今日の産経ニュース(2023年7/3日分)

小倉こども相がトー横に 政府、支援ニーズ調査へ - 産経ニュース

 小倉将信こども政策担当相は3日、経済的な困窮や親の虐待で居場所のない子供や若者への支援を強化するため、一時的に寝泊りできる場所を提供しているNPO法人などの支援団体の実態調査を月内に始めると発表した。
 こども家庭庁によると、具体的な調査項目は未定という。政府が6月に閣議決定した少子化対策「こども未来戦略方針」で、子供の貧困や虐待の対策拡充を検討すると明記していた。
 小倉氏はこの日、居場所のない少年らがたむろする歌舞伎町の通称「トー横」などに出向き、トー横に通う子供や若者から話を聞いた。

 というならそうした支援団体の一つである「コラボ」を誹謗するウヨ連中を何とかしろと言いたい。まあ具体的な調査項目は未定と言う辺り、「内閣支持率が下がったこと」による「人気取りの一つ」でしょうが「しない善よりする偽善(動機が何であれ成果があれば評価する)」がモットーなので「成果が上がる限り」においては動機が何であれ評価はします。
 なお、「トー横」については以下を紹介しておきます。

トー横キッズ - Wikipedia
 東京都新宿区歌舞伎町の旧新宿コマ劇場跡地に建設された映画館を中心とした高層ビル「新宿東宝ビル(TOHOシネマズ新宿)」周辺の路地裏(新宿東宝ビルの横=トー横)でたむろをする若者の集団のこと。

歌舞伎町に集まるトー横キッズとは 横行するパパ活や援助交際 - NHK クローズアップ現代 全記録2022.2.22

「トー横」の若者支援へ相談窓口…SNSから行動分析、「悪意ある大人」には警告も : 読売新聞2023.6.28
 東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアで若者らのトラブルが相次いでいることを受け、東京都の青少年問題協議会は28日、SNSを活用した実態把握や相談窓口の設置などを盛り込んだ総合対策の素案を取りまとめた。7月下旬にも小池百合子知事に答申し、都は対策に乗り出す。
 トー横では、行き場のない少年・少女が集まって飲酒や喫煙を繰り返し、性犯罪などの被害に遭う事例も後を絶たない。
 支援策としては、トー横に代わる居場所を用意するため、民間団体などと連携した相談窓口を設けることを求めた。
 若者らに売春などを持ちかける「悪意のある大人」に対しては、スマホ利用者の興味に沿った広告を表示するターゲティング広告や、街頭のデジタルサイネージ電子看板)を活用し、警告を発信すべきだとした。
 互いに見知らぬ少年・少女が繁華街の一角に集まる現象は、トー横のほかに、大阪・道頓堀にあるグリコ看板下の「グリ下」など各地で確認され、警察が巡回や補導に力を入れている。
 素案を取りまとめた土井隆義*1・筑波大教授(社会学)は、「トー横に集まる青少年は支援が必要で、取り締まって閉め出しても根本的な解決にはならない。都が支援に加われば、警察や支援団体などとスムーズに連携でき、より実効性のある対策がとれるはずだ」としている。


【正論】LGBT法、修正で最悪は回避も 国士舘大学客員教授 日本大学名誉教授・百地章 - 産経ニュース
 いつもの「LGBT法で、トランス女性を詐称する変質者男性が覗き目的で女風呂や女子トイレに突撃する」と言う「手垢のついたデマ」です(もともとは米国ウヨがルーツのデマ)。正直うんざりします。本気でそんなデマを信じてるならバカだし、嘘と知りながら「LGBT差別」を正当化するために流布してるならクズです。恐らく産経や百地は「クズ(LGBT差別正当化)」の方でしょうが。


IR文書を情報公開請求後に削除 大阪港湾局が「不存在」と回答 - 産経ニュース
 本当に職員のミスなのか、維新が削除を強要したのではないか、と疑わざるを得ません。「維新の大阪」ではこんな不祥事ばかりで本当にうんざりします。


維新、次期衆院選候補に他党出身者を続々 移籍も - 産経ニュース
 例えばそこまでして、国会議員なんぞになろうとするかと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が批判する河村建一がそれに当たるわけですが、維新らしいデタラメぶりではあります。なお、立民を離党したウヨ議員(徳永久志松原仁)もその右翼性から維新入りが噂されています。


