今日の産経ニュース(10/24分)(追記あり)

■【正論】「東京宣言」を無視する詭弁 四島の帰属が未解決と認めながら否定する露こそ歴史修正主義だ 新潟県立大学教授・袴田茂樹*1
http://www.sankei.com/column/news/161024/clm1610240006-n1.html

 安倍首相は8項目の協力提案をしたが、9月1日に大統領は、「大型の経済協力と引き換えに領土の取引はしない」とも断言している。彼が9月におけるウラジオストクでの安倍提案で評価しているのは経済協力だけで、「平和条約問題を共に勇気をもって解決しよう」との呼びかけは軽くあしらった。
 私が(中略)プーチン大統領の強硬姿勢を述べたのは、首脳会談に甘い期待と幻想を抱いて日本側が一方的にのめりこまないためである。

 まあご指摘の通りでプーチンの表向きの発言を見る限り、彼は「島を返す」なんて一言も言っていません。


■【宇都宮公園爆発】不遇の責任、社会に転嫁か「新幹線放火事件と共通」専門家指摘
http://www.sankei.com/affairs/news/161024/afr1610240009-n1.html
 診察したわけでもない人間についてマスコミ報道だけを根拠に「精神科医」「心理学者」といった専門家(?)の肩書きであれこれ言うのはおよそ知的に誠実な行為ではないでしょう。
 しかも言ってることは「社会に対して深い恨みがある」など小生ですら思いつくレベルです。


■【慰安婦問題】菅義偉官房長官「極めて残念」上海での慰安婦像の除幕式に不快感
http://www.sankei.com/politics/news/161024/plt1610240026-n1.html
 もちろん「極めて残念」なのはこうした発言で戦争への無反省さを露呈させる菅の方です。この銅像が残念なら米国要人が「原爆ドーム世界遺産登録は残念」、ロシア要人が「シベリア抑留資料世界遺産登録は残念」ということも何ら問題ではないでしょう。まあ、仮にそう言うコトを相手が言えば、自分を棚上げして怒り出すのが菅や産経なのでしょうが。


■産経『「ドラえもんスネ夫役、「おそ松」のイヤミ役…有名声優の肝付兼太さん死去 80歳』
http://www.sankei.com/entertainments/news/161024/ent1610240010-n1.html
■朝日『肝付兼太さん、ドラえもんHP(http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/)が追悼』
http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2080424.html
 やはり「肝付さんのスネ夫で育った人間」としては大変ショックですね。「肺炎」と言う辺りが「防ぐことはできなかったのか」という残念さを感じます。

【追記】
コメ欄で「肝付さんは洋画の吹き替えは少なかった」と言う指摘がありますが、ウィキペディア肝付兼太」を見てみたら、あるインタビュー記事のリンクが張ってあってそこには確かに

http://www.style.fm/as/13_special/mini_050718.shtml
インタビュアー
 声のお仕事の中では、アニメが多かったんですか。
肝付
 もう圧倒的にアニメーションですね。
インタビュアー
 洋画とかはそんなには。
肝付
 洋画も一時期はやっていました。ジェリー・ルイスという役者がいましたよね。その吹き替えは何本かやってます。それから外国マンガでは、ドナルド(ボーガス注:ダック)をやっています。
 初代が坊屋三郎さん、2代目が藤岡琢也さん。3代目が僕なんです*2
 で、(ボーガス注:ドナルドダックは)今は山寺(宏一)君がやっている。彼のドナルドはね、原音より上手いくらいですよ。昔は海外のマンガも多かったですよ。ハンナ&バーベラのマンガ*3とか、ウォルト・ディズニーのマンガなんかは、結構やりましたよね。当時はアニメなんてそれくらいしかなかったですから。振り返ってみると、やっぱり洋画よりもアニメーションの方が圧倒的に多かったですね。で、やっていても、アニメーションの方が、面白いんですよね。画が芝居をしてくれているというのはあるんですが、声については自分で作っていく楽しさがあるでしょ。洋画の吹き替えの場合には、(ボーガス注:外国人俳優の声があるので?)想像する部分というか、創作する部分が少ないというか。でも、洋画を多くやってる人の中には、マンガは苦手だっていう人もいますけどね。

http://seigura.com/senior/road/20131119_125/2.html
 僕はアニメに出演するようになってから、外画*4の吹き替えはあまりやらなくなってしまいました。外画って、スクリーンで演じている役者さんの演技から大きく外すわけにはいかないので、なぞり演技のようになってしまう部分があるんです。でもアニメはその点、自由度が大きい。自分で作っていける部分が大きいというのが魅力ですね。

