珍右翼・高世仁に突っ込む(2021年8/20日分)(副題:今日も高世に悪口する)(追記あり)

天皇ご心配「拝察」事件の真相 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 タリバンにどう対応するかで世界がパニックになるなか、JVC(日本国際ボランティアセンター)の元代表、谷山博史さん*1の見方を紹介したい。
 カブールを制圧して以降タリバーンは一貫して報復はしないと表明しています。これは私にはとても意外なことで驚きでもあります。国際社会を意識してのことであることは間違いありませんが、タリバーンが報復を原動力として戦ってきたことを考えると俄かには信じがたいものがあります。しかしこれは希望でありチャンスであることもまた間違いありません。今、言論の自由や行動の自由、女性の人権、就業の自由など民主主義社会で保証されるべき自由と人権が失われることを誰もが恐れています。本当に恐ろしいです。しかし今タリバーンに対する報復戦争を容認してきた私たちが一番タリバーンに求めるべきは、報復を自制することなのです。そのためにはタリバーンを孤立化させてはならないのです。

 こうした谷山氏のタリバン理解の是非はひとまず起きます。
 現在のタリバンがどんな集団か解りませんが「ヒトラー」「ポルポト」レベルに無茶苦茶なら取り込みようがないし、ただし一方で「国際社会に取り込めるのなら取り込むべき」ではある。
 しかし、ここでの高世の主張「孤立させずに何とか取り込めないか*2」が北朝鮮相手には全く出てこないのにはいつもながら「高世ってでたらめやな」ですね。勿論、韓国の太陽政策は「何とか取り込もう」という試みの訳です。
【追記】

タリバン、ドイツ公共放送記者の家族射殺…記者殺害するため「一軒一軒捜索していた」 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン
 ドイツの公共放送ドイチェ・ウェレは19日、イスラム主義勢力タリバンアフガニスタン国内で、同放送のアフガン国籍の記者の家族1人を射殺したと明らかにした。元々の標的は記者本人だったという。記者に「生命の危険」があるとして、氏名などは明らかにしていない。
 タリバン報道の自由を「イスラム法の範囲内で」保障するとしているが、ドイチェ・ウェレは声明で「タリバンは標的型殺りくを実行するのに何のためらいもない」と非難した。記者を殺害するため、「タリバンが一軒一軒、家を捜索していた」という。

 これが事実なら「タリバンを取り込めれば取り込みたいけどちょっとなあ」ですね。「投獄ならまだしも殺害」とは尋常ではない。
 「末端の暴走」だとしても「中央の責任はない」とは言えないでしょう(勿論、末端の暴走ではない可能性もある)。
 なお、高世の文章も谷山氏の文章も「こうした問題が表面化する前のこと」なので「書いた時点においては」非難する気はありません。
【追記終わり】

 東京五輪の開催とそこでのコロナ対策をめぐっては、6月下旬の「拝察発言」が大きな波紋を広げた。
 6月24日、宮内庁の西村泰彦*3長官が定例記者会見で「名誉総裁をお務めになるオリンピック、パラリンピックの開催が、感染拡大につながらないか、ご心配であると拝察している」と発言したのだ。
 開催かどうか、国論が二分されている時のこの発言は、天皇の政治への不介入という憲法の原則に抵触するともみなしうる重大事件だった。
 当然、永田町をも直撃したが、菅義偉首相は「長官本人の見解を述べたと理解している」、加藤勝信官房長官は「宮内庁長官自身の考え方を述べられたと承知している」として、あくまで「長官の個人的な推察」に過ぎないと強調。天皇自身の意思であるとの見方を否定した。

