高世仁に突っ込む(2019年11月20、21分)

国際連帯を求める香港 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 香港理工大学への警察の攻撃は、この5カ月間でももっとも衝撃的な事件だが、4日経って大学構内にとどまる人は減り続け「陥落」間近のようだ。
《香港警察によると、立てこもっていた若者のうち800人近くが19日深夜までに投降の呼びかけに応じ、現場で拘束されるなどした。うち300人近くが18歳未満の中高生だとしている。また、キャンパスから脱出を試みた約10人も拘束された。警察は大学の包囲を続け、デモの完全な制圧をめざす構えだ。》(朝日新聞

 「繰り返しますが」 有名な「東大安田講堂での機動隊と極左学生との激突(1968年)」とかはこんな感じだったのかなと思います。

 18歳以下の中高生が300人も学内にこもって逮捕され、負傷者が15歳から66歳までに及ぶということが、いかに広範な市民から支持され、いかに悲壮な決意で参加しているかを示している。

 いやほとんどの人間は立てこもらないわけですからね。「中国や香港当局への批判」ならともかく、「立てこもり」という手法が支持されてるかどうか。
 また「決意が悲壮」なんてのはある意味どうでもいいことです。「決意が悲壮」なら正しいのか。特攻隊は正しいのか、と考えれば高世の発言のアホさは明白です。

 香港のデモではよく多くの星条旗が打ち振られるのを見た。はじめはちょっと抵抗があったが、ヨーロッパ諸国や日本の旗もデモに登場するのをみて、香港人が国際連帯を切実に願っているのだと思い直した。

 当初「甘く考えていた*1」のと違い、中国の強硬路線に自分一人で戦えないからと言って、「欧米や日本、ヘルプミー」と言い出すのは国際連帯じゃないでしょうよ。つうかそんな泣き言を今頃いうくらいなら最初から「条例案撤回(一定の勝利)」の時点で「今回はこれくらいにしといたる(池乃めだか風に)」と矛を下ろし長期戦を目指すべきでした。こんなのは国際連帯ではなく、暴力まで振るいだした一部デモ隊の、無計画さ、節操のなさが露呈されてるだけです。俺は高世ほど暴力デモ隊に寛大にはなれませんね。

 香港はいわゆる「自由世界」の代表として最前線で闘っている。

 おいおいですね。香港のデモ隊は別に「自由世界のために戦ってる」わけではない。自分のために戦ってるだけです(本当にその戦いが客観的に見て自分のためになってるのかはともかく)。極論すれば彼らが負けようが勝とうが自由世界には何ら関係ない。彼らが勝てば「独裁的、排外主義的な安倍やトランプ」が退陣するわけでも何でもない。彼らが勝って良くなる(かもしれない)のは「香港の政治だけ」です。
 日本や米国の政治を良くするには日本や米国の国民が安倍やトランプと戦う以外にないわけです。

 かつて天安門事件のあと、日本は制裁を続ける欧米を横目に対中制裁を解除し、天皇の訪中を実現させた。孤立する中国に助け舟を出したのだった。いま、習近平*2国賓として招く計画がするんでいるが、同じことを繰り返すのか。
 一人一人ができる支援を考えたい。例えば、香港情勢を話題にする、SNSに書き込んだりリツイートする、習近平国賓として招くのに反対する、国会や地方議会で香港に関する決議を上げるよう要請する。