と書いてありますね。


■【衆院ダブル補選】東京10区は若狭氏、福岡6区は鳩山氏次男が当選
http://www.sankei.com/politics/news/161024/plt1610240004-n1.html
 東京10区は「10区選出国会議員だった小池*5都知事選出馬による選挙で、若狭は小池人気を当て込んでの比例選出衆院議員*6からの鞍替え」、福岡6区は「鳩山邦夫*7の急死による選挙で、次男は福岡県大川市*8から国会議員選挙に出馬」ということを考えれば一応「あり得る選挙結果」として予想できた結果ではありますが「アンチ安倍、アンチ小池」としてはやはり残念ですね。なお、政治素人であり特に選挙結果を分析する能力もないのでこれ以上何か言うことは控えておきます。

【追記】

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-10-25
■五十嵐仁の転成仁語『負けるべくして負けた東京10区と福岡6区の衆院補選』
 残念だった、という気も起きないほどの敗北です。力を尽くして負けたのならともかく、指導部の迷走によって敗色濃厚な消耗戦を強いられた挙句の敗北だったのですから。
 「(ボーガス注:最大の)戦犯」ははっきりしています。連合の神津会長とそれに引きずられて迷走を繰り返した野田*9民進党幹事長です。
 選挙戦の最終盤、東京10区で連合が派遣していた選対幹部を引き上げたと聞いて、「本当なのか?」とわが耳を疑いました。「これから最後の決戦」というときに、その先頭に立つべき幹部がこぞって引き上げたというのですから。
 こんなことをしていて、勝てるわけがありません。先陣をかけている候補者、全力で選挙活動に加わっている支持者、協力してもらっている他の野党などに対して、完全な裏切りです。
 この「敵前逃亡」に対しては、今後、民進党内できちんと責任が追及されるべきです。
(中略)
 まさに、負けるべくして負けた補選だったというべきでしょう。その責任は幹事長にあり、その背後で足を引っ張っていた神津連合会長の暗躍にあります。

 全く同感ですね。まあ五十嵐氏は政治スタンス的には社民、共産に近く、野田や連合にはそもそも批判的な方です。
 また、「野田や連合がやる気のない態度でなければ勝てた」とも言えない。ただ五十嵐氏が言うように連合や野田のやる気のなさは批判されて当然でしょう。


共産党大阪府議・市議らが政務活動費で「しんぶん赤旗」購入 高裁判決は「支出認められない」
http://www.sankei.com/politics/news/161024/plt1610240010-n1.html
 政党機関誌の購読それ自体は一般論で言って「政治情報の収集として、政務活動費で支出して問題ない」が、「自党の機関誌」の場合は「自党の収入になる」ので不適切ではないかという話のようです。
 まあこの辺り意見は分かれるようです。「まるきりの私的流用」とは性格も違うので特にコメントはしません。


■【野口裕之の軍事情勢】「南シナ海の2000年間支配」に「抗日戦勝利」 虚言国家・中国が自滅を避けられぬワケ
http://www.sankei.com/premium/news/161024/prm1610240002-n1.html
 「抗日戦争勝利」虚言つうのは産経のいつもおなじみの主張「日本は米国に負けたんであって中国に負けてない*10」「仮に中国に負けたとして負けたのは国民党相手であって共産党じゃない*11」です。そう言う事言って「日本はあの戦争を反省してないのか」と中国共産党政権(場合によってはそれプラス中国国民党や在外華僑)の反感買う以外に何か意味あるんですかね。

