珍右翼・三浦小太郎に突っ込む(2024年8月12日分)

【動画あり】協議会シンポジウム報告「中国の覇権主義と領土拡張主義の脅威 今こそ必要『自由で開かれたインド太平洋戦略』 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会(文責・三浦小太郎)

 ぺマ・ギャルポ会長の開会あいさつの後、杉田水脈議員が登壇。

 よりによって自称人権団体が

赤旗「国会議員の資格ない」 杉田議員に辞職を要求/小池書記局長が記者会見2020.9.29
 日本共産党小池晃書記局長は28日、国会内で記者会見し、女性への暴力や性犯罪に関し「女性はいくらでも嘘をつけますから」という自民党杉田水脈衆院議員の暴言に「厳しく抗議し、議員辞職を求める」と表明しました。

杉田水脈議員の在日コリアン投稿 人権侵犯と認定 大阪法務局 | NHK | 衆議院2023.10.19
 自民党杉田水脈衆議院議員が、7年前に自身のブログなどで大阪府在日コリアンの女性3人について「民族衣装のコスプレおばさん」などと投稿したことをめぐり、大阪法務局が人権侵犯と認定したことが分かりました。
 杉田水脈衆議院議員は2016年2月、みずからのブログやSNSに国連の女性差別撤廃委員会に参加したときのことについて「チマチョゴリアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」とか「存在だけで日本国の恥さらし」などと投稿しました。
 これについて会議に参加した大阪府に住む在日コリアンの女性3人が「差別的だ」などとして、ことし2月、大阪法務局に人権救済の申し立てを行いました。

ひぼう中傷に「いいね」 訴訟で杉田水脈議員敗訴確定 | NHK | IT・ネット2024.2.9
 個人をひぼう中傷する内容のツイートに自民党杉田水脈衆議院議員が繰り返し「いいね」を押したことで、名誉を傷つけたかどうかが争われた裁判で、最高裁判所は9日までに、議員側の上告を退ける決定をし、杉田議員に賠償を命じた2審の判決が確定しました。
 訴えを起こしていたのはジャーナリストの伊藤詩織さんで、自身をひぼう中傷するツイートに繰り返し「いいね」を押されてフォロワーに拡散され、名誉を傷つけられたとして、杉田水脈衆議院議員に賠償を求めていました。

という「アイヌ差別者」「在日差別者」「伊藤氏を誹謗中傷」杉田を来賓に呼ぶのだから呆れます。「反中国の自民党議員」なら他に「もっとましな人間」がいくらでもいるでしょうに。
 まあ、「自称人権団体」にすぎず、実態は勿論「ただの反中国極右団体」ですが。ペマもこんな団体の役員をよくもできたもんです。まさに「チベットの面汚し」ですね。というと「日本国内のチベット支援者」は俺のような人間に対して、マジギレするのかもしれませんが、むしろ「こんなペマの行為を批判せず放置していいのか?」と思いますね。

 第二次世界大戦後、一貫して中国政府は覇権主義、侵略を繰り返してきたことだと石平氏は指摘しました。

 確かに中国には「台湾侵攻(1950年代、但し挫折)」「インドやソ連との国境紛争(1960年代)」「ベトナムとの戦争(1970年代)」という「戦争の歴史」はあるものの、近年はそうした戦争は起こしてないし、「中華人民共和国の歴史は侵略の歴史」などというのは言いがかりも甚だしい。むしろ米国(ベトナム戦争イラク戦争など)や旧ソ連(アフガン侵攻など)の方がよほど「侵略の歴史」でしょう。

 中国共産党には、国境という概念も、他国の主権や民族の自決権を認めるという発想もない。

 勿論そんなバカな話はない。中国が「他国(隣国のインド等)の主権」を踏みにじりまくってるという事実はないし「中国国内の少数民族問題」はともかく「ウクライナ戦争」等において例えば「ウクライナの自決権を否定」などはしてないでしょう。
 あるいは最近の「中国によるファタハハマスの和解仲介」は「パレスチナ自治権」を認めるからこそ行われたことでしょう。
 少なくとも建前においては中国は「他国の主権」「民族の自決権」を公然と否定したりはしない。
 というか中国も関わった「平和五原則(インドのネール首相、中国の周恩来首相)」「平和十原則(第1回AA会議)」はまさに「他国の主権」「民族の自決権」を尊重している。
 そして「中国と同一視はできない」にしても「英国のスコットランド北アイルランド問題」「スペインのカタールニャ、バスク問題」等において果たしてどれほど「民族自決権」が中央政府によって尊重されてきたかは疑問符がつくでしょう。

 中華民族という概念は、民族を「サラダボウル」にしてしまうもので、チベットウイグル、モンゴルのすべては「中華民族」に一体化される。万が一日本が中国の支配下に入れば、日本人もまた同じ運命をたどるだろうと警告しました。

 呆れて二の句が継げません。チベットウイグル内モンゴルは「蒋介石中華民国」時代から中国領土扱いされていましたが日本はそうではない。どういう形で「日本が中国の領土になる」というのか(呆)
 あるいは「内モンゴルは自国領とする中国」もさすがに「外モンゴル支配(外モンゴルに軍事侵攻して併合)」なんか考えないわけです。

