今日の産経ニュース(2024年7/23日分)(副題:内藤陽介のバカさに呆れる、ほか)(追記あり)

「社会問題に意識高いウイルスに殺された」 イーロン・マスク氏、息子の性転換に苦悩告白 - 産経ニュース
 子どもがトランスジェンダーであることにショックを受けるのは仕方がないにしても陰謀論「政治的目的で『必要の無い性転換手術』を(過失では無く)故意に推進する集団があり、私の子どももその被害者だ」を放言するとはどうしようもないバカです。さすがトランプ支持者だけのことはあります。
 そもそも本気で「息子の性転換手術は違法で不当だ、私は医者に騙されて手術に同意した」と言うなら、こんなことを言うだけではなく、医者を民事提訴したらどうか?
 それにしてもこの記事についた

[B! elonmusk] 「社会問題に意識高いウイルスに殺された」 イーロン・マスク氏、息子の性転換に苦悩告白
cinefuk
 娘についても「大学に行ってから俺を嫌うようになった。マルクス主義者に洗脳されて資本家を憎んでいるんだ」と語る認知の歪み

と言うブクマが事実なら(事実かどうか無知なので知りませんが)これまた「唖然」ですね。


戦国舞台ゲーム「弥助」の誤認識拡散、内藤陽介氏「正確な情報発信を」栃木「正論」友の会 - 産経ニュース
 弥助(信長の家臣)の描き方が正しいのかどうか、仮に「歴史的事実に反する」としても
暴れん坊将軍(実際の徳川吉宗は勿論、徳田新之助を名乗って、町を出歩いたりしない)」
鬼平犯科帳(実際に火付盗賊改方長谷川平蔵という人物は実在するが小説はフィクション)」
忠臣蔵浅野内匠頭吉良上野介にいじめられたことになっているが、実際には刃傷沙汰の原因は不明)」
「遠山の金さん(実際に北町奉行遠山金四郎*1という人物は実在するが小説はフィクション)」
水戸黄門水戸光圀は助さん(佐々木助三郎)、格さん(渥美格之進)を引き連れて諸国漫遊などしていない。そもそも助さん、格さんは実在の水戸藩家臣『佐々介三郎(佐々宗淳*2)』『安積覚兵衛(安積澹泊*3)』がモデルとされるが虚構の存在)」等のように「娯楽フィクション」として容認すべきかはともかく、少なくともそうしたことは「戦国時代の専門家」が論じるべきことでしょう。
 「郵便の話」ならともかく、一体何時から「内藤*4が戦国時代の専門家になったのか?」と心底呆れます。内藤には戦国時代に関する著書は何もないでしょうに。内藤にこんな話をさせるのは「正論友の会」のような異常な集団だけでしょうし、まともな団体なら、内藤のような素人では無く

小和田哲男
 静岡大学名誉教授。NHK大河ドラマ「秀吉」(1996年)、「功名が辻」(2006年:初代土佐藩主・山内一豊が主人公の司馬遼太郎の同名小説のドラマ化)、「天地人」(2009年:上杉景勝*5に仕えた家老・直江兼続が主人公の火坂雅志の同名小説のドラマ化)、「江~姫たちの戦国~」(2011年:浅井長政お市の方夫婦の三女で、江戸幕府第2代将軍・徳川秀忠正室、第3代将軍・徳川家光の母となった江が主人公)、「軍師官兵衛」(2014年:戦国武将・黒田官兵衛黒田如水)が主人公)、「おんな城主直虎」(2017年:戦国武将・井伊直虎が主人公)、「麒麟がくる」(2020年:明智光秀が主人公)、「どうする家康」(2023年)で歴史考証を担当。
 著書『豊臣秀吉』(1985年、中公新書)、『石田三成』(1997年、PHP新書)、『明智光秀』(1998年、PHP新書)、『徳川秀忠』(1999年、PHP新書)、『豊臣秀次』(2003年、PHP新書)、『今川義元』(2004年、ミネルヴァ書房日本評伝選)、『山内一豊』(2005年、PHP新書)、『北政所淀殿』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『戦国三姉妹:茶々*6・初*7・江の数奇な生涯』(2010年、角川選書)、『黒田如水』(2012年、ミネルヴァ書房日本評伝選)、『黒田官兵衛』(2013年、平凡社新書)、『井伊直虎』(2016年、洋泉社新書)、『明智光秀・秀満*8』(2019年、ミネルヴァ書房日本評伝選)等

