今日の産経ニュースほか(2020年2月25日分)

自民・杉田水脈氏「政治家として頑張りたい」 引退検討報道を否定 - 産経ニュース
 こういう記事が出てしまうとは「今や政界から消えてしまった杉村太蔵井脇ノブ子らいわゆる小泉チルドレン」と同じ末路になるんでしょうか?
 まあ、安倍にうまく取り入って大臣にまでなった「ウヨ女性議員仲間」稲田(第三次安倍内閣防衛相)、片山(第四次安倍内閣少子化等担当相)と違ってろくな役職にも就いてませんしね。

参考

杉田水脈氏 議員辞めて「アイドル保守論客」の皮算用も週刊ポスト2020年2月14日号)
 国会で選択的夫婦別姓導入を訴える野党の質問に「だったら結婚しなくていい」とヤジを飛ばしたという疑惑の渦中、記者の追及を携帯通話でかわす“エア電話”疑惑まで持ち上がった杉田水脈衆院議員(52)。自民党関係者もさすがに呆れ顔だ。
 「2018年に『LGBTは生産性がない』という雑誌への寄稿が大炎上した時は、安倍首相が『まだ若いから』と庇い、党内からも擁護する声が上がった。しかし、今回はさすがに味方もいない。次の選挙では公認から外されるんじゃないか」
 本人もさぞや落ち込んでいるのでは、と思いきや……。彼女と親しい保守系運動家が語る。
 「騒動の後に“水脈ちゃん”に連絡して『くじけないで』って伝えたら、明るく『大丈夫ですよ!』って返ってきて、全然めげてないなと(笑い)」
 それには理由があるのだという。
 「以前、彼女に選挙のためにちゃんとした支援組織を作ったほうがいいんじゃないかと提案したら『私はそういうのはいいんです、政界に未練がないから』と言うんです。『私は将来は櫻井よしこさんみたいな保守論客になって、そこから日本を良くしたいと思っているんです』と。
 つまり、議員活動というのは彼女にとってその下準備でしかない。過激な物言いも政界引退後への布石と考えれば納得がいく。炎上しても言論活動にハクが付くくらいに思っているんじゃないでしょうか。実際、僕も含め保守関係者の間では水脈ちゃんのファンが多くアイドル的存在なので、議員を辞めてもうまくいくと思います」(同前)
 政治活動そのものが“エア”だということ?


【正論】武漢ウイルス禍に「強権」対応を 東洋学園大学教授・櫻田淳 - 産経ニュース
 「武漢云々では武漢以外が安全と誤認される」「中国人差別を助長しかねない」というWHOの指摘を公然と無視する常軌を逸した反中国の産経です。
 そもそも日本自体が今や「日本ウイルス禍」扱いされつつあると思うのですが。


TBSラジオ森本毅郎スタンバイ」の「日本全国8時です!」が「一応、森法相批判(そして安倍批判&日本検察批判)」した
トランプ氏のツイートで仕事が「不可能」 米司法長官が批判 - BBCニュース
司法省OB、異例の長官辞任要求 大統領盟友の裁判介入に抗議―米:時事ドットコム
バー米司法長官が辞任を検討 大統領のツイート巡り=関係筋 | ビジネス | ニュース速報 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

トランプ氏のツイートで仕事が「不可能」 米司法長官が批判 - BBCニュース
 ウィリアム・バー米司法長官は13日、ドナルド・トランプ大統領のツイートについて、「私が仕事をするのを不可能にしている」と、米放送局ABCのインタビューで批判した。
 司法省は11日、トランプ氏の盟友で偽証罪などで有罪となったロジャー・ストーン被告に関して、禁固7~9年としていた求刑を軽減する考えを表明。
 この方針転換は、トランプ氏が当初の求刑に対して「ひどくてとても不公平な状況だ」と(ボーガス注:して、求刑を減刑すべきだと)ツイートした後に示されたことから、同省の姿勢が厳しく問われている。
 ストーン被告の事件を扱っていた検察官4人は11日、(ボーガス注:司法省の求刑軽減の態度に、トランプツイートへの屈服ではないのかとして抗議意思を表明し)そろって担当を辞退。バー氏に対しては、トランプ氏の圧力に屈したとの非難が出ている。
 バー氏はABCのインタビューで、トランプ氏が「刑事事件において私に指示したことは一度もない」と主張。しかし、継続中の事件に関するトランプ氏のツイートは、「私が仕事をするのを不可能にしている」と述べた。

