今日の産経ニュース(3/24分)(追記・訂正あり)

■NHK会長のハイヤー問題 経営委「再発防止策遂行を」
http://www.sankei.com/entertainments/news/150324/ent1503240014-n1.html
 再発防止策も何も「籾井個人が非常識なだけ」でしょう。籾井が辞めればいい問題だと思いますが。
 籾井は「NHKの外部の人間」だし、こんなのはNHKの体質の問題とはとてもいえないでしょう。


■【ソウルから 倭人の眼】「日本は金ばらまき米国で歴史修正ロビー活動」と喧伝 また韓国の困った“思い込み”
http://www.sankei.com/premium/news/150324/prm1503240002-n1.html
 思い込みではないですね。広報予算が増えてるのは事実だし、産経などが「広報予算で慰安婦問題などでの中国、韓国の誹謗に対抗しろ」と吠えてること、それを安倍政権が黙認してることも事実です。もちろん「増えた広報予算全額がそれ関係」てこともないでしょうが、「かなりの部分がそうではないか」と疑われても仕方がない言動を産経や安倍政権はしてきた。
 であるなら「思い込みだ」と逃げずに「確かにその通りだ、だがそれは正当な歴史広報であり歴史修正主義ではない」とでも言えばいいのに都合が悪くなると「広報予算は色々あるんだ、歴史問題オンリーじゃない」「中韓の被害妄想だ」と逃げてしまうんだからまあいい加減です。内弁慶というか何というか。
 国内では「広報活動で慰安婦などでの誹謗に勝ってみせる」と吠えながら国外で問題視されると、言い訳に走るわけです。


■【産経抄シンガポールそのもの 3月24日
http://www.sankei.com/column/news/150324/clm1503240004-n1.html

 シンガポールでは、小学校から英語に加えて、中国語、マレー語、タミル語のいずれかを選ぶ、2カ国語教育を実施している。
(中略)
 最近は、特に中国語教育に力を入れてきた。世界第2位の経済大国となった中国との関係が、シンガポールの将来を左右すると確信しているからだ。

 阿比留などの異常な反中国極右がいる産経ですが「シンガポールリー・クアンユー氏が親日派とされていること」「シンガポールには華僑*1が多いこと」もあってか「シンガポールは中国に媚びてる」などと言わないのは興味深い。

23日に91歳の大往生を遂げたリー氏は、まさに、長男で現首相のリー・シェンロン氏がテレビで述べたように、「シンガポールそのもの」だった。

何せリー・クアンユー氏は
・「1965年の建国から1990年まで首相」「首相退任後も上級相(1990〜2004年)、内閣顧問(2004〜2011年)を歴任」
・2代首相ゴー・チョクトン氏*2は「クアンユー内閣副首相という子飼い」、3代首相「リー・シェンロン氏*3」は「自分の息子」というわけで死ぬまで一定の政治力を保持したわけです。
 「建国の1965〜現在の2015年」まで約50年間、リー氏の政党が政権を保持し続けたわけで「半分独裁」みたいなもんです。


■アキとカズ・第296回(喜多由浩)
http://www.sankei.com/life/news/150324/lif1503240002-n1.html

“官邸の主”の指示で都心のホテルにひそかに集まったのは連立政権を組む与党の党首・代表、そして、最大野党、友愛党の党首であった。
「お呼び立てして申し訳ありません。『緊急事態』なのです。ぜひとも力をお貸し願いたい」
 それだけいうと、“官邸の主”はおもむろに「あの映像」を映し出させた。
 元外交官の石山が命がけで撮影した、中学1年のときに北朝鮮に拉致されたままの、美しい女性によるメッセージである。
《もう一度、お母さんに会うため…生き抜いてきました。どうか皆さんの力で助けてください…》
「関係機関に精査させた結果、ご本人の可能性が極めて高い、と判断しました。救出のために自衛隊の部隊を出動させたいと思う。そのために、関係法令を急ぎ改正させたい。ご協力願えませんかっ」