 おいおいですね。既に「様々な関係者の証言」から、「宮沢*3内閣による天皇訪中」前から「巨大な中国市場の魅力」の前に欧米政府が制裁解除したくて仕方がなかったことは有名な話です。
 「日本がアパルトヘイト南アとつきあい続けても欧米はついに制裁解除しなかった」ように欧米が「何が何でも対中国制裁は続ける」と思えば対中国制裁は続いたでしょう。天皇訪中はせいぜい「日本が中国と付き合ってるから俺たちが制裁しても意味が乏しい」と欧米諸国が言い訳して「欧米の制裁解除時期がいくらか早くなった」程度の意味しかありません。
 今回も話は同じです。既に習氏が国賓(あるいは国賓に近い扱い)で英国や、フランス、イタリアなどを訪問している。
 その結果、フランスは大量のエアバスを買ってもらい大喜びした。イタリアに至っては一帯一路への参加を表明した。習氏国賓訪日の是非はともかく、それを今更蹴ったところで香港がどうにかなるわけでも、欧米の中国への態度が厳しくなるわけでも何でもない。欧米は既に「巨大な中国市場の魅力」を前に香港問題での批判も腰砕けです。日本だけが中国に甘いわけでも何でもない。
 別記事で【書評】人を動かす脳機能に納得 『事実はなぜ人の意見を変えられないのか 説得力と影響力の科学』 - 産経ニュースにコメントしましたが、こうした高世の物言いも『事実(日本以外も中国に友好的)はなぜ人の意見(習主席訪日反対という高世の意見)を変えられないのか』ではないか。
 そして習氏が国賓訪日する前から「昨年5月の李首相の北海道訪問に安倍が異例の同行」、「北海道知事など地元も李氏を大歓迎」です。そうした安倍や北海道知事について日本人のほとんどは「中国に甘い」などとは特に批判しない。むしろ「日中友好が進んだ」と評価している。
 「日中友好支持」こそが日本国民の大多数の考えの訳です(なお、高世が『国政政党では一番中国に批判的』と褒め称える日本共産党ですら香港デモ問題で中国を批判しても「習主席訪日反対」などは主張しません)。俺も「中国は重要な貿易相手国」なのでそれで良いと思いますが。
 つうか香港のことなどよりも
日米貿易協定・変形労働制 可決/桜を見る会疑惑 説明責任果たさぬまま/衆院本会議
といった国内問題でも高世は採り上げたらどうなのか。しかしこうした重要法案についてろくに報じない民放テレビ局の「安倍へのおびえぶり」「報道機関としての責任意識のなさ」にはいつもながら頭にきます。


戦場と化した香港理工大学 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

・香港理工大学周辺は戦場のようになっているらしい。
・未明には警察と激しく衝突し、催涙弾と火炎瓶の応酬になったという。
・香港政府によれば、立てこもっていた学生や中高生約600人がきょう午前までに投降、中にはなお約100人が残っているという。

 有名な「東大安田講堂での機動隊と極左学生との激突(1968年)」とかはこんな感じだったのかなと思います。俺は「1970年代生まれ」、つまり「学生運動が下火になった頃生まれてる人間」なのでその辺りはリアルでは知りませんが。

戦場と化した香港理工大学 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 日本共産党、こんどは香港だけでなくウイグル問題もや尖閣諸島をめぐる問題をふくめ中国大使館に申し入れをしたという。
 《日本共産党の田川実書記局員・国際委員会事務局長は18日、都内の中国大使館を訪れ、同大使館の倪健(げい・けん)公使参事官に、第28回党大会への綱領一部改定提案報告を手渡し、(1)香港での弾圧の中止、(2)ウイグルにおける人権抑圧の中止、(3)尖閣諸島の日本の領海における、中国公船の侵入など、他国が実効支配している地域に対し力で現状変更を迫る試みの中止―を求める立場を、中国政府と中国共産党の指導部に伝えるよう要請しました。
 倪氏は、3点について中国の立場を述べるとともに、要請は伝えると述べました。》