司法省OB、異例の長官辞任要求 大統領盟友の裁判介入に抗議―米:時事ドットコム
 トランプ米大統領の盟友ロジャー・ストーン被告が偽証罪に問われた裁判で、司法省が介入して求刑を撤回させたことに抗議する同省の元当局者らが16日、バー司法長官の辞任を求める異例の声明を出した。米メディアによると、共和党民主党の政権に仕えた1100人以上の元当局者が賛同している。
 また、介入に抗議してストーン被告の裁判担当を外れた連邦検事の決断を「英雄的な例」として支持。

バー米司法長官が辞任を検討 大統領のツイート巡り=関係筋 | ビジネス | ニュース速報 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
 関係筋が18日明らかにしたところによると、米国のバー司法長官が辞任を検討している。トランプ大統領が司法省の捜査についてツイートしたことが原因という。

 今日のTBSラジオ森本毅郎スタンバイ」の「日本全国8時です!」のテーマはこの「バー司法長官のトランプ批判」だったのですがコメンテーターの伊藤芳明*1(元毎日新聞外信部長。毎週火曜日の「日本全国8時です!」コーナーで海外ニュースを解説)が「トランプは無茶苦茶だ」という話の途中から「検事長の定年延長を認めた解釈変更は、文書決裁でなくて口頭決裁だなんて無茶苦茶なことという森法相とはバー司法長官(司法長官は日本の法相に当たる役職ですが)は全然違いますね。『トランプ言いなりで酷い、辞任すべきだ』と批判されていますが、バー長官は安倍さんに何も言えない森法相に比べたらずっとマシですよ」「バー司法長官ぐらいのことが森法相にはどうして言えないのか。何故なんでもかんでも安倍さんの言いなりなのか」「たとえば韓国だって検察が文大統領の側近といわれたチョグク法相(当時)の疑惑を追及して辞任に追い込んだ。日本なんか安倍さんを恐れてるのか、河井前法相の疑惑を検察が全然追及しないじゃないですか?。韓国検察は現役法相の疑惑を追及したのに前法相の疑惑が追及できないのが日本検察ですよ」「米国のバー長官や連邦検事、韓国の検察に比べたら日本は大臣も検察も全然ダメですよ」(以上は、俺のうろ覚えですが)と森法相批判、安倍批判や日本検察批判をいいだしたのにはびっくりしました(そういう偉そうなこと言えるほどお前らマスコミは安倍批判で頑張ってるのか、とは思いますが)。
 まあ、「最初から、がっつり安倍批判」ではなく「バー長官のトランプ批判」に絡めて、という辺りは少し腰が引けていますが。とはいえ、このレベルですら最近のテレビ、ラジオは安倍批判しませんからね。「新型コロナによる政権支持率低下」の効果でしょうか。
 しかし、こんな無茶苦茶なこと*2をする男トランプは一日も早く大統領ポストから引きずり下ろすべきでしょう。
 「米軍の軍事介入に否定的なサンダースと比べたらトランプはマシだ」「米軍が軍事介入をやめたらプーチンが図に乗る」(俺の要約)などとツイッターで放言した「馬鹿右翼」黒井文太郎には改めて呆れます。


映画助成訴訟、争う姿勢 ピエール瀧さん出演巡り - 産経ニュース
 この「宮本から君へ」のプロデューサーが映画「新聞記者」(望月衣塑子記者・原案)のプロデューサーでもあり「新聞記者」を「政権批判映画なんか作りやがって」と逆ギレした安倍による「江戸の敵を長崎で討つ」「言いがかり」の疑い濃厚な「助成金不支給」なので裁判に訴えるのは全く当然だと思います。
 そもそも「映画撮影時には瀧の薬物使用など分かっていなかった」し映画も薬物使用を美化してるわけではないのだから、こんな馬鹿な話はない。


