「反党分子」松竹伸幸に今日も悪口する(2023年5/16日分)

共産党綱領と朝鮮戦争・5 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba

 私は、論文「北朝鮮問題を攻勢的にとらえるために」を共産党の『前衛』誌に寄稿したのだ(2004年7月号)。ところが、不破氏から呼ばれて、「いま北朝鮮に対して覇権主義という性格付けをしていないので、こんご注意するように」と警告*1されたのである。
 一方、2017年1月、92年に出された不破氏の本が、『新版』として出版される。本のタイトルには、92年と同じく「三つの覇権主義*2」という言葉が使われているので、北朝鮮も再び「覇権主義」という位置づけになったのであろう

 「?」ですね。
 党機関誌に掲載する論文について「外部筆者ならともかく、党職員(松竹)執筆記事について、掲載前に不破氏ら、幹部連がノーチェックで掲載後に批判(?)がある」というのがまずおよそ信じられない。
 事実ならば随分、共産党も「予想以上に自由な組織」ですね。全然「民主集中制」でガチガチに締め付けてない。しかも松竹の書きぶりでは「松竹個人に、直接、不破氏の簡単な口頭注意」にすぎなかったようです。
 また、松竹が党本部職員を去る直接のきっかけは「以前も触れましたが」ウィキペディアを信じれば

松竹伸幸 - Wikipedia
 『議会と自治体』2005年5月号に、論文「9条改憲反対を全国民的規模でたたかうために」を寄稿。いわゆる自衛隊活用論をめぐって、志位和夫委員長から批判を受け、小池晃政策委員長(現・書記局長)らと1か月近く議論した。意見の相違は埋まらなかったものの、同論文中に自衛隊違憲と明記されていない点では合意し、同誌翌月号に自己批判文を掲載した。
 2006年、日本共産党中央委員会勤務員を退職、かもがわ出版に入社

ということで2004年の論文ではない。勿論「うがった見方」をすれば「2004年の論文」時点で志位氏が不破氏同様の不快感を感じ、だからこそ、「2005年の論文への見方が一層厳しくなった」可能性はありますが。
 「警告」と表現する松竹ですが、松竹の主張が事実としても*3、不破氏の指摘は「書記局長、委員長、議長を歴任し、多数の著書もあるレジェンド」とはいえ、「彼の個人的見解」であって、しかも彼自身はこの件で松竹を「除名等の処分」云々までは考えてなかったのでしょう。2004年の論文については「2005年論文」のような事態(1ヶ月近く議論など)には恐らくならなかったわけですから(松竹もそのような主張はしていない)。
 「覇権主義という位置づけではない」云々が、不破氏において何を意味するかはこれだけでは無論分かりません。松竹は「当時の不破氏が北朝鮮に甘かった」とネガキャンしたい*4ようですが「覇権主義でない=北朝鮮美化」では勿論ありません(不勉強なので共産党の「覇権主義」の定義もよく分かりませんが)。
 なお、「1992年の本を復刻しただけ」なので北朝鮮も再び「覇権主義」という位置づけになったのであろうとは勿論言えません。「1992年の本」に書かれてることは「復刻された2017年時点での追記訂正がない限り*5」勿論「1992年以前の事件についての記載しかない」ので「1992年以前の出来事で中国や北朝鮮覇権主義と批判してる」からといって「復刻された2017年当時において同じ見方だ」とは当然には言えません。
 そもそも「1992年のトップは金日成、2017年のトップは金正恩」で北朝鮮の政治体制も違いますし。
 単に「過去(1992年以前)の、日本共産党覇権主義旧ソ連文革中国、金日成時代・北朝鮮)との戦いを改めて顕彰したにすぎない」と言う理解は十分成立するでしょう。

 北朝鮮をどう見るかという問題で、共産党の態度は揺れてきた。共産党に批判が向きかねない問題が起これば毅然として批判する。しかし批判が強すぎて相手から相手にされないと困ると思えば批判を弱める。

 というのは根拠レスの松竹の「党執行部への誹謗」にすぎません。これで「除名されなかった」らその方が不思議です。日本共産党が一体いつ北朝鮮批判を弱めたというのか。少なくとも「1983年のラングーン事件批判(例えば、赤旗ラングーン事件とは?(2002.12.28)参照)」以降は「弱めたこと」等一度もないでしょう。
 なお、以上は松竹記事に投稿しますがいつものように掲載拒否でしょう。「自由な言論」と言う松竹の大嘘には心底呆れます。

【参考:3つの覇権主義

どう考える 北朝鮮問題/不破議長に聞く(2)/日本共産党の態度(その1)/60年代のある時期までは……2004.1.5
不破
 一九七〇年代に入ってから、(ボーガス注:1968年の青瓦台襲撃事件などで)予感した異常事態が、金日成氏への個人崇拝の国際的な押しつけという形で、まず表面化してきました。「金日成思想」あるいは「チュチェ(主体)思想」が、世界革命の指導思想だと宣言され、金日成氏を日本革命の「首領」だとする理論までが、日本に持ち込まれる、その六十歳の誕生日(一九七二年)には、贈り物運動を日本全土にわたって組織しようとする、そんなことが、次々と起こってきました。
 日本共産党は、日本の運動の自主性を確固として守る立場から、「赤旗」紙上で、外国の指導者を神格化したり、その「思想」を絶対化したりすることは、国際友好・連帯運動の精神にそむくものであることを解明した論文を発表するなどして、これらの動きに対応しました。

