横田めぐみさんの「歯」をめぐる怪奇⑧ - 高世仁のジャーナルな日々
外国人から日本のあれこれについて質問され、即答できすに考えこんでしまうことがある。
その1。立ち食いそばが好きな若いアメリカ人の男性が私に聞いてきた。
「天ぷらそばって、なんであるんですか?」
はぁ?
「天ぷらはクリスピーなのがおいしいのに、つゆそばに入れるとコロモは濡れちゃうし中身が出てきたりして、天ぷらのよさが台無しになります。なんで天ぷらをそばに入れるんですか?」
うーん、わからない。ただ、私は田舎者なのか、つゆでグズグズになった天ぷらが好きだが。
それ「趣味の問題にすぎない」でしょう。
俺も「天ぷら(あるいはコロッケ)うどん、そば」「天丼」「カツ丼(卵とじカツ丼でアレ、ソースカツ丼でアレ)」「カツ(あるいはコロッケ)カレー」等は好きです。
それは単に「サクサク、カリカリした食感*1(クリスピー)」より「つゆを吸ってグズグズになった衣」が好きなだけの話です。
そして、そういう日本人は「天ぷらうどん、そば*2」「天丼」「カツ丼」「カツカレー」等が商品として成立する程度には存在するが、そういうのが嫌いな日本人もいる。
「カツ丼では無く、カツ定食」「天丼では無く、天ぷら定食を、天つゆでは無く、抹茶塩で食う」とかですね。
外国人の質問、その2。これは中東のイランで尋ねられた。
「日本はアメリカに原爆を2回も落とされてひどい目にあった*3のに、なぜアメリカと仲良くしているのですか?」
自民党について言えば「国益判断(米国と付き合うことが国益になると判断)」ですね。なお、共産は「いたずらに米国敵視」してるわけではないですが「原爆投下」「在日米軍基地被害(騒音や事故など)」「バイデン政権のイスラエル擁護」など「米国の問題点」は批判しています。
なお、「ベトナム戦争で米国に酷い目に遭わされたベトナム」も「米国企業の進出」を受け入れており、何もそうした態度は日本だけでもない。
後は「米国政治」と「米国文化」は違うというのもありますね(例えばじゃあてめえら産経新聞社社員は、中国製品を使っていないのかという話になる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の指摘参照)。
それと「仲が良い」とはいえないでしょうが「シベリア抑留のソ連」相手にだって日本は「冷戦期であっても、いたずらに敵視していたわけではない」でしょう。
「被害にあったから敵視する」と言うほど話は単純ではない。
「被害に遭ったから敵視する」なら「米国とフィリピン、英国とインド、フランスとベトナム、オランダとインドネシア、日本と韓国(植民地支配)」「日本と中国(日中戦争)」「ドイツと英仏、東欧諸国(ナチの侵略)*4」等は今も「敵対関係」でしょうが、そうとは言えないでしょう。
「ロシアと東欧(ソ連時代はカチン虐殺(ポーランド)、ハンガリー動乱(ナジ・イムレ首相をソ連に連行し処刑)、プラハの春弾圧(チェコ)などがあった)」の関係はプーチンのウクライナ侵攻によってかなり悪化したと思いますが。
朝ドラ「虎に翼」のモデル、三淵嘉子は原爆投下は国際法違反だと判決を下したらしい。
これについては、ググってヒットした以下を紹介しておきます。
◆井上哲士 (日本共産党参議院議員)
NHK朝ドラ「虎に翼」の主人公のモデル三淵嘉子さんは、米国の原爆投下を国際法違反と断じた原爆裁判判決を書いた東京地裁判事の一人だった。ドラマの中でどう描かれるか楽しみです。
弁護士会の読書:三淵嘉子と家庭裁判所
嘉子は、原爆裁判に関わりました。その判決文には、「原子爆弾による爆撃は無防守都市に対する無差別爆撃として、当時の国際法からみて、違法な戦闘行為であると解するのが相当」とあります。原爆投下は国際法に反する違法なものと裁判所が明快に断罪したのです。1963(昭和38)年12月7日の判決です。
41歳で再婚、相手は… 「虎に翼」モデル・三淵嘉子さんの家族関係 | 毎日新聞
東京地裁で判事補になった嘉子が、判事となって名古屋地裁に移ったのは1952年12月である。1956年5月に東京地裁に戻り、原爆投下の違法性が争われた民事訴訟「原爆裁判」にも関わった。「原爆投下は国際法違反」という画期的な判決は、嘉子が東京地裁から異動した後に出されたが、判決文にはその名が連ねられている。原告の損害賠償は認められなかったが、原爆被爆者の救済に寄与した。
三淵嘉子さん | 中国新聞デジタル
「日本帝國男子ニ限ル」。
司法試験の会場に墨で書いて張り出されていた。時は1938年、当時の司法修習生採用の案内である。2年前に弁護士の門戸は女性に開かれたものの、裁判官と検察官にはなれなかった
▲「(この文言が)頭にこびりついて忘れられなかった」。
司法試験に合格して女性初の弁護士となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんは語っていた。男女差別が色濃かった法曹界に道を切り開く
▲戦後志願し、やはり日本初の女性裁判官になった。家庭裁判所の創設にも携わり、女性や子どもの権利擁護に尽くした。4月に始まるNHK連続テレビ小説「虎に翼」は彼女が主人公のモデル。その人生がどう描かれるのか楽しみだ