自民対中支援「賛同しない」 鈴木馨祐外務副大臣 - 産経ニュース
 外務副大臣が反中国とは正気の沙汰ではないですね。
 誰か、この男に「敵に塩を送る(後世の創作らしいですが、ああいう考えは大変いいことだと思います)」の故事でも教えてやったら如何でしょうか。
 「敵だろうと」困ってる人間は支援するのが人の道でしょうよ。むしろそうすることによって日本の評価も上がるわけです。


検定制度の見直しを 教科書不合格で「つくる会」 - 産経ニュース

(1)すべての検定意見を「欠陥箇所」とみなすようなことはしない(2)一発不合格の制度をやめる(3)外交関係への配慮を求める近隣諸国条項を廃止する-ことなどを訴えた。

 (3)は論外ですが、(1)や(2)については議論の余地があるでしょうね。とはいえ「自分たちが不合格になってからこういうことを言い出す」辺りつくる会らしい「自分中心主義」ですが。断言してもいいでしょうが「学び舎」辺りが「一発不合格」なら喜んでるのがつくる会でしょう。


【産経抄】2月25日 - 産経ニュース

 仁徳天皇も龍馬も泣いている。笑うのは中国か。「新しい歴史教科書をつくる会」が推進する中学校教科書(自由社)が文部科学省の検定で不合格となったことを同会が明らかにした。「生徒に理解しがたい」「誤解するおそれがある」など多くの検定意見がついたというが、検定意見の方が理解しがたい。

 「困ってるのは自由社であって今のところ、育鵬社(産経グループ)は何一つ困ってない(多分安倍政権は育鵬社は合格にしてくれるだろう)。自由社が不合格になれば育鵬社のシェアが増える。もしかしたら自由社の連中が『今まで育鵬社批判して済みませんでした、私たちも育鵬社に入れて下さい』と言ってくるかもしれない。だからむしろメシウマだ」「実はここだけの秘密だが、『育鵬社に一本化したいからどんな手を使ってでも、自由社を不合格にしてくれ』と萩生田文科相に頼んだのは我々産経だ」ということで「この件はずっと無視し続けるのか」と思っていたので意外です。
 それとも

・この件で不合格を文科省に頼んだのは自由社と対立する育鵬社だ、育鵬社は産経グループだから産経も共犯者だという声が右翼業界の一部にあるが事実ではない!

というアリバイ作りのための行為でしょうか。『つくる会記者会見』翌日ではなく数日経ってからの産経抄での文科省批判というのはやはり怪しいですね。

 仁徳天皇について「(ボーガス注:面積が?)世界一の古墳に祀(まつ)られている」は、「葬られている」が正しい表現とされたという。

 別記事でも指摘しましたが「祀る」というのは価値観が出過ぎだから、文科省が言うように「葬る」がいいんじゃないか。
 とはいえ「死去ではなく崩御薨去」の産経からすれば「仁徳天皇陛下の古墳*3に対して葬るとはなんだ!。ふざけんな!。(お笑い芸人のネタ『欧米か!』風に)共産党か!」「祀ると書くのが当然だ!」なのでしょうが。
 しかし安倍政権下の検定だと「葬られているとは天皇に無礼だ」と意見を付けるかと思いきやその逆とは実に意外です。

 坂本龍馬について「土佐藩を通じて徳川慶喜大政奉還をはたらきかけたともいわれている」は、「実際の行動のように誤解される」とされた。

 「とも言われている」、つまり「事実かどうか怪しく、龍馬崇拝者による後世の創作の疑いがある」もんについて書くなと言うことでしょう。これまた文科省が正しいと思います。

 教科書は事実に基づく正確な記述が求められ、歴史小説とは違うのは当然だが、先人が国造りに苦闘した歴史の面白さを削(そ)いでしまっては、何にもならない。

 批判としておかしいですね。そこは「龍馬が大政奉還に関わった可能性が一定程度あるなら書いてもいいじゃないか。『チンギスハン=源義経説』のような明らかな虚偽ではないはずだ」「『とも言われてる』と書いて断言はしていない」と言うべき*4であって「龍馬の名前がないと面白くない」と言い出すのは批判としてずれています。