【主張】日本版「DBS」 子供守る仕組みは急務だ - 産経ニュース
 「DBS=無犯罪証明書(主として性犯罪が想定されてる)」だそうです。「教育現場からわいせつ教員追放(採用時に無犯罪証明書の提出を義務づけることにしよう→提出しない場合は性犯罪の前科の疑いを理由に採用拒否)」と言う話ですが、特にコメントはしません。「採用段階で怪しい人間を排除したい」と言う気持ちは分かる反面、「職業選択の自由に抵触しないか」という批判派、懐疑派の主張も一理あると思い考えがまとまっていません。
 それにしても、PTA、SNS等のようにこのまま英語略称「DBS」で世間に普及するのか、「無犯罪証明」といった訳語で普及するのか気になるところです。


【産経抄】7月3日 - 産経ニュース

「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」。
 正解のない究極の難問を米ハーバード大の学生に投げかける。マイケル・サンデル*2教授の「白熱教室」は、日本でもNHKで放映されて反響を呼んだ。

 これについてはそのような問いを認める場合でも
1)そのような異常事態は現実としてまず生じない
2)そのような異常事態が生じないようにする努力がまず必要
という点に注意すべきという指摘が批判としてありますね。

▼名物講義を書籍化した『これからの「正義」の話をしよう*3』では「アファーマティブ・アクション」(積極的差別是正措置)も取り上げている。米国の多くの大学では入学選考において、黒人など人種的少数派が優遇されている。かつて南部の大学では黒人は白人と同じ大学には入学できなかった。1960年代以降、そんな差別を撤廃する観点から導入されるようになった。サンデル教授によれば「過去の過ちを補償する」意味がある。もう一つの根拠が「多様性の促進」だ。一方で個人の努力や能力を無視した逆差別だ、との不満の声も根強い。
▼いずれが正義かという道徳の問題はともかく、法律上の判断が下された。米連邦最高裁は先月29日、大学の入学選考での人種優遇に対して「法の下の平等」を定めた米国憲法に違反するとの判決を出した。最高裁の9人の判事のうち6人がもともとアファーマティブ・アクションに批判的な保守派とあって、違憲判決は予想通りといえる。ただバイデン大統領は「強く反対する」と表明した。保守とリベラルの対立が激化する要因が、また一つ増えたようだ。
▼日本でも東京工業大学が来年度から女子枠を設定する方針を発表して話題になった。もっとも女性優遇と逆差別の問題はやはり憲法とからんで議論が続いてきた。
▼(ボーガス注:アファーマティブアクションという)なじみの薄いカタカナ語はけっして人ごとではない。

 後でググってヒットした記事を紹介しますが、勿論「女子の少ない学部(工学部等)」での「女子枠」は東工大以外にもありますし、日本政府公式見解、憲法学界通説は「アファーマティブアクションそれ自体は違憲ではない(優遇が必要な範囲を超えて過剰な場合には違憲となり得るが適切なレベルなら問題ない)」というものです。
 なお、何も「女子枠」だけがアファーマティブアクションではない。

赤旗「部落差別」を固定・永久化/きょうにも法案提出/共産党反対2016.5.19
 同和立法は2002年3月末で終結しています。政府は、特別対策を終了して一般対策に移行させました。その理由としては、特別対策は本来時限的なもので、これまでの膨大な事業の実施で同和地区を取り巻く状況は大きく変化していること、特別対策の継続が差別解消に必ずしも有効ではないことなどをあげていました。

赤旗「部落差別」永久化法が成立/差別固定化の危険は重大/仁比議員が反対2016.12.10
 日本共産党の仁比聡平議員は討論で断固反対を表明し、“恒久法”である同法が、部落問題解決の歴史に逆行し、差別を固定化する危険は極めて重大だと指摘しました。
 仁比氏は、「社会問題としての部落問題は、基本的に解決された到達点にある」と述べました。「差別解消」の「施策」などの条文は無限定で、同和利権の復活は排除されていないとして「運動団体*4の『あれも差別、これも差別』といった圧力の根拠となり、施策が強制されかねない」と警告しました。