 いや普通に考えて「天皇の意思」でしょう。
 ただし憲法上の問題があるので1)宮内庁長官の拝察発言と言う形にした上で、2)「開催賛成とも反対とも言わず」感染予防に努めて欲しいというにとどめたわけです(実際、感染予防さえできるのならば、天皇的には開催でも中止でもどちらでもいいのでしょうが)。
 そんなことは菅や加藤も解ってる。本当に「勝手なことを長官が抜かしてるだけ」なら菅は容赦なく、この発言を理由に西村氏を長官から更迭したでしょう。
 しかし、そんなことをしたら、天皇に「菅がケンカを売っている」と思われて、天皇との関係が最悪になるわけです。「天皇崇拝」を建前とする自民党総裁としてはそういう事態は避けたい。
 それはともかく、天皇としても「五輪開催に賛成して、皇室がコロナ感染を助長している」という批判は避けたかったのでしょう。
 どっちにしろ、小生のような「天皇の政治利用に否定的な人間」にとっては「天皇の賛成、反対」ではなく「五輪開催が感染を助長しないか」という見地で判断するので拝察発言など、どうでもいい話です。実際、推察発言など、1)「感染予防に注意して開催している」「天皇は中止しろとは言ってない」と言い訳すれば一応、開催派が逃げられること、2)開催反対派の共産党天皇の政治利用に否定的なこともあって、大して話題にもなってないと思います。
 天皇が「開催反対派の批判を恐れる」という事態は「反対派」として「ある意味嬉しいこと」ではありますが。

 この事件についてはまず、「皇太子時代から15年間、陛下を見続けてきた」と言う共同通信の大木賢一*4記者が、「側近に拝察させる」という、その「陛下らしからぬ行動」に衝撃を受け、「陛下の真意」を“拝察”した記事が詳しい。
天皇陛下は側近に「拝察」させたのか? 皇室記者が衝撃を受けた「らしからぬ行動」(47NEWS) - Yahoo!ニュース
 つまり「拝察発言」は、陛下があえて西村長官にやらせた行動だという。
 注目すべきは、『文芸春秋』9月号の友納尚子*5天皇陛下の期待に背いた菅首相の『内奏』」だ。この記事もやはり、「拝察発言」は天皇が西村長官と綿密に計算したうえでの行動だったとしたうえで、事件の内情をくわしく追っている。

 まあ、馬鹿馬鹿しいですね。大体、「長く見てきた」とは言っても「皇室担当記者」にすぎないわけです。
 「いわゆる番記者」でしかない。友人でも何でもない。
 しかも、高世によれば、書いてあることは「長官が天皇の意思を無視して勝手に放言はしないだろ?。」という「俺のような素人」ですら思う程度のことでしかない。「どや顔するな、バカ」て話です。
 それとも大木氏らは「西村長官のリーク」でこうした記事を書いてるのか。であるのならば、記者が「特定の個人、団体の意向を受けて世論誘導記事を書いてる」というとんでもない話です。どっちにしろこういう記事には、高世とは違い「アホと違うか」という感想しかないですね。
 まあ、「天皇万歳」「取材相手(横田一家)とズブズブ」の高世にはそうした疑問はないのでしょうが。

 友納尚子氏は、今では皇室ジャーナリズム*6で活躍する記者だが、私はその前から彼女を知っている。今から20年ほど前、友納氏は、田口八重子さん拉致事件など、北朝鮮関連の記事を文春系の雑誌に発表していた。特殊な情報源をもとにした深い闇を抉るような記事に感銘を受けた私は、彼女に連絡し、会っていろいろ話を聞いた。

 つまりは「拉致では食えないから転身した人間」の一人が友納氏であり、彼女は皇室ライターに転身しました。
 まあ、未だに

日本テレビ皇室日記 - Wikipedia
◆TBS皇室アルバム - Wikipedia
◆フジテレビ皇室ご一家 - Wikipedia
テレビ東京『皇室の窓』

など皇室番組はありますので拉致よりは商売として見込みがある。
 他には関川夏央が「文芸評論家」に転身した。拉致商売から転身できずに会社を潰した哀れな男が高世の訳です。こうした高世の文章に「俺だって友納のように転身したかった」という強い思いを感じますね。だって「今は友納は皇室ライターだが昔は北朝鮮ネタをやっていた。その頃には俺(高世)は友納と付き合いがあった」なんて書く必要ないでしょう。しかしこういうこと書いても「高世は本当に滑稽で無様で情けねえな」「みっともない」「そんなことだから会社潰すんだよ」「バカじゃねえの?」としか俺は思いませんね。まあ、そういう俺のような人間には「ジンネットを潰した俺の屈辱がお前にわかるか!」「俺の人生を馬鹿にするな!」と激怒するのが高世でしょうが。
 高世の倒産については
北朝鮮が崩壊する前に自分の会社を倒産させた無様で無残な話 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2021.4.28)
けっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2021.5.25)
巣食う会とか家族会系の連中とかかわった北朝鮮関係の言論人は、その後ろくな状況でないと思う(関川夏央や高世仁、恵谷治、李英和ほか) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2021.7.14)を紹介しておきます。