 新学習指導要領で「聖徳太子」を避け「厩戸王(うまやどのおう)」の表記を優先しようとする方針に異論が噴出し(ボーガス注:「聖徳太子」表記が)復活した問題も起きている。

 それ今回の件と直接関係ねえだろ、て話です。

 「中華人民共和国共産党政権)成立」の記述も成立時は連合政権だとしてダメ出しされたというが、その指摘はかえって実態を誤解させる。検定まで他国の顔色を見るような自虐史観にとらわれては、生徒が手に取り学びたくなる教科書には遠くなろう。

 この件については拙記事三浦小太郎に突っ込む(2020年2月23日分) - bogus-simotukareのブログでも取り上げましたが「4月春の習主席訪日(予定)」とも絡んで「日本政府はどこまで中国・習近平政権に媚びれば気が済むのか?」「中国政府に身柄拘束された日本人の解放もろくに要請しない!。尖閣周辺に中国艦船が来てもろくに抗議しない!。教科書検定でも中国にこびる!。そんなんでいいのか!」という安倍自民への疑念と憤激をウヨ世界に呼んでるようです。
 仮に「不合格が育鵬社の画策」だとしても*5こんな検定意見を付けることまで「アンチ中国・産経グループ」が容認したとも思えません。
 この検定意見が「4月春の習主席訪日(予定)」と全く無関係だ、安倍は関係ないなどとはウヨ連中は内心では少しも思ってないでしょう。
 仮に「不合格が育鵬社の画策」だとして

◆安倍
育鵬社の方から自由社を不合格にしろと言ってきたんだから、この際、習政権への好意の表明としてここにも検定意見を付けよう。習政権も多分喜んでくれるだろう。育鵬社が『中国に媚びるな、ふざけんな!』と言い出してきても『じゃあ安倍政権を打倒したいのか!。野党に政権交代したいのか!。それとも石破や石原、岸田にでも首相になってほしいのか!』『自由社が合格になってもいいのか!』『むしろこういう検定意見を付ければ『不合格決定に育鵬社は関係ない』というアリバイ工作になる』といえばあいつら結局は黙るから
(もちろん安倍に中国現代史の詳しい知識があるとも思えないので、安倍の指示は「中国が喜びそうな検定意見を考えろ」であって具体案自体は文科官僚の発案でしょうが)

と安倍に足下を見られてる疑いすらあるでしょう。仮に「不合格が育鵬社の画策」だとして、「安倍の野郎、俺たちを裏切って中国にへつらった!」と産経らウヨの怒りもすさまじいもんがあるでしょう。とはいえそれでも「安倍批判」ができないわけですが。


【主張】新共通テスト 受験産業への認識が甘い - 産経ニュース

 令和2年度から始まる大学入試の新共通テストをめぐり、複数の国語の問題作成委員が辞任していたことが分かった。あろうことか、民間の入試対策本の執筆に携わっていたためである。
 立場を忘れ入試の信頼を損ねた責任は重い。
 作問委員がなぜそうした倫理観に欠ける事態を招いたのか、経緯を明確にしてもらいたい。
 入試問題作成の機密性から、作問委員らの名前は非公表だ。作問に関与した事実は口外しないことなど守秘義務が規則に定められている。例題集の中で守秘義務に触れる規則違反はなかったが、分科会などから、民間で関連本を出すこと自体、利益相反などの「疑念が持たれる」との批判が出て、辞任を申し出たという。
 作問委員が例題集を出版することを直接禁じる規定はないが、それをしないのが、共通認識であり、慣例だという。
 その常識がなぜ守られなかったのか。

