「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年4/8日分:荒木和博の巻)

組織づくりで大事なこと(R4.4.9): 荒木和博BLOG
 7分9秒の動画です。そんな事が拉致解決と何の関係があるのかと呆れます。また、関わってきた団体が「旧民社党や現代コリア研究所(既に消滅)」「救う会(事務局長だったが内部対立から事実上追放される)」「荒木が代表を務める特定失踪者問題調査会や予備役ブルーリボンの会(拉致の風化もあり社会的影響力に乏しい)」という無様な荒木が「組織作り」とやらで偉そうな事を抜かせる立場かとも思いますが視聴します。
 荒木曰く「理念が大事だ」。当たり前すぎて「はあ?」ですね。
 まあ「理念を完全に見失ってる」のが拉致被害者家族会でしょう。「蓮池透氏を除名すること」が「拉致解決」という理念に合致するのか。「拉致が解決しない」のに小泉訪朝から20年も経済制裁固執し、「むしろ制裁解除でバーター取引したらどうか」という主張を非難することが「拉致解決」という理念に合致するのか。
 「横田夫妻は孫と会うべきではない」「一部帰国はダメだ、即時一括全員帰国以外認めない」「平壌への常駐事務所設置に反対」「拉致最優先(日本人妻帰国問題は後回し)」「朝鮮学校無償化除外反対」などという家族会の主張が「拉致解決」という理念に合致するのか。
 言うのも愚かしいことでしょう。その主張のほとんどは「拉致解決にむしろ逆行する(例:常駐事務所設置に反対)」か「拉致解決に関係ない(例:単なる北朝鮮朝鮮総連への嫌がらせでしかない朝鮮学校無償化除外反対)」ことばかりです。
 特定失踪者問題調査会も既に「理念を見失ってる」というべきでしょう。何せ「国内で40人以上も発見されそのほとんどが北朝鮮と関係ない」という時点で「北朝鮮拉致と思われる失踪者について拉致認定を求める」という理念は既に崩壊しています(まあ、そもそも理念は明らかにインチキだったわけですが)。
 荒木曰く「リーダーが大事だ」。これまた当たり前すぎて「はあ?」ですね。当たり前すぎて、荒木の主張にほとんど意味がない。
 「荒木の過去の具体的な経験談」なんてもんは何一つ出てきません。
 それはともかく、リーダーがまともでなければ、とんでもない方向に行くのはどんな組織でも同じです。例えば戦前日本は「我々にはドイツがついている。米国を相手にしても十分勝算がある」と考えた愚かなリーダーたちによって無謀な対米戦争を開始し、東京大空襲沖縄戦、原爆投下などで多数の死者を出したあげく敗戦しました。「東南アジアを植民地化(開戦目的)」どころか全ての植民地(朝鮮、台湾など)を失った。昭和天皇国家元首から象徴に転落し、東条元首相など一部の政治指導者は死刑になりました。
 なお、「リーダーがまともでないから酷くなった」も家族会にも該当する話です。家族会のリーダーが「救う会言いなりの横田滋飯塚繁雄ではなく、救う会に批判的になった蓮池透だったらどんなに良かったか」と思わずにはいられません。
 さて、俺も「組織運営」などしていない無能ですが、思いつきで書いておくと組織作りで大事なことは、なぜSDGsで「多様性」が大事なの? | NHK・SDGs 未来へ17アクションということで、SDGsも提唱する「ダイバーシティ(多様性)」ではないか。
 「言うは易く、行うは難し」です。俺も「どうすれば多様性が確保できるのか」妙案はありません。
 勿論、多様性とは「何でもなあなあで済ませること」ではないし、多様性を認めようとすることは「内紛(派閥抗争など)を生むなどのリスクもある」でしょう。
 ただし、多様性のない組織は往々にして独善的になり、支持者を減らし、その結果、先細りになりがちです。「蓮池透氏」を除名し、「田中均氏ら意見の違う人間」をいたずらに敵視し、救う会言いなりで「多様性をどんどん失っていった」家族会の「先細り」もその一例と言っていいのではないか。


北朝鮮と韓国 言葉の違い(R4.4.8): 荒木和博BLOG
 6分16秒の動画です。いろいろな意味で見る気が失せます。
 第一にそんなことが荒木ら救う会右翼の「建前上の活動目的」である拉致解決と何の関係があるのか。何の関係もない。
 第二に以前も荒木は

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年7/18分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで取り上げた北朝鮮と韓国の言葉の違い(R3.7.19): 荒木和博BLOG

という大同小異の動画を流しています。
 さて、「北朝鮮と韓国の言葉の違い」については、しばらく前に今日の朝鮮・韓国ニュース(2022年4月4日分)(副題:『北に渡った言語学者・金壽卿』) - bogus-simotukareのブログという記事を書いて板垣竜太*1『北に渡った言語学者・金壽卿:1918-2000』(2021年、人文書院)を紹介したのでここでも紹介しておきます(勿論、『金壽卿の言語改革』以前から南北で言葉の違いはあるようですが)。なお、動画内においては板垣著書や金壽卿氏については特に言及されていません。
 それにしても荒木がこの動画で「専守防衛の限界をブチャの虐殺で感じた」といいだしたのには「おいおい」ですね。
 別にウクライナは「専守防衛」だからああなったのではない。まさか荒木も「ウクライナはロシアを先制攻撃すべきだった」とは言わないとは思いますが。
 「南京事件(旧日本軍)」「カチン虐殺旧ソ連)」「ソンミ村虐殺(米軍)」など過去の「戦争での虐殺」も「専守防衛」云々という話ではない。
 そもそも「関東大震災での朝鮮人虐殺」など「戦時でなくても虐殺はある」わけですし。
 また荒木が「米国は『ブチャの虐殺』を戦争犯罪だとロシアを非難してる。それは正しいが米国の東京空襲や原爆投下は戦争犯罪じゃないのか。」と言い出したのにも、「間違いではない」ですが「荒木って反米右翼なのかねえ」ですね。どっちにしろそんなことは拉致解決とは全く関係なく、「拉致解決を建前とする団体の宣伝動画」で話すべき事ではない。

*1:同志社大学教授。著書『朝鮮近代の歴史民族誌:慶北尚州の植民地経験』(2008年、明石書店)など