 アヘン戦争開戦に反対した英国の政治家ウィリアム・グラッドストン*12(1809〜98年)の議会演説を思い出した。清国側に正義があったか否かは議論が分かれるが、支那人*13の本質を見事に看破している。いわく−。
 「なるほど支那人には愚かしい大言壮語と高慢の習癖があり、それも度を越すほど。でも、正義は異教徒にして半文明な野蛮人たる支那人側にある」

 清朝時代のグラッドストンの演説なんか今の中国評価に使えると本気で思ってるならただのバカです。

 腐敗した国民党は人民の支持を喪失した。地主はもちろん、ささやかな自作農の金品も強奪、最後は残酷なやり方で処刑し、支配者が誰かを示す《一村一殺》*14を行い、天文学的数字の犠牲者を積み上げた共産党系軍の方がまだしも、貧者の支持を得たらしい。腐敗と残忍性は、時代やイデオロギーに関係なく「中華文明」の一大特性だが、敗色濃くなるや軍紀を無視し逃走する、弱兵*15の存在も「文明」の一端に加えねばならない。

 どう見ても産経は「中国共産党を敵視してる」というよりは『国民党や共産党といったイデオロギーに関係なく』中国人を敵視し差別しています。なにせ「腐敗と残忍性は、時代やイデオロギーに関係なく「中華文明」の一大特性」だそうですから。産経の「イデオロギーに関係ない」中国人敵視の理由がよく分かりませんが「中国の反日は共産イデオロギーに関係ない民族性による物」と言う産経理解によるものでしょうか。なお、「腐敗と残忍性」なんて古今東西どの民族にもあるでしょう(例:ナチスドイツのユダヤ人虐殺、カンボジアポルポト虐殺、日本の731細菌戦部隊など)。
 「当たり前の話ですが」別に「ナチスドイツやポルポト731部隊を理由」に「残忍性はドイツ人やカンボジア人、日本人の一大特性」とは言わないわけです。

 日本は軍事・経済力共に東洋一で、中国は速戦速勝できない。だが、日本は国土が小さく、人口も少なく、資源も乏しい。寡兵をもって、広大な中国で、多数の兵力に挑んでいる。一部の大都市/幹線道路などを占領しうるに過ぎず、長期戦には耐えられない。敵後方で『遊撃戦』を展開し、内部崩壊を促せば、中国は最後に勝利する。

 毛沢東の持久戦論の一節だそうです。
 正面から激突して勝てない相手でもゲリラ戦なら勝てるのではないか、つうのはある意味「当たり前の話」であり、多くのゲリラ軍がやってることです(産経が大好きらしいダライ一味のチベットゲリラ*16を含む)。
 ところが産経に係ると「ゲリラ戦じゃなきゃ勝てないのか、しょぼい戦力だ」「そもそも米国が連合艦隊を撃破したり原爆投下したりしたから日本は負けたんであって(以下略)」と言い出すから「やれやれ」です。「だーかーら、そう言う事言って向こうの反発を買う以外に何か意味あるの?」「そう言うコト言うと日中間の諸問題、たとえば尖閣問題が解決するの?」です。


■【「新報道2001」抄録】自民・小野寺五典*17政調会長代理 「南シナ海がいかに重要か、ドゥテルテ大統領に安倍首相がしっかり伝える」
http://www.sankei.com/politics/news/161024/plt1610240009-n1.html
 つまりは「中国に接近するな」つうことでしょうがそんなことはドゥテルテ訪中前から「彼の中国接近を恐れて」米国が彼に言っていたわけです。
 しかし彼がそれを無視したのは
1)中国とむたみやたらに対決したって俺達フィリピンにメリットねえし。中国から経済支援引き出せるのならその方がいいよ
2)大体、米国は「中国と妥協するな、俺がケツはもつ」つうけど、本当に持ってくれるのかよ?。ニクソン訪中みたいな掌返しカマされたら困るのは俺達フィリピンなんだぜ。「台湾の面子が丸つぶれになった」ニクソン訪中が典型だけど米国ってその種の掌返し躊躇しないだろ。
3)俺がこうやって中国に接近*18しても「中国やフィリピンに報復措置をとる」なんて米国にはできないだろ?。シリアではロシアのアサド支持を止められず、日本では(安倍の靖国参拝はさすがに止めた物の)真榊奉納を止められないような米国なんかぶっちゃけ怖くねえだろ。「絶対に認められないようなこと」をすれば話は別だけど「この程度なら」『ロシアのアサド支持は仕方がないか、イランも支持してるし。無理にアサド打倒にこだわってISを利してもまずい』『最悪の事態・靖国参拝に比べれば真榊奉納ぐらいいいか』のように容認するだろ
と思ってるんでしょう。
 まあ、そうなった理由としては「中国はフィリピンに金を出すが米国は出してくれない」て要素が大きいんでしょう。「金は出さないが人道問題で口を出す米国」より「口を出さないで金を出す中国」の方がありがたいってコトでしょう。
 まあ、小野寺も本気で「日本が中国接近を止められる」とは思ってないでしょうが。


