽しいBG講座:おつとめのコツ教えます』(1966年、集英社
◆『レディー・パワー時代の青春の生き方』(1969年、講談社
◆『OL行動学入門』(1972年、主婦の友社
◆『銀座ゆうゆう人生:こんな快人物みつけた』(1973年、講談社 →1986年、文春文庫)
◆『続 銀座ゆうゆう人生』(1974年、講談社
◆『おんなの世渡り』(1974年、文藝春秋→1983年、文春文庫)
◆『それでも私は結婚したい:体験的“売れ残らない*2ため"の秘訣』(1974年、主婦と生活社
◆『おんなの一人旅』(1976年、文藝春秋→1983年、文春文庫)
◆『伊作*3とその娘たち』(1979年、鎌倉書房)→後に『愛と反逆の娘たち:西村伊作の独創教育』(1983年、中公文庫)

という初期(1960、1970年代)の作品はともかく、晩年(1990年以降)の上坂は「最初は隠していた右翼の本性がモロだしになってきたのか、商売右翼なのかはともかく」

◆『思い出すだに腹が立つ:日本の偽善を糺す』(1993年、光文社)
◆『償いは済んでいる:忘れられた戦犯と遺族の五十年』(1995年、講談社→2000年、講談社+α文庫)
◆『歴史はねじまげられない』(1997年、講談社
◆『日本はそんなに悪い国なのか』(2003年、PHP研究所→2005年、PHP文庫)
◆『戦争を知らない人のための靖国問題』(2006年、文春新書)
◆『硫黄島いまだ玉砕せず』(2006年、ワック文庫)
◆『これでは愛国心が持てない』(2007年、文春新書)

という右翼著書が多く、産経「正論大賞」(1993年)を受賞するなど、ノンフィクション作家というより右翼活動家でしたが。
 ちなみにBG〜身辺警護人〜 - Wikipediaなんてキムタク主演のドラマがありましたが、上坂『私のBG論』(1963年、三一新書)、『若いBGの生き方』(1966年、三一新書)、『楽しいBG講座:おつとめのコツ教えます』(1966年、集英社)でのBGとはボディーガードではなくビジネスガール(コメント欄のご指摘によれば売春婦という裏の意味があったため死語となったとのこと*4)の略語です。昔風に言えば「職業婦人」「働く女性」ですね。
 今では、死語になり、BGでググると最初にヒットするのはキムタクのドラマです。
 その後はむしろ、上坂『OL行動学入門』(1972年、主婦の友社)の「OL(オフィスレディー:和製英語)」という言葉に取って代わられます。今はOLも死語の気がしますね。

岸田文雄首相は17日の国会で、北方領土について「ロシアにより不法占拠されている」と明言した。首相が国会答弁などでこの表現を使うのは、平成21年の当時の麻生太郎首相以来だという。

と書いて「民主党政権だってロシアに弱腰だった!」で「安倍がプーチンにへいこらしていたこと」を必死にごまかそうとする産経です。

【参考:OL(オフィスレディー)】

OL - Wikipedia
 かつて働く女性を指して使用されていたBG(ビジネスガール)に代わる呼び名として、1963年、「新しい時代の働く女性」を表す言葉を週刊誌『女性自身』(光文社)が公募、読者投票の結果誕生した造語。なお、「ビジネスガール」の呼称は売春婦を想起させるという理由で、1963年にNHKによって放送禁止用語に指定されている。

*1:上坂『「北方領土」上陸記』(2005年、文春文庫)のことか?(なお、上坂は2009年死去)

*2:昔は普通にこう表現していたわけです。今なら「差別だ」と批判されるでしょう。昔は「クリスマスケーキ」なんて隠語(いわゆる結婚適齢期のこと)もありました。「25(25日と25歳をかけてる)を過ぎるとどんどん評価が低くなる→だから女性は20代前半で結婚すべきだ」つう意味ですが。

*3:文化学院創立者西村伊作のこと

*4:和製英語と勘違いしてましたが。