今日のしんぶん赤旗ニュース(2024年4/21、22日分)

主張/スポーツ賭博/もうけ優先の解禁 犠牲は国民

 ギャンブルがスポーツや社会、人間性を蝕む現実を浮き彫りにしています。米大リーグ・ドジャース大谷翔平選手の元通訳・水原一平容疑者による違法賭博事件です。
 犯した罪はぬぐいようもありません。しかし、(ボーガス注:水原容疑者を非難するばかりではなく)賭けが氾濫する社会環境に目を向ける必要があります。米国では2018年にスポーツ賭博が解禁されました。それまでは原則禁止でしたが、連邦最高裁連邦政府に規制する権限はないと州に権限を委ねました。それによって50州中38州が解禁したのは、州の税収増となるからで、その額は21年までに約1700億円となっています。米問題ギャンブル全国協議会は成人250万人が重度の状態と公表。
 スポーツ現場への影響も深刻です。米プロバスケットボール協会(NBA)では3月、賭けに参加した一般の人が、チームの監督を脅迫する事件も起きています。
 問題はこれが対岸の火事ではないことです。
 日本には2001年からサッカーのJリーグを対象にしたスポーツ振興くじがあります。一昨年のバスケットボールに加え、プロ野球を対象にする動きも強まっています。

 スポーツくじをサッカー、バスケから「野球等に拡大を狙う面子(自民のスポーツ族議員、文科官僚など?)」にとっては確かに水原の一件は痛手かもしれません。
参考

スポーツくじ対象拡大に意欲 遠藤利明氏「何とか野球を」:時事ドットコム2024.1.15
 日本スポーツ政策推進機構*1遠藤利明*2会長は、中学校の部活動改革で必要になる財源*3を確保するため、スポーツ振興くじの対象競技の拡大を目指す意向を示した。
 振興くじは現在、サッカーとバスケットボールが対象。元五輪担当相の遠藤氏はプロ野球やバレーボール、ラグビーハンドボールを候補に挙げ、「一番何とかしたいのは野球。来年の通常国会に提出すれば、秋にもできると思う」と語った。 

 まあ確かに野球くじは儲かるかもしれませんが「西鉄黒い霧事件西鉄投手の池永正明永易将之益田昭雄与田順欣が永久追放処分を受け西鉄の戦力が大幅にダウン、その後の身売り(太平洋クラブ→クラウンライター→西武)につながったとされる。一方、池永らの抜けた穴を埋めた一人が当時、若手選手だった東尾修で、皮肉にも池永らの追放は東尾の活躍の場を増やしたとされる。なお、池永は後に処分が解除された(黒い霧事件 (日本プロ野球) - Wikipedia参照))」とか過去の不祥事をどう考えてるのかと聞きたくなります。
 未だに

野球勝敗予想で計1億1625万円を賭けさせた容疑、会津小鉄会幹部ら男女3人を逮捕 : 読売新聞2024.2.7
 プロ野球高校野球の勝敗を予想させる賭博を開いたとして、京都府警は6日、指定暴力団会津小鉄会幹部の男(59)(大津市)ら男女3人を賭博開帳図利容疑で逮捕した。

など「暴力団野球賭博」が摘発されるので、さすがに野球くじは実現できないと思いますが。
 なお、大谷は「水原を信じて、金銭管理を任せたうかつさ(その結果、大谷の銀行口座から多額送金)」はあるとはいえ、無実(捜査当局の発表に寄れば、水原による無断送金で大谷の関与はない)でしたが、これが「水原とグル(送金を了承)」なら池永らのような「日米球界からの永久追放処分」もあり得たでしょう。


賃上げ 都知事選勝利を/東京 労働者後援会が宣伝
 しばらく先の話であり、また「アンチ小池が皆、支持できる有力候補の擁立」も楽ではないでしょうが早急に擁立をして欲しい。「都議選での共産の躍進」はともかく都知事選勝利はやはり「具体的候補者」がいないと今ひとつ盛り上がりません。


◆マスコミによる共産紹介

日本の政治を方向づける「赤旗」/英誌「エコノミスト」、裏金報道を紹介
 英国の政治経済誌エコノミスト』最新号(4月20日号)が、日本の政界を揺るがす自民党の裏金疑惑を取り上げ、「共産党の無名の新聞が日本の政治を方向づけている―しんぶん赤旗の記事は一貫してパンチがきいている」との見出しで、日曜版のスクープで裏金事件のきっかけをつくった「しんぶん赤旗」を紹介しました。

選択的夫婦別姓 自民を下野させれば実現/TBSラジオで田村委員長
 田村智子委員長は19日、TBSラジオの「荻上チキ・Session」で、ジェンダー問題や共産党の平和の外交提言について語りました。