 モリカケ桜を見る会と言った「真っ黒の疑惑」さえ「安倍総理は無実だ」と強弁する新聞が今回は「問題作成委員の立場を悪用し、民間企業に不当に便宜を図ったと疑われる行為は良くない。実際にそんな便宜を図っていなくてもこうした行為は適切ではない」「李下に冠を正さず」だそうです。呆れて二の句が継げませんね。
 今回の件について言えば、現時点では「不正の存在」は認められていません。それでも「疑いを招くから良くない」と問題作成委員を辞任したわけです。 
 この件で作成委員を批判するなら「桜を見る会などで疑いを招いたことは良くない」として産経は安倍に首相辞任を要求したらどうなのか。

 昨年、共通テストの試行調査で記述式問題の採点関連業務を受託した民間業者が、PR資料に受託の事実を記載して営業活動をしていたことが問題となった。

 ベネッセのことですが、
「朝生」が田原総一朗の「下村元文科相にベネッセが2千数百万円」発言を謝罪も…「下村」の名前を先に出したのは別の出演者だった|LITERA/リテラ
大学入試改革に新疑惑! 安倍肝いりの「教育再生実行会議」メンバーが裏で試験対策ビジネス 下村元文科相や昭恵夫人とも関係|LITERA/リテラ
【下村博文】民間試験問題をめぐり…ベネッセと文科省の“深すぎる関係”|日刊ゲンダイDIGITAL
【下村博文】英語民間試験に政官癒着 渦中のベネッセが抱える“深い闇”|日刊ゲンダイDIGITAL
下村博文氏の息子の結婚式に「大学入試利権」のお友達大集合|NEWSポストセブン
英語民間試験ごり推しの裏に「ベネッセ」の教育利権…高校も大学も逆らえない | デイリー新潮
ベネッセIDの使用解消へ 文科省が是正要請 大学入試改革|【西日本新聞ニュース】
などを考えるとこのベネッセの件、「文科官僚」や「下村元文科相自民党文教族議員」を巻き込んだ「桜を見る会」「モリカケ」のような疑惑に発展する可能性すらあります。
 それはともかく「李下に冠を正さず」というならそれが該当するのはまさに下村ではないのか。
 元文科相

下村博文氏の息子の結婚式に「大学入試利権」のお友達大集合|NEWSポストセブン広野真嗣*6(ノンフィクション作家)(週刊ポスト2019年12月13日号)
 「300人は入る披露宴会場は満席で、安倍晋三首相夫妻、二階俊博・幹事長、菅義偉官房長官萩生田光一文科相のほか、財界からもセガサミーHD*7里見治会長など豪勢な顔ぶれでした」
 こう語るのは去る9月8日、都内のホテルで行なわれた下村博文選挙対策委員長の公設第一秘書を務める次男の結婚披露宴の出席者だ。その席次表を入手すると、興味深い人物の名前がある。
 1人は教育大手ベネッセコーポレーション学校カンパニー長の山崎昌樹氏、もう1人は元中央教育審議会会長の安西祐一郎氏*8(元慶應義塾大学塾長)。2人とも、急転直下で延期された大学入試の英語民間試験導入のキーマンだ。
 制度導入を最も後押ししてきたのは2012~2015年に文科相だった下村氏だ。実際に始まれば「高校生にはベネッセが提供するGTECが最有力の選択肢」(塾関係者)と見られており、山崎氏にとって下村氏は巨大な商機を与えてくれる恩人だ。
 一方の安西氏は2014年12月に中央教育審議会の会長として、制度導入のレールを敷く答申を取りまとめた。
 下村・安西両氏はぴったり歩調を揃えてきた。下村氏が昨年4月、民間試験導入に慎重な東大の姿勢を問題視して「文科省はよく東大に指導して」と発言している音源をNHKが先月19日にスクープしたが、安西氏も昨年9月のインタビュー記事で「東大の見識を疑う」と“口撃”している。
 安西氏は中教審答申を出す1か月前の2014年11月、ベネッセ社内に本拠を置く「一般財団法人進学基準研究機構」の評議員に就任していた(今年3月に退任)。GTECの関連組織で、理事に山崎氏もいる。
 入試改革の旗振り役となりベネッセ側にポストを得た安西氏、ベネッセ幹部の山崎氏、そして政界で推進した下村氏が一堂に会した披露宴だったのだ。その不可解な親密さがこの席次表にはくっきりと見てとれる。民間英語試験に一貫して反対してきた東大教授(英文学)の阿部公彦*9はいう。
「現場からの不安の声が強まっているのに導入が強行されようとしていたのは、下村氏と深く関係を結んでいた企業ありきだったからではないか、という疑念を抱かざるを得ません」