 ばかばかしいですね。そもそも「中学1年のときに北朝鮮に拉致された女性(横田めぐみさんの事)」が生きて北朝鮮にいることが確実な証拠で判明したなんて事実自体ないわけですがそれはともかく。
 安倍だってさすがに「自衛隊で救出しよう」なんて思わないでしょうよ。
 何故か、この小説では「めぐみさんの居場所が確実に分かっていて*4」「自衛隊で簡単に助け出せる、作戦失敗による死亡の危険性は低い」「北朝鮮の反撃や中国、ロシアの軍事介入で恐ろしいことになるなんて事はない」という「ご都合主義設定」になってるようですが、そんな都合のいい展開する保障はどこにもないわけです。「そんな危ないことには賛成できない」と「小説内の首相」に「小説内の公明党民主党」が反対するのも当然です。
 仮にまあ、めぐみさんでも誰でもいいですが「帰国した5人以外に生存してる拉致被害者がいる」という確実な証拠が出たらどうするか。これは外交しかないでしょう。
 「確実にいるじゃないか、返してくれ」と。まさかそれに対して「殺害してしまう」ほど北朝鮮も野蛮じゃないでしょう。でまあ北朝鮮の面子の問題もあって、「いるんだから返せ」で話が片付くとも思えないのでそこは「第三国で発見されたことにする」とかいろいろと寝技立ち技でしょうがまあ、そこが日朝両国の外交力の見せ所でしょう。

“官邸の主”の不退転の決意…。だが、問題は簡単ではない。北朝鮮に近い中国やロシアだけでなく、アメリカや韓国まで反対する可能性があった。

 変な所でまともな産経です。確かにおっしゃるとおり自衛隊突撃なんて中露どころか米韓だって賛成しないでしょう。だったら最初から「自衛隊突撃なんて言うな」て話ですが。


■アキとカズ・第297回
http://www.sankei.com/life/news/150325/lif1503250006-n1.html

「リークさせたな。世論を沸騰させるために…」
 拉致被害者の女性の映像メッセージがネットに流出したことを知って外務省幹部の福田は唇を噛んだ。
 自衛隊部隊の派遣を巡っては、連立与党内でさえ意見が割れている。世論も賛成ばかりではない。とりわけ、与野党の秘密会談を新聞にすっぱ抜かれて*5からは「左側」からの巻き返しが激しさを増している。

 変な所でまともな産経です。確かに自衛隊出撃論なんて極右以外は支持しないでしょう。
 「小説内の安倍」だって「自衛隊出撃を考えてるがどうか」と公明党に相談するものの「ちょっとそれは賛成できない」と言われれば強行突破するほどの極右ではありません。
 まあ、そもそも「映像メッセージ」なんてどこにもないのでこんな話をすること自体馬鹿げていますが仮に映像メッセージが出たとしても自衛隊出撃論が沸騰することはさすがにないんじゃないか。

これまで拉致問題にさほど関心を示さなかった世界が「怒りの声」を上げ始めたのである。
北朝鮮の人権抑圧問題を許すな!》
《中露は拒否権を行使すべきでない》
 ニューヨークの国連本部の前は、世界各国の人権団体などが掲げる抗議のプラカードで埋まった。

これはないでしょうね。世界は拉致問題に関心などあまりないでしょう。産経はそうあって欲しいのでしょうが。

「王朝」そのものの退場を迫ることまで視野に入れているのだ−−。
「そうすることでしか日本人全員を取り戻すことはできない…。韓国国民も思いは同じじゃないか」

 何故か産経らウヨは「拉致問題の解決のためには北朝鮮民主化北朝鮮金正恩政権転覆)が必要」と考えてるようで理解に苦しみます。

*1:リー氏も華僑ですが

*2:首相(1990〜2004年)、上級相(2004〜2011年)を歴任

*3:ゴー内閣副首相を経て首相(2011年〜)

*4:実際にはそんなことないわけです

*5:右側(例:産経)がすっぱ抜いたのか、左側(例:赤旗)がすっぱ抜いたのかはこの小説内の記述では分かりませんが。少なくとも「官邸の主が自らリークした」わけではなさそうです。