今日の産経ニュース(10/10分)(追記・訂正あり)

奈良県が後援承認せず 拉致被害者救出イベント 「テーマが過激。県の趣旨にそぐわない」
http://www.sankei.com/west/news/151010/wst1510100048-n1.html
 勿論、奈良県は保守県政です。今の荒井県知事は「元海上保安庁長官(元運輸官僚)」「退官後、県知事に就任する前に、自民党公認で1期、参院議員(奈良選挙区)をつとめた」と言う人物ですから、荒井氏が北朝鮮に好意的なわけがない(ウィキペ「荒井正吾」参照)。
 それでこれですから、「どれほど巣くう会が極右か」ということでしょう。それとも「救う会から距離を置き始めた」安倍政権から「救う会集会の後援は今後自粛して欲しい」と圧力でもあったのか。
 奈良って誰が自民党議員だっけと思ってネットで調べてみたら

自民党奈良県連顧問:高市早苗*1衆院議員

だそうです。つうことは「高市の圧力」と言う可能性もゼロではないのでしょうかね?
 それにしても「巣くう会全盛期」ならこういう後援拒否があり得たか疑問ですし、あったとしてもっと騒がれてるでしょう。
 拉致は本当に風化した、そう思います。もちろん俺は「家族会の自業自得」と思ってるので横田夫妻ら家族会関係者にかけらも同情しませんが。


■【月刊正論】又吉直樹よ、知っているか? 太宰治愛国者だったことを(岩田温)
http://www.sankei.com/life/news/151010/lif1510100030-n1.html

 興味深く感じたのは、又吉直樹太宰治に多大なる影響を受けているという事実だった。

 正確には「太宰『人間失格』に影響を受けた」そうですが。で普通の人間なら「なるほどね」で終わる話が終わらないのがさすが産経です。もちろん褒めてません。

 福田(ボーガス注:恆存)によれば、太宰治芥川龍之介の生涯を逆に生きてきた。芥川は「生」から「死」へと向かったが、太宰は「死」から「生」へと向かっているというのだ。

 別に芥川作品や芥川の人生が「生から死へ向かってる」とも思いませんけどね。

「日本に於いて今さら昨日の軍閥官僚を攻撃したって、それはもう自由思想ではない。便乗思想である。真の自由思想家なら、いまこそ何を置いても叫ばなければならぬ事がある。」
「な、なんですか? 何を叫んだらいいのです。」
「わかっているじゃないか。(中略)天皇陛下万歳この叫びだ。(中略)わしがいま病気で無かったらなあ、いまこそ二重橋の前に立って、天皇陛下万歳を叫びたい。」

 太宰の小説『パンドラの匣』で登場人物が語る言葉だそうです。
 あくまでも「太宰本人のエッセイ」ではなく「小説の登場人物の言葉」である以上、「太宰本人の天皇認識」と見なすことが適切かどうかは非常に疑問でしょう。太宰が他作品においてもこうした右翼的文章を量産してるか、とか、太宰が三島のような右翼的言動を積極的にしたかといったらそんなことないでしょうから。
 しかし「太宰は天皇陛下を愛する愛国者だったのだ!」と言い出す岩田です。
 さらに岩田は「多くの太宰ファンは又吉も含めて『パンドラの匣*2』に示された太宰の愛国思想に気付いてないようだ」と言い出すんだから苦笑してしまいますね。別に太宰の何を評価するかなんか人ぞれぞれのわけです。
 例えば宮沢賢治ファンは、彼が傾倒した「エスペラント語国柱会」に賛同しないといけないわけでもないでしょう。
 三島由紀夫ファンは三島のウヨ運動まで支持しないといけないわけでもないでしょう。
 井上ひさしファンも「九条の会」などの井上の左派的な言動まで支持しないといけないわけでもないでしょう。
 まあ、他にも色々と例は挙げられるでしょうが。


ユネスコ拠出金見直しへ 「断固たる措置取る」日本政府
http://www.sankei.com/politics/news/151010/plt1510100015-n1.html

 中国が申請していた「南京大虐殺文書」が記憶遺産への登録が決まったことに対し、日本政府筋は「断固たる措置を取る」と述べ、ユネスコの分担金拠出などの一時凍結を検討する構えを見せている。
 平成26(2014)年度のユネスコ予算の日本の分担率は米国の22%に次ぐ10・83%で、金額は約37億1800万円。米国が支払いを停止しているため、事実上のトップだ。

・まあ、稲田政調会長や萩生田官房副長官といった極右連中辺りの放言で実際にはしないでしょうが愚かきわまりない暴言です。「日本の国際的イメージ」「日中関係」を良くする気は何一つないんでしょうか。そこまでして日本会議神社本庁といったウヨ団体に媚びるか?
・しかし「米国がやってるからウチもやってみようか」てそう言う無法をやるからこそ、米国は批判を浴びるのですが。
・しかし「オバマになってから」、キューバとの国交回復など、やってるのでてっきり「支払い拒否は過去のこと」と思ってましたがまだやってるようです。一体いつになったら米国はこういうあほな無法をやめるんですかね。
・そして米国がこういう事をやっても「ユネスコが米国より」ということもないのだから、意味がないでしょう(まあ、何度も言うようにさすがに日本政府はやらないでしょうが)。
 かつこの理屈なら「ユネスコ以外の国連機関の分担金」も「国連人権委員会慰安婦問題で日本批判したことが気にくわない」「国連総会がクマラスワミ報告を未だに撤回しないのが(以下略)」などといって拒否していい話になります。いや冗談でなく今の産経や自民党極右議員だとそこまで言いかねません。
 

*1:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、自民党政務調査会長(第二次安倍総裁時代)を経て、現在、第三次安倍内閣総務相

*2:まあ、太宰作品としては有名じゃないですからね。