拉致実行犯 辛光洙直撃取材の記録① - 高世仁のジャーナルな日々
2000年1月9日、朴春仙さん*1とジン・ネット取材班(D*2千田真)が「出会いの家」のベルを鳴らした。辛光洙は朴さんと会うのをいやがったが、同居人が説得して朴さんと二人きりならとの条件で面会がかなった。私たちは隠しカメラ*3で二人の会話を撮影することに成功した。今となっては、辛光洙の肉声が収められた貴重な資料である。
かつてジン・ネットのウェブサイトには二人の会話のテープ起こしの翻訳を資料として掲載していたのだが、(ボーガス注:ジンネットが倒産し、サイトも消滅した)今は見ることができない。辛光洙については今も関心が高く、問い合わせもあるので、本ブログで公開することにした。
というより高世がジンネット倒産後も、未だに「辛光洙取材」を自分にとっての「最大の栄光の一つ(他にも高世にとっての『最大の栄光』として安明進取材などがあるのでしょうが)」だと思い自慢したいだけでしょう。
1)小泉訪朝(2002年9月)から22年が経ち拉致が風化し
2)「北朝鮮に帰国した辛の現在*4」がよく分からず(おそらく朴春仙の現在*5も不明)
3)「辛の話」など拉致解決には「明らかに関係ない」ので
そんな「高い関心」や「高世への問い合わせ」が現在、あるとは思えません。恐らく高世の作り話でしょう。自画自賛のために「作り話までする」高世には「哀れ」「滑稽」「無様」等の思いを禁じ得ません。
拉致実行犯 辛光洙直撃取材の記録② - 高世仁のジャーナルな日々
北朝鮮で暮らす寺越武志さんの動画、妹に届く「やせて疲れた顔を…」 [石川県]:朝日新聞デジタル
1963年に能登半島沖へ漁に出た3人が行方不明となり、北朝鮮に拉致された疑いが指摘されている「寺越事件」で、同国で生存が確認されている寺越武志さん(75)の写真と動画が10月22日、家族の元に届いた。
武志さんに会うため、訪朝を繰り返してきた(ボーガス注:母の)友枝さん*6は今年2月25日に92歳で亡くなった。
(中略)
このケースは100%拉致
というのは高世の勝手な決めつけにすぎません(なお、ここでの「拉致」とは「漂流、遭難した武志氏を事情が何であれ、日本への帰国を許さなかったのは拉致も同然ではないか?」と言う話ではなく、「遭難は虚偽で北朝鮮政府が拉致して北朝鮮に連れてきた」と言う意味です)。
拉致だと決めつける決定的根拠は何もない。
なお、高世が紹介してるのは朝日新聞ですが他にも以下の報道があります。
「北朝鮮で遺骨抱かせる」 寺越さんから動画 金沢の妹決意:北陸中日新聞Web
日本テレビ北朝鮮から金沢の妹に「元気でおれよ」 寺越武志さんの最近の写真など届く(2024年10月31日掲載)|テレ金NEWS NNN
北朝鮮で生活する寺越武志さんの最新の姿 妹への電話では亡くなった母・友枝さんの話題も | 石川県のニュース|MRO北陸放送
寺越武志さんは一生、船が漂流していたところを北朝鮮の船に救助されたという作り話のうえで、最高指導者に感謝しながら生きざるを得ないのである。この人生を読者はどう思うだろうか。
そもそも「作り話」という高世の主張に決定的根拠は何もないのですが、仮に「作り話」だとして高世自身はどう思うのか。
「可哀想」と哀れんでるのか。正直俺は、武志氏の本心がどうであれ、武志氏自身が主張してもいないことを勝手に憶測する行為は彼に対して非常に失礼だと思います。
拉致実行犯 辛光洙直撃取材の記録③ - 高世仁のジャーナルな日々
今から47年前というと1977年ですね(当時は福田赳夫*7内閣)。
【2024.11.12】
横田めぐみさんの母 早紀江さん“生命救うこと第一に 救出を” | NHK | 拉致
横田めぐみさん拉致から47年、首相14人に救出願った早紀江さん「解決できず政治って何なのだろう」 : 読売新聞
横田めぐみさん拉致47年 「言いようないいらだち」 母の早紀江さんが早期進展を切望 - 産経ニュース
【2024.11.13】
早紀江さん「長い間、何も見えない」 横田めぐみさん拉致から47年:朝日新聞デジタル
等、最近も一応の報道はある物の、「拉致の風化」で、世間的には
◆トランプ政権の動向
ウクライナ支援を減らすのか、ガザ問題で露骨にイスラエル支援をするのか、温暖化協定から脱退するのか(第一次トランプ政権では離脱したがバイデン政権時に復帰)等
◆石破政権の動向