旧ソ連・ロシアの覇権主義と対決 日本共産党2022.3.16
 1964年4月には、ソ連共産党から、日本共産党は世界の革命運動から逸脱しているなどと非難・攻撃する書簡が送られ、続いて5月に日本共産党の一部の幹部がソ連に追従して反党分派を旗揚げしました。日本共産党は同年8月、ソ連側の書簡に全面的に反論しこれまでの干渉行為を告発する「書簡」をソ連に送付。全文を「赤旗」で公開しました。
 1966年からは中国・毛沢東派からの攻撃も開始されました。日本共産党は、「赤旗」に次々に論争文書を発表し、干渉攻撃を打ち破るたたかいを全国で取り組みました。
 日本共産党覇権主義とたたかいながら、国内政治で躍進を勝ち取り、ソ連、中国両共産党とも誤りを認めざるを得なくなりました。
 ソ連共産党は1979年の日ソ両党首脳会談で、ソ連の干渉についての反省を言明。中国は1998年の日中両党会談の合意文書で「内部問題相互不干渉の原則にあいいれないやり方をとった」と明確に認めました。


共産党綱領と朝鮮戦争・2 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba
 「反党分子」松竹伸幸や「反共分子」広原盛明に今日も悪口する(2023年5/10日分) - bogus-simotukareのブログで批判した松竹駄文の続きです。

 1961年綱領に朝鮮戦争アメリカの侵略戦争だとあったこと、さらにそれが1985年まで続いたこと*6は、共産党にとって大きな意味を持つ。

 イヤイヤ「反党右翼分子」「裏切り分子」松竹が「強弁するような意味」では、大した意味はないでしょう。
 そもそも日本共産党が米軍を侵略的軍隊と認識してるのは「ベトナム戦争」「グレナダ侵攻」「パナマ侵攻」「湾岸戦争」「イラク戦争」等様々な「米国の戦争」の総合評価による物であえて言えば「朝鮮戦争が北侵か南侵か」と「米軍が侵略軍かどうか」は全く関係がない。
 ついでに言えば「マッカーサー朝鮮戦争で核使用を画策したこと」でわかるように「朝鮮戦争は南侵だから、朝鮮戦争において米国は正義の軍隊」という単純な話ではない。
 また「日本共産党北朝鮮評価」についても松竹の言う「1985年」以前から、「遅くともラングーン事件(1983年、全斗煥大統領暗殺未遂)以降」はかなり厳しい物になっています。
 いずれにせよそんなことは「松竹の安保論(自衛隊合憲、日米安保容認、敵基地攻撃能力容認)」が党規に違反しており除名されて当然だということとは何の関係もない。
 なお、以上は松竹記事に投稿しますがいつものように掲載拒否でしょう。「自由な言論」と言う松竹の大嘘には心底呆れます。
 一方で

 立花隆日本共産党の研究」に匹敵し党内外に激震が走る著作*7になる予感がします。

などという「信者コメント」は掲載許可するのだから大笑いです(なお、2023年5月16日時点でのコメントはこの一件しかなく松竹が世間から相手にされなくなってることが明白です。多分今後もコメントはほとんど増えないでしょう)。
 最後に「1961年」「1985年」の出来事をメモしておきます。

1961年 - Wikipedia
◆2月1日
 右翼テロ「嶋中事件(風流夢譚事件)」
◆3月28日
 名張毒ぶどう酒事件発生
◆4月15日
 ピッグス湾事件
◆5月16日
 韓国で朴正煕による軍事クーデター
◆9月1日
 第一回非同盟諸国首脳会議(ベオグラード
◆12月12日
 三無事件

1985年 - Wikipedia1985年の日本 - Wikipedia
◆4月1日
 日本電信電話公社電電公社)が日本電信電話株式会社(NTT)に、日本専売公社日本たばこ産業株式会社(JT)に民営化
◆5月17日
 男女雇用機会均等法が成立
◆6月18日
 豊田商事会長刺殺事件
◆7月25日
 女子差別撤廃条約を日本が批准・発効
◆8月12日
 日本航空123便墜落事故が発生。乗客乗員524人のうち520人死亡。
◆8月13日
 三光汽船会社更生法を申請し倒産

*1:「指摘」「注意」「批判」ではなく「警告」と表現する辺りが松竹らしい(勿論褒めてない)。

*2:「3つの覇権主義」とはソ連による内政干渉(志賀義雄らソ連派支援)、中国による内政干渉文革時の西沢隆二、福田正義ら中国派支援)、北朝鮮による内政干渉日本共産党への主体主義の押しつけ)の「日本共産党への3つの内政干渉」のこと

*3:勿論虚偽の可能性もありますが

*4:この時点で松竹は「除名されて当然の反党分子」でしょう。

*5:小生は復刻版は未読です。なお、松竹記事には「復刻時点での追記訂正があるかどうか」の指摘はありません。

*6:朝鮮戦争が南侵であることが「疑いの余地なく明白になった」のは「ソ連崩壊(1991年)後の機密文書公開」であることを指摘しておきます。

*7:そもそも1970年代ならともかくもはや「日本共産党の研究」云々以前に立花隆自身が「忘れられた存在」ですが(2か月弱死が伏せられていたのだから、立花隆もたぶん世間的には「過去の人」だったのだろう(外地・旧植民地で生まれたり育った人たちもどんどん亡くなっている) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)