珍右翼・高世仁に突っ込む(2023年4/8日分)(追記あり)

統一協会と「赤報隊事件」―『記者襲撃』より - 高世仁のジャーナルな日々

 統一協会と「赤報隊事件」(1987年5月3日の朝日新聞阪神支局襲撃事件)の関係については、元朝日新聞記者の樋田毅さんが『記者襲撃:赤報隊事件30年目の真実*1』(岩波書店)で詳しく書いている。
 事件の直後すでに朝日新聞社では統一協会国際勝共連合(本では「α教会」、「α連合」)を重要な取材対象とすることにした。
阪神支局襲撃事件から3日後の1987年5月6日午前、朝日新聞社東京本社に「αきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ」と書かれた脅迫状が届いた。》
 その1か月後の87年2月26日付の消印で、朝日新聞東京本社と『朝日ジャーナル』編集部あてに脅迫文が書かれたハガキが届く。差出人はα連合となっていた。
 その文面は
《俺たちには岸元首相や福田(ボーガス注:赳夫)元首相が付いている。警察は俺たちの操り人形だ。俺たちが何をしても罪にはならない。おまけに俺たちが殺すのは共産サタンで人間ではない。てめえらはバイキンだ。サタンだ。俺はこの世にα教祖さま(原文では実名)のため共産サタンを殺すために生まれてきた。》

 勿論これだけでは何とも言えませんが、当然「統一協会」にも疑惑の目が向けられて当然でしょう。
 高世も指摘していますが、統一協会霊感商法については朝日ジャーナルが批判していたし、統一協会が当時、行っていたスパイ防止法制定運動についても朝日新聞が批判していたからです。
 なお、「無関係の別人が赤報隊を名乗った犯行」の可能性もありますが、赤報隊を名乗る犯行としては他にも

赤報隊事件 - Wikipedia参照
◆中曽根、竹下元首相脅迫事件
◆江副元リクルート会長宅銃撃事件
◆愛知韓国人会館放火事件

があり、朝日だけが襲撃されたわけではない点を指摘しておきます。


選挙で統一協会問題を問え - 高世仁のジャーナルな日々

 あの教会すっかり忘れ選挙戦 (兵庫県 松井憲三)
 7日の朝日川柳だが、(中略)統一協会が政治の中枢を汚染していた大問題は選挙の争点にならずに、脇に置かれてしまう危惧を覚える。

 これについては

徹底追及 統一協会/信者2世“候補者は決別を”/統一地方選へ情報公開 もるすこちゃんに聞く/政治家の参加で信仰強化・献金増
 統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者2世などの有志でつくる「統一決別・統一地方選実行委員会」が、統一地方選挙の立候補者に協会との決別を求める活動を始めています。協会と関係があったと報道された都道府県議、政令市議のデータベースも公開しました(QRコード)。代表で、信者2世のV(バーチャル)チューバー、もるすこちゃん(30代)に、活動に取り組む思いを聞きました。

「旧統一教会と地方政界」を再考する 統一地方選を前に…元2世信者が関係首長・議員3800人をDB化:東京新聞 TOKYO Web
旧統一教会 政界工作の手法を検証、統一地方選を前に改めて考える“宗教と政治”【報道特集】 | TBS NEWS DIG
と言った動きはあるものの、上記の東京新聞、TBS報道特集などを除き、マスコミの動きが鈍いことは高世の指摘通りでしょう。
 げんなりしますが、地道に戦うほかないのでしょう。
 その点は、赤旗東京新聞、TBS報道特集のインタビューに応じた代表で、信者2世のV(バーチャル)チューバー、もるすこちゃん(30代)氏等「統一決別・統一地方選実行委員会」メンバーも覚悟していることでしょう。
【4/10追記】

山口智
 統一教会と地方議員の関係とかニュースになってきたが、統一地方選の結果には影響が特に出ていないような気が。
栃木県議選、板橋一好氏が14選 「世界平和連合」県連合会の元代表 [統一地方選挙2023]:朝日新聞デジタル
 栃木県議選の小山市野木町選挙区(定数5)では自民現職の板橋一好氏*2(82)が全国最多となる14回目の当選を果たした。昨年9月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体「世界平和連合」の県連合会代表を務めていたことが明らかになり、辞任した。
 当選後、選挙戦への影響を記者団に聞かれ、「逆風だったとは思わない」と述べた。

 このように「統一協会とつながりがあっても当選」し、一方で「最も厳しい統一協会批判派」である共産党が(個別には勝利した選挙区もあるとは言え)トータルで議席減とは「統一協会批判派の一人」として、山口氏の嘆きには同感ですが諦めずに戦うほかはないのでしょう。

*1:2018年

*2:これでも最高齢ではなく、道府県議会議員選挙 最高齢は84歳 最年少は25歳 | NHK | 統一地方選によれば最高齢は84歳