国民民主党が要求するトリガー条項や基礎控除引き上げにどう対応するのか等
◆兵庫県知事選
パワハラ斉藤前知事に代わり新知事が選出されるのか
◆ダウンタウン松本の性加害問題
松本はテレビ番組復帰を目指すのか等
の方がよほど報じられてるでしょう。
なお、47年前(1977年)には以下の出来事がありました。
1977年 - Wikipedia、1977年の日本 - Wikipedia参照
◆1月20日
米国でカーター大統領*8就任
◆1月27日
ロッキード事件丸紅ルート初公判。31日には全日空ルート初公判
◆6月13日
全米女子プロゴルフ選手権で樋口久子が優勝、日本人初の世界タイトルを獲得
◆7月13日
津地鎮祭訴訟の最高裁判所大法廷判決
◆9月5日
国民栄誉賞創設。王貞治が第1回目の受賞者
◆9月28日
ダッカ日航機ハイジャック事件。10月1日に福田赳夫首相が「一人の生命は地球より重い」と述べて、「超法規的措置」として日本赤軍が要求した身代金の支払いと収監メンバーの釈放を決定。
釈放されたメンバーのウチ、城崎勉*9、浴田由紀子*10は後に逮捕、起訴され有罪判決が下っているが、奥平純三*11、大道寺あや子*12は現在も逃走中。
福田一*13法相は超法規的措置に反対し、措置実施後、抗議辞任(後任法相は瀬戸山三男*14)
◆10月1日
経営難に陥った安宅産業を伊藤忠商事が吸収合併
◆10月15日
長崎バスジャック事件。犯人1名を射殺、人質は全員無事
◆12月3日
横浜市の飛鳥田一雄*15市長が日本社会党委員長に就任
12日、母親の横田早紀江さんは会見し、政府に苦言を呈した。
「言いようのない、いら立ちと本当によくもこんなに長い間、政治とは何なのだろうという思いと、今までの長い間、本気度がなかなか見えないので」
むしろ「即時一括全員帰国」に固執する横田早紀江やその息子達(横田拓也家族会代表、横田哲也家族会事務局次長)の方に俺は「本気度を感じない」のですが。
俺が早紀江らの立場なら「一部帰国でもいい。制裁解除してもいい」「とにかく拉致を少しでも前に動かしてくれ。このままではマスコミも拉致を報じず、拉致が風化するだけ」と思いますけどね。
石破以外の12人とは「橋本*17」「小渕*18」「森*19」「小泉*20」「安倍*21」「福田康夫*22」「麻生*23」「鳩山*24」「菅直人*25」「野田*26」「菅義偉*27」「岸田*28」でしょうか?(なお、横田めぐみ拉致についての安明進証言が産経新聞、AERA、テレビ朝日「ザ・スクープ(テレ朝報道については高世仁も当時、テレ朝の下請けとして関わった)」で取り上げられ、家族会が結成されたのは1997年で、当時は橋本内閣)
なお、家族会があったのは「13人の首相」でしょうが、拉致発生(1977年)からカウントすれば、歴代首相は「13人」に「福田赳夫」「大平*29」「鈴木*30」「中曽根*31」「竹下*32」「宇野*33」「海部*34」「宮沢*35」「細川*36」「羽田*37」「村山*38」がプラスされます。
そして竹下政権時に橋本敦*39参院議員(共産)のいわゆる「李恩恵*40質問」について北朝鮮拉致の疑いを公式に認めたのが梶山*41国家公安委員長と宇野外相です。
これまでと同じ方針では打開できない。
俺もそう思いますが早紀江ら家族会は「これまでと同じ方針(段階的帰国の否定、バーター取引の否定)」を続けるのでしょう。
拉致被害者で新潟産業大特任教授の蓮池薫さん*42(67)が11日、同市で講演した。蓮池さんは「北朝鮮の主張のうそ*43を暴いて、真実は何かをしっかり押さえることが、ぶれない救出運動につながる」と訴えた。
蓮池氏には
1)「段階的帰国の否定、バーター取引の否定(家族会、救う会の方針)」を批判し、一部帰国、バーター取引を主張して欲しい
2)特定失踪者(日本国内で40人以上が見つかり、全て北朝鮮は無関係。ほとんどが自発的失踪)という、救う会の「明らかな嘘」を批判して欲しい
のですが、完全に「家族会や救う会」の宣伝マンに成り果ててますね(呆)。
蓮池氏の言うぶれない救出運動て、要するに、高世が批判するこれまでと同じ方針のことでしょう。
何も拉致に限りませんが「過去の方針にいつまでも固執すること」は「正しいとは限らない」。
成果が出ないなら「方針を変えた方がいいこと」は一般論としてあり得ます。