 別記事でも触れましたがこの件では高世は「日本共産党の中国批判に感謝します」的な態度ですね。一方、非常識にも「中国批判が遅すぎる」「もっと早く批判してほしかった」と日本共産党に悪口しかしない呆れた馬鹿が阿部治平という男です。そして阿部の「共産党への悪口雑言」を掲載してるのがリベラル21という反共アホサイトです。
 「遅すぎるも何も、高世も政府は日本共産党の中国批判を見習え - 高世仁の「諸悪莫作」日記で、指摘してるけど、日本共産党以外にこれだけ中国批判してる国政政党(自民、公明、立憲民主、国民民主、社民、維新、れいわ)が他にあるのかよ?。ねえだろ?」「共産党が遅いんだったら、他の政党はどうなるんだよ?」「批判するなら、まずは共産党より他の政党を批判するのが普通だろ?。特に政権与党(自公)と最大野党(立民)を批判するのが普通だろ?。ミニ政党・共産の批判しかしないとかおかしいだろ?」「阿部、リベラル21、お前どんだけ反日共産党なんだよ?」て話です。
 「今気づきましたが」もしかして阿部が悪口する理由って「尖閣ウイグル、香港だと?。俺の大好きなチベットはどこに行ったんだよ!。チベットを馬鹿にするな!。志位の野郎、許せねえ!」とか言うレベルの低い話なんですかね?
 単に「今目立ってるのがそれだから」、それ出しただけで誰も「チベットなんかどうでもいい」なんて一言も言ってないのに。
 もしかして「チベットをもっと前面に出してれば」、「ダライ盲従分子」阿部も「イヤー、日本共産党って素晴らしい政党ですね」とか言ってくれたのか。
 つうかチベットの件だって「中国批判してる国政政党(自民、公明、立憲民主、国民民主、社民、維新、れいわ)が他にあるのかよ?」て話ですが。
 阿部治平とリベラル21って何でこんなに政治センスがないのか。
 「お前らにとって中国批判より日本共産党への悪口がそんなに大事か?」ですね。

 香港人は国際的な支援と中国への圧力を真剣に見守っている。先日、香港の知人が、共産党志位委員長の「香港での弾圧の即時中止を求める」という声明に仰天して問い合わせしてきたが、その時私はまだその声明について知らなかった。あっという間に香港で拡散して話題になったらしい。そのくらい香港情勢について海外でどう報じられているか、誰がどんな言動をしているのかを注視しているのだ。

 で香港で日本共産党の株がそれなりに上がってると。

 その香港の知人、「アベさんは反中国の保守政治家らしいので期待してます」と言うから、「いや彼は政治哲学のない人で、トランプだけでなくプーチン習近平にまで尻尾を振っています」というと「失望しました」と返信してきた。

 高世の指摘が事実なら「おいおい」「香港の知人とやらはアホか?」ですね。
 第一に「反中国だから期待してる」て反中国なら「嘘つきだろう」と何だろうとどうでもいいのか。
 第二に高世に聞くまでもなく「安倍*4が反中国なんか表向きはやめたこと」は「昨年5月の李*5首相・北海道訪問への異例の安倍同行」「今年6月のG20での安倍・習*6会談で、安倍が来年春の習主席訪日を求めたこと」で明白でしょうよ。その程度の事も香港ではニュース報道されないのか。
 まあ、安倍には政治哲学はありますよね。
 その政治哲学は「強きを助け弱きを叩く」「自分の利益最優先、そのためには過去との整合性など無視する」というとんでもない哲学ですが。
 まあ、それはともかく。日本にとって中国は大事な隣国、貿易相手国ですし、そうそう敵視も出来ません(その意味で今回は俺は日本共産党の中国批判を手放しで評価はしません)。
 海部*7内閣は対中国ODAを再開してるし、宮沢*8内閣は天皇を訪中させた。
 安倍の対中国外交をどう評価するにせよ、高世流に言えば「中国に尻尾を振ってる」のは「田中内閣の国交正常化後」は基本的に歴代自民党政権は皆そうです。安倍だけじゃない。

*1:正直、デモ隊の考えは甘かったと思います。

*2:せめて「総書記」「主席」といった肩書きぐらい付ければいいのに。

*3:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*4:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*5:中国共産主義青年団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相を経て首相

*8:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相