資本主義土台に 個人の自由発展/志位議長 縦横に語る/『週刊文春』インタビュー
 18日発売の『週刊文春』(4月25日号)の「阿川佐和子*4のこの人に会いたい」に日本共産党志位和夫議長が登場し、エッセイストの阿川さんのインタビューに答え、日中関係、野党外交、日本共産党未来社会論について縦横に語りました。

 支持者として素直に嬉しいので紹介しておきます。
 松竹本人、「kojitaken、inti-solなど松竹の類友」は「松竹除名」で共産評価が「低下の一途」であるかのように描き出そうとしますが嘘であることが改めて明白です。

 司会の荻上チキ氏に「田村委員長は国会の質問で、必ずジェンダー問題に触れますね」と問われた田村氏

 勿論、このような質問をする荻上氏自身が「ジェンダー問題に関心がある」わけで、彼には『社会運動の戸惑い:フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』 (ジェンダー研究者である山口智美氏、斎藤正美氏との共著、2012年、勁草書房)等のジェンダー関係著書もあります。

「選択的夫婦別姓自民党を下野させれば実現できる。同性婚自民党を下野させてこそ、その実現に向けた議論が国会の中で始まると思います。そこが焦点です」と強調しました。

 自民党内にも賛成派(例:小渕内閣郵政相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相等の要職を歴任した野田聖子)がいる夫婦別姓はともかく、今の自民党では同性婚容認に動くとは思えず、その意味で「同性婚法制化」には確かに自民下野が必要でしょう(自民が今後、同性婚合法化の立場に大きく変わらない限り)。
 とはいえ「民主党政権夫婦別姓同性婚合法化には動かなかったこと」「政権交代の中心は立民党(民主党の後継政党)になるであろうこと」「現在の立民党執行部は、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行革相を務めた岡田幹事長、鳩山、菅内閣厚労相を務めた長妻政調会長民主党政権時とあまり変わりないこと」を考えれば「政権交代」だけでは「夫婦別姓同性結婚合法化」は残念ながら実現しないでしょう。

 在日米軍は日本を守るものではなく、アジアや中東地域への出撃拠点だと指摘し、この危険性を国民に知らせていく日本共産党独自の役割を語りました。

 この点はハト派として全く同感です。

参考

◆もりのくま
荻上
「異論を言った党員、神奈川の県議さん*5に対して、かなり強い口調で「おかしい」と言ったことがパワハラめいていてドン引いた*6という声も聞くんですが」
田村
「異論を許しているからそういう発言もある訳ですし、その発言をしたことで何か処分したかというと、全然そんなこともしてないんですよ」
 で、翌日の赤旗2面での報道。(ボーガス注:荻上が質問した大山問題(まあ、反共分子が言いがかりつけてるだけですが)について)全く触れていない。

 「反党分子らしい因縁付け」で「それが荻上の田村インタビューでお前にとって一番大事なのかよ?(呆)」です。どんな記事を書くかは赤旗の「編集権の自由」でしょうに。
 いずれにせよ、「荻上反党分子」ではない*7にせよ、単純に「田村万歳インタビューでは無かったらしいこと」、それに対して、田村氏が「批判しただけで処分もしてないのにハラスメント呼ばわりはおかしい(以前からの反論ですが)」と正々堂々と反論したらしいことはメモしておきます。

*1:組織概要 | 日本スポーツ政策推進機構によれば遠藤会長以外の役員は、橋本聖子副会長(菅義偉内閣で五輪相)、河野一郎理事長(元・独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)理事長)など

*2:第三次安倍内閣五輪相、自民党選対委員長、総務会長(岸田総裁時代)を歴任

*3:「顧問教師(スポーツ素人であることが多い)の無償労働」ではなく「スポーツ専門家(企業が運営するスポーツクラブなど?)に部活指導を依頼し、きちんとお金を払うこと」が計画されている。このこと自体は勿論悪いことではないでしょう。但し公営賭博(スポーツくじ)ではなく国や自治体が税金できちんと措置すべきでしょう。

*4:著書『聞く力』(2012年、文春新書)、『叱られる力:聞く力2』(2014年、文春新書)、『アガワ家の危ない食卓』(2022年、新潮文庫)、『老人初心者の覚悟』(2023年、中公文庫)、『話す力』(2023年、文春新書)、『アガワ流生きるピント』(2023年、文春文庫)等

*5:大山県議のこと

*6:荻上が「パワハラ」と断言できず「パワハラめいた」と表現して腰が引けてることが興味深い。

*7:「あんな言いがかりに迎合するのか」と荻上の言動には不快ではある物の、この程度では荻上反党分子として敵視はしません(赤旗記事もそんな立場ではないし)。