珍右翼・高世仁に悪口する(2023年8/25日分)

幼児化する政治家の言葉 - 高世仁のジャーナルな日々

 思想家の内田樹氏は、日本人の「平和ぼけ」の起源を、「空襲」を「空爆」と言い始めたときだと指摘する。
 たしかに太平洋戦争では「東京大空襲」だが、イラク戦争では「イラク空爆」と言い表す。「イラク空爆」は米軍側から、つまり攻撃側の視点からの言い回しだ。
 ウクライナからのニュースも「ロシア軍の『空襲』」という方がそこで傷つく人々の視点からは適した言葉なのではないか。

 高世と内田氏には「はあ?」ですね。
例えば

赤旗
海外での空爆は憲法違反/防衛相の「排除しない」発言 安倍答弁と矛盾/宮本徹議員 “敵基地攻撃”許されぬ/衆院予算委2022.2.22
ミャンマー国軍の空爆 ASEAN「強く非難」2023.4.14
空爆利用も否定せず/共同開発戦闘機巡り防衛相/参院委で山添氏2023.6.2

【「空爆」でヒットした著書(刊行年順)】
吉田敏浩*1『反空爆の思想』(2006年、NHKブックス
◆荒井信一*2空爆の歴史:終わらない大量虐殺』(2008年、岩波新書

等を考えるに「『空爆』と言う言葉の使用=攻撃正当化」ではないでしょう。

 日本は科学や文化の面で大丈夫かと心配になるニュースがつづく。
 先日は、日本の科学研究がどんどん落ち目になっているというニュースがあった。自然科学分野で研究内容が注目されて多く引用される論文の数で、日本は世界第13位(2019年~21年の3年平均)で過去最低となった。20年前は世界4位だったが、年々順位を下げている。1位中国、2位米国
(中略)
 日本の大学の理系論文数は、政府による研究予算の抑制や競争原理拡大と軌を一にして2000年ごろから伸びが止まり、20年近く頭打ちの状態になっているとも指摘がある。
 国立科学博物館が財政難でクラウドファンディングに頼るというニュース。初日に1億円達成し、現在6億円まできているというが、これは決して喜ばしい話ではない。(ボーガス注:私立ではなく)「国立」なのだから、(ボーガス注:税金で)ちゃんと支えるのは政府の責任だろう。
 主要6カ国の文化歳出費を見ると、フランスの5928億円、韓国の4351億円に比して日本1098億円と大きな差があり、国家予算に占める割合は、韓国1.21%、フランス0.81%に対して日本は0.1%と雀の涙。日本をどういう国にしたいのかという政府の構造力が問われる。
 科学、文化の劣化は何とか食い止めたい。

 小生の別記事でも

今日の産経ニュース(2023年8/16、17日分) - bogus-simotukareのブログ
 私立博物館ならともかく、何で国立博物館で「稼ぐ力=入場料収入など事業収入で解決しよう」とするのか。何のための国営なのか?。

と書きましたし、nordhausenさんからも

今日の産経ニュース(2023年8/16、17日分) - bogus-simotukareのブログのコメント欄
nordhausenさん
 文部科学省が公表した最新順位では、注目論文数で日本がイランに抜かれて13位に後退したとの事ですからね。国立博物館も含め、こういう学術研究分野での政府予算増額を行う必要がありますね。
注目論文数、日本13位に転落 過去最低更新 イランに抜かれる - 産経ニュース

との「賛同の意見」を頂きましたが、この点は俺も「高世に全く同感」です。
 この一方で岸田政権は「大軍拡」とは呆れて二の句が継げません。
 しかし中国の伸び(1位中国)はまさに基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2016.5.10)ですね。勿論科学研究費をケチる日本と違い、「潤沢につけてるから」でしょう。「少数民族問題」等、他の問題はともかく、科学研究振興については「中国>絶対に越えられない壁>日本」ですね。中国政府の「科学振興への態度」には全く頭が下がります。
 中国をやたら敵視するウヨ連中が「こうした事実」に目を塞いでいることには心底呆れます。
 ウヨ連中は「軍拡」では「中国が軍拡してるから日本も負けられない」なのに「科学振興」では「中国が科学振興してるから日本も負けられない」「科学論文の数でこんなに中国と差がつくなんて恥ずかしい」とはまるで言いません。どこまで科学振興に興味がないのか(呆)。それのどこが「国家基本問題研究所(櫻井よしこが理事長の右翼団体)」なのか。科学振興は「国家の基本問題」ではないのか?