問題は「ぶれること(方針を変えること)」それ自体ではなく「まともな検討をせずにぶれること(方針を変えること)」です。これまでと同じ方針では拉致は絶対に解決しないでしょう。
*1:著書『北の闇から来た男:私の愛した男は「北朝鮮の工作員」だった』(2003年、ザ・マサダ)(朴春仙 - Wikipedia参照)
*2:恐らくディレクターの略
*3:勿論「隠しカメラで撮影すること(つまり撮影について、辛の同意を得ていないこと)」について道義的に妥当かどうかと言う疑問は当然あります。
*4:1929年生まれなのでなくなっていてもおかしくない。
*5:1936年生まれなのでなくなっていてもおかしくない。なお、1936年生まれの著名人としてはベルルスコーニ元イタリア首相(1936~2023年)、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(存命)、福田康夫元首相(存命)等がいます。
*6:1931年生まれ。この年生まれの著名人としてはエリツィン元ロシア大統領(1931~2007年)、ゴルバチョフ元ソ連大統領(1931~2022年)、全斗煥元韓国大統領(1931~2021年)、海部俊樹元首相(1931~2022年)、ラウル・カストロ元キューバ首相(フィデル・カストロ元キューバ首相(1926~2016年)の弟。存命)等がいる
*7:1905~1995年。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行管庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経企庁長官等を経て首相
*8:1924年生まれ。ジョージア州知事、大統領を歴任。2002年にノーベル平和賞を受賞
*9:1947~2024年。1971年に横浜銀行強盗事件に、1986年にジャカルタ事件(ジャカルタの米国大使館、日本大使館にロケット弾を発射)に関与。懲役12年の判決を受け、収監中の2024年7月20日、府中刑務所で、夕食時に食べ物をのどに詰まらせ、そのまま窒息死した。享年76歳
*10:1950年生まれ。東アジア反日武装戦線「大地の牙」に参加し、三井物産爆破事件(1974年:負傷者は出たが死亡者は無し)で爆弾を設置する等したとされる。懲役20年の判決で服役し、2017年に刑期満了で出所
*11:1949年生まれ。1974年にハーグ事件(フランス大使館人質事件:逮捕された日本赤軍メンバーの解放と身代金を要求)に、1975年にクアラルンプール事件(米国大使館人質事件:逮捕された日本赤軍メンバーの解放を要求)に参加。日本赤軍幹部でテルアビブ空港乱射事件で死亡した奥平剛士(1945~1972年)は兄
*12:1948年生まれ。「三菱重工ビル爆破事件(死者8名)」で死刑判決を受け、収監中の2017年に病死した大道寺将司(1948~2017年)の妻。夫の大道寺とともに「三菱重工ビル爆破事件」で罪に問われた
*13:1902~1997年。池田内閣通産相、田中、三木内閣自治相・国家公安委員長、福田内閣法相、衆院議長等を歴任
*14:1904~1997年。佐藤内閣建設相、福田内閣法相、中曽根内閣文相等を歴任
*15:1915~1990年。横浜市議、神奈川県議、横浜市長(1963~1978年まで4期)、社会党委員長(1977~1983年)を歴任
*16:1957年生まれ。小泉内閣防衛庁長官、福田内閣防衛相、麻生内閣農水相、自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相等を経て首相
*17:1937~2006年。大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相等を経て首相。首相退任後も森内閣で行革相
*18:1937~2000年。竹下内閣官房長官、自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相等を経て首相
*19:1937年生まれ。中曽根内閣文相、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)等を経て首相
*20:1942年生まれ。宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相等を経て首相