のような「戦国時代研究者(専門家)」を呼ぶでしょうに(おそらく、まともな歴史学者は『事実で無くてもゲーム上のフィクションでは無いか?、暴れん坊将軍水戸黄門に「事実に反する」と言うくらい馬鹿馬鹿しい。南京事件否定論ホロコースト否定論のような放置したらまずい代物とは違う』としか思ってないのでしょうが)。
 まあ、「自称・郵便学者」内藤の著書のうち「郵便以外の内容(例:マリ近現代史)」は何処まで評価できるか疑問ですが。
 それとこの記事が酷いのはこの記事を読んでも「ゲームの弥吉描写」の何が産経や内藤にとってまずいのか全く分からないことです。
 「ゲームでは弥吉が柴田勝家羽柴秀吉のような『かなりの重臣』として描かれているが、彼は信長の家臣だが、そこまでの大物ではない」「実は弥吉の実在性には疑義がある(架空の存在の可能性が強い)」などの具体的説明は何もない。
 また内藤は

(問題を)放置すれば、慰安婦問題が拡散されたときと同じ状況になる可能性がある。

と訳の分からないことを言うから頭痛がします。
 勿論「慰安婦問題での日本非難」は言いがかりでは無く、当然の非難ですし、このゲームをどう評価するにせよ「日本非難の意図」などないでしょう。

【追記】
外国人にもわかる「アサシン」「弥助」が炎上する理由~JAPAN Forwardから~ - 産経ニュース
 「実在の人物だがそれほどの大物武将ではないのに、大物武将であるかのように描くのは日本人に対する侮辱だ」と言いたいようですが「はあ?」ですね。
 「水戸黄門」に「実在の水戸光圀は諸国漫遊などしてない」と悪口するレベルの因縁でしょう。


織田信長に仕えた「弥助」巡る番組「問題あったとは思っていない」とNHK見解 - 産経ニュース
 勿論「フィクションであるゲーム(弥吉の描写が事実と乖離していても大した問題ではない)」と「歴史番組であるNHK(乖離しているとまずい)」とはまた話が違いますが、ウヨの悪口雑言は「歴史を虚心坦懐に考える」と言う立場では明らかにないので、「NHKに対する非難」も含めて全く賛同できません。


黒人侍「弥助」の仏ゲーム、文科省「公序良俗反するなら慎重に対応」 浜田聡氏に回答 - 産経ニュース
 「一般論として、公序良俗に反するのなら当然問題がある」と一般論を言っただけで文科省がこのゲームを「公序良俗に反する」と判断してるわけではない事(つまり回答としては実は無内容)を指摘しておきます。しかしNHK党らしいくだらなさです。他にやることは無いのか?
 しかし文科省以外も

 外務省は「ゲームにおける話で、外交とは関係していないことから、対応できかねる」、経済産業省は「個別のゲームにコメントすることは差し控える」とした。

ねえ。いかに国会議員とは言え、最大与党・自民や、最大野党・立民ならまだしも、「共産やれいわ、国民民主を下回る議席数、支持率(世論調査)」のNHK党「浜田」レベルで随分と腰が引けてるもんです。まあ似たり寄ったりの因縁をつける危険性のあるウヨ議員が自民にもいるからでしょうが*9
 まあ

[B! 表現の自由] 黒人侍「弥助」の仏ゲーム、文科省「公序良俗反するなら慎重に対応」 浜田聡氏に回答
◆KAN3
 外務省は対応しない。経産省はコメントしない。文科省は一般論を述べるだけ。つまり何も対応しないということ。当たり前の話。
◆rag_en
 外務省と経産省の対応はそれはそう。文科省の「公序良俗」云々は不穏だが、実際はあしらっただけだろうからとりあえずは、まぁ。
◆udongerge
 まぁ、文科省が動く事はないと思いますが。