 「エッフェル塔観光写真」事件

 あの写真それ自体が問題ではない。「研修名目で観光していた疑いが強いこと」「きちんと少子化問題の研修(フランスは少子化を克服したとされる)をしていた、観光は研修の合間にちょこっとやっただけ、といいながら、研修をしたというまともな根拠が出せないこと(あげく松川るいが批判を逃れるため自民党女性局長を辞任*3)」が問題だと高世ははっきり書くべきです。

内田樹氏の次の指摘は、まさに今の政治家にあてはまる。政治家よ、心して聞け。
 「今の日本の政治家が語る言葉は、非常に幼児化しています。シンプルな論理でシンプルなソリューション(解答・解決)を出すような語り口ばかり目立ちます。老練な政治家ならば、こういう事態になったらこう、こうなったらこうと、プランAからプランFくらいまでいくつかの事態を想定した対応策を用意して、変化に即応してゆくでしょう。
 でも、今の政治家たちはプランAだけを示して、かつ、それに固執する。もちろんプランAが正解である場合もあるでしょう。でも、そうでない場合もある。たいていの場合はそうではない。それはプランが間違っているからではなく、私たちは未来に何が起きるかを完全には予測できないからです。「正解はこれです。これしかありません」と政策にしがみつく政治家は必ず自説にとって都合の悪い変化を過小評価するようになる。みずから進んで現実に目を閉じるというのは愚かなことです。」(広岩近広*4編『わたしの平和と戦争*5集英社P212-213)

 「即時一括全員帰国以外認めない、一部帰国は認めない」「経済制裁すれば北朝鮮が屈服する」というシンプルな論理でシンプルなソリューション(解答・解決)「正解はこれです。これしかありません」としがみつき固執し)、2002年の小泉訪朝後20年経っても未だ拉致が全く解決しないという現実にみずから進んで目を閉じる、愚かな、非常に幼児化している「横田早紀江」を未だにまともに批判できないで、あげく

横田めぐみさん写真展での奇怪な出来事 - 高世仁のジャーナルな日々2023.8.3
 8月2日(水)から14日(月)まで、拉致被害者横田めぐみさんの写真展が、日本橋の髙島屋で開かれている。
 初日の2日は、11時30分から、めぐみさんの母、横田早紀江さんと有本恵子さんの父、有本明弘さんの座談会があって、私がファシリテーターをつとめた。

なんてことをやる高世が良くも言ったもんです(勿論、横田早紀江や高世への皮肉、嫌みの意図で、内田批判と表現をかぶせています)。
 むしろ

内田樹氏の次の指摘は、まさに今の拉致被害者家族会メンバー(例:横田早紀江)にあてはまる。早紀江よ、心して聞け。

ではないのか(言わなくても分かると思いますが俺は「早紀江が大嫌い」ですのでこうして嫌みや悪口を書いています)。
 そもそも高世こそが

北朝鮮が崩壊する前に自分の会社を倒産させた無様で無残な話 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.4.28
けっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.5.15
田中均元外務省アジア大洋州局長が、日朝首脳会談直前に米国高官に会談についての事前通告をしたことを認めた(高世仁とか家族会ほかの面々は、どんだけ馬鹿なのかと思う) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.9.12

が指摘するように救う会、家族会のシンプルな論理でシンプルなソリューション(解答・解決)に「金儲け目当て」で悪乗りした結果、皮肉にも「拉致の風化」で「ジンネットを倒産させたバカ野郎」ではないのか。良くも自分を棚上げして偉そうなことが言えたもんです(呆)。「高世のクズさ」にはいつもながら呆れます。
 内田氏、広岩氏(内田発言を紹介する著者の編者)にはそんな意図は恐らくないでしょうが、内田批判は救う会、家族会のシンプルな論理でシンプルなソリューション(解答・解決)への見事な批判と言っていいでしょう。

*1:著書『ルポ戦争協力拒否』(2005年、岩波新書)、『密約:日米地位協定と米兵犯罪』(2010年、毎日新聞社)、『赤紙と徴兵』(2011年、彩流社)、『沖縄:日本で最も戦場に近い場所』(2012年、毎日新聞社)、『日米合同委員会の研究』(2016年、創元社)、『横田空域:日米合同委員会でつくられた空の壁』(2019年、角川新書)、『日米戦争同盟』(2019年、河出書房新社)、『日米安保と砂川判決の黒い霧』(2020年、彩流社)、『追跡!謎の日米合同委員会』(2021年、毎日新聞出版)等

*2:1926~2017年。茨城大学名誉教授、駿河台大学名誉教授。著書『原爆投下への道』(1985年、東大出版会)、『日本の敗戦』(1988年、岩波ブックレット)、『ゲルニカ物語:ピカソと現代史』(1991年、岩波新書)、『戦争責任論』(2005年、岩波現代文庫)、『歴史和解は可能か』(2006年、岩波書店)等

*3:本当に「観光旅行ではない」のなら松川は辞める必要は全くない「はず」です。

*4:著書『被爆アオギリと生きる:語り部沼田鈴子の伝言』(2013年、岩波ジュニア新書)、『戦争を背負わされて:10代だった9人の証言』(2015年、岩波書店)、『シベリア出兵:「住民虐殺戦争」の真相』(2019年、花伝社)

*5:2016年刊行