*21:1945~2022年。自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相
*23:1940年生まれ。橋本内閣経企庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~第四次安倍、菅内閣副総理・財務相、自民党副総裁(岸田総裁時代)を経て現在、自民党最高顧問
*24:1947年生まれ。新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房長官、民主党幹事長(前原、小沢代表時代)等を経て首相
*25:1946年生まれ。社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相、首相、立民党最高顧問等を歴任。2024年衆院選挙には出馬せず政界引退
*26:1957年生まれ。鳩山内閣財務副大臣、菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)、立民党最高顧問等を経て、現在、立民党代表
*27:1948年生まれ。第一次安倍内閣総務相、第二~第四次安倍内閣官房長官、首相を経て現在、自民党副総裁
*28:1957年生まれ。第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)等を経て首相
*29:1910~1980年。池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)等を経て首相
*30:1911~2004年。池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(佐藤、田中、大平総裁時代)等を経て首相
*31:1918~2019年。岸内閣科技庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相、自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行管庁長官等を経て首相
*32:1924~2000年。佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)等を経て首相
*33:1922~1998年。田中内閣防衛庁長官、自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科技庁長官、大平内閣行管庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相等を経て首相
*34:1931~2022年。自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相等を経て首相。首相退任後も新進党党首
*35:1919~2007年。池田内閣経企庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経企庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相等を経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相
*36:1938年生まれ。熊本県知事、日本新党代表を経て首相
*37:1935~2017年。中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、新生党党首、細川内閣副総理・外相等を経て首相。首相退任後も新進党副党首、太陽党党首、民政党党首、民主党幹事長(菅、鳩山代表時代)、最高顧問等を歴任
*38:1924年生まれ。社会党国対委員長、委員長、首相、社民党党首を歴任
*40:大韓航空機爆破事件の犯人「金賢姫」の日本語教育係。現在では政府認定拉致被害者「田口八重子氏(飯塚繁雄元家族会代表(故人)の妹、飯塚耕一郎家族会事務局長の母)」と見なされている。
*41:1926~2000年。竹下内閣自治相・国家公安委員長、宇野内閣通産相、海部内閣法相、自民党国対委員長(海部、宮沢総裁時代)、幹事長(宮沢総裁時代)、橋本内閣官房長官等を歴任
*42:著書『蓮池流韓国語入門』(2008年、文春新書)、『半島へ、ふたたび』(2011年、新潮文庫)、『拉致と決断』(2015年、新潮文庫)