ということで、「既に目的は達した」「むしろエセ同和行為(利権漁り)を助長している」という認識(なお、こうした認識から長年、部落解放同盟を「同和対策事業で利権を漁ってる」「逆差別だ」等と批判し、対立関係にあったのが日本共産党)から、今は既に事業が廃止されていますが「同和地区(被差別部落)対象」の「同和対策特別事業」も「差別解消までの暫定措置として、同和地区を優遇する」アファーマティブアクションの一種だったわけです。最近の若者は「同和対策事業」と言ってもわかるかどうか「?」ですが。と言うか最近の「同和教育」てどうなってるんだろう?(もはややってない?)、とは思います。
【参考:女子枠】

女子学生が足りない!? 大学入試に「女子枠」の動き | NHK | WEB特集2023.2.6
 工学部の女子学生の比率は他の学部と比べてかなり低くなっています。
 文部科学省によると、去年全国の大学の工学部に所属する学部生のうち、女子学生の比率はおよそ15.8%。文学部を含む「人文科学」や、経済学部・商学部を含む「社会科学」などに比べると半分以下です。
 しかもこの15%ほどという数字は、20年以上変わっていないのです。
 こうした状況を変えようと、一部の大学が踏み出したのが「女子枠」の導入です。
 東京工業大学の場合、2024年4月入学者向けの入試から、全体の募集定員は変えず、一部の選抜試験に女子枠を設置します。
 来年は58人、2025年入試は143人の女子の募集枠を設けるというものです。
 その割合は全体の約15%にあたります。
 「女子枠」導入の動きは各地で広がっていて、名古屋大学島根大学富山大学でも来年度から同様の取り組みが予定されています。
 名古屋大学工学部では、女子高校生と保護者を対象にしたシンポジウムを開いて工学の魅力を伝えていました。
名古屋大学工学部・鈴木達也副研究科長
「やはり入試制度で女子枠を設けて、将来のキャリアプランもしっかり描けるということが伝えられた。ぜひそのことを受け止めていただいて、工学部を志望していただきたい」
 国も「特に女子の割合が低い理工系の分野では、女性活躍のための取り組みを強化する必要がある」として、女子学生を積極的に確保しようとする大学には(ボーガス注:国立大学)交付金や私学助成で支援することを予定*5しています。
 女子枠については、「導入の意義と性差別にならないことの合理的な説明をした上で、社会の理解を得る必要がある」としています。
 賛否両論がありながらも、あえて女子枠を導入するのはどうしてなのか。
東京工業大学・益一哉学長
「現状は、正直に言ってあまりにジェンダーバランスが悪い。男ばかりの空間でイノベーションを生むことができるのか。思い切ったことをしないと閉塞感を打ち破ることができない。ポジティブアクション(積極的な変化)としての女子枠導入を決めました」
 たとえ賛否があったとしても、大きな変化のためには、「女子枠」のような積極的な改革が必要だ。
 益学長のことばからは、それだけ現状に対する強い危機感があるということが感じられました。
 工学部の中には、女子中高生に工学の魅力を伝えるため、大学と同じ授業を体験してもらう取り組みをしているところもありました。
 女子枠の賛否だけではなくて、女子生徒が工学やものづくりに興味を持てるようにどうすればよいのか、社会全体で議論し、仕組み作りを考えていく必要があると思いました。

【参考終わり】

*1:著書『「個性」を煽られる子どもたち』(2004年、岩波ブックレット)、『友だち地獄』(2008年、ちくま新書)、『キャラ化する/される子どもたち』(2009年、岩波ブックレット)、『つながりを煽られる子どもたち』(2014年、岩波ブックレット)、『「宿命」を生きる若者たち』(2019年、岩波ブックレット)等

*2:著書『公共哲学:政治における道徳を考える』(2011年、ちくま学芸文庫)、『それをお金で買いますか』(2014年、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)等

*3:邦訳は2011年、ハヤカワ・ノンフィクション文庫

*4:主として想定されてるのは最大組織・部落解放同盟

*5:「そのような施策の是非」はともかく「女子枠設置」が「交付金増額(国立大)、私学助成優遇(公私立大)の対象になる」のだから政府見解は勿論「女子枠それ自体は違憲ではない(優遇が必要な範囲を超えて過剰な場合には違憲となり得るが適切なレベルなら問題ない)」でしょう。