今日の産経ニュースほか(2019年5月20日分)

天皇陛下への「内奏」 野党が写真公表批判 「天皇の政治利用だ」 - 毎日新聞

 国民民主党玉木雄一郎代表は15日の記者会見で「民主党政権でも内奏の中身について極めて慎重に、外に出さない対応をしてきた。首相官邸の指示だったのかどうか、経緯と事実を明らかにしないといけない」と述べ、政府に説明を求める考えを示した。共産党穀田恵二国対委員長も「天皇が代わられた段階で、このように示すやり方は政治利用ではないか」と指摘した。

 もちろん批判自体は正論ですが、問題は玉木が民主党政権時代において「首相(鳩山、菅、野田?)の内奏」自体はあったと認めてることです。もちろんこうした安倍の写真公開が政治的に問題であることでは確かですが、一方で「国家元首でなくなった天皇」に戦後は内奏する必要性はどこにもないこと、内奏それ自体が「天皇の政治的中立性に反する疑いがあること」も確かです。内奏などやめるべきでしょう。


「前の天皇陛下はいつも座ったまま」 宮内庁、毎日報道の首相発言を否定 「上皇さまの尊厳傷つけ、極めて非礼」 - 産経ニュース

 宮内庁の西村泰彦*1次長は20日の定例記者会見で、今月14日に安倍晋三首相が天皇陛下に行った「内奏(ないそう)」について、毎日新聞が16日付朝刊で報じた「前の天皇陛下はいつも座ったままだったが、今の陛下は部屋のドアまで送ってくださって大変恐縮した」とする安倍首相の発言について、「官邸に確認したが、首相はそのような発言をしていないと聞いている」と否定した。
 西村次長は、上皇さまの日ごろの対応から、退出する首相を座ったまま見送られることは「あり得ない」と言及。報道内容が「上皇陛下の尊厳を傷つけ、極めて非礼で遺憾だ」とする宮内庁の認識を示した。

 真偽は不明ですが「前天皇への敬愛の念があるとは思えない」安倍ならこういう発言をしても全く不思議ではないし、毎日新聞もこんなことで嘘は書かないでしょう。おそらく発言は事実で安倍は「毎日新聞にこんなことを話した奴は誰だ!」と怒り心頭で、犯人(?)捜しじゃないか。
 「安倍総理は前天皇に無礼だ、不敬だとかウヨに騒がれたら俺が迷惑する」「俺の抗議だと説得力がないからお前らが毎日新聞に抗議しろ。抗議理由は上皇陛下に無礼だ、で頼む」と「安倍に恫喝された宮内庁」が動いたとしか見えませんね。「上皇陛下はそんな横柄な態度とらない」云々なんてのは西村次長の本心じゃないでしょう。つうか前天皇も正直こんな話、どうでもいいでしょうよ。
 大体、「ドアの所まで行って見送らないといけない」義理もないでしょうよ。大体彼も80歳を超えた高齢者で、体調も最近では「良くない」として退位したわけですし。記事が事実でも、全然横柄でも何でもない。むしろ高齢者にそんな見送りを要求する方がおかしい。
 むしろ問題があるとしたらそんなことより「憲法上の疑義がある内奏を未だにしてること」の方でしょう。

 内奏では首相が国内外の情勢を陛下に説明するが、内容は非公開。

 戦前ならともかく、戦後は内奏する必要はどこにもないわけです。しかも「内容は非公開」って、そこで天皇が政治的発言をしていたら非常に問題ですしね。まあ「沖縄メッセージ問題」「増原防衛庁長官辞任問題」などで「政治的発言していたことがモロバレ」の昭和天皇はともかく、前天皇や現天皇はそういうことはしないでしょうが「李下に冠を正さず」ということで疑われるようなことはしないのが一番です。


【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】政権2年で日韓関係を破壊した文在寅大統領 - 産経ニュース
 むしろ安倍や産経の方が破壊してるわけです。首相が安倍でなく石破元幹事長、石原元幹事長、岸田政調会長、谷垣元総裁らならばここまで日韓関係も悪化しないでしょう。小渕政権時には金大中大統領が訪日し、日韓共同の声明も発表していますし。
 そして文氏ではなく「他の大統領」であっても「程度の差」はあれ*2、安倍批判したでしょう。


カンヌ映画祭でアラン・ドロンさん表彰 主催者、批判に対し「ノーベル平和賞ではなく、俳優としての功績」 - 毎日新聞
アラン・ドロンさん、カンヌ映画祭で名誉賞 「女性蔑視」と反対運動も - 産経ニュース

カンヌ映画祭でアラン・ドロンさん表彰 主催者、批判に対し「ノーベル平和賞ではなく、俳優としての功績」 - 毎日新聞
 ドロンさんの受賞を巡っては、映画祭事務局が4月に授賞予定を発表した直後から、米国の女性人権擁護団体などが「過去に女性に暴力を振るったことを公言したり、同性愛に差別的な発言をしたりしている」などとして抗議。しかし主催者側は「ノーベル平和賞ではなく、俳優としての功績に与えるもの」と反論していた。

アラン・ドロンさん、カンヌ映画祭で名誉賞 「女性蔑視」と反対運動も - 産経ニュース
 開催中の第72回カンヌ国際映画祭で、映画「太陽がいっぱい」などで知られる俳優、アラン・ドロンさん(83)が19日、映画史への功績をたたえる「名誉パルムドール」を受賞した。
 ドロンさんを巡っては、米国などの女性活動家らが、ドロンさんは「同性愛者嫌いで女性を蔑視する」として、名誉パルムドールを授与しないよう求める署名運動をインターネット上で実施するなどした。
 これに対しドロンさんは19日付のフランス紙ジュルナル・デュ・ディマンシュのインタビューで「同性婚には反対しないが、同性カップルの養子縁組には反対*3だ。女性をたたいたことはあるが、女性にビンタを食らった方が多い。女性に付きまとったことは人生で一度もない」などと語った。

 「署名の是非はともかく」アラン・ドロンほどの有名俳優でもこういう運動が起こる時代だと思うと感慨深い。

*1:元警察官僚。沖縄県警本部長、警視庁警備部長、警察庁警備局長、警視総監などを経て宮内庁次長

*2:つまり文氏が一番安倍に厳しいかもしれませんが。

*3:どうしてそういう理屈になるのかよく分かりません。養子縁組の何が悪いのか。