「陛下はオリンピック開催までに、政府の意気込みよりも、緻密な具体案をご確認されたかったと言います。オリンピックは海外からの人流も多いことから、感染対策についてご質問をされたようですが、菅さんからは納得のいく、はっきりした説明は得られなかったようです。」

 まあ、国民相手にまともな案を示さないのに「天皇に対してだけはまともな案が出てくる」わけもないでしょう。もし、天皇に対してだけは具体案が出てきたとしても、天皇は「ならば何故それを国民に言わないのか?。私を丸め込もうとして、私にだけ適当なことを言ってるだけではないのか?*7」ということで「その感染対策を本当にやる意思があるのなら国民にも発表して下さい。私にだけ言っても開催反対派や懐疑派の不安は解消しませんよ(菅への要望)」と言って、菅への不信感を強めただけかもしれない。

 文春記事によれば、菅首相天皇、皇室をまったく崇敬していない政治家

 まあ、別にそんなことは「天皇、皇室を全く崇敬してない」俺にとってはどうでもいい話です。そもそも「菅に限らず」本心から皇室を崇敬してる自民党議員が果たしてどれほどいることやら。
 まあ、「崇敬してないくせに(崇敬している人間に好感を持たれようなどのスケベ心から)天皇を政治利用しようとするのか?」感はありますが。戦前と違って、天皇は「国家最高指導者」ではない。「明仁上皇の論文(ハゼ)はゴーストライターに全部書かせてる」「雅子妃のうつ病は仮病」など「事実無根の誹謗中傷」をしない限り、尊敬する必要はどこにもありません。正当な批判なら「天皇批判したっていい」。
 「天皇、皇室を崇敬しているらしい文春、大木氏、友納氏、高世」には「菅が皇室を崇敬しないこと」は「菅を支持しない理由」になるのでしょうが(勿論、彼らにおいてすら菅不支持の最大の理由はそれではなくコロナ失政でしょうが)。しかし、以前もこの種の天皇万歳記事を書いていた高世ですが「元左翼」が天皇をやたら美化するとは恥ずかしくないんでしょうか?。昔の高世が「今の高世」を見たら「こんなクズにはなりたくない」と思うかもしれない。

 天皇がこういう「令和スタイル」の行動原理で動くとすれば、今後も憲法規定スレスレの「事件」が起きる可能性がある。

 今回は俺的には「微妙(違憲の疑いはあるがあまり責める気にはならない)」ですね。
 五輪名誉総裁と言うことで「開催賛成派でコロナ感染問題に無頓着」と開催反対派から思われたくはないが、一方で名誉総裁を辞任することも現実的に難しい、何とか感染に無頓着という誤解は解きたい、という苦しい立場に天皇もあった。
 そういう意味で今回については「同情の余地がある」「許容範囲」といえるかもしれない。
 ただ原則としては「政治的発言は不可」ですよねえ。高世のように脳天気に「起きる可能性がある」で済ませていい話ではない。