■【台湾・脱原発】行政院の計画説明にBBC記者が切り込んだ! 「なぜそんなに楽観的なのか?」 エネルギー自給率1% 電力不安も
http://www.sankei.com/world/news/161023/wor1610230032-n1.html
 脱原発を野党時代から主張してきた蔡英文総統がついに「脱原発主張の具体化に着手した」つう話です。蔡を「反中国の闘士」と持ち上げる産経もこの件では蔡を批判するわけです。

*1:著書『プーチンのロシア:法独裁への道』(2000年、NTT出版)、『現代ロシアを読み解く』(2002年、ちくま新書)、『現代ロシアを見る眼:「プーチンの十年」の衝撃』(共著、2010年、NHKブックス)など

*2:坊屋、藤岡は声優と言うより「声優をやった俳優」ですが当時は声優専業なんて時代じゃないわけです。なお、「声優をやった時点で既に売れていた坊屋氏」はともかく、「売れていなかった藤岡氏」はその後、テレビドラマの仕事が来なければおそらく「肝付氏のように声優専業」となっていたでしょう。

*3:トムとジェリー」のこと。肝付氏はトムを演じた

*4:外国映画のこと。ただし一般には洋画というと思います

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)などを経て都知事

*6:つまり議員として一定の政治基盤があると言う事です。

*7:宮沢内閣文相、羽田内閣労働相、第一次安倍、福田内閣法相、麻生内閣総務相を歴任

*8:つまり市長として一定の政治基盤があると言う事です。

*9:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相を経て首相

*10:米国相手に戦争を始めた理由の一つは『米国の中国蒋介石支援を辞めさせる』つうもんですから、こういう物言いは詭弁でしょう。

*11:もちろん当時の政権は国民党政権ですし、戦闘の主力は確かに国民党でしょうが、共産党も日本軍と戦っている以上「共産党の勝利」と言うことに問題はないでしょう(まあ中国共産党は「中国共産党の勝利」というだけでなく「中国民族の勝利」とも言っていますが)。なお、■人民日報『共産党と国民党の元抗日兵士が初めて共に観閲を受ける』(http://j.people.com.cn/n/2015/0831/c94474-8943797.html)でわかるように「敵対状態だった蒋介石台湾時代」とは違い、中台経済交流の進展もあって、今は中国共産党も抗日戦争勝利での国民党の功績をそれなりに認めています(少なくとも「全て共産党の功績」とはいってない)。

*12:陸軍相、蔵相などを経て首相

*13:今時「シナ人」とは正気を疑います。

*14:1)こういう事実が本当にあるのか、2)こういう言葉が歴史用語としてあるのか、産経の造語かは「小生も中国素人の上に産経がろくに説明もしない」ので不明です。

*15:文脈から見て国民党軍兵士のことでしょう。

*16:ただし結局勝てず、「米中国交正常化」でCIAの支援が打ち切られてからはゲリラ戦を辞めて今では「平和主義者面」してるのがダライ一味ですが。

*17:小泉内閣外務大臣政務官、第一次安倍、福田内閣外務副大臣、第二次安倍内閣防衛相を歴任

*18:後で簡単に触れますが、もちろんドゥテルテなりに「米国が許容する範囲」を見極めてるでしょうが。