今日の産経ニュース(5/3分)(追記・訂正あり)

■【日曜経済講座】日本再浮上いまだ成らず 米中の借金主導型経済に頼るな 編集委員・田村秀男
http://www.sankei.com/premium/news/150503/prm1505030034-n1.html
 「輸出に過度に頼りすぎるな、国内需要も大事だ」「米中の景気が沈んだら、公共事業などで一定のてこ入れが可能な国内需要と違って日本に打つ手はない」と言う意味では「米中に頼るな(田村)」は正論でしょうが、もし「米中向け輸出はどーでもいい」と言う意味ならそれは間違っているでしょう。

 「成長著しい中国との関係を強化せよ」「AIIBに参加せよ」との声を、特に経済を重視する経済産業省やビジネス界、さらに与党内部の長老*1たち、朝日新聞日経新聞などメディアが挙げている。

 「AIIB参加論」についてウヨは「中国の手先」「左翼」だのレッテルを貼りたがりますが皮肉にも田村が書いてるように「政財官界(自民党経済産業省日本経団連日経新聞など)」からそう言う意見が出てるんだから「中国の手先」「左翼」なんて話じゃなくて純粋に「ビジネスの話」のわけです。そもそも英独仏伊が参加表明した組織に「日本も参加した方がいいんじゃないかと思う」といっただけで「中国の手先」「左翼」と悪口雑言されてはたまったもんじゃないですが。

 日銀の金融量的緩和と円安に偏重したアベノミクスは冒頭で述べたように、日本の衰退を国際的に印象づける結果しかもたらさないだろう。

 基本的に田村は「アベノミクスの金融緩和と円安誘導をほとんど評価しない共産党などと違い」、「アベノミクスの金融緩和と円安誘導」を一応、景気対策として評価しますがそれはあくまでも「過渡的措置」としての評価です。
 「金融緩和と円安誘導さえすれば御の字」とは思ってない(だからたとえば消費税増税反対論をぶつわけです)。
 従って「今のアベノミクスは過渡的措置でしかない金融緩和と円安誘導に偏重しすぎている」「本格的経済対策を打つべきだ」と言う形でアベノミクス批判が行われるわけです。
1)「アベノミクス全肯定ではない」と言う意味では田村は「アベノミクス全肯定の安倍ブレーン連中とは違う」
2)「アベノミクス全否定ではない」が「現状のアベノミクスにかなり批判的である」と言う意味では田村には「アベノミクス否定派と共通点がある」
ということに注意が必要でしょう。まあ主張の是非はともかく「安倍万歳しかやらない阿比留」なんぞに比べれば「一定の安倍批判をする」田村の方がずっとマシだとは思います。


■【憲法記念日舞の海氏が新説「日本人力士の“甘さ”は前文に起因する」「反省しすぎて土俵際…」
http://www.sankei.com/politics/news/150503/plt1505030021-n1.html
 もちろん「日本力士の弱さは憲法のせい」なんて本気の訳もない。さすがに冗談でしょうが、こんな馬鹿げた放言を面白いと思ってるんですかね。「戦後も大鵬柏戸千代の富士など強い日本人力士もいましたけど?」「じゃあモンゴル力士が強いのはモンゴル憲法のおかげですか?」「こういう与太話を内輪の宴会で冗談としてオフレコ発言するならともかく、改憲集会という公式な場で堂々とやることがまともな行為だと思ってるんですか?」「憲法に対しても力士(日本人力士にも外国人力士にも)に対しても失礼じゃないですか?*2」と言いたくなります。
 しかしこれを「面白い」と喜ぶウヨ連中(この与太話を記事にした産経を含む)もどうしようもなければ「タニマチ(この場合、彼を集会に呼んだウヨ連中)が喜べばいい、非常識発言でも問題ない」が行動原理らしい舞の海もどうしようもないですね。

*1:田村が誰を想定してるのかはよく分かりません

*2:はてなブックマークでも指摘がありますがむしろこの種の冗談に対して「力士に失礼じゃないですか!」と怒る立場が舞の海でしょうに。