今日の産経ニュース(7/1分)(追記・訂正あり)

■【三重「正論」懇話会】石平氏*1「中国はAIIBで華夷秩序路線に回帰」 危機感持たない日本こそ危機的と指摘
http://www.sankei.com/west/news/160701/wst1607010072-n1.html
 やれやれですね。
 「AIIBには英仏独伊が加盟していますがこれらの欧州諸国は経済先進国なのに華夷秩序(中国が上の立場)とやらを認めているんですか?」「世界銀行アジア開発銀行欧州復興開発銀行がAIIBと協調融資をするそうですがこれらの銀行は(以下略)」という話です。
 そもそも「華夷秩序って何ですか?」て話でもありますが。古代中世レベルの「華夷秩序」復活なんかありえないし、単に「アメリカ一極体制」的な意味でそういってるのなら「中国一極体制とでも呼べばいい。わざわざ華夷秩序と呼ばなくてもいいだろ」て話です。


■【政界徒然草】中国政府が繰り広げるウイグル人弾圧の実態は想像を絶するものだった…世界ウイグル会議・カーディル議長の訴えを聞いて
http://www.sankei.com/premium/news/160701/prm1607010004-n1.html

 カーディル議長は、「第二次世界大戦時の殺傷事件は話題になる*2が、いま起きている数々の虐殺*3に対して国際社会が黙っているのには、とても驚いている」と言葉に力を込めた。

どう見ても「第二次世界大戦時の殺傷事件(例:南京事件)」を矮小化したがる日本ウヨへの媚びへつらいです。道徳的是非以前にカーディルには政治センスがなさ過ぎです。

現実は世論の盛り上がりに欠け、首相周辺からも「(日本政府が動くためには)きっかけが必要。いきなり動き出しても『なんだ』となってしまう」との声が漏れる。

 「カーディルやその支持者がそんな事を言ったってウイグル問題なんか票にも支持率にも貢献しないので中国の反感買ってまで動くメリットがないから動けないよ(安倍周辺)」とはまあ正直ではありますが「何だかなあ」です。そしていつものように安倍批判はしない産経です。


■【東京都知事選】自民、桜井俊前総務事務次官の擁立を断念 小池百合子*4元防衛相を軸に調整
http://www.sankei.com/politics/news/160701/plt1607010017-n1.html

http://www.sankei.com/politics/news/160629/plt1606290051-n1.html
韓国人学校への都有地提供「白紙にすべきだ」

 などと放言する小池のような非常識極右が候補かも知れないとはうんざりですね。桜井氏の方が恐らく少しはマシでしょう。それはともかく野党側の早急な統一候補擁立が求められます。「共産党が候補擁立を自重してる」のに「早急に候補を提案できない」民進党の無能さは批判されてしかるべきでしょう。


■【主張】比新大統領 南シナ海での役割大きい
http://www.sankei.com/column/news/160701/clm1607010001-n1.html

 中国は、フィリピンに対して提訴の取り下げを申し入れてきた。ドゥテルテ*5政権がこれを受け入れてしまっては、国際包囲網の努力も水泡に帰す。

 フィリピンにとって大事なことは自国の国益であって産経の言う「包囲網」とやらではないでしょう。

仲裁裁判所の判断は中国に不利な内容となることが予想され、中国外務省は改めて「仲裁裁判所は審理、裁決を行うべきではない」と牽制(けんせい)し、「中国はいかなる解決方法を押しつけられても受け入れない」との立場を繰り返した。

という中国の態度の是非はともかく「中国が受け入れないと言ってるのに仲裁裁定を得て意味があるのか」つう判断は当然あり得ます。
 実際には

7月12日には、この問題をめぐり、国連海洋法条約に基づく常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の裁定が下される。

ということで「取り下げまで後わずかな日時しかない」ので「中国が魅力的提案を行わない限り」ドゥテルテ新政権が取り下げに動く可能性は低いでしょうが。
 まあ、7月12日の裁定を得た上で「どう動くか」という話でしょう。裁定が仮に中国に不利なものだとしてもそれでドゥテルテ政権が産経が希望するような全面対決路線を選ぶとは限りません。
 それはともかくそもそも「フィリピンが提訴を取り下げるだけ」で崩壊する包囲網とは包囲網といえるんでしょうか?
 いやそれ以前に「何のための包囲網」なのかという問題もありますが。

対中強硬派だったアキノ氏が去り、外交経験のないドゥテルテ氏が政権についた。中国にすれば、対中アプローチを反転させる好機と映るのだろう。

明らかに「前任者以上のアンチ中国であることが明白」なケースでもない限りそう言うアプローチはするでしょう。当たり前の話です。

*1:『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『【中国版】サブプライム・ローンの恐怖』(2011年、幻冬舎新書)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『中国はもう終わっている』(共著、2013年、徳間書店)、『中国を捨てよ』(共著、2014年、イースト新書)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家・中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『日本に敗れ世界から排除される中国』(共著、2014年、徳間書店)、『自壊する中国・反撃する日本』(共著、2014年、ビジネス社)、『中国「歴史認識」の正体:繰り返される歴史改ざんの大罪』(2015年、宝島社)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす:日中関係プロパガンダ』(共著、2015年、産経新聞出版)、『私たちの予測した通り、いよいよ自壊する中国!』(共著、2015年、ワック文庫)、『これから始まる中国の本当の悪夢:習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱』(共著、2015年、徳間書店)、『最後は孤立して自壊する中国:2017年習近平の中国』(共著、2016年、ワック文庫)、『日本・インドの戦略包囲網で憤死する中国』(共著、2016年、徳間書店)など反中国ウヨ著書多数

*2:南京事件否定論ホロコースト否定論に対する批判、米国の原爆投下に対する批判以外にそんなに話題になっているとも思えませんが。

*3:イスラエルパレスチナ虐殺ですね、わかります。「ウイグル?」。何ですか?、それは(棒読み。)

*4:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を歴任

*5:ダバオ市長、下院議員を経て大統領