今日の中国ニュース(2023年12月25日分)

“中国「建国の父」” 毛沢東 生誕130年で記念の催し | NHK | 中国
 つまり毛(1976年死去)が生まれたのは「1893年(12月26日)」ということですね。
 他にも「毛に比べると知名度が落ちますが」以下の人間が生誕130年だそうです。

市川房枝生誕130年、愛知の女性の政治参加の現状は? | NHK2023.5.18
 婦人参政権運動で知られる、市川房枝さん*1は現在の一宮市出身で、今年5月15日、生誕130年を迎えます。

女性活躍のカギ学ぶ 市川房枝生誕記念のシンポジウム、一宮で討論会:中日新聞Web2023.12.12
 一宮市出身で女性参政権運動の中心人物として活躍した市川房枝の生誕130周年を記念し、女性活躍推進シンポジウムが10日、尾張一宮駅前ビルであった。在名古屋米国領事館の田中里佳さんは米バイデン政権で女性で初めてカマラ・ハリス氏が副大統領に就任するなど、重要ポストに起用される女性が増えつつある現状を報告。

愛知:都市計画家・石川栄耀生誕130年 名古屋市で講演会:地域ニュース : 読売新聞2023.11.25
 都市計画分野の代表的人物で、名古屋市のまちづくりにも関わった石川栄耀*2(いしかわ・ひであき:1893~1955年)の生誕130年を記念する講演会が25日、同市中区の名古屋都市センターで開かれた。

 さてNHK記事に話を戻します。

 湖南省長沙の郊外にある村では11月、村の中心部の広場に建てられたばかりの毛沢東銅像が、1か月余りで何者かに撤去されました。
 一方、村の幹部と名乗る男性は「銅像はあまりきれいではなかったから工場に送り返した」と説明していました。
 神田外語大学の興梠一郎*3教授は、NHKのインタビューに対し、「中国では過去にも毛沢東肖像画を掲げて行進する労働者のデモが起きている。銅像を崇拝の対象として、(ボーガス注:政府批判の)政治運動が展開される可能性もあるので、危険と判断したのではないか」と述べ、毛沢東への過度な崇拝を警戒して銅像が撤去されたのではないか、習近平指導部は、「平等」を重んじた毛沢東への崇拝をよりどころに、貧富の格差などへの不満が、今の指導部への批判に転じないか警戒を強めているという見方を示しました。

 コメント欄で指摘されてる件ですが、今回の銅像撤去をそう評価する具体的根拠が興梠説には提出されてないので「何だかなあ?」ですね。
 勿論興梠説が正しければ「毛沢東に対する習政権の態度」は単純な美化ではないわけです。


「毛沢東超え」狙う習氏 生誕130年で権威強化―「領袖」呼称も実績乏しく・中国:時事ドットコム
 「改革開放の父」「香港返還の功労者」「革命第一世代のレジェンド」鄧小平ですらそんなことはしなかった(できなかった*4)わけで習氏がそんなことを考えてるわけもない。コメント欄で指摘がありますが彼もそれほど非常識でもないでしょう。
 なお、コメント欄の指摘は

◆俳優あがりの大統領:レーガン
◆化学者の首相:サッチャー
◆弁護士の首相:ブレア*5
◆役人あがりの首相:天皇訪中時の宮沢(元大蔵官僚)
→コメント欄の指摘に寄れば元内務官僚「中曽根」とのこと。
 なお、最近の首相は「橋本(橋本龍伍*6の子)」「小泉(小泉又次郎*7の孫、小泉純也*8の子)」「安倍(岸信介首相の孫、安倍晋太郎*9の子)」「福田康夫福田赳夫首相の子)」「麻生(吉田茂首相の孫)」「岸田(岸田文武の子)」と世襲政治家ばかりですが、過去においては「加藤高明広田弘毅幣原喜重郎吉田茂芦田均(外務省)」「岸信介(商工省)」「佐藤栄作鉄道省)」「高橋是清若槻礼次郎浜口雄幸池田勇人大平正芳宮沢喜一(大蔵省)」と「首相の多く」は官僚出身でした。
◆軍人上がりの首相:海軍主計中尉だった中曽根

でしょうか?。

 毛と比べ習氏の実績は乏しく

 反中国右翼マスコミ「時事通信」にとってはそうなのでしょうが「一帯一路」「AIIB(2015年発足)」「北京冬季五輪(2022年)」「サウジ、イランの国交正常化の仲介」等は十分「実績」でしょう。
 なお、毛について言えば建て前は「建国の父(建国時の党主席、政府主席)」と言う扱いながら「大躍進や文革で経済を混乱させ、多数の死者まで出したこと」で、実質的な意味、本音の世界では「改革開放の父・鄧小平」に比べれば「低い評価」ではないのか。そして繰り返しますが「鄧小平的観点(経済発展や国民の生活向上重視)」からいえば習氏の実績は十分評価に値するでしょう。

 習氏は、毛が達成できなかった台湾との「祖国統一」を成し遂げることで、毛を超える地位を目指しているとされる。

 習氏は「歴代幹部(江沢民胡錦濤国家主席等)」同様、「統一方針は撤回しないし、可能ならば在任中に統一したいが無理はしない」程度の考えしかないでしょう。「台湾が独立宣言した場合」ならともかく、それ以外で「軍事侵攻」で無理に統一しても「国際的批判を浴びる」だけです。
 そんなことをしなくても「独立宣言したら侵攻も辞さない」として独立宣言封じをする一方で「台湾との経済交流」を深め「統一の機運」を高める(そして後進に台湾独立の実現を委ねる)だけでも十分でしょう。繰り返しますが、そもそも「習氏が毛越えを目指してる」とする主張自体が根拠薄弱です。
 単に「権力基盤を強固にしたいだけ」なら毛越えなどする必要はない。

*1:1981年死去。参院議員(第二院クラブ所属)。最近の評伝に、村井良太(駒澤大学教授)『市川房枝』(2021年、ミネルヴァ日本評伝選

*2:戦後、東京都道路課長、都市計画課長、建設局長を歴任。現在の歌舞伎町に歌舞伎座移転計画を立案し歌舞伎町という地名を命名した人物(但し歌舞伎座移転は実現せず、歌舞伎座移転が計画された土地には新宿コマ劇場(現在は新宿東宝ビル)が建設された)(石川栄耀 - Wikipedia参照)

*3:著書『現代中国』(2002年、岩波新書)、『中国激流』(2005年、岩波新書)、『中国・目覚めた民衆』(2013年、NHK出版新書)、『毛沢東』(2023年、中央公論新社)等

*4:勿論する必要もないし、する気もなかったでしょうが

*5:追記:コメント欄の指摘に寄ればサッチャー

*6:吉田内閣厚生相、岸内閣文相を歴任

*7:濱口、第二次若槻内閣逓信

*8:池田、佐藤内閣防衛庁長官

*9:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)等を歴任