ではあるんでしょうが。
 あと

[B! 表現の自由] 黒人侍「弥助」の仏ゲーム、文科省「公序良俗反するなら慎重に対応」 浜田聡氏に回答
◆segawashin
  ゲームの内容にいちいち国会議員先生様が騒いで関係省庁にタレこんで談話引き出してって、「表自」界隈に言わせればまさしく「表現を燃やそうとしている」案件だと思うんだけど、むろん厳しく抗議してるんだろうね?
◆KKElichika
 どう考えても表現の自由(しかもフィクション)に対する議員センセイ様の介入だと思うんだが、「表現の自由戦士」の同志諸君はやけに大人しいな。私は断固として抗議するぞ。マトモに取り合うのも馬鹿らしい相手とは思うが
◆rh-kimata
 ゲームや書籍の内容が(出鱈目だとしても)行政が介入するのには反対。もしやるならゲームや書籍とは独立して「正しい弥助を欧米やアフリカに伝える活動」を文科省や外務省がすればいい
◆tnishimu
 公立学校の教科書ならともかく、エンタメのゲームが史実と言ってようが各自が判断する事で役所が介入するような事じゃない。
◆unnmo
 自分に都合の悪い表現(作品)を国に何とかしてもらうって、ド直球な表現の自由の侵害
◆cha16
 表現の内容規制しようとしてるんだから、「表現の自由戦士たち」が率先して、浜田聡を二度と表舞台に出られないように叩いてすり潰すべき案件だぞ。権力によるド真ん中の規制なんだからきちんと戦えよ。

には同感です。

*1:小普請奉行、作事奉行、勘定奉行、北町奉行大目付南町奉行等を歴任

*2:彰考館総裁

*3:大番組、小納戸役、唐物奉行、彰考館総裁等を歴任

*4:自称「郵便学者」。NPO法人日本郵便文化振興機構」代表理事、一般社団法人「全日本郵趣連合」副会長。郵便関係の著書に『切手が語る香港の歴史』(1997年、社会評論社)、『マオの肖像:毛沢東切手で読み解く現代中国』(1999年、雄山閣)、『外国切手に描かれた日本』(2003年、光文社新書)、『切手と戦争』(2004年、新潮新書)、『皇室切手』(2005年、平凡社)、『満洲切手』(2006年、角川選書)、『香港歴史漫郵記』(2007年、大修館書店)、『事情のある国の切手ほど面白い』(2010年、メディアファクトリー新書)、『年賀状の戦後史』(2014年、角川oneテーマ21)、『英国郵便史』(2015年、日本郵趣出版)等、郵便関係以外の著書に『反米の世界史』(2005年、講談社現代新書)、『大統領になりそこなった男たち』(2008年、中公新書ラクレ)、『マリ近現代史』(2013年、彩流社)、『朝鮮戦争』(2014年、えにし書房)、『リオデジャネイロ歴史紀行』(2016年、えにし書房)、『パレスチナ現代史』(2017年、えにし書房)、『日韓基本条約』、『チェ・ゲバラキューバ革命』(以上、2019年、えにし書房)、『日本人に忘れられたガダルカナル島近現代史』(2020年、扶桑社)、『アフガニスタン現代史』(2022年、えにし書房)等(内藤陽介 - Wikipedia参照)

*5:豊臣政権五大老の一人。会津藩主だったが、西軍についたため、関ヶ原合戦後は減封されて米沢藩

*6:浅井長政お市の方夫婦の長女で後に豊臣秀吉の側室となり、豊臣秀頼を生む

*7:浅井長政お市の方夫婦の次女で後に若狭小浜藩初代藩主・京極高次正室

*8:明智光秀の家臣。羽柴秀吉との山崎の戦いで光秀が敗れたことで自害

*9:とはいえ、将来はともかく、現時点でこんな話に同調してる国会議員はNHK党だけのようですが。