ということで「次男の結婚式の来賓にベネッセ幹部を招く」なんて「癒着を疑われても文句は言えない」でしょう。もちろん官僚は批判できても、下村ら自民党政治家は批判できないのがいつもの産経ですが。


【政治デスクノート】不公平なチャーター機「政府負担」は将来に禍根を残す 酒井充(1/4ページ) - 産経ニュース

 過去のチャーター機の運賃は自己負担だった。平成14年のインド・パキスタン情勢悪化、16年のイラクでの邦人人質事件、23年のエジプト情勢悪化などだ。感染症拡大による派遣は初めてで、情勢不安とは状況が異なるが、憲法14条に明記した「法の下の平等」に反しないか*10

 いやそこは「今回、判断を変えたのは正当な理由がある」「むしろ、従来チャーター機費用を取っていた方が不適切だったのではないか」でいいんじゃないか。
 というか「前例(『永山基準』などの判例)にとらわれず極悪人は死刑にしろ」「安倍政権が従来解釈を改めて検事長の定年を延長して何が悪い」という産経が、今回は「前例や従来解釈を無視するのは問題だ」だそうです。どこまでデタラメなカス新聞なのか、といつもながら呆れます。

 経緯を振り返る。安倍晋三首相は1月26日にチャーター機派遣を表明し、菅義偉官房長官は27日の記者会見で運賃は自己負担とする考えを示した。ところが、自民党二階俊博幹事長が29日午後に「惜しんでばかりいては、しようがない」と記者団に語り、政府負担を求めた。「本人たちが好んでそういう立場になったのではなく、いわば災難だ」と理由を述べた。
 それでも外務省は29日夜の記者説明で「料金徴収」とし、菅氏は30日午前の記者会見で自己負担の方針を繰り返した。一方、菅氏の記者会見と同じ時間帯、公明党山口那津男代表は党会合で「緊急事態に不安とリスクを抱えてやむを得ず帰国を余儀なくされた方々だ」と述べ、政府負担を求める二階氏に同調した。
 西村明宏官房副長官は30日午後の記者会見で「自身の判断でいち早く湖北省から自費で退避した方々や今も湖北省以外から自力で出国する方々との公平性の観点にも配慮している」と説明したが、事態が急変したのはこの日の夜。与党幹部と政府高官が交渉し、政府負担の方針が決まった。
 首相は31日の衆院予算委員会で「政府で負担する方向で検討する」と明言した。菅氏は同日の記者会見で「世界保健機関(WHO)が(30日に)緊急事態宣言をした中で、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だから、と説明した。
 WHOに言われるまでもなく、当時すでに緊急事態だった。要するに与党の圧力で「政治決断」したのだ。

 おいおいですね。菅に対する「与党の圧力」とは何なのか。
 前後の文脈から見てどう見ても「首相、自民党総裁の安倍の指示(圧力?)」ではなさそうです。
 いつもの「二階自民党幹事長ガー」「山口公明党代表ガー」「不当な(?)圧力をかけた二階らが一番悪い、安倍首相、菅官房長官はむしろ被害者」とでも言いたげないつもの産経です。
 つうか、どう見ても「桜を見る会モリカケ」「河井前法相夫妻や菅原前経産相公選法違反疑惑」や「後手後手のコロナ対応」で安倍への批判が高まりつつある中、チャーター機費用請求などしたら

・『桜を見る会モリカケ』では露骨に身びいきした奴がふざけんな!
・新型コロナ対応で後手後手に回った奴がふざけんな!