 ところで、天皇はたいてい国民の多数意見と同じ見解をお持ちのようだ。

 そりゃ普通に考えて当たり前でしょう。第一に天皇に限らず「多くの人間」は「周囲の影響」を受けるので多数意見になる傾向がある。
 第二に天皇は「ある種の人気商売」です。権力者だった昔と違い、今は憲法上、「(天皇制が存在することが望ましいという)国民の総意」に基づく象徴でしかない。つまりは「国民の総意」が「天皇制はいらない」となったら廃止されることもあり得るわけで、そういう状況下で「よほどの理由がない限り」、国民の多数意見と違う意見でもそれを表明することは難しい。
 例えば「女性天皇への賛否*8」において「女性天皇反対」と現天皇が言えるかと言えば「女性天皇支持が多数の今」、言えないでしょう。
 あるいは「そもそも妻・雅子皇后への強い愛情もあった(つまり世論多数が離婚支持でも結婚を続けた可能性が高い)」のでしょうが、「病人だからと言って見捨てて離婚するなんて冷たい」という世論の前では「うつ病を理由にした離婚」なんてことは言いづらい。
 従って、そんなことは高世のように「天皇が多数意見と同じで嬉しい」と喜ぶ話ではない。
 そもそも、「多数意見が正しい保証はない(わかりやすい例だと戦前日本の対米開戦支持*9)」のでそんなことはどうでもいい話です。

 とすれば、もしいま「菅内閣を支持しますか」と問われたら・・・答えは決まっているね。

 「はあ?」ですね。「答え」とやらが「菅不支持」であることはわかりますが、この高世の文章において「問われたら」の主語は誰なのか?
 主語が「天皇が」なら「おいおい」ですね。
 まず第一に「天皇が菅のコロナ対応にある種の不満を感じてる」のはおそらく事実でしょうが、それは彼が「菅に首相を辞めて欲しい」と思ってることを示すものでは必ずしもない。可能性としては「菅のコロナ対応に不満はあるが首相をやめなくてもいい」もありうる。
 第二にこんなことを云々すること自体が馬鹿馬鹿しい。
 今や天皇は「征韓論論争で征韓論反対派(岩倉、大久保など)を支持、賛成派(後に佐賀の乱を起こす江藤、西南戦争を起こす西郷など)を下野に追い込んだ(明治天皇)」「田中義一を首相辞任に追い込んだ(昭和天皇)」時代と違い、「政治的中立性」が求められています。
 当然、「菅に首相を辞めて欲しい」なんて言えるわけがないし、言ったら違憲行為です。勿論、高世のように「天皇は菅に辞めて欲しいと思ってるに違いない」と「天皇の政治利用」をするのも愚劣です。
 主語が「国民は」「(国民のうちの)天皇支持者は」でも「おいおい」ですね。
 第一、第二は主語が「天皇が」の場合と同じです。
 第三に「菅を支持しないか、するか」は「天皇の意思に関係なく*10」自分の価値観で決めるべきです。
 例えば、天皇が「私は女性天皇に反対だ」と言ったら「女性天皇支持を公言する」高世はそれを支持するのか。
 おそらく支持しないのでしょうが、であれば「天皇の支持、不支持」を持ち出すことが馬鹿げてる。
 「お前、自分に都合がいいときだけ天皇持ち出してるだけじゃん」でしかない。

*1:著書『「積極的平和主義」は、紛争地になにをもたらすか?!:NGOからの警鐘』(2015年、合同出版)

*2:正確には「高世が紹介する谷山氏の主張」ですが、高世は明らかに賛同しているので「高世の主張」といっても問題ないかと思います。

*3:警察庁警備局長、警視総監、内閣危機管理監宮内庁次長などを経て宮内庁長官。なお、過去にも警察出身の宮内庁長官としては富田朝彦(元・警視庁副総監)、鎌倉節(元・警視総監)がいる。

*4:著書『皇室番・黒革の手帖』(2018年、宝島社新書)

*5:著書『雅子妃:悲運と中傷の中で』(2008年、文春文庫)、『皇后雅子さま物語』(2019年、文春文庫)

*6:天皇万歳なんか「ジャーナリズム」の名に値しないでしょう(俺的には「太鼓持ち」はジャーナリズムではありません)。まあ俺から言わせれば「皇室報道」とでも呼びたい。

*7:さすがにこうはっきり言ったらケンカになるのでこうは言わないでしょうが。

*8:まあ、これも「違憲発言」に該当する危険性がありますが、「日米安保への賛否」など「天皇家が全く関係ないこと」と違い「天皇家のこと」なので許容範囲と見なす余地はあります。

*9:開戦当初は真珠湾攻撃の戦果発表もあって、国民の多くは「米国との国力差に無知だったこと」もあって開戦を支持しました。

*10:「繰り返しますが」そもそも天皇がそうした意思表明ができない以上、云々することが馬鹿げています。