 習近平は台湾を「解放」という名のもとに侵略しようとしている*1が、それに成功すれば、台湾でもチベットウイグルのような虐殺が行われるだろう。
 中国は長きにわたる反日教育の成果から、日本人を完全に敵とみなしており、仮に日本を征服した場合は、日本人を虐殺することに何のためらいもないだろう。

 「台湾や日本の中国領土化」、「(そうした領土化に反対する人間に対する)台湾や日本での虐殺」など現実問題としてできるわけもない。
 というか、

中国・蘇州市が胡友平さんに称号授与 日本人切り付け阻止で「正義のため勇敢に行動」 - 産経ニュース
 中国江蘇省蘇州市で2日、日本人母子が中国人の男に刃物で切り付けられた事件*2で男を阻止しようとして刺されて死亡したバス案内係の中国人女性、胡友平(こ・ゆうへい)さんの追悼式が開かれた。蘇州市は胡さんに「見義勇為模範(正義のため勇敢に行動した模範)」の称号を授与した。

と言う報道もあるのに何処が「日本人を完全に敵とみなしており」なのか。「日本人を完全に敵とみなしており」なら胡氏が日本人母子を救うことも無ければ、不幸にも死亡した彼女を蘇州市が表彰することも無い。


【9月16日・東京お茶の水】劉燕子氏講演会のお知らせ 不死の亡命者 ― 一党独裁に飼い馴らされぬ野性的な知の群像 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会
 劉暁波*3天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、余傑『劉暁波伝』(2018年、集広舎)等を翻訳した「中国ウオッチャー」らしい劉氏の「中国政府批判」講演には特にコメントしません。
 問題は

ゲスト:三浦小太郎*4(評論家)
ソルジェニーツィン*5パステルナーク*6:国外亡命*7と国内亡命者*8の文学」

の方ですね。
 第一に劉氏の中国批判講演につけるのなら

高行健(2000年ノーベル文学賞受賞)
 1987年、フランスの招聘で、翌1988年からパリに滞在。1989年に天安門事件が起きると、政治亡命し、1992年にフランス大統領より芸術文化勲章を受章、1997年、フランス国籍を取得。
 著書『ある男の聖書』(2001年、集英社)、 『霊山』(2003年、集英社)、『高行健戯曲集』(2003年、晩成書房)、『母』(2005年、集英社)等
莫言(2012年ノーベル文学賞受賞)
 著書『酒国:特捜検事丁鈎児の冒険』(1996年、岩波書店)、『豊乳肥臀』(1999年、平凡社)、『赤い高粱』(2003年、岩波現代文庫)、『四十一炮』 (2006年、中央公論新社)、『転生夢現』(2008年、中央公論新社)、『白檀の刑』(2010年、中公文庫)、『蛙鳴』(2011年、中央公論新社)、『続・赤い高粱』(2013年、岩波現代文庫)、『天堂狂想歌』(2013年、中央公論新社)、『遅咲きの男』(2021年、中央公論新社)等
(上記はウィキペディア参照)

など「中国人文学者についての講演」をゲスト講演とすべきでしょう。
 第二に三浦は「ソ連ロシア文学の専門家」と呼べる人間ではないでしょう。
 いかに三浦が「アジア自由民主連帯協議会(この講演の主催者)」の理事長*9とはいえ、よくも劉氏もこんな無茶苦茶なゲスト講演を認めたもんです。そしてアジア自由民主連帯協議会の人間も三浦に「あなたがそういう講演をしたいなら別の場所でしなさい、公私混同じゃないですか?」等と良くも苦言しないもんです。

*1:中国は「台湾が独立宣言しない限り侵攻しない」と表明しているので実際「台湾が独立宣言しない限り侵攻しない」でしょう。国際公約を反故にすれば、非難が避けられないからです。

*2:現時点では犯行動機は不明であり「日本人だから襲撃されたのかどうか」は分からない。

*3:1955~2017年。2010年、ノーベル平和賞受賞。著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)等

*4:維新政党・新風副代表、「新しい歴史教科書をつくる会」理事、アジア自由民主連帯協議会理事長という右翼活動家。著書『嘘の人権 偽の平和』(2010年、高木書房)、『収容所での覚醒 民主主義の堕落』(2012年、高木書房)、『渡辺京二』(2016年、言視舎)、『なぜ秀吉はバテレンを追放したのか:世界遺産潜伏キリシタン」の真実』(2019年、ハート出版)、『ドストエフスキー戦争論:「作家の日記」を読む』(2019年、萬書房)、『漢民族に支配された中国の本質:なぜ人口侵略・ジェノサイドが起きるのか』(2021年、ハート出版)等

*5:1918~2008年。1970年にノーベル文学賞受賞。1974年にソ連を追放されるが、ソ連崩壊後の1994年にロシアに帰国。著書『イワン・デニーソヴィチの一日』(岩波文庫、角川文庫、新潮文庫)、『ガン病棟』、『収容所群島』、『マトリョーナの家』、『煉獄のなかで』(以上、新潮文庫)等

*6:1890~1960年。1958年にノーベル文学賞受賞。著書『ドクトル・ジバゴ』(新潮文庫)等

*7:ソルジェニーツィンのことでしょう。

*8:パステルナークのことでしょう。

*9:当初は事務局長でしたが昇格したようです。