という反発を引き起こし、安倍政権支持率、自民党支持率の低下、ひいては安倍退陣につながることを恐れての安倍の「ある種の人気取り」であることは明白でしょうに、安倍が被害者であるかのように描き出すとは、産経も良くもふざけたことが言えたもんです。
 二階氏や山口氏から

・請求することの是非も勿論あるが、チャーター機費用請求なんかしたら野党やマスコミの格好の攻撃、批判材料になりかねない。モリカケ桜を見る会、菅原や河井の公選法違反疑惑、検事長定年延長問題など今ある問題だけでもいい加減厄介ごとなのに、これ以上厄介ごとを増やさないでほしい
・我々(二階幹事長、山口代表)は請求すべきでないと言った。それでも請求するというなら、あなた方(安倍や菅)が好きにやればいい。あなた方が「いや、この件で政権支持率は低下しない(むしろアップする?)」とか「政権支持率がこの件で低下してもそんなことは関係ない。徴収することが適切だ」と思うならそうすればいい。ただし、徴収への批判で政権支持率が低下した後で何とかしてくれと我々に泣きつかれても困る。
 「お前たち(二階氏、山口氏)の意見(徴収すべきでない)には必ずしも従わないが、俺(安倍)の頼み(この件で支持率が低下したら何とかしてくれ)には常にこたえてくれ」ってそんな勝手な話はないでしょう。この件で支持率が低下したらあなた方で対応してくれ。我々も『我々の意見を無視するからこうなった』とあなた方に悪口はしないが、そうなった場合、あなた方をかばう気は無い。

といわれて、根は小心者の安倍が「それでも徴収します」とはいえなかっただけでしょう。そういうのを「不当な圧力」とは言わないでしょう。結局、安倍万歳新聞なので政府批判する場合も、安倍批判できずに「官僚ガー」「大臣ガー」「二階幹事長ガー」「公明党ガー」(安倍は悪くない、部下が悪い)になるわけです。どれほどデタラメなのか。

 予算5000万円規模の「桜を見る会」の追及を続ける立憲民主党などの野党こそ、法の下の平等にかかわる公費負担の問題を取り上げるかと思いきや、その気配はない。

 「桜を見る会よりチャーター機費用負担の方が金がかかってる」てそう言う問題じゃないんですけどね。チャーター機費用負担には一定の合理性がある。チャーター機利用者が安倍の支持者だから負担したわけではない。
 桜を見る会なんて、安倍支持者への完全なお手盛りの訳です。違法性の疑い濃厚であり、だからこそ安倍も「参加者名簿は破棄した」「領収書は上様だった」だの無茶苦茶なことを言うわけです。

*1:著書『アラブ:戦争と生活』(1991年、三一新書)、『ボスニアで起きたこと:「民族浄化」の現場から』(1996年、岩波書店)、『一目でわかる国際紛争地図』(2002年、ダイヤモンド社

*2:トランプの無茶苦茶はこれ以外にも山ほどあるわけですが。

*3:とはいえ仁徳天皇陵仁徳天皇古墳)は現在では「天皇陵ではない」が通説で、そのため所在地名から「大山古墳」「大仙古墳」と呼ぶことがむしろ多くなっています。また、仁徳天皇の実在性自体に疑問があります。

*4:というかつくる会はそう言う趣旨のことを言っていると思いますが

*5:勿論実際の所どうなのかは現時点では分かりませんが。

*6:著書『消された信仰:「最後のかくれキリシタン」長崎・生月島の人々』(2018年、小学館

*7:セガサミーパチスロ機メーカー)はカジノ参入を狙ってるといわれてるので、そんな企業の幹部を来賓に呼んだことも「カジノ利権で癒着してるのか?」と疑念を生む不適切行為でしょう。

*8:著書『問題解決の心理学』(1985年、中公新書 )、『心と脳:認知科学入門』(2011年、岩波新書)など

*9:著書『英詩のわかり方』(2007年、研究社)、『英語文章読本』(2010年、研究社)、『英語的思考を読む:英語文章読本II』(2014年、研究社)、『善意と悪意の英文学史』(2015年、東京大学出版会)、『史上最悪の英語政策』(2017年、ひつじ書房)など

*10:憲法云々言うのは立憲民主党共産党などに対する「違憲行為(?)を容認して何が立憲主義か」という因縁付けという意味合いもあるのでしょう。