▲広島とは意外な縁がある。被爆18年にして世界で初めて米国の原爆投下を国際法違反と断じた原爆裁判判決。それを書いた東京地裁判事の一人だった。
NHK朝ドラ「虎に翼」のモデルの故三淵さん 原爆投下を国際法違反と判断した「原爆裁判」の判決書いた裁判官の1人だった(中国新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
原爆裁判の判決は当時の東京地裁裁判長の故古関敏正さん、裁判官の故三淵嘉子さんと高桑昭さん*5(87)=東京=の3人が書いた。1984年に69歳で死去した三淵さんはNHKの連続テレビ小説「虎に翼」で俳優の伊藤沙莉さんが演じる主人公猪爪寅子のモデル。女性法曹の先駆者だった。
三淵さんは明治大卒業後、38年に当時の司法試験に合格し40年に東京で日本初の女性弁護士に。戦時中は幼子を抱えて疎開生活を送り、応召した夫は戦病死した。終戦の2年後、「裁判官採用願」を司法省に提出。52年に女性初の判事となり、4年後に配属された東京地裁で原爆裁判を担当した。
判決は「国民の多くの人々を死に導き、傷害を負わせ、不安な生活に追い込んだ」と日本が戦争を始めた責任にも言及。国の原爆被害者への救済策は不十分とし、「政治の貧困を嘆かずにはおられない」と指摘した。
滋さんが亡くなった現在、早紀江さんが元気なうちにウンギョンさんに会わせてあげたいと切に思う。早紀江さんは遠慮して、自分から「会いたい」とは決して言わないだろうが、そこは忖度して実現に動くべきではないか。
当人が「会いたい」と言わない限り「動く必要は無い」でしょう。その位は早紀江が自分の責任で「自分から」言うべきです。
政治家や外務省が、下手に動いて「彼女の息子達(息子の一人は家族会代表)」と家族会、救う会に「早紀江さんは会いたいとは言ってない」「勝手に動くな」と悪口され、それを「早紀江も黙認」ではたまったものではない。早紀江が本心では会いたいのに、「面会に否定的らしい」息子達や家族会や救う会に忖度して黙ってるなら所詮早紀江が「その程度のバカだ」と言う話です。俺は「孫娘ウンギョンさん」はともかく、救う会や家族会の個人攻撃を黙認し「田中氏の外務省退官」「蓮池氏の家族会除名」に加担した早紀江には何一つ同情しません。まあ高世のこうした文章は本心と言うより「早紀江へのこびへつらい」なのでしょうが。
有田芳生さんは、横田さん夫妻と孫のウンギョンさん一家の面会を仲介し、結果としてストックホルム合意成立に関与することになったが、共同通信の取材にこう答えている。
「(前略)
『不幸な過去を清算し、懸案事項を解決する』とした日朝平壌宣言にもう一度立ち戻って、具体的な政策実現を進めるしかないのではないか。
(中略)
(ボーガス注:日朝交渉を進め拉致を解決に導くには)幼児教育・保育や高校の無償化から朝鮮学校を除外しているのは差別であり、こうした問題を解決する必要もあるだろう」」
(中略)
(連載おわり)
なお、有田さんの提言にはほとんど同意するが、朝鮮学校の扱いについては私は違った意見である。
朝鮮学校の児童生徒に対するヘイトクライムやヘイトスピーチは罰せられるべき*6だし、拉致問題と朝鮮学校の問題を絡ませることにも反対*7する。その上での異論である
やれやれですね。本心か、救う会、家族会への迎合かはともかく、この期に及んで、子どもを虐殺者の忠臣にするな - 高世仁のジャーナルな日々*8(2014.3.14)、生徒を平壌に送って金正恩を称えさせる朝鮮学校 - 高世仁のジャーナルな日々(2016.2.29)等での「朝鮮学校差別」正当化を撤回しないそうです。
「朝鮮学校(高校、幼稚園)生徒の人権問題」と言う面はひとまず置く*9にしても、それで北朝鮮が交渉すると高世は本気で思ってるのか。
高世の「交渉論」が本気かどうか実に疑わしい。
*1:とはいえ、これは揚げたての天ぷらであって、スーパーの惣菜天ぷらなどは時間が経ってそうした食感は失われていますが
*2:但し天ぷらうどん、蕎麦も「最初から天ぷらがつゆにつかってる」ものはともかく「後載せタイプ」だと、天ぷらを半分に割って半分は揚げたてのサクサク、カリカリを楽しみ、半分はつゆにつけてグズグズを楽しむという食べ方が可能ですが
*3:確かに日本は「原爆等で米国に酷い目に遭っています」が一方で米国も「バターン死の行進」などで日本に「酷い目に遭わされたこと」も覚えておくべき話です。
*4:勿論、ドイツの場合、加害国ドイツが真摯に謝罪し被害国の一定の理解を得た要素が大きいでしょうが
*5:1937年生まれ。1962年東京地裁判事補、1976年辞職。1988年立教大学法学部教授、1993年京都大学大学院法学研究科教授、2000年、帝京大学教授、2003年成蹊大学大学院法務研究科教授、2013年退職。著書『国際商事仲裁法の研究』(2000年、信山社)、『国際取引における私法の統一と国際私法』(2005年、有斐閣)、『国際民事訴訟法・国際私法論集』(2011年、東信堂)等
*6:コメント欄でも指摘があるように「無償化除外」が「ヘイトクライムやヘイトスピーチ」を助長してるのであり、高世の主張は詭弁でしかないでしょう。
*7:と言うなら明らかに「拉致と朝鮮学校」を絡ませてる救う会や家族会を高世はきちんと批判したらどうなのか?。
*9:勿論、置いていい問題ではないですが。